鉄道ホビダス

上毛電鉄最後のボンネットバス。(上)

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RMモデルズ編集部の根本君が中心となって編集を進めていた『バスホビーガイド Vol2』が完成、今ごろは各地の書店店頭に並んでいるはずです。改めて申し上げるまでもなく、ここ数年のバス関連モデルの充実ぶりは目を見張るものがありますが、ひと昔前まではバスの模型といえば子供向けのトイ的なものが主流でした。それどころか、30年以上前ともなると“バスが好き”ということ自体がまったく周囲から理解されないほど「バス趣味」は市民権を得ていなかったのです。
▲室沢から粕川駅へと戻る上毛電鉄No.113。ボンネットタイプならではの寝そべったコラム角と、キックバックを和らげるワイヤースポークのステアリング・ホイールが泣かせる。左上には日野と帝国ボディーの銘板が見える。'76.5.16

かく言う私も特にバスに入れ込んでいたわけではありませんが、誘われるままに何度かバスの撮影に行ったことがあります。今日はそんな中からちょうど30年前に訪ねた上毛電気鉄道最後の現役ボンネットバスをご紹介してみることにしましょう。といっても、バスに関して並み以上の知識があるわけではありませんから、まぁ、ひとつの体験談としてご覧ください。

kasukawa1n.76.5.jpg記憶では「バス趣味」が顕在化してきたのは1970年代の前半だったと思います。当時熱心に活動しておられた皆さんは、実は鉄道趣味の方々で、伝え聞いたところでは都営バスの車輌番号に興味を持ったのが発端だったとか…。確かに意味不明のアルファベットと数字の組み合わせに過敏に反応するのは私たちの世界の常ですから、この逸話も思わず納得です。その後、急速に減りつつあったボンネットバスがマスコミにもたびたび登場するようになり、バスというよりはボンネットバスファンといった人たちが出現するようになります。この時点でもかなり鉄道趣味と“かぶって”いる人が多く、この上毛行きもそんな先輩に誘われた日帰り旅行でした。
▲電鉄直営バスだけに、室沢行きは駅本屋正面で乗客を待つ。'76.5.16

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▲関東平野の北の端、変哲のない田舎の風景の中を行く上毛電鉄No.113。すでに全線を通して未舗装路面はなかった。'76.5.16

この頃になると23区内に最後に残されていた小田急バスからもボンネット車が消え、現役の“路線”として運行されているボンネットバスは三重交通や九州産交といった地方の、しかも山間部路線ばかりとなってしまっていました。これは狭隘な山道、ことにガードレールが未整備な路線などでは、車輌の“見切り”の関係から運転席より前輪が前に出ているボンネット型が重宝がられたからで、その逆にメリットのない平地での淘汰は急速に進んでいました。そんな中、上毛電気鉄道にはまだ何輌かのボンネット車が残されているとのことで、電鉄の撮影と兼ねて出かけてみることにしたのでした。

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▲ワンマン仕様ではない中央一枚扉型のため、こんな閑散路線でも車掌が乗務している。ただ、ほとんど仕事はない(左)。ビニール張りのロングシートが怪しい光沢を放つ室内(右)。'76.5.16

情報では中央駅?県庁前間でもボンネット車を運用しているとのことでしたが、こちらはワンマン仕様らしいのと、どうせなら多少なりとも絵になる路線の方がと選んだのが、粕川駅と室沢を結ぶ路線でした。

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