鉄道ホビダス

2006年1月 5日アーカイブ

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第四回:波乱万丈、ようやくアイルランドへ。
ウイリアム・スペンスの世にも奇妙な親亀子亀蒸機(?)などを見ているうちに早くも時計は16時過ぎとなってしまいました。長年にわたって思い憧れていたブロックハム・コレクションだけに、もっとゆっくりと見学したいところですが、そうもゆきません。何しろ19時10分ヒースロー空港発のダブリン行きに乗らなければならないのです。アンバレーから空港まではざっと見積もって120キロほどでしょうか。まあ2時間もみておけば余裕…と考えたのがとんでもない不幸の始まりでした。
▲こちらはBR(イギリス国鉄)のアンバレー駅。ロンドン・ビクトリア駅から
サウスコーストへ向かうアラン・バレー線の閑駅で、列車でミュージアムを訪れる人はあまりいないようだ。その証拠に、駅前の駐車場はパーク&ライドではなく、クルマでミュージアムにやってきた人のためのフリー・パーキングとなっていた。'02.10.20

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アンバレー・ミュージアムからヒースロー空港へは一般道をしばらく走ったのち高速M23号線に乗ってひたすら北上、ロンドンの高速外環状線M25に合流してからは50キロほどの道のりのはずです。後ろ髪を引かれる思いでアンバレーを後に“ワインディング・ロード”というに相応しいイングランドの田舎道を快適にドライブ。私はもともと英国車好きで、現在個人的に乗っているのが1964(昭和39)年式のオースチンだけに、レンタカーで割り振られたのがフィアットSTILOというのが残念無念。できることならばいつものようにダブルクラッチを踏みながら、タックインを使って小気味よくコーナリングを決めたいところですがそれはかなわぬ夢…。そうこうするうちに高速M23号線に入ってしまいました。
▲アンバレー鉄道終点はいまだにクゥオリーの面影を残している。これからさらに整備されてゆくはずで、この日も何人かもトラスト・メンバーが黙々と作業を続けていた。'02.10.20

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ここまでは実に快調に進んできたのですが、悲劇(?)はロンドンの高速外環状M25に合流した途端に起こりました。えっと思う間もなくいきなり大渋滞! とにかくものすごい車の量で、4?5車線あるにも関わらず牛歩のスピードとなってしまいました。考えてみれば日曜日の夕方、しかも首都ロンドンの環状線です。東京に例えれば、神田橋あたりから首都高速環状線で羽田空港に向かおうというのですから混むのも無理からぬことかも知れません。

いや、こうなると一気に気になってくるのがダブリン行きの飛行機の時間です。イギリスとアイルランドは日本から見れば同じ国のように思えますが全く別の国。つまり距離こそ短いもののあくまで「国際線」ですから、19時10分発ということは、搭乗手続きを考えれば安全をみて一時間前にはチェックインしておきたいところです。しかもレンタカー・リターンの時間もみておかねばなりません。もちろん満タン返しですから給油の時間も…。不安は怒涛のように襲いかかってきます。時計の針はすでに17時30分。相変わらず渋滞の列は歩くより遅い速度でしかありません。航空会社に電話しようにもそれも無理。そのうちにトイレにも行きたくなってくる始末。万事休すか…。
▲ブロックハム駅構内。複雑に敷かれたデュアル・ゲージがわかる。彼方に見える建屋がささやかなインダストリアル・レールウェイ・ミュージアム。'02.10.20

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ようやく渋滞を脱出して空港にたどり着いたのが18時30分過ぎ。とにかくハザードを点けっぱなしでレンタカーを横付けして出発ロビーに飛び込みました。何とかチェックインだけでもして、それからレンタカー・リターンをしようという算段です。ところがブリティッシュ・エアーのBA5977便のはずが、チェックインカウンターにはどこにもそんな便がありません。これはもう締め切られてしまったかと落胆しながら問いただしてみると「エアー・リンガスへ行け」と言うではないですか。エアー・リンガス? 半信半疑のまま“Air Lingus”カウンターへ行ってバウチャーを見せるとあっけなくチェックイン。どうやらBA5977便はコードシェア便で、実際はアイルランドの航空会社エアー・リンガス177便だったのです。しかも機材の関係で出発は一時間ほど遅れるとのこと。カウンターのおばさんからそれを聞いた途端、へなへなとその場に座り込んでしまいそうでした。

実に濃密な一日が終わり、ようやく機内で一息。とりあえず今日はホテルで寝るだけと思いきや、まだ受難は続くのでした。一時間ちょっとのフライトでダブリン空港に到着したのは22時20分過ぎ。入国審査らしきものもなく到着ロビーに出たものの、延着の最終便とあって辺りはすでに閑散としています。ホテルインフォメーションのブースも担当者はすでに帰ってしまったらしくもぬけの殻。係不在の際はこの電話で…と注意書きがしてあるので電話してみると、表の6番と7番バス停の間でまっていろとのこと。ではと表に出るとこれが土砂ぶりの雨。とにかくホテルに早くたどり着きたい一心でずぶ濡れになりながらバス停を探しますが、どこを探しても6番やら7番やらの番号はありません。ほかの番号はあるのですが、なぜか6と7だけないのです。これは聞き間違えに違いないと再び電話に戻り、もう一度聞いてみますがやはり“between 6 and 7”というばかり。向こうは向こうで最終の宿泊客をピックアップに車を差し向けたにも関わらずまだ乗ってないのか、とちょっとイラついている様子。到着ロビーはもう人影すらなくなりつつあります。

ようやく清掃のおじさんを見つけて聞いてみると、何と6番7番のバス停だけロビーをはさんで逆側の出口を出たところにあるではないですか。これはわからないはずです。電話の担当者はその旨を伝えてくれていたらしいのですが、こちらがそんな細かい 英語を聴き取れるわけもありません。こういう時は本当に一人旅の大変さを実感します。ホテルにたどり着くなり、フィルムの整理もうっちゃって深い眠りについたのでした。

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