鉄道ホビダス

アイルランドに欧州最大のナローゲージ網を訪ねる。(6)

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第六回:ブラックウォーターの機関車たち。
ボード・ナ・モナ全体ではいまだに350輌近い機関車を保有していると聞きますが、このブラックウォーターワークスをはじめとする自社工場でも続々と“新車”を送り出しており、リアルタイムな総輌数は掴みようもないのが実情です。ただ、機関車に関してはすべて“LM”の記号の下に通し番号として管理されており、その番号から新旧を類推することが可能です。ちなみに今回目にした最多番号はLM428、つまり開闢以来400輌以上の機関車が存在していたことになります。
▲巨大な修理工場建屋の前に並ぶブラックウォーターワークスの機関車たち。手前はLM254で、ドイッツ製KS28B形3.4t機(製番57835)。'02.10.21

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インダストリアル・レールウェイ・ソサエティーの調査によれば、ボード・ナ・モナの機関車の歴史は、1936年に2輌のドイツ製内燃機と1輌のイタリア製4気筒“モンタニア”機によって幕を開けたとされます。“モンタニア”といえば銚子のヤマサ醤油に保存されているドイッツ製を思い浮かべますが、いったいどんな車輌だったのでしょうか…。

その後、ルールタール(独)やホイットコム(米)、さらにはバークレー製蒸気機関車(LM43?45、ピート焚)などが試用されましたが、結局は英国ラストン製が標準機となり、1946年から1957年にかけて大量増備(LM13?175)されることとなります。しかし、これだけの輌数のしかも単一用途の需要となると、レディーメード品では不経済でもあり、ボード・ナ・モナはこの最終機ラストン製LM175をベースに独自の機関車を開発製造することにします。ラストンを継承したハンスレー・エンジン社との共同開発で1965年に誕生したこの独自開発専用機(LM199?)は“ワゴンマスター”と命名され、以後、今日までボード・ナ・モナの看板機として増殖し続けています。
▲コロッとしたスタイルが何ともかわいらしいLM364(左)とファーガソン・レールトラクターF353(右)。'02.10.21

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▲新旧の主力ワゴンマスター機。最新のLM426(左)とジャックロッド駆動のLM217(右)。'02.10.21
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▲LM364(左)とF353(右)。レールトラクターFシリーズは1987年からブラックウォーターワークスで誕生している。'02.10.21
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▲初期のラストン製LM105(左)とドイッツ製KS28Bの廃車体(右)。一番左はLM261(製番57842)。'02.10.21
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▲レールトラクター最新バージョン。何かの工作車なのだろうか、とにかくてんこ盛りの装備だ。'02.10.21

この機関車=LMシリーズのほかにも、機関車と言ってよいのか、Fシリーズ=“レールトラクター”と称する珍妙な牽引車が多数在籍しています。フォードソンならぬファーガソン(Massey-Ferguson)製トラクターを改造したもので、1987年にここブラックウォーターワークスで1号機が誕生して以来、135台が改造されたと言います。しかもそのうち15台はハイブリッド仕様だそうで、これまた驚きです。ただ、構造的にはトラクターを台車に載せて、台枠外部にたらしたチェーンで駆動するだけですから、臨機応変にゴムタイヤのトラクターに戻されることもあるようで、これまたいったい何輌が“鉄道車輌”状態で在籍しているのかはわかりません。
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▲広大なピートボグでの作業だけに人員輸送用の車輌も各種用意されている。レールバスもかなり在籍しているそうだが、残念ながら見ることはできなかった。写真はラストン製LM143の牽く事業用列車。'02.10.21

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