鉄道ホビダス

2006年7月23日アーカイブ

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木曽・赤沢自然休養林で保存されている木曽森林鉄道のボールドウィンB1リアタンク機(上松運輸営林署1号)は多くの模型にもなり広く知られていますが、実は同形機があと2輌保存されています。秋田市の仁別森林博物館の温根湯森林鉄道(留辺蘂営林署)2号機と、群馬県沼田市の林野庁森林技術総合研修所林業機械化センターに保存されている置戸森林鉄道(置戸営林署)3号機です。
▲修復作業が始まる直前のボールドウィン。林業機械化センターで永年大事に保存されてきただけに状態は決して悪くない。'06.7.23

置戸森林鉄道は北海道拓殖部林務課の手によって1921(大正10)年に開設された森林鉄道で、3号機はこの運輸開始にあわせて米国・フィラデルフィアのボールドウィン・ロコモティブ・ワークス(BLW)から輸入されたもの。1921(大正10)年1月製(製造番号54511)で、同形ながら木曽のボールドウィン(1915年製・製番41997)とは6歳違いの弟ということになります。1957(昭和32)年の置戸森林鉄道廃止後はしばらく同署に保管されていましたが、1969(昭和44)年に沼田へと移設保存されています。交通の便のよくない場所だけになかなか見られるチャンスはありませんでしたが、二十年ほど前に一度、東京の代々木公園に展示されたことがあり、その際にご覧になったという方も少なくないのではないでしょうか。

blw2.jpgその沼田市の林業機械化センターのボールドウィンを、市民ボランティアの力で甦らそうという取り組みがはじまり、夏休み最初の日曜日となった今日、最初の具体的活動となる外部清掃作業が行なわれました。同センターの川添峰夫所長のお話では、沼田で保存を開始してからすでに37もの歳月を経過し、屋根のある展示場で保管してあるとはいえ、傷みが目立ちはじめた同機を何とかしたいと考えていたところ、同じ沼田市内で大型鉄道模型製作会社を経営している丸山龍一さんが中心となってボランティアの実行委員会を結成、地域活性化も兼ねて修復に乗りだしてくれることになったのだそうです。
▲いよいよ修復作業開始。まずは子供たちによるおおまかな錆落とし作業が始まる。'06.7.23

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その名も「よみがえれボールドウィン実行委員会」と名付けられたこの会は、実質的に今日が初活動。懸念された天気も、夏らしい青空ののぞく好天に恵まれ、集まった40名ほどの会員は機械化センターの見学などののち、午後からいよいよ錆落としや傷んだ塗装の剥離などの作業に入りました。
▲金属ヘラやワイヤーブラシによる本格的な作業(左)。キャブ側面には北見営林局のプレートが見える(右)。'06.7.23

blw5.jpgヘルメットに防じんマスクとメガネといった本格的な“出で立ち”のボランティアの皆さんの手によって、全長5.5メートルほどの小さなボールドウィンはみるみる奇麗になってゆきます。煙室左右に取り付けられていた85年前の出生を証す丸い製造銘板が外されると、参加者から軽いどよめきが起こり、作業はいよいよクライマックスへ…。もちろん修復作業は今日端緒についたばかりで、「よみがえれボールドウィン実行委員会」では今後10月までの間に月一回程度のペースで修復作業を進めたいとしています。また、ボールドウィンのみならず、同センターに保存されているホイットコム(WHITCOMB)製内燃機関車や、さらには協三工業製DLの修復作業にも取り組む予定だそうで、ひょっとすると修復なったボールドウィンが、外装ばかりでなく煙を吐いて動き出す日が来るのかもしれません。この「よみがえれボールドウィン実行委員会」への参加を希望される方は同会事務局(TEL0278-20-1818)へお問い合わせください。
▲いったい何十年ぶりだろうか、取り外されたボールドウィンの製造銘板。'06.7.23

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ちなみにこの林業機械化センターは林野庁が所管する国内唯一の林業研修施設で、展示棟には集材機をはじめとする歴代の各種林業機械がきわめて環境良く保存されています。ふだんはあまり目にすることのできないこういった森林鉄道を取り巻くハードウェアの実物を見学できるのも、このセンターならではの美点です。
▲林業機械化センターは沼田市街からクルマで40分ほどの沼田市利根町根利にある。かつての沼田営林署利根森林軌道の中継土場の対岸にあたる。ボールドウィンの手前に保存してあるのはホイットコム製MO形4t機(長野営林局7号)。画面奥には庭先に保存されている上松運輸営林署141号ディーゼル機関車とB形客車(15号)の姿も見える。'06.7.23

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