鉄道ホビダス

2006年5月12日アーカイブ

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釧路新聞社の星 匠さんから「念願のDVDできました…」とお手紙を添えて一枚のディスクが届きました。「走れ! 釧路の運炭列車」と題したこのDVD、国内最後の運炭鉄道として知られる太平洋石炭販売輸送(旧釧路臨港鉄道)を、地元ならではの視点から丹念に撮り込んだたいへんな労作です。
▲完成した「走れ! 釧路の運炭列車」のパッケージとレーベル。

星さんが会長を務める「釧路臨港鉄道の会」は2003年7月に地元釧路在住のファンを中心に発足、この太平洋石炭販売輸送のサポーター役をはじめ、JR東海の須田元会長を招いた産業観光を考える講演会、さらにはSL冬の湿原号の乗客向けアイスキャンドル点灯など、地域に密着した幅広い活動を行っておられます。今回のDVDはその活動の一環として「産業としての石炭が釧路市でまだ元気であることを運炭列車という切り口でアピールしたいと考えて」制作されたものとのことです。

harutori1005n.jpgそういった趣旨だけに、映像プロットは単なる列車走行シーンに留まらず、海底炭礦の先端切羽→春採の選炭機→鉄道輸送→知人の貯炭場→船積み…と、釧路における石炭の流れを追って組み立てられており、通常は目にすることのできない貴重なシーンの連続となっています。
▲釧路臨港といえば電気式DLのDE601を連想するが、それ以外のDLも結構な個性派揃いだった。写真は日車1962(昭和37)年製のD201(1986年廃車)。'66年 春採 P:笹本健次

さらに、本誌増刊『国鉄時代』のDVDでもお馴染みの宮内明朗さんによる、蒸機時代の釧路臨港鉄道の極めて珍しいカラー動画も収められています。登場するのは日車製1C2タンク機5号機をはじめ、旅客営業を行っていた当時の“びわこ”スタイルの日車製流線型気動車キハ1001の発車シーンなどもあり、地方鉄道ファンにとっては必見です。

全体の構成もさることながら、撮影そのものがまさに“素人離れ”しています。撮影・編集はながらく根室管内で教鞭をとり、ビデオと本『釧網本線』を上梓(1999年)されたこともある正古(しょうぶる)信夫さん。「釧路と石炭を取り巻く沿革」、「車輌紹介」、「運炭列車(往路)」、「輸送船への船積み」、「運炭列車(復路)」とチャプター分けされた本編44分間は、見どころの添乗映像を中心に縦横無尽の展開です。ことに知人貯炭場の取り卸しを桟橋下から狙ったカットや、輸送船の船倉への積み込みシーンなどは実に巧みで、春採湖や千代ノ浦海岸といった風光明媚なロケーション紹介とあいまって、見るものを飽きさせません。

星さんら釧路臨港鉄道の会の皆さんは、この残された太平洋石炭販売輸送の最後の運炭列車を見守り、サポートしてゆくとともに、なんとか一般のお客さんが乗車できるような仕組みを考え、産業観光の一助になればと夢を描いておられます。
私が初めて太平洋炭礦を訪れてから34年。それから幾度となく釧路を訪ねたものの、気付いてみるとこのところ2年近くご無沙汰してしまっています。DVDを見終わって、今年はぜひ幣舞橋を渡って春採の地を再訪してみたいものと強く思わずにはいられませんでした。

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▲素晴らしいDVDを送って下さった釧路臨港鉄道の会の皆さんに、返礼と言っては差し出がましいが、手もとにあった昭和40年代初頭の臨港線線路一覧略図をお贈りしよう。1966(昭和41)年1月25日の臨港?入舟町間廃止後のもの。
クリックするとポップアップします。

※DVD「走れ!釧路の運炭列車」は本編44分に釧路臨港鉄道80周年記念運転の映像特典16分がついて税込み3360円。発売はビコム(株)。釧路市内では春採駅近くのコーチャンフォー釧路店で販売しているほか、石炭グッズなどを販売している「くしろ石炭.COM」での申し込みも可。

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