鉄道ホビダス

2006年11月 7日アーカイブ

“ライカM8”の衝撃。

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普段は携帯電話でのやりとりが中心で、めったに直接自宅には電話をかけてこられない広田尚敬さんから自宅に電話をいただいたのは9月下旬のことでした。すわ、なにごと…と思って受話器をとると、いつになく興奮した様子の広田さん、開口一番「ついにM8が出たよ! デジタルだよ」と矢継ぎ早におっしゃられます。そう言われて気づいたのは、9月26日からドイツはケルンのメッセ会場で世界最大のカメラショー「フォトキナ」が始まっていたのです。2年に一度のこの大イベントを目指して全世界のカメラメーカーは次世代機を発表するのですが、あのライカからは伝統のMシリーズのデジタル機がリリースされたというのです。
▲見慣れた“M”のボディーに“M8”のロゴが輝く。M3誕生から52年、ついに伝統のライカも本格的デジタル時代へ突入した。

それから一ヶ月ほど経って、今度は会社に電話をくれた広田さん、「いま渋谷だけど、実はあの“M8”の試写をしているんだ。都立大(弊社最寄り駅)まで行ってあげるからちょっと見に出てこない」。まさかこんなに早く実物を拝めるとは…いちもにもなくはせ参じたのは言うまでもありません。

m8n2.jpg果たして広田さんから手渡されたのは、まだ日本国内には数台のデモ機しかないという超レアなライカM8。外観は頑ななまでに従来のMシリーズを踏襲しているものの、巻き上げレバーや巻き戻しクランクがないのがちょっと異様です。裏に回ってみるとそこには2.5型23万画素の液晶モニターが…。この瞬間、いやぁ、ついにデジタルか、との思いがこみ上げてきました。実際に手に取ってみた感覚は「あれっ、大きい!」。M3やM2に慣れた手には違和感のある大きさですが、後になって調べてみると前モデルのM7とはほぼ同寸とのこと。数値で比較してもオリジナルのM3の138×77×33.5ミリ(595g)に対して139×80×37ミリ(545g)と全高で3ミリ、全幅で3.5ミリほどしか違いません。人間の感覚とは実に微妙なものだと改めて思い知った次第です。
▲一見従来の銀塩Mシリーズと変わらないように見えるが、軍艦部はかなり嵩高な印象。メインボディーはマグネシウム合金ながらトップカバーと底蓋は伝統的な真鍮製。

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▲当然ながら背面には液晶モニターが埋め込まれているが、なぜか底蓋はヒンジで開ける超アナログ方式なのが面白い。SDカードもこの底蓋を開けて取り出す。

ファインダー倍率は0.68倍。伝説のM3のファインダーがほぼ等倍(0.93倍)だったことを思うとかなりの差ですが、これは広角の視野枠、さらには私のような眼鏡使用者の便を考慮するとやむをえないのかもしれません。それよりもちょっと残念だったのはファインダーの明快さが期待したほどではなかった点。以前このブログでもお話したように、ファインダーの明るさは写真を撮るモチベーションを大きく左右するだけに、かつてのあの吸い付くようなクリアな視界は是非とも再現していただきたいものです。ちなみにレンジファインダーの有効基線長は47.1ミリ。M3の62.3ミリとはこちらもかなり差があります。

m8n5.jpg注目の画面サイズは18×27ミリのAPSサイズ。24×36ミリという35ミリ判(ライカ判)の生みの親であるライカが,フルサイズCCD、つまりは“ライカ判”を採用しなかったのはちょっと驚きです。これは、さすがにM型のボディーサイズに破綻なくフルサイズCCDを組み込むのが無理だったからだそうです。搭載されている撮像素子は、コダック社がライカM用に開発した有効1030万画素(最大3936×2630)で、基本感度がISO100でなくISO160というのも特筆されます。
もうひとつ驚きなのがシャッター機構です。なんとバルナック型以来の布幕ヨコ走り式をやめ、電子制御の金属幕タテ走り式を採用しています。1/8000という今日的スペックを実現させるため…とはいえ、かつて金属幕タテ走り式は宿敵コンタックスの十八番。シャカァーン…という金属的なシャッター音を聞くと、正直言って違和感は隠しきれませんでした。
ちなみにこのライカM8、今月下旬の発売予定で、価格はボディーのみで57万7500円とアナウンスされています。
▲新シリーズが出るたびにひとくさり垂れたくなるのがライカファン。とはいうものの、まだ国内には数台と言われる“M8”に思わず顔がほころぶ。P:広田尚敬

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