鉄道ホビダス

2006年11月14日アーカイブ

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先日、「“垣間見た”温根湯森林鉄道跡」で、“ネットで地図履歴を検索して比較的容易に旧版の地形図のコピーを手に入れられる現在…”と書いたところ、何人かの方から旧版地形図の入手方法の問い合わせをいただきました。『トワイライトゾ?ン・マニュアル』(第1巻/1992年刊)で「トワイライトゾ?ンの歩き方」として旧版地形図の閲覧・入手方法をご紹介していますが、考えてみればあれから実に14年、ご存知ない方も少なくないはずです。そこで今回は旧版地形図の入手方法を改めてご紹介してみましょう。
▲科学技術館の向かい、内堀(清水濠)に面した九段第2合同庁舎。東京法務局が入るこの建物の9階に閲覧室がある。'06.11.14

IMGP9945n.jpg地形図、ことに5万分の1地形図はかつては基本図だったこともあって(現在は2万5千分の1地形図が基本図)、戦前から改測(測量しなおし)、修正(現地再調査)、資料修正(現地調査を行なわず資料で修正)、応急修正(1948?1953年にかけて米軍資料により応急的に修正)などを繰り返されており、図幅によっては明治時代から20版を超える改版を経てきているものさえあります。まさに国土を網羅した基本図で、過去帳入りした鉄軌道もほとんどがいずれかの図幅に記載されているはずです。それだけに旧版地形図の資料性は計り知れません。ところがかつては古書市や古書店で探すしか手段がなく、今風に言えば“レアもの”以外の何者でもありませんでした。その後、国土地理院の閲覧室でマイクロフィルムを閲覧してコピーを入手できるようになりましたが、これとて膨大な量のマイクロフィルムの中からお目当ての図幅を見つけ出すのはそれこそひと苦労でした。
▲エレベータを降りるとすぐに「測量成果閲覧室」の案内が目に入る。私たちのような地形図目的の利用者ばかりでなく、各種測量成果を閲覧にくる不動産関係の方や、航空写真が目的の人も多い。'06.11.14

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ところが現在は急速にコンピュータ化が進み、実に効率的に旧版地形図を検索・閲覧できるようになりました。まずは国土地理院のホームページにアクセスし、「地図・航空写真」をクリック、次画面で「図歴」をクリックすると、全国の20万分の1地勢図、5万分の1、2万5千分の1地形図をプロットした日本地図が現れます。検索したいエリアをさらにクリックすると、これまでに発行された図歴が表となって表示されます。残念ながら個人のPC上からのアクセスはここまでで、画像として地形図そのものを閲覧することはできませんが、修正履歴を見ながら“あたり”をつけるには充分で、「リスト番号」も控えておけばコピーの入手も楽です。
▲東京近郊の地形図図歴検索画面。この画面から検索したいエリアをクリックすると下の図歴リスト画面にとぶ。
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さて、肝心の旧版地形図のコピー(正確には旧版地図の謄本)の入手方法ですが、交付窓口は国土地理院本院(茨城県つくば市)と関東地方測量部(東京都千代田区)の2箇所です。各地方測量部でも管内の旧版地図の閲覧はできますが、コピーはできず、なおかつ全国のすべての地勢図・地形図が閲覧・コピーできるのは上記の2箇所となります。ただし、東京の関東地方測量部ではカラーのコピーはできず、すべてモノクロ出力となりますので、どうしてもカラー出力を入手したい場合はつくばの本院にまで出向かねばなりません。実際に地図を閲覧せずとも交付を受けたいという場合は、所管する国土交通省オンライン申請システムから申し込み、郵送で交付を受ける方法もあります。

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▲5万分の1地形図(東京東北部)と2万5千分の1地形図(東京首部)の図歴リスト。5万図にいたっては27版にわたって改版が重ねられていることがわかる。
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▲これが測量成果謄本交付申請書。裏面(画面右)に図名・リスト番号等を記入して窓口に提出する。必ず収入印紙が必要となる点が注意。郵送もしてくれる。
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関東地方測量部調査課成果係(閲覧室)は地下鉄九段下の駅からほど近い九段第2合同庁舎9階にあります。閲覧室に入るとパソコンがずらりと並んでおり、さきほどの手順と同様に旧版地図を検索することになりますが、ここのPCでは最終画面の図歴の「リスト番号」をクリックすると実際の旧図がモニター上に表示されます。もちろん拡大も自在にできますから、事前に“あたり”をつけた図幅を画面で実際に確認することが可能です。あとは備え付けの「測量成果の謄本交付申請書」に希望するリスト番号・図幅名等を記入して受付窓口に提出するだけです。料金は新1万分の1図を除いて1枚500円。現金での支払いはできませんので、地下1階のコンビニで収入印紙を購入して提出します。枚数が十枚程度であればほとんど待ち時間もなく入手することができますし、別途郵送料を払って後日郵送してもらうことも可能です。

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▲地理調査所1:50000地形図「沼宮内」(昭和33年8月30日発行)に見る奥中山十三本木峠へのアプローチ。旧版地形図は地図記号自体も現在より種別分けが多く、生垣・竹垣まで描き分けられているので見ているだけでも楽しい。
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いや、何とも便利になったもので、閲覧室の職員の皆さんも実に親切で気持ちよく検索・閲覧ができます。かつて大手町の合同庁舎にあった頃は、なかなかとっつきにくい雰囲気で、なおかつ窓口受け取りか郵送かを記入する欄に「出頭/郵送」とあったのに面食らった覚えがあります。何も悪いことしてないのに“出頭”しなけれればならないのか…と悲しくなったのも今は昔、この旧版地図閲覧・コピー、皆さんも是非ご活用ください。
なお、現行の全国の2万5千分の1地形図は、国土地理院が試験公開している地図閲覧サービス「ウォッちず」でどなたでもネット上での閲覧が可能です。

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