鉄道ホビダス

2007年1月31日アーカイブ

IMGP9295n.jpg
決してメジャーとは言えないながらも、エッチングとホワイトメタルを駆使した7㎜スケール(1:43)の気骨あるキットを出し続けている“Wright lines”(ライトラインズ)の存在を知ったのは、かれこれ15年以上前になりましょうか。当時はまだインターネットなどというものは普及していませんでしたから、情報はもっぱら英国の模型専門誌、しかもかなり偏った(?)“Narrow Gauge & Industrial Railway Modelling Review”誌などに頼らざるをえませんでした。
▲十年ほど前に初めて組んだライトラインズのハドソンボギー。車輪と軸受以外はホワイトメタルだが、細部のエッジも出ていてなかなかの仕上がり。ちなみに作例は塗装ではなく黒染めでのフィニッシュ。

IMGP9306n.jpg一度製品の現物を見てみたいものと思いながらもだいぶ時間が経ってしまいましたが、1995年秋、ロンドン近郊で開催されるエキスポ・ナローゲージに参加する機会を得、その会場で初めて同社の製品に直に触れることができました。もちろん地元イギリスの晴れ舞台とあって同社もブースを構えており、並べられた完成見本にのめり込むように見入ってしまったのを良く覚えています。“直販”だけにご主人にかなりディスカウントしてもらって幾つかのキットを購入して帰りましたが、帰国して最初に組んでみたのが今回ご紹介するイギリス鉄聯の汎用台車です。
▲ライトラインズの製品箱は結構チープな雰囲気。ただしインストラクションシートは英国ものにしては結構親切に書かれている。
クリックするとポップアップします。

IMGP9304n.jpg第一次世界大戦時、ことにヨーロッパ西部戦線では鉄道による兵站輸送が重要な役割を担っていましたが、開戦後2年ほどを経た1916(大正5)年、英国軍は前線で使用している600㎜ゲージの軌道システムをさらに拡充するため10トン汎用台車の改良を行います。この際に誕生したのが“War Department Hudson Bogie”と通称されるこの台車で、翌年までのほんの短期間に数千輌が量産されたと伝えられています。
▲ハドソンボギーのキット・パーツの全貌。スポーク車輪は鉄製で、これまたなかなか良くできている。
クリックするとポップアップします。

IMGP9294n.jpg
この台車を利用した車輌は実に多種多様です。一般的なのはクラス“D”と呼ばれる煽り戸付きの無蓋車、クラス“E”のウェルワゴン、クラス“F”のスタンションポール式無蓋車、それにクラス“H”のタンク車ですが、このほかにも視察車から傷病兵輸送車にいたるまで、考えられるあらゆる用途の車種が誕生しています。1918(大正7)年に第一次世界大戦が終結して以後、これら膨大な車輌たちは民需用として払い下げられ、ヨーロッパ各地の軽便鉄道や産業用ナローに散ってゆきました。それだけに現在でも随所に同形車の生き残りを見かけることができ、わが国の例にたとえるならば「97式軽貨車」のような存在だということができましょう。
▲サイドからみた台車。この台車上にありとあらゆる用途の上回りが載せられるわけだ。なお、ゲージは600㎜ゲージの7㎜スケール=14㎜ゲージしか用意されておらず、当世流行りのOn30(16.5㎜)には対応しない。
クリックするとポップアップします。

ライトラインズではこの汎用台車をベースとして各種のバリエーションをリリースしていますが、さすがにすべてのタイプの基礎となるだけに実に良くできています。ホワイトメタルのダレも見受けられず、軸受けには真鍮挽物の軸受が組み込まれ、“転がり”も充分に及第点です。試しに作ったこのボギーが気に入り、それからというもの、ライトラインズは今もって気になるメーカーのひとつとなっています。

レイル・マガジン

2007年1月   

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
「編集長敬白」が携帯電話でもご覧になれます。下記アドレスもしくはQRコードを読み取ってアクセスしてください。
http://rail.hobidas.com/blog/
natori/m/

ホビダス・マーケット新着MORE

  • 俺がイル
ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2018 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.