鉄道ホビダス

2006年10月 9日アーカイブ

本物の「加藤くん」登場。

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10月21日・22日の土日に、東京・武蔵村山市の「羽村山口軽便鉄道」跡地で、加藤製作所製の小型ディーゼル機関車が一般公開されるそうです。「加藤くん」の愛称で多くのナローファン、ことにナローゲージモデラーから根強い人気を博す加藤製作所製小型DLですが、いざとなると実物を目にする機会はほとんどないはず。それだけにちょっと注目のイベントといえそうです。
▲本誌「トワイライトゾ?ン」の公開運転会でお披露目された際の「加藤くん」。フルレストレーションを施されての晴れ姿。'94.11.26

kst4t2013n.jpgこの公開、武蔵村山市主催による地元を走った「羽村山口軽便鉄道」の遺構をめぐるウォーキングイベントの一環で、聞けばウォーキングイベントそのものは数年前から同時期に開催されているそうですが、車輌の展示が行われるのは今回が初めてです。
 「羽村山口軽便鉄道」は東京都(当時は東京市)水道局が山口貯水池(狭山湖)築造に際して、多摩川の羽村取水場付近から堰堤構築用の砂利を運搬するために建設した2フィート軌間の公設軽便線で、1929(昭和4)年に羽村から現在の西武球場付近まで12.6kmが開通、以後24時間態勢で1933(昭和8)年の山口貯水池完成まで運転されました。側線延長30km、使用された機関車28輌、ナベトロ実に450輌という圧倒的な規模は、文句なく東京最大の軽便線だったといえます。この辺の詳細に関しては『トワイライトゾ?ン・マニュアル 2』所収の「トトロの森の大軽便鉄道 ?東京最大!羽村山口軽便鉄道の発掘?」に詳しいのですが、この軽便線の存在そのものが地元を含めて広く知られるようになったのは、この記事の影響が少なくなく、その意味でも小誌としては浅からぬ縁を感じています。
▲「加藤くん」一族の中でも小型の部類に属するとはいえ、実際に4t機はこんなに小さい。羽村山口軽便線でもひと回り大きい自重4.5tの加藤が使用された記録がある。'94.11.26

kst4t1010n.jpg羽村の多摩川河岸を出た軽便線は青梅線をオーバークロスし、ほぼ一直線に武蔵村山市を目指します。途中八高線をアンダーパス、4カ所ほどの交換所と残掘採石工場を経て「横田」に至った軽便線は、いよいよここから狭山丘陵の奥深くへと分け入ってゆきます。下に掲げたイベントのフライヤーを拡大してみるとお分かりになるように、現在でも「横田」「赤堀」「御岳」「赤坂」と連続する4つの軌道跡トンネルが通行可能で、今回のウォーキングイベントでもこれらのトンネルがコースに組み込まれています。
 ちなみに余談ではありますが、現在の米軍「横田基地」の「横田」はこの武蔵村山の横田に由来するものです。戦後接収した米軍から地名を尋ねられた人が、防空司令部の置かれていた「横田」の名前を伝えてしまったことから、実際にはかなり距離のある「横田」が基地名となってしまったのだそうです。
▲わずかな距離ながら、12年前の公開運転会では元気に走る姿が見られた。ちなみに運転しているのは私。'94.11.26

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この羽村山口軽便線、戦時中の1943(昭和18)年頃に堰堤嵩上げ工事のため一時復活したものの、その後は地元の皆さんからも顧みられることなく忘れ去られていました。行政区域内に鉄道のない武蔵村山市は、かつて郷土に存在したこの鉄道に着目、『トワイライトゾ?ン・マニュアル 2』をきっかけに、郷土資料館での企画展など、これまでにも羽村山口軽便鉄道を回顧するさまざまなイベントを行ってきています。
▲神奈川臨海鉄道塩浜機関区に隣接する森工業さんの構内をお借りしての公開運転会は大盛況だった。模型ならともかく、ほとんどの参加者が実物の「加藤くん」を目にするのは初めて。'94.11.26

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▲変速機と逆転機、スロットルとブレーキレバー、それにイグニッションとディコンプ程度しかないシンプルな運転台。右は今回も同時に公開される「ナベトロ」。'94.11.26

さて、今回展示されるのは加藤製作所製4tディーゼル機関車といわゆる“ナベトロ”1輌。機関車はかれこれ12年ほどまえに小誌主催で公開運転会も行ったもので、ひさしぶりのお披露目となります。ナローゲージの「加藤くん」としても小型の部類で、その大きさは全長3m×全幅1.2mほど。まさに軽自動車程度で、実際に目にしてみると、えっ、こんなに小さいの!と驚くことうけあいです。
 残念ながら当日私は余部の「鉄橋サミット」のため伺えませんが、秋の一日、「加藤くん」に会いにお出でになってみては如何でしょうか。

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▲武蔵村山市商工会主催の「ウォーキングイベント」のフライヤー。羽村山口軽便線の廃線跡ウォークは21日(土)のみだが、車輌の展示は22日(日)も行われる。
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