鉄道ホビダス

「出雲」ついにラストラン。

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東京駅に最後の特急「出雲」を見送りに行ってきました。会議やら何やらで会社を出たのが20時過ぎ、地下鉄を乗り継いで東京駅中央コンコースまでやってくると、すでに「出雲」の発番線の10番線下はただならぬ雰囲気に包まれていました。「21:10 特急 出雲 出雲市」のLED表示の下は、デジカメ機能のついた携帯電話をかざす帰宅途中の人たちでごったがえしています。それを見た通行人が「えっ、なになに、今日でなくなるの」とまたまた携帯電話を取り出して輪の中に加わるという、数年前までは想像できなかった状況が現出していました。いみじくも、道行く人ほとんど全員が“携帯電話という名のカメラ”を持っていることを実感する瞬間でした。
▲回送牽引機に牽かれて東京駅10番線に入線してくる最後の「出雲」。ホームを埋め尽くしたカメラのシャッターが一斉に切られる。'06.3.17

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人波の階段をようやく上がってホームに出てみると、いや、想像を絶する大混雑です。折しも品川方から回送で「出雲」が入線する時刻。ホーム・アナウンスは「出雲号入線です。黄色い線から出ないで下さい」ととめどなく繰り返しています。ややあってPFに牽かれた「出雲」が静々とホームに入ってきました。一斉に切られるシャッター音。でもちょっとほっとしたのは、事前のアナウンスも功を奏したのか、はたまた皆さん心得ているのか、無闇にストロボをたく人が余りいなかったことです。もちろんそこここで発光が見られましたが、よくよく注視して見ると、そのほとんどが“騒ぎ”を聞きつけて見に来た普通の人。「出雲」への哀惜の情をもって集まったファンの皆さんは、混乱の中にも比較的整然と最後の「出雲」を取り囲んでいました。
▲前日の新聞報道などもあってか、“一般”の人がカメラを構えるシーンもそこここで見られた。'06.3.17

IMGP6109n.jpg 定刻21時10分、「最後の出雲号発車です」のアナウンスとともにホームを滑り出す24系25形のブルーの車体。どこからともなく沸き上がる拍手に見送られて、あの深紅のテールサインは東京駅を去ってゆきました。幾度となく体験した名列車との惜別シーンですが、やはり万感迫る思いです。

そしてちょっと嬉しかったのが、「出雲」が去ってからのホームでした。「出雲号のお見送りありがとうございました」とのアナウンスが流れ、私が利用した階段を整理する駅員さんも、「お見送りありがとうございました。お気をつけてお帰りください」と人波に向かって何度も丁寧に頭を下げてくれました。私のように入場券だけで帰ってしまうような者が大半だとすれば、その警備の手間を考えれば、鉄道事業者としては決して面白からぬ“騒ぎ”でしょう。しかし、そんな状況にも関わらず、あの場に集った人たちを、いわば鉄道に対する“サポーター”として遇してくれた今回のJRの対応は特筆されると思います。
▲いよいよ発車。怒濤のような人波の向こうを、あの深紅のテールサインが静かに去ってゆく。※一連の写真撮影には脚立、三脚はいっさい使用しておりません。念のため…。

今日17日で「出雲」が去り、東京口の113系が去り、常磐に最後まで生き残った103が去り…時代のページがまた一枚めくられたわけです。

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