鉄道ホビダス

ひさしぶりのエコーさん。

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都営地下鉄三田線本蓮沼駅A口を出て中仙道を志村方向へ、石材屋さんの角を曲がって次の路地を左へ…。開口一番、「電車での来かた忘れちゃったんじゃないの」と店主の阿部敏幸さんに突っ込まれながら、ひさしぶりにエコーモデルさんの扉を開きました。たしかに近年はクルマでお邪魔する機会が多かったのですが、かといって30年以上染み付いた本蓮沼からの路を忘れようはずもありません。

しばらく前にマイクロエンジニアリングの引き抜きレールを注文し、近々、一杯やる際にでもと軽口を叩きながら結局数箇月。ようやく時間を見つけて引き取りに伺ったというわけです。

多くの方がご存知のように、エコーモデルさんは昨今の模型界にあってはいろいろな意味で稀有な存在です。まず、Nゲージを扱っていない。この一点だけでも充分に特筆されるだけのことがあります。誤解を招かないために申し添えると、阿部さんは決してNを排斥しているわけではなく、限られたスペースで、それこそ究極の品揃えを目指すからには、ご自身が最もシンパシーを感じている16番に特化するのがベストだという思いによるものです。一度お出でになった方ならおわかりのように、とにかくその品揃えたるや尋常ではありません。それも完成品はもとより、パーツや素材のストック量が膨大で、阿部さん自らおっしゃるように、まさに16番モデラーの駆け込み寺的存在です。

そして何よりも、阿部さんを筆頭にした、スタッフの方の商品知識や技術知識の豊富さこそが、このお店の最大の美点でしょう。私たちの世代にとって、鉄道模型に限らず専門店というからには、“カウンターの内側”の人は外側、つまりは私たちお客さんより数段知識があり、疑問質問に応え、時には叱責してくれる存在という頭があります。最近の家電量販店などでは、きわめて初歩的な質問をしても「はぁ?」という対応をされることが少なくなく、カウンターの外側と内側の良い意味での旧来的なキャッチボールを楽しめるという点でも、エコーさんは稀有な存在と言えましょう。

以前、アメリカ最大の鉄道模型店「カブース・ホビース」を取材した時、ジェネラル・マネージャーから面白い話を聞きました。とにかく信じられないほど巨大な模型店ですから、当然ながら在庫管理はコンピュータによっているものと思いきや、何とあえてコンピュータ管理をしていないというのです。なぜならば、各担当がコンピュータ任せにせずに自らの頭で管理することによって、どこにも負けない商品知識が身につくからだというのです。カブース・ホビースのスタッフは、全員がジョンだのマイクだのといったニックネームのプレートを付けており、初めての買い物客には必ず「担当」がついてくれる形になります。聞けばこの担当との関係は何十年も続いている例さえあるそうで、テクニックの指導から果てはホームレイアウト製作の手伝いまで、とことんサポートしてくれるのだそうです。

写真は「RMの記事見てぼくもペンタックスOptio買っちゃったよ」とおっしゃる阿部さんと、互いのオプティオで撮りっこした際のツーショットです。新しいお店とばかり思っていたエコーモデルさんも今年で開店32周年。年末には阿部さんも還暦を迎えられるそうですが、これからの時代、いよいよエコーさんの存在がきらめいてくるに違いありません。

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