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愛しの“ギャロッピンググース”。(5)

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■4番グースのこと
レプリカとはいえ1番グースが復元されたことで、7輌のグースすべてが揃ったことになりますが、いまもって唯一3番グースだけはこの目で見ることがかないません。3番はロッキーを遠く離れてカリフォルニアの遊園地、ナッツ・ベリー・ファーム内の遊園鉄道に蒸機列車の“予備車”として保存されていますが、動く機会はほとんどないようで、アポなしのいち入園者がその姿に接するのは容易くなさそうです。
▲4番グースはテラライドの街中の路地裏に忘れさられたように置かれていた。説明看板もなく、ささやかな花壇だけがせめてもの餞か…。'94.8.31

rgsmapn.jpgいずれにせよ、No.1が復元(新製)、No.2・6・7がコロラド・レールロード・ミュージアム、No.3がナッツ・ベリー・ファーム、No.5が動態復活とここ十年で大きく環境の変化したグースたちの中にあって、一番不遇をかこっているのが4番グースです。かつてのRGSグースルートのひとつ、サンファン山脈に抱かれたテラライド(Telluride)の町に4番グースは保存されています。有名なバンス・ジャンクションから分岐した支線のほぼ終点に位置するテラライドは、南西コロラド屈指の風光とされるサンファン・スカイウェーの通る町でもありますが、町そのものはとりたてて見るべきものもなさそうな田舎町です。
▲リオ・グランデ・サザン鉄道(RGS)のギャロッピンググース・ルート図。標準的な一日の運用は1輌目のグースがリッジウェーからテラライドまで、2輌目がテラライドからデュランゴまで、3輌目がデュランゴからドロゥレスまで、最後の4輌目がドロゥレスからリッジウェーまでを受け持つ。(“Galloping Geese on the Rio Grande Southern”1971より加筆転載)
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4goose4n.jpgこのテラライドは、位置的には保存鉄道のデュランゴ&シルバートン鉄道の終点・シルバートンから一山越えた西側に位置するのですが、“一山”といえど4000m級の標高で、今もってRGS時代と同様にドロゥレス、リコ、さらにループ線で有名だったオフェアを経由してバンス・ジャンクションから大迂回をするしか行く手だてはありません。距離にして120マイル(200キロ)ほど。しかもRGSのグレードを辿る急峻な山道が続くとあって、現地のナローゲージャーでもわざわざこの4番グースを見にテラライドへと足を向けた人は少ないはずです。
▲サンファン山脈に抱かれたテラライドはどこにでもありそうなロッキーの田舎町。'94.8.31

4goose3n.jpg町といってもそれほど大きくはなく、よく西部劇に出てくるようなメインストリートを軸に両側に商店や住宅が広がっているといった感じの変哲のない風景です。果たして本当に保存されているのか心配ではありましたが、単純な構造の町だけに比較的容易く発見することができました。デポ跡らしき空き地に所在なげに置かれた4番グースには、特に説明看板もなく、ほかの仲間の厚遇を思うと少々気の毒に思えてくるのでした。ただ、降雪量の多いこの地方で屋根もなくこの状態を保っているということは、それなりのメンテナンスが施されてもいるのでしょう。側面のギャロッピンググースのヘラルドと、リペイントと思しき少々崩れた書体のレタリングが、この町の人々がそれなりの愛情をこの4番に注いでくれていることの証に思え、ちょっとばかり安心してテラライドの町をあとにしたのでした。
▲4番グースにはもちろんギャロッピンググースのヘラルドが残されている。'94.8.31

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