鉄道ホビダス

2006年4月29日アーカイブ

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写真の季節感。
さて、ピント、露出、被写界深度とくれば次はいよいよ絵柄、私たち編集者がまず注意するのは、撮影ポイントに問題がないかどうかです。入ってはいけない鉄道用地ではないか、私有地ではないか、はたまた安全な場所か…等々。もちろん現地の様子がわからず判断できない場合もありますが、最終的にどうしても不安な場合は、撮影者ご本人に連絡をとって状況をお聞きすることもあります。
▲次号5月発売号は表記上は7月号(これは法定発行日の40日前までなら遡って発売できる通称「40日規定」によるもので、7月号の法定発行日は7月1日なので逆算して5月21日に発売できる。ただし今年の5月は21日が日曜日のため例外的に前日の20日が発売日)なので、すでに誌面では「盛夏」の写真が望まれる。'05.9.3 いすみ鉄道車内より

DH000199n.jpg実は季節感も重要なファクターです。ファッション誌などの場合はちょっと信じがたいくらい季節を先取りしますが、鉄道誌といえどもやはり季節感に無関心ではいられません。なるべくなら発売月のちょっと先の季節感のある写真を紹介したいところで、最終的に同じ撮影ポイントでの同じような画角の写真が伯仲した場合は、やはり季節感に合う方が優先されることとなります。たとえば新緑がまばゆいこの季節、表紙が雪景色ではなんともちぐはぐですし、逆にクリスマスシーズンに夏空の広がる絵柄はしっくりときません。もちろんインパクト重視で逆の効果を狙う場合(次号の特集扉ページも雪景色です)もありますが、写真選考の過程で季節感はやはり欠かせない要素です。ちなみに、雪景色や紅葉といった四季を代表するシーンの中で、一番扱いにくいのが実は「桜」です。日本人にとって桜ほど凝縮した季節を象徴するものはなく、逆に時期を逃すとボケてしまうものもありません。それだけに桜を主体にした絵柄はまことに扱いにくく、正直なところ誌面に反映できる機会も限られてしまうのです。
▲昨日のことのようだが、今や「桜」は過去のもの。5月発売号以降の誌面ではなかなか展開しづらい。'06.3.30

これらを踏まえたうえで、いよいよ絵柄の新規性を検討します。アングルとして陳腐化していないか、画面の切り取り方は、光線状態は…等々、ここで初めて絵柄そのものに立ち入った検討が始まるのです。特に「こんなアングル初めて見た」というインパクトのある絵柄は、誌面作りのうえで渇望するものであるのと同時に、インパクトが強いだけに容易にリピートはできず、たとえどれほど完成度が高くても、数年は使いづらくなってしまいます。むしろ逆に定番の絵柄の方がリピートの可能性は高いと言えましょう。

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