鉄道ホビダス

2006年1月 8日アーカイブ

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第五回:ブラックウォーターワークス。
2日間とんでしまいましたが、アイルランド紀行の続編をお送りしましょう。

前夜はさんざんな目にあいましたが、今までは前哨戦で今日からが本命、おちおち寝坊しているわけにはゆきません。6時に起きて機材を背負って連絡バスで空港へ。ともかくレンタカーを借りねば何も始まりません。ついでに空港のマクドナルドで万国共通の“朝マック”=ソーセージ・エッグ・マフィンを食します。2.75ユーロ也。そう、アイルランドの貨幣はポンドではなくユーロなのです。
▲国道N6号線を走る。さしたる観光地もないが、点在する小さな村々の中心には必ず教会がある。'02.10.21

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今日最初の目的地はアイルランド中部、レンスター州とコナート州の州境に位置するアスローン近郊のボード・ナ・モナ、ブラックウォーターワークス。冒頭でもご紹介したように、ボード・ナ・モナは半官半民のピート会社で、火力発電所の燃料用を中心とするピートの採掘にとんでもない規模のナローゲージ網を擁しています。その軌道延長は実に1500キロ、保有機関車輌数は250輌、貨車は3500輌に達すると言われています。ブラックウォーターワークスは各地に点在するボード・ナ・モナの路線網のうち、もっとも知られたシャノン河地区の路線網の中核ワークショップです。
▲目的地のアスローン(ATHLONE)はアイルランドのほぼ中央に位置する。

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空港からアスローンへのルートはダブリンの高速環状線M50号線からM4号線に入りひたすら西へ、さらに途中から高速は途切れて国道N6号線で計126キロの道のりです。前日の失敗もあって充分余裕をもって出発したはずが、高速環状線M50号線に入った途端にまたまた大渋滞。いくら月曜朝の出勤時間とはいえ、ビタッと停まったまま動きません。M4号線の分岐は7番ジャンクションですが、結局その手前、国道N3号線分岐の6番ジャンクションでの事故が原因でした。まぁ、事故とあればいたしかたないことですが、アイルランドの道路を走るのは初めてながら、イギリスと比べてインフラがかなり劣るように見受けられました。この後も、高速で国道でと、工事やらなにやら、やたらと渋滞に見舞われるハメとなります。
▲ボード・ナ・モナのブラックウォーターワークスと後日訪問するミッドランド・アイリッシュ・ピート。

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高速が途切れて一般国道に入ると、辺りは荒涼とした丘陵地帯がひたすら広がり、イギリスともフランスとも異なる一種独特の風景が続きます。アイルランドはキリスト教、それもカトリックの聖地で、垂れ込めた雲間から時折射るように差し込む陽光には、宗教にまったく関心のない私のような者をしても、何か敬虔な気持ちにさせられます。そんな丘陵地帯のほぼ10キロおきに小さな町が点在し、その中心には必ず尖塔を持つ教会が位置しています。

時計の針はすでに10時を回っています。実は出国前にブラックウォーターワークスのメールアドレスを調べて来意を伝えており、約束の時間は11時なのです。ようやくアスローンにたどり着いたものの、ここからブラックウォーターワークスまでのルートが難解です。まずは国道N62号線をひたすら南下しますが、この途中でボード・ナ・モナの本線と交差するはずです。今か今かと注意しつつ車を走らせること暫し、ついに国道をアンダーパスする3フィートゲージの線路を発見しました。遥か日本から1万キロ近く、ようやく出会えたアイルランドのピート鉄道です。
▲国道N62号線をアンダーパスするシャノン地区の本線軌道。ひたすら直線で平野を貫く。'02.10.21

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迷いに迷ってやっとブラックウォーターワークスにたどり着いたのは11時半を回ってしまっていました。正門から恐る恐る中に入ると、事務所の前で手招きしている人がいるではないですか。何とメールを受け取って待っていてくれたのです。これには大感激でした。
▲ワークショップで修理中のLM334。1981年ハンスレー製をベースにしたワゴンマスター12t機。'02.10.21

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昼休みになろうというのに、このマネージャーのケニーさんの案内でワークショップ内を見学します。現在ブラックウォーターワークスに所属する機関車は主力のワゴンマスター12t機6輌を筆頭に合計46輌、それ以外にも休車・廃車となった機関車が広大な敷地のそこかしこに並んでいます。ドイッツ、ラストン、ハンスレー、etc…さらには見たこともないような珍妙な機関車たちが次から次へと姿を現します。いや、これはすごい所に来てしまったと、ケニーさんにも呆れられるほどの興奮状態だったようです。
▲フォードソン・トラクター改造の面妖なF348。'02.10.21

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