鉄道ホビダス

2006年9月 8日アーカイブ

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来年3月末での廃止届を関東運輸局に提出している鹿島鉄道に続き、同じ茨城県の茨城交通湊鉄道線も廃止が取りざたされていることが明らかになりました。今週の茨城新聞をはじめとした地元紙が一斉に取り上げたもので、状況によってはここ数年で常磐線沿線の魅力的なローカル私鉄がほとんど姿を消してしまうことになりかねません。
▲今からちょうど十年前、旧国鉄気動車色が次々と復活し、湊線は一気にファンの注目を集めることとなった。ちなみにこの旧塗色復活に際しては小誌編集部が企画段階から協力させていただいた。'96.3.16 P:RM

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▲足しげく通った「混合列車」健在の頃の湊線。中根の茫洋とした風景の中、スロットルオフしたケキ103のロッド音がカランコロンと響いてきた。'79.2.11 金上-中根

報道によれば、茨城交通が地元自治体であるひたちなか市長宛に廃止についての協議の申し入れを行ったそうで、茨交側は2008年、つまり再来年3月をもって廃線としたいとの意向だそうです。これを受けてひたちなか市は商工会議所、市観光協会、市自治会協議会、沿線高校やNPO法人などをメンバーとする「湊鉄道対策協議会」を発足、廃止回避のための活性化策について検討をはじめたとのことです。

ibakouunnyou.jpgこの廃止打診の背景には深刻な利用客減があります。近年4年間を見ても、2001年に約90万人あった利用客は実に10万人以上落ち込み、昨年2005年は78万人に留まってしまっています。このため営業利益も2004年に約▲5300万円、昨年は約▲3700万円と大幅な赤字で、1989年からの累積赤字は実に4億円以上にのぼってしまっているのだそうです。ひたちなか市は財政支援も視野に入れて存続を模索してゆくとしていますが、前途はそう容易く拓けそうもありません。
▲機関区で写させてもらった昭和50年改正の車輌運用表。114、117、122、125列車の4本が「混合」に指定されているのがわかる。'78.4.29
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最近でこそちょっとご無沙汰していますが、茨城交通湊線は足しげく通った大好きな路線のひとつです。ことに1970年代、まだ貨物輸送をやっていた頃の湊線は実に魅力的で、中根の直線でのんびりと時間をつぶしながらケキの牽く混合列車を待つのがお気に入りでした。すでに当時はたいした貨物扱い量もなかったこともあり、貨物列車ははなから設定されておらず、朝の通勤時間帯を過ぎた10時台に「混合列車」が2往復設定されているに過ぎませんでした。しかも往々にして貨車の連結はなく、単にケキが気動車を牽いて走るだけということも少なくありませんでした。

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十年ほど前、廃車前提のキハ10を国鉄旧気動車色に戻してファンにアピールしたいと相談を受け、小誌編集部として多少なりともお手伝いさせていただいたのも昨日のことのようです。鹿島鉄道ともども、画期的かつ抜本的な存続策はなかなか見いだせそうもないだけに、先行きが懸念されてなりません。
▲那珂湊構内の賑わい。羽幌炭礦鉄道や留萌鉄道からやってきた個性的な気動車たちが機関区を埋め尽くしていた。'78.4.29 那珂湊

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