鉄道ホビダス

2006年11月25日アーカイブ

北東北を巡る。(3)

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慌ただしい北東北巡りの3日目は、早朝に青森のホテルを出て、七戸、十和田市、五戸、八戸を経て一昨日スタートした盛岡へ戻るという結構ハードな行程です。考えてみると青森県内の私鉄も、弘南鉄道黒石線(ユ98.4.1)、下北交通(ユ01.4.1)、そして南部縦貫鉄道(ユ02.8.1)と、ここ十年ほどで櫛の歯が抜けるがごとくに消えていってしまい、何とも寂しい限りです。
▲十和田観光電鉄七百の車輌区ではED30 1のスノープラウの整備が行われていた。お話によると、多少の錆や塗装ムラでも雪の飛びが悪くなるそうで、グラインダーで削って平滑度をあげたうえで仕上げ塗装をするのだそうだ。「今日はいい天気で助かるよ」と係の方は来るべき冬将軍に思いを馳せていた。'06.11.25

IMGP0385n.jpgそんななかにあって頑張っている私鉄のひとつが「とうてつ」こと十和田観光電鉄です。路線がほとんど道路と並行していて撮影ポイントが限られているせいもあってか、どうも撮影派にはいまひとつ人気の薄い路線ですが、RMライブラリーでもご紹介しているように車輌の変遷は非常に興味深いものがあり、今回のエクスカーションでも是非立ち寄ってみたい線区のひとつでした。実は十和田観光電鉄は1980年代以降足を向けたことがなく、私にとってはほとんど四半世紀ぶりの再訪となりました。それだけに“今浦島”状態で、ショックだったのは終点・十和田市駅の変貌ぶりです。巨大なショッピングセンターとバスターミナル・ビルの端っこに間借りするかのように誂えられた電車乗り場は、記憶の中にある木造建屋とはあまりに違い、まさに唖然呆然です。もっとも誌面上の写真では見知っているはずなのですが、やはり耳学問と実際に目にするのとではインパクトに雲泥の差があります。言い古されたことではありますが、やはりこの趣味にとって“現場”が一番と改めて思い知らされた次第です。
▲構内にずらりと並べられたED40 2、デハ3603、モハ3401、トラ301、トラ302の面々。こうやってみるとなかなか面白いミキストにも見える。'06.11.25

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▲南部縦貫鉄道坪川橋梁の現況。かつて撮影したカットと同じアングルで狙ってみた。この角度だと廃線には見えず、今にもレールバスが顔を出しそうな雰囲気だ。'06.11.25

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話が前後しますが、「とうてつ」を訪ねる途上、あの南部縦貫鉄道の廃線跡を垣間見てきました。廃止から4年あまり、沿線では東北新幹線青森延伸工事がまさに佳境で、1970年代からお気に入りのポイントだった盛田牧場前付近は大規模な造成工事が行われていました。もともと南部縦貫鉄道が廃止になる経緯のなかで、この新幹線ルートが少なからず影響をもたらしたのは広く知られるところですが、これまた実際に工事を目の当たりにすると時代の流転を実感します。

そんななかにあって、坪川の橋梁はまるであの日のままの姿で残されていました。さながら簡易軌道の停留場のような小さな木造待合室のついたホームは朽ち落ち、そのホームに続く築堤の踏み分け階段は早くも自然に還ろうとしていますが、それ以外は、周囲の樹木もなにも今にもあのレールバスがやってきそうな雰囲気です。
▲終点の七戸駅構内。左の庫内にはレールバスが動態で残され、ボランティアの手で時折イベントが開催されている。右端の本社社屋もまったく当時のままだが、現在は社名から「鉄道」が外れて「南部縦貫」となっている。'06.11.25

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さて、十和田をあとに次の目的地である五戸へと向かいます。五戸というと南部鉄道を思い浮かべますが、さにあらず。今回の目標は浅水地区にあるプリムス製ディーゼル機関車です。このプリムスに関しては『トワイライトゾ?ン マニュアル3』で詳しくご紹介していますが、住友セメント八戸工場の原石軌道で使われていた機関車です。前回訪れたのが1982(昭和57)年3月ですから、すでに24年の歳月が流れてしまっています。当時は2輌(2編成)保存されていたプリムス君ですが、聞くところでは1輌は八戸市の松館小学校に移設されたとか。では残されているはずの1輌はどうなっているのだろうと気にかかって訪ねてみることにしたのです。
▲旧陸奥工業桝館作業所跡(五戸市浅水・関口地区)に取り残されたプリムス編成。ススキの原に放置された状態だが、この角度から見るとまるで現役の列車のようにさえ見える。'06.11.25

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▲八戸市立松館小学校に移設保存された旧陸奥工業のもう1輌のプリムスとその編成。五戸の僚機から比べると格段に状態は良い。'06.11.25

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果たして1輌(1編成)は24年前の姿そのままに現地に残されていました。ただ、この車輌を保存していた陸奥工業はすでになく、展示されている敷地は荒れるに任せた状態です。それでは移設された方はどうなっているのかと、今度は松館小学校を訪ねてみました。旧原石軌道沿線のこの松館小学校と、新井田小学校、それに金山沢小学校の3ヶ所に加藤製DLと貨車、それにカブースの編成が保存されていたのですが、どうやら松館小学校の個体は荒廃がひどく、陸奥工業のプリムスと入れ替えられたようです。説明看板によると1995(平成11)年に移設されたようで、その際に整備されたのかかなり状態はよく見えます。この「DL形」というメーカー形式名のプリムスはアメリカ本国でも保存されている個体が少ないだけに、末長く保存されることを願いつつ、校庭をあとにしました。
▲松館小学校の編成後部。超小型の木造カブースがなんとも楽しい。'06.11.25

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