鉄道ホビダス

「呉越同舟」間もなく実現!

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「呉越同舟」とは孫子の兵法書にある言葉で、反目する呉と越の国の人が乗り合わせた船が嵐に遭った際、互いに協力して水をかき出して難局を乗り切った故事に由来するものとされています。わが国を代表する観光地「日光」を巡る国鉄と東武鉄道の熾烈な競争は、まさに呉と越の関係に例えられるものだったと言えます。

日本鉄道日光線の延伸として現在の宇都宮?日光間が全通したのが1890(明治23)年。それに対して東武方の下今市?東武日光間が開業したのが1929(昭和4)年のことですが、両者のシェア争いが本格化したのは、戦後復興が軌道に乗り始めた1950年代に入ってからのことです。戦前のデハ10系特急「華厳」「鬼怒」の名を踏襲して5700系「けごん」「きぬ」が誕生したのが1951(昭和26)年9月、ついで1956(昭和31)年4月には1700系が登場して浅草?東武日光間の所要2時間の壁が破られます。国鉄はこれに対抗すべく、同年10月には新形式キハ55系を充当した準急「日光」をデビューさせ、両者の日光攻防戦はまさにデッドヒートしてゆくのです。
▲南栗橋車両管理区春日部支所で仲良く並んだ485系と100系“スペーシア”。3月ダイヤ改正からは485系は東武日光・鬼怒川温泉へ、100系は湘南新宿ラインを経由してJR新宿駅に乗り入れる。JR山手貨物線に私鉄特急が定期列車として乗り入れるのはもちろん史上初のこと。'06.1.12 P:RM

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ただ、国鉄側には根本的なウィークポイントが存在しました。線型の悪さ、つまり宇都宮でスイッチバックせねばならない点です。対する東武は1960(昭和35)年春にはDRC =1720系を送り込み、ここに勝敗は決しました。1970年代以降、国鉄日光線は単なるローカル線となってしまいます。ただ、歴史的確執だけに、その後も歩み寄る機会はないと思われていました。それだけに今回の栗橋駅短絡線による相互乗り入れはまさに「呉越同舟」、私たちファンにとっては嬉しい驚きです。
▲485系は「あいづ」用車を再改造したもので、前面は愛称表示器の撤去と運転台部分を一新したことによって外観の印象は大きく変わった。'06.1.12 P:RM

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さて、この3月ダイヤ改正の目玉とも言うべき東武鉄道・JR東日本の相互直通運転用特急車が、今朝、報道陣にお披露目されました。JR東日本の485系は特急「日光」「きぬがわ」として新宿?東武日光・鬼怒川温泉間を1日各1往復、東武鉄道の100系は特急「スペーシアきぬがわ」として新宿?鬼怒川温泉間を1日2往復する予定です。JR東北本線・東武日光線の栗橋駅を介してJR新宿と東武日光・鬼怒川方面を結ぶわけですから、当然、山手貨物線を走る「スペーシア」や、東武日光線の渡良瀬川橋梁を渡る485系の姿を拝むことができるわけです。運転開始は3月18日土曜日の予定。北関東エリアが劇的に面白く変貌しそうです。
▲報道陣の撮影を前にお化粧直し中の485系。こうやって並ぶともともとが同じ会社の車輌のようにさえ見える。'06.1.12 P:RM

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