鉄道ホビダス

「坊っちゃん列車ミュージアム」オープン。

20161214130310-e7d306e78fdc205ede4766c3b838e252cc2bb295.jpg
▲12月9日にオープンした伊予鉄道「坊っちゃん列車ミュージアム」のメイン展示はこれまで屋外に置かれていた1号機のレプリカ。'16.12.10 P:玉井良孝
クリックするとポップアップします。

「編集長敬白」が終わりになるとのことで寂しい限りです...とのお便りとともに、愛媛県の玉井良孝さんから、先週オープンしたばかりの伊予鉄道「坊っちゃん列車ミュージアム」についてのレポートを頂戴いたしました。

20161214130330-d4c93aca9dd43a7def00077f4ef2ab0c4418af9a.jpg
▲面積こそそれほど大きくはないものの、一次資料の展示もあり一度は訪れてみたいミュージアムとなっている。'16.12.10 P:玉井良孝
クリックするとポップアップします。

12月9日(金)、伊予鉄道の「坊っちゃん列車ミュージアム」がオープンしました。場所は、松山市駅の伊予鉄道の本社ビル1階です。以前はビル前に坊っちゃん列車1号機のレプリカが展示されていましたが、今ではそこはスターバックスコーヒーの入口となり、その中を通って「ミュージアム」に行くような経路です。案内板が詳しくないため、最初は迷い、ビルの周りを一回りすることとなりました。ちなみに「スタバ」の外装デザインは車輌の緑基調のデザインを踏襲しています。

20161214130350-ba4dcfcd25dbcf02331b1f9f2a3447a214044da4.jpg
▲レプリカの1号が置かれていた本社1階はなんと"スタバ"になっている。'16.12.10 P:玉井良孝
クリックするとポップアップします。

20161214130410-0882e0010ca2139ca1a74324201135dfb29ad456.jpgコーヒー店の奥にレプリカが見え、ミュージアムのメイン展示となっています。周りには、伊予鉄道の歴史、古い乗車券・絵葉書・写真類、さらには、DB-1、2の銘板・メーカ銘板などが展示されています。DB-2の新三菱重工の銘板は他機関車も付けていたので見覚えありましたが、DB-1のメーカ銘板は初めて見ました。クラウス6号機の下回りを使って森製作所が製作した試験車輌的な履歴の持ち主は、後にDB-2以降と同型に改造されたことは聞いていましたが、銘板から見ると自社工場改造を意味しているようです。

▲本社前に置かれていた頃の1号機レプリカ。'05.1 P:玉井良孝
クリックするとポップアップします。

20161214130434-f25cea25205111904b4fc14ad6f2a806dac6aaa5.jpg20161214130457-54e6dd235c390ff6cb42f103376da76f56984d5b.jpg
▲坊ちゃん列車3号機(愛媛大学工学部新居浜返却)の番号板と社紋(左)。DB-1とDB-2の銘板類。DB-1は森製作所で竣功後、一年後に再改造された際の銘板と思われる(右)。'16.12.10 P:玉井良孝
クリックするとポップアップします。

クラウス3号機の銘板も展示されています。クラウス1号を復元する時、道後公園に展示していた際に無くなった部品調達を愛媛大学工学部(当時、新居浜)に展示していた3号機の返還を得て成し遂げ、現在は梅津寺公園に展示されています。その3号機の残った銘板であり、レプリカの中に3号機の部品が利用されているようです。

20161214131201-c773097cda728aa0ba9f5cd9c4df625935a233ec.jpg20161214131223-7947038cdda88f4d7df4ca3a41811a6bd1f89326.jpg
▲伊予鉄道の歴史年表(左)とレールと犬釘の変遷(右)。'16.12.10 P:玉井良孝
クリックするとポップアップします。

20161214131245-87f3bb8adc3669909efd8befe3c04b1a0aab6230.jpg20161214131305-70d77a834c1c8c14b5b424e37d628c24741dbec4.jpg
▲伊予鉄 鉄道クラブの皆さんによる写真展示。'16.12.10 P:玉井良孝
クリックするとポップアップします。

訪れた10日(土)は、伊予鉄 鉄道クラブのNゲージレイアウト、歴史的車輌の写真展示、オリジナルグッズ販売が別部屋で行われていました。全体的に、大規模な「ミュージアム」ではありません。以前、道後駅の2階に部品類、写真類(今回のミュージアムに移動されているようです)が展示されていましたが、しばらくして閉じられてしまいました。朝日新聞によると、伊予鉄・清水社長は「松山市駅前のにぎわいにつながれば」「かつての写真も発掘して展示し、鉄道の歴史や松山市駅前の移り変わりが分かる。コーヒーを味わいながら、ゆっくりとくつろいでいただきたい」と話していますが、いろいろイベントを開いて、長く続いて欲しいものです。

20161214131327-655d80852208a626f4bd13608230d0327bdb2038.jpg
▲展示されている松山市停車場図。確かに転車台の位置が描かれている。'16.12.10 P:玉井良孝
クリックするとポップアップします。

ところで、私の収穫は長年探していた「資料」が展示されていたことです。
私の疑問の始まりは、色々な鉄道雑誌に出ていた江本廣一さんが昭和27年2月1日に撮影された伊予鉄道クラウス3号機の写真です。梅津寺を松山市駅方向へ行く3号機の貨物列車がバック運転しています。古町駅の3号機も松山市駅方向へのバック運転です。この時代、この高浜線も郡中線も電化され、クラウスが旅客を牽引しているのは、森松線と横河原線だけです。そのため、この時代の写真として残っているクラウスは、全て松山市駅から森松・横河原方向へ先頭を向けていて、松山市駅での機関庫の出口方向も機関車を前にしています。ところが、3号機の写真のまま松山市駅に帰っていくと、バックを森松・横河原方向に向けることになります。今まで見た写真の中でこの写真だけが逆方向を向いていることになります。

20161214131348-43fe130b5f60777e8cba1245862ebc546c2fcf72.jpg20161214131409-3929960977ac4798abc509801d5475eaf004cafb.jpg
▲昭和初期の松山市停車場図(左)と、高浜線平面図。'16.12.10 P:玉井良孝
クリックするとポップアップします。

そうなると、松山市駅の設備に転車台(ターンテーブル)があったと考えられます。ところが、今まで、伊予鉄社史や関連出版物に一枚の写真も見たことありません。転車台の存在を確かめたいと、江本廣一さんや坊っちゃん列車を撮影した先輩方にも問い合わせしましたが、ついに見たという人に出会いませんでした。江本廣一さんには何回もお手紙をいただき、問題の引き伸ばし写真までいただきました。

20161214131431-bceeb429ba624005c7536f78c1119658d1e33319.jpg
▲西井 健さん自筆による松山市駅構内図。'16.12.10 作図:西井 健
クリックするとポップアップします。

その後、伊予鉄へ昭和20年に入社し、昭和28年まで機関助士をして、バスに配置転換された西井 健さんに知遇を得ました。西井さんは、平成2年、退職時、「坊っちゃん列車物語」を自費出版されました。「機関車の仕事は厳しかったが、それだけに男みょうりに尽きる職場。みんな誇りを持って働いていた」と当時を振り返って、この本にエピソードをいろいろ記録しています。その後、同名の書籍として、アトラス出版から一般に販売されています。その西井さんに松山市駅の転車台の事を聞いてみると、存在の記憶があり、手書きでその場所を示していただきました。

20161214131452-74d5c107ce1e855444782b8cb3a3448098a6196f.jpg
▲西井 健さんの記憶による転車台の位置。'16.12.10 提供:玉井良孝
クリックするとポップアップします。

あとは、公文書か写真を探すことでしたが、なかなか出てきません。伊予鉄 鉄道クラブの方にも何か転車台の資料は無いか問い合わせてはいたのですが、数年前、転車台の資料がありそうだとの「ささやき」を聞きました。その後、具体的に資料は出てきませんでしたが、今回、「坊っちゃん列車ミュージアム」で探していた「資料」に出会うことができました。
「資料」は「松山市停車場図(昭和初期)」で、問題の転車台が記載されています。坊っちゃん列車の市駅での写真が多く残っていますが、そこから考えられる線路配置や戦後、伊予鉄で働いていた西井さんの記憶からの線路配置と比較すると、若干、異なります。戦後すぐに米軍が日本全国の航空写真を撮っています。松山市駅周辺の写真もあり、そちらも確認したところ、解像度の問題か、線路配置、転車台の存在の確認は出来ませんでした。松山は、大空襲にあっていますので、戦前戦後で変わっていることの可能性は考えられますが、転車台の存在は続けてあったと信じて「ミュージアム」を後にしました。

※これまでにご紹介した坊っちゃん列車関係記事
・伊予鉄道のディーゼル"坊っちゃん列車" →こちら
・「坊っちゃん列車」を撮る →こちら
・伊予鉄道本社の複製1号機 →こちら
・もうひとつの伊予鉄道1号機レプリカ →こちら
・晴海に来た「坊ちゃん列車」 →こちら
・梅津寺公園の伊予鉄道1号機 →こちら
・越中島の"坊っちゃん列車" →こちら
・愛媛県総合科学博物館の"坊っちゃん列車" →こちら

20161205151446-cb79558b1c23e1d51e9cec4ac7f41c7fbe4725de.jpg

20161118151734-e92374b7b94301285e7197c891a4e6a4e1099c4e.jpg

20161003173949-e66382346b4ae97347911b23ab3a3df011bfae16.jpg

20160920191349-9b442949398417f29c117f4d0274bec7a1249d39.jpg

20160926172819-3289ab368e97cf7e56ebec205d5330fa2a468771.png

20160812144117-9c3f4f2f5dd65023d13e3f387fb62bb899160425.jpg

20160729165824-b2d81f3a1132d221b4dc8b5c9e6a8c51da8dcb0d.jpg

20160411195235-4d1d42b37f1bb46cf57b6a5f3d9d5a243b6ce5fc.jpg

レイル・マガジン

2016年12月   

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
「編集長敬白」が携帯電話でもご覧になれます。下記アドレスもしくはQRコードを読み取ってアクセスしてください。
http://rail.hobidas.com/blog/
natori/m/

ホビダス・マーケット新着MORE

  • 俺がイル
ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2016 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.