鉄道ホビダス

2006年10月13日アーカイブ

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新宿副都心のペンタックスフォーラムで今日から始まった番匠克久(ばんしょう かつひさ)さんの写真展「汽憶」を拝見してきました。番匠さんは北海道にお住まいで、ネーチャーフォトの経験を活かして鉄道写真に取り組んでおられます。本誌はもとより、『鉄道写真2004』の“16 Artists”にも選ばれて、その際は釧路湿原の朝霧をモチーフにした鮮烈な作品を発表されていますので、ご記憶の方も少なくないはずです。
▲新宿三井ビル一階のペンタックスフォーラムは都内でも屈指の集客力を誇るギャラリー。会場には40点あまりの作品が展示されている。

bannsyousansakuhin1.jpg今回の写真展は早朝、黄昏、夜、さらには霧、雪、星…と、自然現象の中に北の大地の鉄道の息吹を捉えようというネーチャーフォト出身の番匠さんならではの視点が実を結んだもので、一枚一枚の作品を丹念に見てゆくと、その計り知れない努力に圧倒される思いです。たとえば根室本線武佐(むさ)駅を始発のキハ54がエキゾーストを黄金色に輝かせて発車してゆく一枚。その時間、その場に居合わせれば誰でも撮れる写真かというととんでもありません。ご本人に伺ったところでは、始発列車の時刻、日の出のタイミングなどからこの作品をモノにできるのは一年のうちわずか一週間ほど、しかも晴れて気温が零下20℃ほどに冷え込まねばならず、一年待ってもワンチャンスあるかないかだそうです。
▲「時間たたずむ」とタイトルの付けられた薄暮の釧網本線釧路湿原駅(デジタル画像)。それぞれの作品に添えられた一言のタイトルも秀逸。

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「記憶に残るような汽車の走る風景には、空気感や季節の移ろい、時の経過や音の響きなどに加え、人の気配とその物語があります」とご本人は書かれていますが、どの作品も愛着を持ってじっくりと撮られたものであることがひしひしと伝わり、ファンのみならず会場を訪れた一般のギャラリーの方からも賞賛の声が聞かれたのも印象的でした。
▲「夜旅のゆくえ」(左)は釧網本線南弟子屈駅での撮影(銀塩フィルム)。右は夜明け前の茅沼駅を捉えた作品(銀塩フィルム)。

bannsyousanhonnninn.jpg休日のみならず、出勤前、退社後と時間をやりくりして地元・道東の鉄道の撮影に取り組んでこられた番匠さんですが、一年ほど前に札幌に転勤され、慣れ親しんだ釧網本線や根室本線とは少々距離ができてしまいました。今後は…と伺うと、さすがに出勤前に撮影することはできませんが、富良野線や日高本線、身近なところでは札沼線にも引き付けられる撮影地はいっぱいあります。それに人気の石北本線にも意外と手軽に行けるんですよ…と、すでに次の作品創りに意欲を燃やしているようでした。
▲出来たての写真集を手にした番匠さん。この土日は会場におられるそうなので、ぜひお声掛けを。

bannsyousanhon2.jpgところで、この写真展に合わせて写真集『汽憶』も発売となっています。B5変形横判オールカラー72ページのこの写真集には、会場に展示されている全作品のほかにも十数点の作品が収録されています。“ただきれいなだけでない味わい深い作品集が作れたら”と、2年前から“ローカル線の汽車旅を味わうように時間をかけ”て練り上げたという一冊だけに、構成、印刷ともにハイレベルなものに仕上がっています。定価は1995円。会場での販売はもとより、全国の大手書店でも購入できるそうです。
▲写真展に合わせて完成した写真集『汽憶』。写真展に展示されている全作品と、さらに十数枚の作品が収録されている。

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この番匠克久さんの写真展「汽憶」は来週26日(木曜日)まで。この土日はご本人も会場におられるそうですので、鉄道写真を志す多くの方にぜひご覧になっていただきたいと思います。

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