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2006年9月28日アーカイブ

阪神1000系誕生!

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阪神電気鉄道の近畿日本鉄道相互直通運転用新型車輌「1000系」が完成、このたびメーカーの近畿車輌構内で取材することができましたので、今日はさっそくこの1000系車輌をご紹介してみようと思います。
▲MC(1501)を先頭とした増結用2輌編成。パンタグラフはシングルアーム式を搭載しているが、従来の下枠交差式も搭載可能な車体構造とされている。'06.9.16 近畿車輌 P:RM(新井 正)

hanshin1000g.jpg阪神は2009(平成21)年春に、西大阪線西九条と近鉄難波間3.4km(営業キロ3.8km)を結ぶ「西大阪延伸線」を開業する予定です。この西大阪延伸線は西大阪高速鉄道株式会社を第三種鉄道事業者(建設主体)、阪神電気鉄道を第二種鉄道事業者(運営主体)として開業するもので、これによって最長で阪神三宮?近鉄奈良間65.2kmの相互直通運転が実施されることとなります。
▲正面乗務員室部は鋼製ながらベースはステンレス近似色に塗装されている。'06.9.16 近畿車輌 P:RM(新井 正)

1000系はこの相互直通運転開始をふまえ、なおかつ昨年開業100周年を迎えた同社が、次の新しい100年へのスタートという節目に最初に開発する車輌という意味から、従来9300系(2001?2002年)まで重ねてきた車系番号をリセットして「1」から再スタート、あえて「1000系」と命名されています。

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新造輌数は10輌。在来の急行系車輌と同じ6輌編成(TC1+M1+M2+T+M3+TC2)を基本編成とし、ラッシュ時に対応した増結用の2輌編成2本(TC+MC)が用意され、最大10輌編成が組成できるようになります。基本の6輌編成のMT比が従来(8000?9300系)の4M2Tから3M3Tに変更されている点も注目されます。
▲床面高さ1130㎜と5500系以降採用されている低床でホームとの段差を縮小した客室内。各車に車いすスペースが設けられている。'06.9.16 近畿車輌 P:RM(新井 正)

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▲モニタ装置が設けられた運転台(左)。阪神線区と近鉄線区の運転保安装置等を一括して切り替えられる線区切り替えスイッチ(右)。'06.9.16 近畿車輌 P:RM(新井 正)
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▲客室蛍光灯はグローブレスタイプが採用されている(左)。側出入口鴨居部に設置された扉開閉予告灯(右)。'06.9.16 近畿車輌 P:RM(新井 正)

溶接跡をなるべく目立たないようにスポット溶接ではなく仕上がりの美しいレーザー溶接を採用したステンレス構体は、現在の急行系車輌のベーシックカラーを引き継いだ「オレンジ系の新色」を車体前面(鋼製)と側面に配しています。また車体正面にはフルカラーLED式の種別表示器、白色LED式行先表示器を、車体側面には行先・種別一体型の表示器を採用し、こちらも種別表示部分はフルカラー LED、行先表示部分は白色LEDとすることによって視認性を向上させています。客室内も車いすスペースを全車輌に設置し、扉開閉予告灯・予告ブザーを新規に設置するなどホスピタリティーの向上が図られています。
注目のこの1000系、10月上旬には尼崎車庫に搬入され、試運転や乗務員訓練ののち今年度中には営業運転に投入される予定だそうです。

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クリックするとポップアップします。(阪神電気鉄道提供)

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すっかりデジタルに席捲され、このところとんと明るい話のない“銀塩フィルム”の世界ですが、今日はひさびさにちょっと注目の話題をお伝えしたいと思います。というのも、この4月に発売されて好評を博している富士写真フイルムの次世代カラーリバーサルフィルム“フジクローム「PROVIA400X」プロフェッショナル”のブローニー判が10月上旬に発売となるのです。
▲JAMコンベンションの道すがら立ち寄った大阪の交通科学博物館にて。ポケットに入る6×9判として愛用している半世紀前のベッサ(改)で建屋の中のC62たちを狙う。もちろん手持ちだが、ISO400はこんな時も実に心強い。ウェッブ上では伝えられないが、煙室扉のグラデなどとてもISO400とは思えない粒状性だ。'06.8.13 交通科学博物館(BessaⅠ(改)Colorskopar 105mm F3.5 1/100 f11 RXP)

400x.jpg“フジクローム「PROVIA400X」プロフェッショナル”=RXPは、新開発の「エピタキシャルシグマ粒子技術」により、ISO400のリバーサルフィルムでは世界最高レベルの粒状性と色相忠実性を実現した銀塩界(?)ひさびさの期待の新星です。「エピタキシャルシグマ粒子技術」とは、シグマ粒子の頂点に組成の異なる微粒子を結合させる新技術で、これによって乳剤粒子を極限まで微粒子化しても高感度を実現できた…のだそうですが、こちらは難しくてよくわかりません。いずれにせよ、「高感度ISO400でISO100クラスの鮮やかな色再現と高画質を実現」とキャッチコピーにあるように、私たちの鉄道写真にとっては実にありがたいポテンシャルを持ったフィルムです。
▲結構派手なパッケージデザイン。期待のブローニー判も間もなく発売となる。

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注目の粒状性は、近年よく銀塩フィルムの粒状性を測定するのに使われているRMS(Root Mean Square)粒状度で「11」。RVP100(ベルビア100)の「8」には及ばないものの(RMS値が低いほど微粒子)、オリジナルのRVP(ISO50)の「10」に肉薄し、しかも従来のISO400フィルムRHPⅢ(プロビア400F)の「13」(それ以前のRHPは「15」)を完全に凌駕しています。しかも増減感処理適性も優れており、?1/2絞り減感から+2絞り増感まで色味や階調の変化が少なく対応できるとアナウンスされています。
▲夏のトップライトが降り注ぐ明暗差の激しい被写体も階調豊かに再現してくれた。写真は鉄道記念物の汽車会社製230形233号。'06.8.13 交通科学博物館(BessaⅠ(改)Colorskopar 105mm F3.5 RXP)

233a2nn.jpgすでに35㎜判はお使いになった方もおられると思いますが、このフィルムが鉄道写真の世界で本領を発揮するのはなんと言ってもブローニー判ではないでしょうか。35㎜判の場合、手持ちで望遠でも使わない限りEV12(うす曇り)程度まではISO100で対応可能です。それに対してブローニー判、ことに6×7判以上ともなると、標準レンズでも被写界深度を稼ぐためにはある程度絞り込まねばならず、いきおい高速シャッターが切りにくくなってきます。編集部にお送りいただくブローニー判の作品を拝見しても、「+1」いわゆるプライチ増感処理をされている例が極めて多く、皆さんが被写界深度とシャッタースピードとフィルム感度のはざまで苦しんでおられるのがひしひしと伝わってきます。それだけにISO400で+1増感以上のオリジナル粒状性を持つこのRXPフィルムの誕生は、ことにブローニーユーザーにとってまたとない朗報ではないでしょうか。
▲非常に厳しいライティングながら、シャドー部の再現性も良好。'06.8.13 交通科学博物館(BessaⅠ(改)Colorscopar 105mm F3.5 RXP)

実はこの夏、発売前のブローニー判RXPフィルムをテストする機会に恵まれました。国内何箇所か、さらには先般のアメリカ渡航の際にも携行して使ってみましたが、結論は一言でいって「RVP100の+1増感をすることは二度と再びないだろう…」というものでした。もちろんピントルーペで仔細に見比べればノーマルのRVP100にはかないませんが、ISO400ということを念頭において見るRXPの粒状性は、確実に従来の常識を超えています。
まだまだ発展途上にあるデジタル技術に比べ、銀塩写真のプラクティスはその性能から保存性まですでに頂点を極めています。言い換えればダゲレオタイプに端を発した旧来的な「写真」は、今や誰も体験したことのない“完成の域”にまで到達したのです。それだけに今こそ、その最高水準の機材・感材を享受しない手はないのではないでしょうか。

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