鉄道ホビダス

2006年10月25日アーカイブ

nc1n.jpg先週木曜日、JR東日本が開発した世界初の燃料電池ハイブリッド車輌の走行シーンがプレス公開されましたので、今日はその様子をお伝えしてみましょう。9月30日の本ブログでは、財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)が開発した燃料電池試験電車クヤR291の試験走行をお伝えしており、私も含めてこの手のハイテクに弱い面々にとってはどうも混同してしまいがちですが、鉄道総研のクヤR291は燃料電池のみで走行する電車としては世界初、今回JR東日本が開発したのは燃料電池を用いた“ハイブリッド”車輌で世界初ということだそうです。
▲東急車輛製造横浜製作所内を軽快に走行するne@train。来年4月以降、本線上での試験も予定されている。'06.10.19 東急車輛製造横浜製作所 P:RM(高橋一嘉)

nc3nn.jpgさて、今回の試験車輌、2003年から発電用内燃機関+蓄電池によるハイブリッドシステムの開発に使用してきた“ne@train”の試験を第2ステップに移行、燃料電池+蓄電池によるハイブリッド車輌に改造したものです。
“ne@train”は、屋根上の蓄電池(リチウムイオンバッテリー)に貯めた電力によって、通常の電車と同じくモーターを回転させて走行、ブレーキ時の回生電力を蓄電池に回収するシステムですが、従来の第1ステップの試験では、発電用として床下にディーゼルエンジン+発電機+軽油タンクを搭載していました(第1ステップで開発された技術は2007年夏頃小海線に投入される営業車輌キハE200に反映予定)。
これに対し今回の第2ステップの試験では、ディーゼルエンジン+発電機+軽油タンクを、燃料電池+水素タンクに置き換えているのが特徴です。燃料電池は石油のような化石燃料を必要とせず、水素と酸素の化学反応によって発電するもので、排出ガスが発生しないクリーンな動力源として注目されているのはご存知の通り。今回の“ne@train”は、鉄道車輌としては世界で初めて燃料電池とリチウムイオンバッテリーと組み合わせたハイブリッドシステムを実現し、7月から神奈川県横浜市の東急車輛製造横浜製作所構内での試験を繰り返しています。
▲運転台右側のモニタには燃料電池ハイブリッドシステムの管理制御用の表示がなされる。'06.10.19 東急車輛製造横浜製作所 P:RM(高橋一嘉)

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▲ハイブリッドシステムのエネルギー管理制御概念図(左)とディーゼルハイブリッドから燃料電池ハイブリッドへの転換概念図(右)。
それぞれクリックするとポップアップします。

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▲世界初の燃料電池ハイブリッド車輌に生まれ変わったne@train。ただし車体外観には大きな変化はない。'06.10.19 東急車輛製造横浜製作所 P:RM(高橋一嘉)

JR東日本ではこの試験で燃料電池の性能、環境負荷低減効果、水素供給方式などの各種実験を行い、将来の燃料電池技術の発展進化にも対応できるように、燃料電池を用いた車輌システム技術の開発を進めるとしており、2007年4月以降、営業線での試験走行を開始する予定だそうです。
ちなみに、“ne@train”第1ステップでの試験走行時には内燃機関を搭載することからキヤE991という形式が付与されていましたが、第2ステップでは内燃機関を取り外したため形式標記は一旦消去されています。本線での試験走行時にはどのような形式が付与されるのか、今からちょっと楽しみではあります。

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▲燃料電池は65kWのものが2基、床下に搭載される(左)。右は燃料電池と並んで搭載される水素タンク。'06.10.19 東急車輛製造横浜製作所 P:RM(高橋一嘉)

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