鉄道ホビダス

2006年10月24日アーカイブ

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さて肝心の「全国鉄橋サミット」ですが、初日の21日(土)は青木栄一先生の基調講演、そして全国から集まった4首長によるパネルディスカッション、翌22日(日)は土木工学の集いと題して橋梁の工学的見地からの講演が組まれていました。
▲11時25分、短いタイフォンとともに9601D「急行あまるべ」が高度41mの橋梁上に姿を現した。やはり国鉄急行色はこの巨大なトレッスル橋にとてもよく似合う。'06.10.21

IMGP9363n.jpg実は春先から、JR福知山支社とのコラボレーションで何かスペシャルなイベント列車を走らせようという計画はあったのですが、紆余曲折の末に実現したのが、国鉄急行色のキハ58系4連による「急行あまるべ」でした。ところが悪いことに、この特別列車の運転時間帯がぴったりと初日の基調講演+パネルディスカッションとバッティング! 町側とJRとの調整に齟齬があったのかもしれませんが、焦ったのはサミットを取り仕切る町の企画課です。このままではせっかく遠路来てくれたお客さんもみんな「急行あまるべ」の撮影の方に出払ってしまい、サミットは閑古鳥ではないのか…正直、なにかとアドバイスをさせていただいてきた私もこれにはまいりました。
▲普段は静かな香住区中央公民館もこの日ばかりは朝から華やいだ雰囲気に包まれた。'06.10.21

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ところがいざ開幕してみるとサミット会場となった中央公民館には次々とお客さんが押し寄せ、なかには観光パックツアーに組み込まれたのか、観光バスで乗り付ける団体もいて、最終的には500人ほどの参加者となりました。もちろんレイルファンらしき人たちも少なくないのですが、現地の鉄橋で三脚を立てている撮影派の人たちとは“出で立ち”がまったく異なる点が実に興味深く感じられました。
▲全国の特徴的な鉄橋をもつまちの首長会談。中央左から福島県三島町長、東京都青梅市長、熊本県南阿蘇村収入役、地元香美町長。左端はコーディネーターの神戸学院大学上羽客員教授。'06.10.21

IMGP9424n.jpgさて「日本の鉄道と橋」と題した青木栄一先生の基調講演は、さすがにわが国の鉄道史研究の第一人者のおひとりだけあって、実にわかりやすく、ぐいぐいと引き込まれる面白さでした。ことに鉄道橋以前の日本に“永久橋”の概念が存在しなかったことや、江戸幕府が防衛のために橋の建設を禁止したという教科書的通説は間違いであることなどは、課外授業で参加していると思しき地元の中学生たちも熱心にメモをとっていました。
▲「日本の鉄道と橋」と題した青木栄一先生の基調講演。'06.10.21

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▲会場には豊岡鉄道部で大事に保管されてきた橋梁の設計図面や、建設途中を写した写真乾板なども展示された。右は日本ペイントの協力展示。手前の塗料缶は女工さんによって手作りされた応急品だそうだ。'06.10.21

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▲夏のJAMコンベンションでも大好評だった福田将夫さんの夏景色と冬景色リバーシブルのNゲージレイアウトは来場者に大人気。右は地元の小学生が全員で描いた巨大な鉄橋の絵。'06.10.21

引き続いて行われた全国の特徴的な鉄橋をもつまちの首長によるパネルディスカッションもなかなか興味深いものでした。参加したのは只見川第一、第二、第三橋梁を擁する福島県三島町の斉藤茂樹町長、余部と同一構造のトレッスル橋である青梅線軍畑橋梁のある東京都青梅市の竹内俊夫市長、南阿蘇鉄道の立野橋梁と第一白川橋梁を擁する熊本県南阿蘇村の浅尾守光収入役、それに地元・香美町の藤原久嗣町長の4名。
真岡鐵道から借り入れた蒸気機関車をJRの協力を得て定期的運行を実現している三島町の斉藤町長は自らも大の写真ファン。JRの車輌でない車輌を借りてJR線内で走らせてもらういわば“3者跨り”の苦労を語られるとともに、橋梁撮影ポイントのさらなる整備など、「只見川を渡る蒸気機関車」をより一層アピールしたいとおっしゃっておられました。ちなみにパワーポイントで映写された各橋梁の写真も全部ご自身で撮られたものだそうで、ちょっと驚きです。
続いて登場した青梅市の竹内市長は、軍畑橋梁(奥沢橋梁)の近代化遺産としての今後の活用と、現在直面している鉄道博物館開館による青梅鉄道公園への影響を懸念されておられました。
南阿蘇村は今村町長が急遽予定がつかなくなって浅尾収入役の登板。今回集まった4市町村のなかで唯一JR以外の第3セクターだけに、橋梁上での列車の一旦停止などかなり自由度があり、他の首長さんたちが羨ましがることしきり。現在はJR北海道が開発中のDMV(デュアル・モード・ビークル)を導入すべく準備中だそうです。

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▲急行色のキハ58系4連は浜坂~香住間を「快速あまるべ」として2往復。撮影組はポジションを変えつつ急行色+余部橋梁を堪能した。'06.10.21 P:RM(山下修司)

翌日の「鉄橋工学の集い」も実に深い内容で、この「全国鉄橋サミット」成功裏に幕を閉じました。ちなみに明日(25日)16時20分ころから5分ほど、NHKラジオ第一放送“ビュッフェ131”でこのサミットのお話をいたします。ゲストのかの香織さんと私の生放送トークですので是非お聞きください。

動画「急行あまるべ」の走る日

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