鉄道ホビダス

余部鉄橋見聞録。動画付き

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かねてよりご案内している余部橋梁架け替えにともなう「鉄橋サミット」の開催がいよいよ一ヶ月後に迫ってまいりました。B全判のポスターも刷りあがり、地元・香美町では一大イベントに向けてますます士気が上がってきているようです。そんななか、今日はいささか旧聞とはなってしまいましたが、8月25日~27日にかけて行われた香美町主催のイベント「余部鉄橋の雄姿を撮る」を取材した編集部・山下修司君の一風変わった体験記をお届けしましょう。
▲見事にライトアップされた大橋梁を列車が通過してゆく。まさに夏の夜の夢…。'06.8.25 P:山下修司

kyouryouyakei2.jpg8月25日、今日は2回目の余部鉄橋ライトアップ。鉄橋を見上げる河口付近と港の向こうの防波堤には、カメラの露出のセッティングを見るためのペンライトがうごめいて、まるで演歌歌手のコンサートのようです。携帯を開いてメールを打つ者がいるので、その小さな光に交じって青白い顔が不気味に浮かび上がります。なにしろ、ライトアップした鉄橋は動かないし、当節デジカメが主流だから確認しつつ写真が撮れるから、一発勝負で列車を撮るのと違って、ある面、皆、気楽なモンです。だから、撮影地は喧しい。レイルファン半分、周辺の写真好きが半分といったところで、フラッシュを焚く向きもちらほら。うまく写ったかな。
▲90年あまりにわたって山陰本線を支え続けた橋脚が夜空に浮かび上がる。'06.8.25 P:山下修司

kamityoukikakuka1.jpg「こんなギザギザがファインダーに出たんじゃが、どういう意味なんじゃろか」
「あのー、それはフラッシュを焚きますという印です」
「そうか、暗いからのぅ」
「でも、ここでフラッシュ焚いても鉄橋まで届きませんが」
「どおりで防波堤しか写らんはずじゃ」
「ですから、こうしてみんな三脚をつかって30秒ぐらいシャッターを開けっぱなしにして写しているんです」
「手持ちじゃ無理かのぅ」
「はい、あいにく」
「すんませんがのぅ、住所を教えるから、写真送ってもらえんかのぅ」
そんな気楽な面々とは打って変わった緊張感を漂わせているのが、主催する香美町の職員の皆さん。見物客のほとんどが車で、しかも小さな集落のこと、これだけ集中すれば駐車スペースから溢れてしまいます。日ごろは穏やかな春の日本海のごとくざぶーんざぶーんというテンポで、大人(たいじん)のごとき風格をそなえている藤原博文さん(企画課鉄橋担当)も、このときばかりは安全確保のために眉を吊り上げて車の誘導に奮闘しています。
▲広田さんとトークショーの最終打ち合わせに余念がない香美町企画課の藤原さん(右)。'06.8.26 P:山下修司

kamityoukikakuka2.jpg明日もライトアップが行われますが、聞けば今日設置したライト、発電機、コードはすぐに撤収、明日は明日でまた新規に設置するといいます。
「道具はボランティアからの借り物ですけーの、万一盗難にでも会うたら、さっぱりワヤじゃけー」
暑い中、ご苦労なことです。車の誘導をするガードマンもボランティアらしく、昼間の現場終了後、駆けつけてきたと言います。「おにぎりが出るから晩メシがわりでええですヮ」と汗を拭き拭き誘導灯を振っていました。
▲本誌で「余部通信 ~橋に魅せられて~」を連載中の服部敏明さん(左)と広田さんのトークでイベント会場は大いに盛り上がった。'06.8.26 P:山下修司

ぼくは、撮影を早々に切り上げて、まずは生ビールでイベントの成功を祈りたいところですが、お供をしている写真家の広田尚敬さんが、なかなか帰ってきません。最初は、「まあ15分ほどで切り上げて…」などとおっしゃっていたものの、そこは写真家、いい被写体を目の当たりのするとムラムラと写欲が湧いてきたに違いありません。ずいぶんたってから帰ってきた広田さんにどこでお撮りになっていたのか伺うと、餘部駅の方を指差されました。河口付近で撮っていたぼくとは正反対です。闇に散らばった一行が揃ったところで、自動車はやっとビールに向かって走り出します。車内でデジカメのモニターを見ると駅の方のライトが2灯、ナトリウム灯であることに気がつきました。なるほど、これだったのか。現場に立った広田さんは瞬時に判断してナトリウム灯を見極め、そちらに向かったのです。一流写真家の鋭い目に、いまさらながら唸らされました。 (山下記)

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「鉄橋サミット」に合わせ、10月21日(土曜日)にはJR西日本福知山支社のはからいで、国鉄色キハ58・28の4連による「急行あまるべ」(姫路~浜坂間)も運転される予定です。秋の一日、大鉄橋の見納めに訪ねてみられては如何でしょうか。
▲香美町営国民宿舎「ファミリーイン今子浦」からのぞむ日本海の夕陽はまさに絶景! これから本格的な松葉ガニのシーズンがやってくる。'06.8.25 P:山下修司

※動画「余部橋梁は今」は下記をクリック。

動画「余部橋梁は今」

※上をクリックすると動画がご覧になれます。音声付ですので周囲の状況をあらかじめお確かめください。なお、Macでは再生できない場合がございます。
●ハンディカムでの手持ち撮影のため多少お見苦しい点はご容赦ください。

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