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ふたたび碓氷峠鉄道文化むらへ。(下)

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1999(平成11)年4月に碓氷峠鉄道文化むらがオープンしてからもうすぐ8年が経とうとしていますが、累計入園者はすでに158万人を超えているそうです。開園当時は、果たしてこれだけの規模のテーマパーク系展示が立ち行くのか疑問視する声も少なからずありましたが、経営的にもずっと経常黒字をあげており、その面では日本鉄道保存協会加盟団体のなかでもお手本的存在といえるかもしれません。
▲碓氷峠の山々を黄昏が包む。10000形(EC40)を模した北陸重機製DLが今日最後の園内周遊列車を牽く。'07.2.11

ただこの好調ぶりの陰には弛みないさまざまな努力があります。その最たるものがEF63の体験運転に象徴されるオンリーワンの企画で、中長期的運営の要諦となるリピーター確保に大きな力となっています。

usuitouge23n.jpgところで信越本線横川?軽井沢間が廃止され、頭上を高速道路が跨ぐようになった今では、旅行者にとって横川は旅程の“途中”ではなく、わざわざ足を向けねばならない場所となってしまいました。あの夕張の例をあげるまでもなく、袋小路の突き当たり部への集客は実に困難です。それに抗すべく体験運転、トロッコ列車と次々と新機軸を打ち出してきた碓氷峠鉄道文化むらとしても、ここらで横軽間の「特定目的鉄道」としての“復活”に賭けたいところでしょう。
改めて申し上げるまでもなく、いわゆる“遊園地鉄道”はその線型(エンドレス、ポイント・トゥ・ポイント等)の如何に関わらず、A点からB点への移動は基本的に認められておらず、A点から乗れば必ずA点へ戻らねばなりません。これは移動すること(つまりは運輸行為)によって料金を収受するのではなく、“遊具”に乗ること自体で料金を収受するという考え方によるものです。これに対して特定目的鉄道はあくまで鉄道事業法ですから、例えば横川から軽井沢まで乗車し、そのまま長野方面に抜けることも可能となるわけです。
▲準鉄道記念物としてかつての検修庫に大切に保管されているED42 1。'07.2.11

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▲つい先日再塗装されたばかりというDD53 1。園内の展示車輌のメンテナンスもスタッフ自らの手によって行なわれているという。'07.2.11

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▲展示されているEF30 20 とEF58 172(左)。右はEF59 11から復元されたEF53 2とEF63のトップナンバー。ここ碓氷峠鉄道文化むらはこのEF63をはじめ、EF62、DD51、EF60(500)、EF70(1000)、キハ35(900)、キニ58、ナハフ11などトップナンバー車が多いことも特筆される。'07.2.11

今回この碓氷峠鉄道文化むらを再訪して改めて感じ入ったのは屋外展示車輌の状態の良さです。ほとんどの車輌がすでに展示開始以来8年の歳月を経ているにも関わらず、真新しく再塗装されたものも多く、実に気持ちよく拝見することができました。伺ったところでは限られた予算のなかですべてを外注するわけにもゆかず、職員の方たちが時間をみつけては自分たちで塗装を行っているのだとか。ちょうどDD53が塗り上がったばかりでしたが、そんな隠された努力の積み重ねがあってからこその8年間だったに違いありません。

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▲電気機関車の展示が多いなかで唯一の蒸機D51 96。滝川区で1976(昭和51)年3月付けで廃車になった機関車で、その後秩父のSLホテルとして保存されていたもの。こつこつと整備が続いており、圧縮空気で汽笛が吹鳴できるまでになっているという。'07.2.11

果たして横軽間の特定目的鉄道化は実現するのか、決して予断を許さない状況ではありますが、すでに碓氷峠の後に続こうと全国で数ヶ所が特定目的鉄道申請を待っており、その意味でも今後の動向が注目されます。

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