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火を落とす58654。

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残念なニュースが飛び込んできました。JR九州の動態保存蒸機58654がリタイヤすることになったのです。実は以前より同機の不調は少なからず耳にしており、いつかはこの日がやってくるのではないかと危惧していたのですが、ついに現実となってしまいました。

人吉機関区で1975(昭和50)年3月31日に廃車となって以来、矢岳駅構内で静態保存されていた58654号機が華々しく復活を遂げたのは、今から17年前、1988(昭和63)年の夏のことです。この年はまさに蒸機復活元年とも呼ぶべき年で、北海道ではC62 3が、秩父鉄道ではC58 363が、そして年末にはD51 498が車籍復活を遂げています。

つまり4輌もの国鉄機が動態復活した記念すべき一年だったわけですが、事情は異なれ、C62 3に続いて58654が火を落とすとなると、この年に復活した半数が再び冷たい体に戻ってしまうことになります。

JR九州本社広報6月21日発表のプレス・リリースによれば「SL車両の経年83年に伴う老朽化により、SL単独での牽引運転が困難になったため、復活運転を開始した同じ日の平成17年8月28日をもってその運転にピリオドを打ち、有終の美を飾ることになりました」とあります。

さらに「SL運転終了後の取扱い」として「SL本体については復活の可能性を精査します。なお、困難な場合は保存方法も含め検討します」と付け加えられており、再び58654の元気な姿を見ることは適わなそうな気配です。

15日付けの本欄でも触れたように、動態保存機を取巻く環境は一年一年厳しさを増しています。理由こそ多少異なりますが、日本ナショナルトラスト所有のC12 164も保安機器の関係から現在運転できない状態にあります。来年にかけて全般検査入場を予定している機関車も複数あり、場合によってはそこでまた新たな問題が発生するかも知れません。いずれにせよ、8月28日以降、わが国の本線運転可能な蒸気機関車が16輌から15輌に減じてしまうことだけは確実です。

写真は昨年の「日本鉄道保存協会」の年次総会で訪れた際の58654の姿です。実は昨年の総会の開催地団体はJR九州で、石井前社長以下たいへんな歓迎でお迎えいただきました。もちろん開催地団体の58654に関する基調報告もあり、お歴々一行は熊本駅へ…ところが、そのハレの舞台に58654が不調! DE10を後補機に付けるという少々寂しいハプニングとなってしまいました。

最後に、瑣末なことですが、せっかく立派な砲金製区名札を付けているにも関わらず、寸法取りを間違えたのかえらく小ぶりです。ずっと気になっていたのですが、今となってはそれも詮無いことです。’04.9.11 立野(時ならぬ不調に乗務員のみならず心配げなJR九州スタッフ)

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