鉄道ホビダス

2006年9月12日アーカイブ

「ヤードツアー」のこと
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ナローゲージ・コンベンションにあわせて開催されたデュランゴ&シルバートン・ナローゲージ(D&SNG)鉄道の「レールフェスト」(Railfest)もなかなか盛りだくさんなイベントでした。今年で8回目となるこのレールフェストですが、例年になく今年の参加費は高く49ドル(5000円強)。これはどうしたことかと思いきや、デュランゴ駅舎横の芝生に設けられた仮設テントのレジストレーションで最初に尋ねられたのがTシャツのサイズ。何と今年はレールフェスト特製Tシャツ付きのプライスだったのです。
▲転車台で出区線へと向きをかえるK-36タイプ480号機。ヤードツアーの最中にも運が良いとこんな光景を目にすることができる。ちなみにナローといってもK-36は運転整備重量143t、日本のD52より重い。'06.8.25

yard13.jpg8月22日(火曜日)から8月27日(日曜日)まで開催されるこのレールフェストでは、例のギャロッピンググースの運転のほか、“バンブルビー”色に塗り替えられたK‐28による混合列車“ミキスト・スペシャル”の運転と同列車の夜間撮影会、車内でミュージカル・エンタテーメントが繰り広げられる“プレジデンシャル・スペシャル”の運転など、数々のイベントが組まれています。もちろんグースをはじめ特別列車の乗車には別料金が必要ですが、夜間撮影会への参加など、レールフェストの参加証である「パスポート」を首からさげているだけで参加できる特典も少なくありません。
▲レールフェストの参加証でもあるパスポートと、ヤードツアーと"プレジデント・レセプション”と呼ばれるパーティーの参加券。真ん中はTシャツとともにもらえる記念のピンバッジ。

特別列車の運転のほかにも、デュランゴ駅に隣接したミュージアムでは“スチーム・ホイッスル・コレクション”のデモ吹鳴や、スワップミートなど多彩な催しが行われています。その中でも「パスポート」を手にしたからには是非とも参加したいのが“ヤードツアー”と呼ばれるデュランゴ機関区の見学ツアーです。開催期間前日にわたって90分サイクルで行われるこの見学ツアーは、通常は立ち入りできないラウンドハウス内や検修庫内を見学できるまたとないチャンスなのです。

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当初、毎回定員は20名とアナウンスされていましたが、何しろ2000人近い参加者のコンベンション開催期間中ですから、とても足りるはずもなく、すぐにフルブッキング状態となってしまいました。結局、毎回のツアーをA班、B班と2班に分けて定員増をはかり追加受付。私が参加した時は、A班は歴史的解説を中心に聞きたい人たち、B班が技術的解説を聞きたい人たちとチーム分けをしての実施となりました。
▲ミネラルウォーターのペットボトルを片手に1時間半にわたって熱弁をふるってくれたガイド役のオフィシャルと、ラウンドハウスの解説に聞き入る参加者たち。奥には“バンブルビー”の姿も見える。'06.8.25

このヤードツアー、どういう役職の人なのでしょうか、とにかく話し上手(といってもよく理解できませんが…)のガイド役が冗談まじりにしゃべるはしゃべるは。そこにきて随行してきただけと思しき奥様方まで質問しまくり…。えてして葬送行進のようなどこかの国のこの手の見学会とはえらい違いです。

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▲D&SNGは動輪の削成もできる自前の検修設備(左)まで備えている。右は塗装建屋で見かけた標準色チップ。日本の色見本とまるで同じ手法だ。'06.8.25
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▲1999年からレストアが開始されたプレジデントカー“General Palmer”(左)と19世紀製とされる木製台車(右)。豪華客車のみならず、こんなものまでしっかり保存されているのだ。'06.8.25

ところで、一時間半のこのツアー後半でちょっとショックなことがありました。ラウンドハウス裏を移動している時、例のガイドさんが国道とアニマス川を挟んだ対岸のはげ山(ということは宿泊しているホテルの横の山ということになるのですが…)を指してなにか説明しています。しかもその言葉の中にはっきりと“HIROSHIMA”のワードが! 何と、広島に投下された原爆を開発していた際の核汚染物質があの山の地中に埋められているので、今もっていっさいの建造物等が建てられない…というような話をしているではないですか! 多くの参加者(もちろんアメリカ人)はただ「ふ~ん」といった反応ですぐに次の解説に耳を傾けていましたが、まさかデュランゴ機関区まできて“HIROSHIMA”に出会おうとは…。時に1945年8月6日から61年と19日目のことでした。

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