鉄道ホビダス

2006年6月 3日アーカイブ

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“いつまでもあると思うな保存車輌”という言葉があります(?)が、残念ながらまさにそのとおり、昨今では気付かぬうちに“保存車輌”が撤去されてしまう例が少なくありません。それだけに、一度訪ねてみた保存車も時の流れとともに動向が気になりだし、時間を見つけては極力再訪に努めています。今回ご紹介する東京・板橋区の城北交通公園の「東武鉄道1号機関車」もそのひとつで、かれこれ25年ほど前に見に行ったのを最後に、その後の状況を把握できぬまま歳月が流れていました。
▲「東武鉄道1号機関車」の四半世紀。左が'05年6月5日撮影、右が'80年3月15日撮影。余談ながら現況はデジカメ、25年前はトライXの自家現像である。

tkiwakoppel1.jpgようやく再訪がかなった…というより重い腰をあげたのは、今からちょうど一年ほど前のことです。地下鉄三田線蓮根駅から徒歩5分ほどの「城北交通公園」は周囲のロケーションもろともまったく記憶になく、たどりついてみても「えっ…こんな所だっけ」というほど既視感がまったくありませんでした。それでもお目当ての「東武鉄道1号機関車」の保存スペースまで来ると、特徴的な屋根形状などにどことなく記憶が甦り、むしろ状態のあまりの変わりなさに嬉しい驚きを覚えたのでした。
▲幌型の丸い屋根の形状は25年前と大差ないものの、下の写真と比較すると周囲の状況が一辺しているのが判る。'05.6.5 城北交通公園

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▲現在のキャブ内部。立入自由なわりにはそれほど荒廃しておらず一安心。ちなみに本機は右側運転台。'05.6.5 城北交通公園
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▲25年前のディテール。現在は植え込みで覆われて観察しにくいコッペル式弁装置(左)と「東武鉄道寄贈/復元 鉄道用品株式会社」の銘板(右)。'80.3.15

このコッペル製Bタンク、名目上は「東武鉄道1号機関車」ということになってはいますが、実際に東武鉄道で実用に供したことはなく、戦時中の車輌不足の折りに有田鉄道から東武に転入してきたものの、結局用途もなく川越機関区に放置されていたという曰く付きの機関車です。現車はドイツ・コッペル社1912(明治45)年9月製の8t機(製番5885)で、ホイールベース1100ミリのグループ。有田鉄道が開業時に用意した車輌です。1958(昭和33)年7月以降、東上線常盤台駅前に「東武鉄道1号機関車」として展示保存されましたが、たまたま番号が有田時代の「1」であっただけで、事情を知らない一般の方には東武鉄道開業時の最初の機関車との誤認を呼ぶこととなってしまいました。

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その後1973(昭和48)年8月にこの城北交通公園に移設されました。それにしても最初の保存展示が1958(昭和33)年ですから、民間の手による保存展示としては極めて初期にあたり、よくぞ保存してくれたものと思います。
▲公園内での保管位置が25年前と同じかどうかは検証できなかったが、周囲がえらく開けた感じの25年前の展示場の全景。'80.3.15 城北交通公園

toubusetumeiban.jpg1980年以後実に四半世紀ぶりの再訪でしたが、機関車は変わらずとも見る方はそれなりに歳もとり、それなりに見る目もかわってきています。それだけにいろいろと25年前には見えなかった“発見”もあり、しばし有意義な時を過ごすことができました。決して面白からぬ言葉ではありますが、“いつまでもあると思うな保存車輌”を肝に銘じて、これからも保存車輌再訪の旅を続けようと思います。
▲「ベビーロコ号」んと名付けられた当時の説明看板。解説文をよく読むと、本機は東武鉄道とそれほど深い関係がないことが判る。なお、この看板は現存しており、最上部左上の現況写真(正面)の左端にも写り込んでいる。'80.3.15

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