鉄道ホビダス

2016年12月12日アーカイブ

「FEDERAL」再発見。

20161211225733-5cbfa809883b7239337b0dec3c655fdf1f612f63.jpg
▲岡谷市のecoポッポ(諏訪湖周クリーンセンター)で"再発見"された「FEDERAL」。今年整備された施設だが、1980年代初頭に所在不明になって以来、実に30年以上の空白を経て再び忽然と姿を現した。'16.11 P:高橋 滋
クリックするとポップアップします。

それは今から30年以上も前のことです。中山道塩尻峠の頂上付近の資材置場に、プリムス(Plymouth)ともう1輌、聞いたこともない外国製のガソリン機関車が置き去りにされているという噂を聞きつけ、詳しい状況もわからぬまま探しに出掛けたことがあります。今のようにカーナビがあるわけでもなく、道路地図と地形図、それに"聞き込み"だけが頼りの捜索でした。

20161211225758-7cf4f4eca00a593d29e69eccf6c8f46d64c84fb6.jpg
▲上回りは後年の改造と思われるが、やけに腰の高い鋳鋼台枠はオリジナル。通常見られる台枠側面の陽刻はなく、軸箱部のチェーンアジャスト機構もない。'16.11 P:高橋 滋
クリックするとポップアップします。

20161211225841-6be44e02c45cef29fc21fbadc283a10a59b416e8.jpg果たして目的の機関車は「塩尻峠やまびこ公園」の造成地に無造作に置かれていました。しかもその前には国鉄蒸機のものと思われる動輪も...。なんともシュールな光景でしたが、この時を最後に、2輌の機関車はその姿を消してしまいました。後年、プリムスの方は岡谷市の釜口水門河川公園で保存されたのが確認されたものの、もう1輌、FEDERALと陽刻のある謎のガソリン機関車の消息は知れないままでした。

▲保存場所のecoポッポは正式名「諏訪湖周クリーンセンター」が示すように、諏訪湖周辺のゴミ処理センターに隣接する休息施設。'16.11 P:高橋 滋
クリックするとポップアップします。

20161211225923-4759801aeb37b5cfc3afe2bd027d9f6c9534b72c.jpg
▲「自然と人を守り育て、地域をつなぐ活動をけん引し、ecoポッポ(施設名:諏訪湖周クリーンセンター)は、岡谷市・諏訪市・下諏訪町の2市1町と共に、子どもたちの夢を乗せ、光り輝く未来へのレールを、元気に力強く駆けて行きます。竣工 平成28年11月 標高999m」と解説看板にあるが、なにゆえインダストリアル・ロコの展示なのか、いまひとつ要領を得ない。'16.11 P:高橋 滋
クリックするとポップアップします。

りんてつ倶楽部の高橋 滋さんから「FEDERAL発見!」の報が入ったのは先月のことでした。果たしてFEDERALは諏訪湖周クリーンセンター付帯の「ecoポッポ」という公園施設に立派な屋根を伴って保存され、再びその姿を見せてくれたのです。施設の完成が11月と記されていますから、ナローファンにとってはまさにホットなニュースといえましょう。

20161211225957-fee4d7bd36e748de368591170aca825c95109126.jpg
▲"たれ目"の特徴的なキャブ正面窓。Hゴム支持で、当然ながら後年の改造によるもの。'16.11 P:高橋 滋
クリックするとポップアップします。

20161211230023-17a056aa8ac4be894a1a88affaba3a0f14a98d1e.jpg
▲キャブ側から見たパワートレーン。変速機・逆転機はフリクション式ではなくともに歯車式。ドライブチェーンは失われている。'16.11 P:高橋 滋
クリックするとポップアップします。

20161211230047-2703091b6cdc191121073902caaa28573bb82535.jpg
▲FEDERALの文字が鋳出されたウォーターマニホールド。エンジンはストリップシリンダーの4気筒ガソリン。'16.11 P:高橋 滋
クリックするとポップアップします。

ところで、このFEDERAL(フェデラル)、産業用も含めたアメリカ製機関車メーカーのバイブルともいえる『American Locomotive Builders』 にも記載がなく、その素性は良くわかりません。高橋さんがお調べになったところでは、フェデラルはフルネームが「Federal Trucks」で1910(明治43)年〜1959(昭和34)年にアメリカに存在していたトラック(自動車)メーカーのようです。この会社のロゴは「FEDERAL」の文字の中央を左右に貫通する一本の線が結んでおり、これはラジエターやエンジンの陽刻と一致します。

20161211230138-bcb6ba6e61a617d191aa1febab4a86a58e4d26e4.jpg
▲今から33年前、塩尻峠で発見された当時のプリムス(右)とフェデラル。プリムスはその後、釜口水門河川公園に保存された。'83.7.24 P:名取紀之
クリックするとポップアップします。

20161211230223-9cad6962ab20da3208d6841260c2d604ed26c0dc.jpg
▲両機のバックビュー。黒一色に黄帯の塗色はこの当時からのものだが、警戒色塗装が鉄則の建設現場で黒色とは解せない。'83.7.24 P:名取紀之
クリックするとポップアップします。

この機関車を使っていたとされる岡谷組さんのホームページを見ると、「昭和3年1月 天竜川上流改良に伴う釜口水門工事(ストニー式構造)に着手し掘削工事用としてアメリカより機関車2輌購入しトロッコけん引により王子の機械化の先端を成し昭和11年3月完成する」とあり、フェデラルとプリムスはまさにその2輌と思われます。

20161211230249-7051d7f599bcd42ebc7335c27ce6ab79d1d0b4f9.jpg
▲資材置き場に仮置きされた状態のFEDERAL。それにしても蒸機の動輪まで置かれているのは謎。'83.7.24 P:名取紀之
クリックするとポップアップします。

高橋さんは「釜口水門の工事が1932(昭和7)年〜1934(昭和9)年。工事開始年に新製されたとしたら今年で84歳の機関車です。フェデラル製の機関車は日本で唯一の1輌かも知れませんね」と言っておられます。

20161205151446-cb79558b1c23e1d51e9cec4ac7f41c7fbe4725de.jpg

20161118151734-e92374b7b94301285e7197c891a4e6a4e1099c4e.jpg

20161003173949-e66382346b4ae97347911b23ab3a3df011bfae16.jpg

20160920191349-9b442949398417f29c117f4d0274bec7a1249d39.jpg

20160926172819-3289ab368e97cf7e56ebec205d5330fa2a468771.png

20160812144117-9c3f4f2f5dd65023d13e3f387fb62bb899160425.jpg

20160729165824-b2d81f3a1132d221b4dc8b5c9e6a8c51da8dcb0d.jpg

20160411195235-4d1d42b37f1bb46cf57b6a5f3d9d5a243b6ce5fc.jpg

レイル・マガジン

2016年12月   

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
「編集長敬白」が携帯電話でもご覧になれます。下記アドレスもしくはQRコードを読み取ってアクセスしてください。
http://rail.hobidas.com/blog/
natori/m/

ホビダス・マーケット新着MORE

  • 俺がイル
ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2016 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.