鉄道ホビダス

2016年10月アーカイブ

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▲室内保管ではないものの、良好な状態で保存されているJR西日本吹田総合車両所のモハ52001。'16.10.29 P:宮武浩二
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20161031165411-4e6be92758ef583775c63c72f720e53390605fb0.jpg「流電」として知られるクモハ52形が現役を退いたのが1978(昭和53)年秋。すでに38年もの歳月が流れたことになります。それでも国電ファンにとって「流電」モハ52は決して色あせない憧憬となって生き続けています。
そんなクモハ52は2輌が保存されています。お馴染みJR東海のリニア・鉄道館の004と、JR西日本吹田総合車両所の001ですが、後者は一年に一回しか公開されておらず、見学すること自体が貴重な体験となっています。今年の公開日は先週土曜日(10月29日)。宮武浩二さんがお出でになられ、さっそく画像をお送りくださいました。

▲準鉄道記念物として保存されていることを示す説明板。'16.10.29 P:宮武浩二
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▲モハ52001のサイドビュー。整然と並んだ小窓が第一次流電の特徴。'16.10.29 P:宮武浩二
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▲先週末のJR西日本吹田総合車両所一般公開の様子。年に一度の機会、しかも晴天に恵まれたとあって多くの来場者で賑わった。'16.10.29 P:宮武浩二
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10月29日(土曜日)にJR西日本吹田総合車両所の一般公開があり、工場内に保存されているモハ52001を見学してきました。吹田総合車両所は年に一度しか公開がなく、しかも公開時間は10時から15時30分、つまり一年365日のうちの5時間30分しかモハ52001を見ることができないわけです。

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▲モハ52001の連結面側。なかなか拝む機会のない貴重な角度。'16.10.29 P:宮武浩二
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▲車体のスカート部はコンプレッサーの部分だけが切り欠かれている(左)。その隣は抵抗器の場所で、細かい丸い穴が通風口として放熱している。右は屋根上のがらりとベンチレーター。'16.10.29 P:宮武浩二
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当日は晴天に恵まれたこともあって大変な賑わいで、モハ52001の周囲にはファンのカメラ放列が途切れることがありませんでした。

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▲車内は通り抜けによる見学方式で着席はできない。'16.10.29 P:宮武浩二
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▲側面の通風用ガラリからつながっている通風口(左)。側面の行き先表示(右)は復元の際に取り付けられたもので、元々の木部とは色調が異なる。'16.10.29 P:宮武浩二
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車内の公開も行われましたが、混雑緩和のために通路を通り抜けるようになっていたため、ゆっくり撮影はできませんでしたが、それでも多少は撮影することができました。

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▲「昭和11年 川崎車輌」の立派な製造銘板。'16.10.29 P:宮武浩二
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▲001は半室運転台。運転台の反対側は展望席(?)となっている。さぞかしスピード感が楽しめたのだろう。'16.10.29 P:宮武浩二
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▲かなり窮屈なモハ52001の運転室。'16.10.29 P:宮武浩二
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▲飯田線で最後の活躍を続けていた現役時代のクモハ52001。'78.11.2 牛久保 P:名取紀之
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▲東武鉄道の新型特急車500系「Revaty」の走行イメージ。(東武鉄道プレスリリースより)
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10月20日に小田急電鉄で新型ロマンスカーの製造が発表されましたが(→こちら)、1週間後の27日には、東武ホテルレバント東京4階「錦」において、2017年春のダイヤ改正で導入が予定されている、東武鉄道の新型特急車輌500系の愛称名・ロゴマークおよび運転概要の記者発表会が行われました。

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▲車輌愛称名が「Revaty」に決まった新型特急車輌500系の外観デザイン(イメージ)。画像提供:東武鉄道株式会社
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▲「Revaty」のロゴマーク。(東武鉄道プレスリリースより)
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20161028163042-14dd847df7896ea87da8e272513c461c290bd199.jpg記者発表会では、初めに都築 豊取締役鉄道事業本部長による挨拶が行われ、続いて大阿久信二浅草駅長がパネルを持って登壇、車輌愛称名とロゴマークが発表されました。
車輌愛称名は「Revaty」(リバティ)で、多様・さまざまなを意味する「Variety」と自由を意味する「Liberty」の造語となっています。これは、500系の併結・分割機能を活かした多線区での運行と、同社の路線を縦横無尽に走り回る自由度の高さを表現したものです。
また、ロゴマークは「Revaty」の頭文字「R」が、さまざまな色の三角形を複数組み合わせてデザインされています。三角形は、3輌固定編成が併結・分割し、広域なシームレスに運転される多様性を表現するとともに、車輌の外観塗色と調和する色を採用してロゴマークに立体感を演出しています。

▲記者発表会の最後は、500系先頭車のモデルを前にして、登壇者によるフォトセッションが行われた。ちなみに、500系先頭車のモデルは1/20スケール。'16.10.27 P:RM(伊藤真悟)
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▲車輌側面に配置される「Revaty」のロゴマーク(イメージ)。 画像提供:東武鉄道株式会社
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愛称名・ロゴマークが発表された後、鈴木孝郎鉄道事業部運輸部長より運転概要が発表されました。
500系を使用した特急は、中・長距離区間特急と近距離区間特急が設定され、中・長距離区間特急は下今市駅で併結・分割する「特急リバティけごん」(浅草~東武日光)+「特急リバティきぬ」(浅草~新藤原)、「特急リバティけごん」(浅草~東武日光)+「特急リバティ会津」(浅草~会津田島/野岩鉄道・会津鉄道直通)が運転されるほか、夜間時間帯には東武動物公園駅で分割する「特急リバティけごん」(浅草~東武日光)+「特急リバティりょうもう」(浅草~館林)も運転されます。

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▲運転区間別列車運転パターン。(東武鉄道プレスリリースより)
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近距離区間特急は通勤時間帯に設定され、「特急スカイツリーライナー」(浅草~春日部間/6輌編成)、春日部駅で分割する「特急アーバンパークライナー」(浅草~大宮間、浅草~野田市間)と東武アーバンパークラインのみを走行する「特急アーバンパークライナー」(大宮~運河間/3輌編成)が運転されます。なお、「特急スカイツリーライナー」は、一部列車に100系「スペーシア」が充当されます。

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▲プラグドアの開閉時の動き。(東武鉄道プレスリリースより)
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▲東武鉄道初となる車体動揺防止制御装置。(東武鉄道プレスリリースより)
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運転概要の発表後、吉野利哉鉄道事業本部車両部長より、500系の外観デザイン、内装デザイン、車輌設備、車体設備などの車輌概要の説明が行われました。昨年4月22日付でプレス発表されていますように、車輌の外装・内装デザインは、奥山弘行 KEN OKUYAMA DESIGN 代表が監修されます。さらに、500系の車内自動放送は、東上本線で運行中の"TJライナー"で実績のある、フリーアナウンサーで女子鉄の久野知美さんが担当されることが発表されました。

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▲記者発表会場では500系の腰掛も披露された。腰掛は江戸の伝統色「江戸紫」をモチーフにした配色で、袖部分には江戸の伝統工芸「印伝」をモチーフにした柄があしらわれている。また、インアームテーブルと背面テーブルを備えている。'16.10.27 P:RM(伊藤真悟)
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▲(左)肘掛内側のリクライニングボタンの隣にコンセントが用意されている。(右)背面テーブルに貼られている500系の車輌案内。'16.10.27 P:RM(伊藤真悟)
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なお、今回発表された特急の運行計画を含め、2017年春のダイヤ改正については検討中とのことで、決まり次第発表になるとのことです。
取材協力:東武鉄道株式会社

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▲ボールドウィンのキャブ内から修復なったB型客車を望む。'16.10.23 P:木村一博
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よみがえれボールドウィン実行委員会(内田章 会長)では2013(平成25)年以来、木曽(王滝営林署)のB型客車15号の修復作業を行ってきましたが(アーカイブ「第6回根利森林鉄道まつりを開催」参照→こちら)、ようやく披露出来る段階となり、去る10月23日に、森林技術総合研修所林業機械化センターで「B型客車修復工事完成内覧会」が開催されました。同実行委員会の木村一博さんより報告を頂戴しましたので、ご紹介いたしましょう。

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▲森林技術総合研修所林業機械化センター青山一郎所長による挨拶が行われた。'16.10.23 P:木村一博
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B型客車15号は木造車輌であることが最大の特徴ですが、木造修復技術は当会の弱点でもあります。地元の利根沼田建築相互組合会員の皆さんの全面協力を得て、修復作業は各部の採寸をしつつ解体する事から始まりました。

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▲ボールドウィン3号の修復開始当時のB型客車の様子。かなり荒廃してしまっていたのがわかる。'06.8.27 P:木村一博
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▲展示棟(新機館)内に移動したB型客車。'10.6.20 P:木村一博
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修復に際し再利用可能な物は最大限活用する事とし、火災や腐食の進んだ台枠、柱、側板等は新製する事としました。オリジナルと同じ材料、木種、工法で行うのが理想なのでしょうが、私たちの手では難しい面(金銭的にも)が多く、調達可能な物を主に、オリジナルの形状を尊重しつつ現在の規格、工法で行う事としました。

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▲台枠製作中、継ぎ手部分の加工中(左)。右は 台枠組み立ての様子。'13.4.21/'13.5.12 P:木村一博
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諸々の協力を得て台枠関係の木材は、根利の山から切り出した長尺の杉材を使用する事ができました。木種はオリジナルとは異なりますが長尺無垢材を調達出来た事で修復作業に弾みがつきました。

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▲両端の柱建て、トラス部の移植が完了した状態。'13.6.9 P:木村一博
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材木の整形や組み立ては前述の利根沼田建築相互組合の大工さん支援を主に進めました。特に客車側面の主構体を形成するトラス構造は現在の大工さん達もその構造に興味津々で感心していました。

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▲屋根移植が完了した状態(木材の色の違いで新製部分が分かる)。'13.8.18 P:木村一博
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▲車体を台車に乗せた後、側板を張り始める。'14.6.15 P:木村一博
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▲窓枠塗装の様子(左)。右は屋根板金が完成した状態。'16.3.9 P:木村一博
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側板、床材は現在の規格品を使用。屋根は板金を除いてオリジナルを移植しました。屋根板金は板金職人さんに現在の部材、技術を発揮して頂きました。ドア、窓類はオリジナルを補修し再使用。塗装は水性塗料で、色は容易に手に入る物から近い色選びました。

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▲修復完了した室内。写真左側は新調した側板、長椅子。写真右側はオリジナル椅子材、側板は透明塩ビ版で内部トラス構造が見える様にした。'16.9.11 P:木村一博
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▲内覧会の朝、見違えるように綺麗になったB型客車が内覧会を待つ。'16.10.23 P:木村一博
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標記など、まだ細部に手を入れる所が残っているものの、来年春(5月末頃)に開催予定の「根利森林鉄道まつり」では修復完成したB型客車の姿をお目にかけられる予定ですので、お楽しみに...。

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▲「東京驛」の転車台で方転後、機回しする12号機。スクリュー・リンク&バッファーの連結器は今なお現役。左後方の庫内に9号機の姿が見える。'16.10.20
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事例報告では小坂鉄道保存会の千葉会長が、昨年新たに小坂鉄道レールパークの仲間に加わった「あけぼの」用24系客車4輌の利活用を中心にプレゼンテーション(アーカイブ「小坂鉄道レールパーク"ブルートレインあけぼの"プレオープン」参照→こちら)。全国唯一の"動態保存"の列車ホテルをボランティアの手でどう護ってゆくかが熱く語られました。

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▲今年の総会会場はなんと重要文化財の旧三重県庁舎。明治村内の保存建造物の中でも最も大きな建物。'16.10.20
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続いて登壇されたのは新潟市新津鉄道資料館の水澤副館長。「地域貢献・相互連携・協働」をキーワードに2012(平成24)年からリニューアルを開始し、来館者数を実に5倍に増やした秘策の数々を披露されました。メディア戦略を含めて、行政主導のこの成功例は、多くの参加者の皆さんに力強く響いたはずです。

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▲総会は2階の広間で行われた。窓や天井の意匠、それにシャンデリアが歴史的建造物の重みを感じさせてくれる。'16.10.20
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事例報告の最後は東武博物館の花上名誉館長。東武鉄道のSL復活プロジェクトの中心でもある花上名誉館長は、車輌も設備も、はたまた運転・検修技術もまったくない、いわばゼロから蒸気機関車の営業運転を実現するまでのさまざまなご苦労を、数々の具体事例、時には秘話も交えてご説明下さいました。

20161026143601-d61ba95a560f7df536756ef5d0cf0e78cade9b8a.jpgそして今回の事例報告で最も注目を集めたのが遠軽町丸瀬布総合支所産業課の上戸係長による「丸瀬布いこいの森」の台風被害の状況報告でした。8月15日~17日の最初の台風7号では降水量(上武利雨量観測所)127ミリとまだ許容範囲内でしたが、8月19日~23日に襲来した台風11号+9号でさらに183ミリ、8月26日の低気圧で16ミリ、そして8月29日~31日の台風10号で117ミリと、なんと17日間に総降雨量443ミリに達し、普段は静かな清流の武利川が大氾濫して軌道の半分が流出、破壊されてしまいました。

▲事業報告を行う米山事務局長。右は菅会長と私。'16.10.20
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▲急遽、事例報告をしていただくことになった遠軽町丸瀬布総合支所産業課の上戸係長。パワーポイントで投影される被害状況に参加者から驚きの声が上がった。'16.10.20
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幸いなことに機関庫側は被害を免れたため、車輌はすべて無事だったものの、バンガロー、オートキャンプ場側の軌道は原型を留めないほどになってしまっています(アーカイブ「丸瀬布いこいの森が大被害」参照→こちら)。

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▲ドローンが撮影した台風10号通過直後の惨状。左上にかろうじて流出を免れた武利川橋梁が見える。提供:遠軽町丸瀬布総合支所産業課
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▲弓型に蛇行している武利川は、流量が河川限界を超えて直線的濁流となっていこいの森を襲った。提供:遠軽町丸瀬布総合支所産業課
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町では堆積した膨大な流木を撤去することから復旧を開始しましたが、いわゆる根株のついたままの流木は、まず根株と幹部分を切断分離する必要があり、この作業だけでも500万円規模の出費となってしまったそうです。ただ、もし流路が変わらずにこの膨大な流木が武利川橋梁を直撃したとすると、鉄橋そのものが流出してしまったかもしれず、その点では最悪の事態は免れたと言えるのかもしれません。

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▲状況が判明するに従って、その甚大な被害が詳らかとなってきた。軌道は本来の位置から大きく逸脱して破壊されていた。提供:遠軽町丸瀬布総合支所産業課
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▲一部の軌道は道床を失って宙吊りの状況(左)。右の軌道は本来画面右側に敷設されていたものだが、数メートル横に流されてしまっている。提供:遠軽町丸瀬布総合支所産業課
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▲ようやく流木の処理が始まった(左)。撤去したレールは捩れがひどく、再利用はできそうもないという(右)。提供:遠軽町丸瀬布総合支所産業課
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丸瀬布の地はすでに冬の装い。雪の到来前にある程度の復旧を行いたかったところですが、JR各線も甚大な被害を受けており、保線業者がそちらに掛かりっきりになっていることもあって、今年度中の復旧は断念せざるを得ないとのこと。パワーポイントを食い入るように見つめていた全国各地の保存団体の参加者の皆さんは、わが事のようにこの事例報告を共有されていました。

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▲現在は被害の少なかった機関庫側の線を使ってプシュプル運行を行っている。提供:遠軽町丸瀬布総合支所産業課
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▲武利川橋梁の手前で折り返す雨宮21号+客車+DLのプシュプル編成(ドローンにより撮影)。武利川はもとの静かな流れに戻っている。提供:遠軽町丸瀬布総合支所産業課
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ところで、これまで任意団体として活動してきた日本鉄道保存協会は、今回の総会で一般社団法人として生まれ変わることが決議されました。来年の総会は一般社団法人化後初の総会として、東武鉄道(鬼怒川線)と足尾歴史館を会場に開催される予定です。

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▲古典客車3輌を牽いて矍鑠とした走りを見せる1912(明治45)年BLW製の9号機。2010(平成22)年から5年近く休車となっていたが、昨年3月に復活した。ちなみにこの撮影ポジションは近年整備された"お立ち台"。'16.10.20
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先週は日本鉄道保存協会の年次総会が開催され、20日(木)は博物館明治村で総会と事例報告、見学会が、翌21日(金)には京都へと移動して京都鉄道博物館の見学会が行われました。

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▲「名古屋驛」で機回しする12号機。この日は特別に9号機、12号機ともに有火状態で迎えてくれた。'16.10.20
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昨年、やはりこの時期に行われた総会は、WATTRAIN(World Association of Tourist Trams and Trains)の国際シンポジウムと同時開催となったため、たいへん国際色豊かなものとなりましたが(アーカイブ「WATTRAIN+日本鉄道保存協会総会より」参照→こちら)、今年はきわめてドメスティックなMTGとなりました。

20161025145932-9a34dfe5f457688c0f5b7d7588abc96d39d08d2e.jpg参加者は北海道から九州まで全国から70人あまり。幸いにも見事な秋晴れに恵まれ、しかも総会会場に国の重要文化財に指定されている三重県庁舎2階を使わせていただくサプライズもあり、気持の良い幕開けとなりました。
代表幹事団体・交通協力会の菅会長の開会宣言のあと、博物館明治村の中川 武館長(早大名誉教授)の挨拶、そして博物館明治村の吉田善一郎所長による開催地報告が行われました。

▲さすがにダミーではあるものの、秋空をバックにした腕木式信号機が雰囲気を盛り上げる。'16.10.20
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▲「東京驛」の転車台で方転する1874(明治7)年英国シャープ・スチュアート製の12号機。本機も2012(平成24)年に再度の動態復活を果たしている(アーカイブ「博物館明治村 蒸気機関車12号の運行再開」参照→こちら)。'16.10.20
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一時は2輌の蒸気機関車もN電も動かなくなってしまうなど、どちらかというとダウントレンドに陥っていた博物館明治村ですが、体験型ミュージアムへの積極的転換を図ることによって入館者数もV字回復、動態車輌も全車が復活を遂げるまでとなっています。

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▲京都市電(N電)2輌も再び動態となっており、一時は寂しい状態に陥ってしまっていた動態保存車輌は、現在すべて復活を遂げている。写真は2012(平成24)年9月に再び動態に復した京都市電1号。'16.10.20
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この日は9号と12号ともに火を入れていただき、参加者を乗せた列車は行きは12号機、帰りは9号機と、異なった古典機に牽かれて、秋の明治村を堪能させていただきました。

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▲折返しのたびに"ポール回し"が見られるのも博物館明治村ならでは。'16.10.20
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事例報告は、準備段階では小坂鉄道保存会、新潟市新津鉄道資料館、東武博物館(東武鉄道)の3例の予定でしたが、台風で甚大な被害を被った遠軽町の参加が決まり、急遽、遠軽町丸瀬布総合支所による「丸瀬布いこいの森」の罹災状況と今後の復興計画のプレゼンテーションが加わり、4例の報告となりました。

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▲2020年2月までの特別展示として「名電1号形」が展示されている。札幌市交通資料館に保存されていたもと札幌市電10形22号で、はるばる札幌から貸し出されてきている(アーカイブ「里帰りした"名電1号形"」参照→こちら)。'16.10.20
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明日はその事例報告を中心にご紹介することにいたしましょう。

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▲新型ロマンスカー70000形の外観イメージ。

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小田急電鉄は20日、「新型ロマンスカーの製造」、「特急ロマンスカー・EXE(30000形)のリニューアル」、「今後の特急ロマンスカーにおけるダイヤ施策」を発表しました。

■新型ロマンスカーの製造
ロマンスカー・VSE(50000形)の人気により座席供給が不足していること、ロマンスカー・LSE(7000形)が更新時期を迎えつつあることなどから、新型特急ロマンスカーを製造することを決定しました。車輌形式は70000形で、7輌固定編成(定員400名)。定員確保を目的とし(特急ロマンスカー・VSE(50000形)は定員385名)、今後のホームドア設置も視野に入れたことから、連接車ではなく車体長20mのボギー車となります。また、「ロマンスカー」の象徴である展望席を両先頭車に16席ずつ設け、ダイナミックな眺望を演出します。開発コンセプトは「箱根につづく時間(とき)を優雅に走るロマンスカー」。

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▲新型ロマンスカー70000形の先頭車(1、7号車)断面イメージ。展望席は16席設置される。

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▲新型ロマンスカー70000形の中間車(2~6号車)の断面イメージ。
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外観塗装は伝統の「バーミリオン」を象徴しつつ、バラの色をベースとする予定で、側窓の高さは、特急ロマンスカー・VSE(50000形)、特急ロマンスカー・MSE(60000形)よりも30cm高い100cmの連続窓とされます。さらには全車輌に電動油圧式フルアクティブサスペンションを搭載して乗り心地の向上が図られます。

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▲新型ロマンスカー70000形の先頭車(1、7号車)客室内イメージ。先頭車は展望車輌として大きな空間とダイナミックな眺望を創出するため、荷棚は設置されない。

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4号車を除く各車輌の出入口のデッキ部付近にはラゲージスペースを設け、腰掛下には国内線機内持ち込みサイズの荷物が収納できるスペースが設置されます。なお、両先頭車の客室には荷棚は設けられません。

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▲中間車(2~6号車)の客室内イメージ。荷棚は目立たないようにデザインされる。なお、先頭車とも腰掛にはインアームテーブルが設置され、電源コンセントも用意される。

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このほか、トイレは温水洗浄機能付き便座の洋式トイレとし、4号車には改良型ハンドル形電動車いす対応トイレを設置。さらには車内Wi-Fiサービスを行うなど、快適性・利便性を図り、出入口デッキ部と客室内の防犯カメラ設置や多目的室も用意されます。

システム面では、1000形リニューアル車輌で実績のあるSiC素子を用いたVVVFインバータ制御装置を採用するとともに、全密閉式の主電動機や低騒音タイプの空調装置、駆動装置、コンプレッサーを搭載して、省エネルギー化と低騒音化が図られます。また、安全対策としては、異常挙動検知装置、編成滑走制御が採用されます。

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▲記者会見では、岡部憲明アーキテクチャーネットワーク 岡部憲明 代表(左)、小田急電鉄株式会社 山木利満取締役社長(中)、小田急電鉄株式会社 星野晃司 専務取締役社長(右)によりプレゼンテーションを実施。会見終了後に新型ロマンスカー70000形外観パースのパネルを持ってフォトセッションが行われた。

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この新型ロマンスカー70000形は、2編成計14輌が導入され、車輌の完成は2017(平成29)年11月の予定、営業運転開始は2018(平成30)年3月予定と発表されています。
なお、製造は日本車輌製造株式会社、デザイン設計は岡部憲明アーキテクチャーネットワーク(代表:岡部憲明氏)が担当されます。

■特急ロマンスカー・EXE(30000形)のリニューアル
1996(平成8)年の就役から20年が経過し、高齢化社会や訪日外国人の増加など、利用客のニーズ合致した快適な車内空間を提供することを目的に、特急ロマンスカー・EXE(30000形)のリニューアルも発表されました。
愛称は、デザイン・機能を一新、新しく生まれ変わり、"プラスアルファの要素が加わる"ことから"EXEα(エクセ アルファ)"。外観は上部がムーンライトシルバー、下部がダークグレーメタリックとなり、中間にはバーミリオンと白のラインが入り、車体前面と側面には愛称のロゴも入ります。

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▲リニューアルされた特急ロマンスカー・EXEα(30000形)の編成外観。2種のシルバーを用いることで、車体全体が引き締まったものとなっている。

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客室内は、木目調の内装とし、直接・間接を組み合わせたLED照明を採用することで、気品と落ち着きのあるデザインとしています。また、腰掛はモケットのカラーがクリームと藍色に変更し、インアームテーブルを大型化しています。

このほか、和式トイレから温水洗浄機能付き便座を搭載の洋式トイレに変更するとともに、インバウンド対応として大型収納スペース(ラゲージスペース)が新設されます。
また、新型特急ロマンスカーと同様に、出入口デッキ部と客室に防犯カメラのほか、車いす対応トイレや多目的室を設け、SiC素子を用いたVVVFインバータ制御装置を採用し、全密閉式の主電動機、低騒音タイプの空調装置、駆動装置、コンプレッサーを搭載します。 リニューアルは10輌(6輌+4輌)の全7編成が対象となり、最初の1編成は2016(平成28)年12月にリニューアルが完了、2017(平成29)年3月に営業運転を開始する予定です。また、残りの6編成も順次リニューアルが予定されています。
なお、こちらもデザイン設計は岡部憲明アーキテクチャーネットワーク(代表:岡部憲明氏)が担当しています。

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▲特急ロマンスカー・EXEα(30000形)の客室内。

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■今後の特急ロマンスカーにおけるダイヤ施策
東北沢~和泉多摩川間(10.4km)の複々線化事業のうち、世田谷代田~和泉多摩川間はすでに完成していますが、現在工事中の東北沢~世田谷代田間(1.6km)は2017年度に複々線の完成を予定しています。これにより、2018(平成30)年3月にダイヤ改正が予定されています。
このダイヤ改正では70000形が営業運転を開始する予定で、特急ロマンスカー・VSE(50000形)とともに、土休日の午前の9:00、10:00、11:00に新宿を発車する「スーパーはこね号」に充当されます。また、複々線完成により、新宿~箱根湯本間の所要時間が80分台から70分台に短縮されます。
また、通勤時間帯にも増発し、朝方は7時台~8時台に新宿・大手町に到着する特急ロマンスカー4本を増発し、現行3本から7本とされます。また、夕夜間には深夜時間帯に「ホームウェイ号」が1本増発されます。

(※所要時間や運行本数は目安であり、今後変更となる場合がある。)

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▲ありし日の南越線社武生駅構内。福武線の起点・武生新駅とは国鉄を挟んで反対側(東側)にあった。まだ貨物輸送を行っていた頃の状況で、南越線用のモハ130形に交じってデキ1の姿も見える。'78.9.1 社武生 P:名取紀之(※本書収録写真ではありません)
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ご好評いただいております清水 武さんによるRMライブラリー『福井鉄道』の下巻が完成しました。上巻では武岡軽便鉄道開業以来の福井鉄道のあゆみを、多くの写真とともにご紹介しましたが、続く下巻では、現在の福武線の前身である福武電気鉄道開業時の木造電車から、現在の車輌まで、鯖浦電気鉄道由来の車輌を含めご紹介します。

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▲市役所前で発車を待つモハ92。南海から戦後の応援で入線した木造電車は、この5年後に全鋼製車体に生まれ変わり、平成の時代まで走り続けることになる。'51年 P:杵屋栄二 (RMライブラリー『福井鉄道』下巻より)
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20161019182027-1cbb6048a5e2a445bc47a1e1f3a322a9284f356b.jpg上巻でもご紹介した通り、現在の福武線の前身である福武電気鉄道が武生新〜兵営(現在の神明)間で開業したのは1924(大正13)年2月のこと。当初、電動客車は木造車3輌で、その他動力車は電動貨車2輌のみでした。この電動貨車のうちの1輌が、現在も除雪用として残るデキ11(元デワ1)です。
路線の延伸を経て初めて半鋼製車が導入されたのは1930(昭和5)年のことで、その後1933(昭和8)年には福井駅前までの軌道線区間も開業、市内ローカル運転も開始。新製と譲り受けの両面で車輌の増備が行われました。
1945(昭和20)年8月の福井鉄道成立時点で、福武線の電動客車は木造車5輌、半鋼製車8輌の計13輌となっていました。

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▲福武電気鉄道開業時の木造車は、ニセスチール化されて昭和40年代まで活躍を続けた。 (RMライブラリー『福井鉄道』下巻より)
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一方、鯖浦線の前身である鯖浦電気鉄道が開業時に用意したのは全長わずか9mの木造2軸電車3輌、同付随車1輌、同電動貨車1輌のみでした。その後、1928(昭和3)年から1941(昭和16)年にかけて半鋼製ボギー車4輌を増備、2軸電車もボギー化され、これらすべてが福井鉄道に引き継がれました。

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▲鯖浦電気鉄道由来の車輌はいずれも小型車であったが、戦後、福武線と鯖浦線が接続されると福武線でも活躍するようになり、さらに南越線での活躍も見られた。 (RMライブラリー『福井鉄道』下巻より)
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こうして終戦とほとんど同時に成立した福井鉄道でしたが、戦後は非電化のままだった南越線の電化にいち早く着手し、1948(昭和23)年に完成。このとき、東急(旧・京浜)と南海から木造車の払い下げを受けるとともに、いわゆる運輸省規格型電車も導入します。この南海から譲り受けた木造車は80形と名付けられ、間もなく新造車体に更新され、平成の時代まで活躍を続けることになります。

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▲昭和30年代末からは元名鉄車による車輌の増強が続く。これは2006年の低床化まで断続的に続いた。 (RMライブラリー『福井鉄道』下巻より)
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そして、戦後の混乱期を乗り切った福井鉄道は、1960(昭和35)年、画期的な新造車を新造投入することになります。今なお多くのファンに福井鉄道を代表する車輌として親しまれる200形連接車です。続いて南越線用の130形も登場しますが、その後は名鉄をはじめ他社からの譲渡車による車輌の増備・入換えが続くようになりました。
本書は、これら車輌のあゆみを、10の時代に分けて紹介するもので、福井鉄道を走った実に多彩な車輌たちを総覧できるものとなっています。ぜひ上巻と合わせてご覧下さい。

※20日・21日は日本鉄道保存協会年次総会出席のため休載させていただきます。

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銚電デキ3が市川に。

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▲おそらく戦後初めて銚子の地を離れて"遠征"することとなったデキ3。車籍のある車輌が展示用に貸し出されるのも極めて珍しい。'16.10.14 P:RM(高橋一嘉)
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ファンのみならず、銚子電気鉄道の名物として広く知られるドイツ・アルゲマイネ社製の電気機関車デキ3。本誌384号で白土貞夫さんがその来歴について詳らかにされたのは記憶に新しいところですが、そのデキ3が現在、住み慣れた銚子を離れ、都心にほど近い千葉県市川市に出張してきています。

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▲グレー一色の姿となったデキ3。同じアルゲマイネ製の10000形の竣功写真を思わせる。なお、今回の展示・移送に際して制輪子は取り外されている。'16.10.14 P:RM(高橋一嘉)
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これは千葉県立現代産業科学館で開催されている平成28年度特別展「出発進行~もっと・ずっと・ちばの鉄道~」の目玉として展示されているものです。この特別展は「ちばの鉄道物語」「地域に根ざした」「ちばと都心を結ぶ」「成田空港へのアクセス」「物流を支える」「新たな取り組み」「走るしくみ」「走らせるしくみ」「線路のしくみ」というテーマで、千葉県内鉄道路線の歴史とその魅力、鉄道の安全性や信頼性を支える高い技術について、基礎知識からわかりやすく紹介するものです。

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▲産業科学館正面の広いサイエンス広場の一角に設けられたデキ3の展示スペース。'16.10.14 P:RM(高橋一嘉)
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ファン注目のデキ3は、ドイツ製機関車の竣功写真撮影時を思わせるグレー一色の姿となって屋外のサイエンス広場に展示されています。デキ3は御年94歳とあって、クレーンでのつり上げも車体ではなく専用の台座に載せるなど、輸送に際しても細心の注意がはらわれたとのことです。銚子の電車は津田沼の大榮車輌に更新入場したこともあったようですが、ことデキ3に関しては銚子を離れたというのは聞いたことがなく、おそらく1941(昭和16)年の銚子入線以来、75年振りのことではないでしょうか。

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▲館内に展示されている県営庁南茂原間人車軌道の人車。各地で人車のレプリカは多いが、これは実物で、鉄道の歴史を語るうえで大変貴重な史料。'16.10.14 P:RM(高橋一嘉)
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なお、デキ3のほかにも、普段は茂原市立郷土資料館に展示されている県営庁南茂原間人車軌道の人車の実物(アーカイブ「いまだに残る"茂原人車"」参照→こちら)が展示されており、こちらも注目されます。特別展の概要は以下の通り。ぜひお出かけになってみてください。
取材協力:千葉県立現代産業科学館

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▲エントランスから見た千葉県立現代産業科学館の全景。展示は12月4日までの予定。'16.10.14 P:RM(高橋一嘉)
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特別展「出発進行~もっと・ずっと・ちばの鉄道~」
期間
2016(平成28)年10月14日(金)~12月4日(日)
※毎週月曜日休館(月曜が祝日の場合は翌日)
※11月8日(火)は展示替えのため休館
開館時間
9:00~16:30(入館は16:00まで)
会場
千葉県立現代産業科学館 企画展示室ほか
〒272-0015 千葉県市川市鬼高1-1-3
TEL 047-379-2005
アクセス
JR総武本線下総中山駅または本八幡駅から徒歩15分/京成本線鬼越駅から徒歩13分/都営地下鉄新宿線本八幡駅から徒歩20分
特別展開催中の入場料
一般      800円(640円)
高校・大学生  400円(320円)
中学生以下、65歳以上の方は無料
※( )は団体(20名以上)料金

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▲受賞者全員での記念撮影。前列左側から野元 浩さん、中村光司さん代理の秋元克広さん、髙木宏之さん、藤井信夫さん(関西鉄道研究会)、堀江 武さん(中国鉄道時刻表研究会)。'16.10.16 P:RM(名取紀之)
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鉄道友の会が毎年1回、趣味的見地に基づき鉄道分野に関する優れた著作物または著作物に関わる功績を選定し、鉄道および鉄道趣味の発展に寄与することを目的として2008(平成20)年に創設された島秀雄記念優秀著作賞の2016年の贈呈式が、昨日10月16日(日)に東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷(私学会館)で行われました。

20161017160601-a6d56bea0739434e8d9310caeeeb50a402c0cdac.jpg今年の島秀雄記念優秀著作賞単行本部門は、髙木宏之さんの『国鉄蒸気機関車史』(弊社刊)と、中村光司さんの『知られざる連合軍専用客車の全貌』(JTBパブリッシング刊)の2作品が、定期刊行物部門では野元 浩さんの「狭小トンネル用PS23形パンタグラフ」(電気車研究会『鉄道ピクトリアル』2015年12月号掲載)が、また、特別部門として『関西の鉄道』ほかの継続出版に対して(関西鉄道研究会)と、『中国鉄道時刻表』の出版に対して(中国鉄道時刻研究会)が受賞の栄誉に輝きました。

▲授賞作品と掲載誌の数々。'16.10.16 P:RM(山下修司)
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贈呈式の冒頭、挨拶に立たれた鉄道友の会の須田 寛会長は、単行本部門を受賞した『国鉄蒸気機関車史』について、蒸気機関車を情緒的に扱った出版物は数多いが、技術面から掘り下げたものは少なく、その面でもたいへん意義深いと評されました。続いて登壇された曽根 悟選考委員長は、選考経過を披露されました。それによると3月18日の締切時点でノミネート作品は単行本部門20作品、定期刊行物部門15作品で、5月29日に行われた第一回選考委員会で単行本5作品、定期刊行物部門4作品に絞られ、1作品につき3人の選考委員が付いてさらに精読、7月16日に開催された第二回選考委員会で特別部門2件を含めて最終決定されたものです。

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▲鉄道友の会の須田 寛会長より賞状を贈呈される髙木宏之さん。'16.10.16 P:RM(名取紀之)
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版元の弊社としては、今回の島秀雄記念優秀著作賞の受賞は9年の歴史のなかで7回8作品目にあたり、しかも特別部門での受賞関連(「京阪電鉄百周年に関する著作物」、「機関車表DVD版の制作」、「車両側面のイラストによる一連の著作」)を含めると、実に11作品が顕彰されたことになります。

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▲受賞者を代表して挨拶に立つ髙木宏之さん。'16.10.16 P:RM(名取紀之)
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今回、島秀雄記念優秀著作賞単行本部門を受賞された髙木宏之さんの『国鉄蒸気機関車史』の選定理由をあらためてご紹介いたしましょう。
「本書は、国鉄蒸気機関車のうち、8620形、9600形に始まるいわゆる「制式蒸機」を扱った書物です。従来の蒸気機関車史の研究は、製造所や形式番号、所有者の変遷が中心でしたが、本書では、当時の技術資料などに基づいて、各機関車の設計思想や、設計の経緯、要素技術の具体的内容、国外の同種の機関車との比較が考察され、工学的な視点によって多角的な論考を加え、蒸気機関車のメカニズムの変遷や系譜を体系的にまとめた点に特色があります。蒸気機関車はすでに研究し尽くされた感がありますが、そうした固定概念を打破した著作として、島秀雄記念優秀著作賞に選定しました。」
受賞者を代表して挨拶に立たれた髙木さんは、本書完成までの数々のエピソードを振り返られるとともに、次作への漲る意欲を語っておられました。
栄えある2016年島秀雄記念優秀著作賞を受賞された皆さんに、あらためてお祝い申し上げます。

※本日放送予定でしたNHKラジオ第1の「鉄道なトリップ」ですが、臨時国会中継のため順延となりました(幻の第一回は→こちら)。次回は11月7日(月曜日)放送になります。

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第23回「鉄道の日」を祝う。

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▲「鉄道の日」祝賀会の来賓挨拶をされる石井啓一国土交通大臣。'16.10.14 セルリアンタワー東急ホテル P:RM(名取紀之)
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今日、10月14日は23回目となる「鉄道の日」(1994年制定)。毎年恒例の「鉄道の日」実行委員会主催による祝賀会が、セルリアンタワー東急ホテル(渋谷)で華々しく開催されました。祝賀会には石井啓一国土交通大臣をはじめとしたたいへん多くの来賓がお見えになり、また、全国の鉄道事業者の経営トップの皆さんも一堂に会され、たいへん賑やかなレセプションとなりました。

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▲先週末に東京・日比谷公園で開催された「鉄道フェスティバル」でのひとコマ。こちらは地方鉄道のブースが並ぶ。'16.10.9 P:RM(名取紀之)
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これに先立つ先週末には、日比谷公園で恒例の「鉄道フェスティバル」が開催され、あいにくの天候にも関わらず、8日(土)、9日(日)両日合計で実に12万4千人が来場されたそうです。会場にはJR各社はもとより、地方ローカル私鉄に至るまで数多くのブースが並び、地方色豊かなグッズ類を求める来場者の方々で終日大盛況でした。

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▲今年の日本鉄道大賞を受賞した京都鉄道博物館(再掲)。手前に見える230形233号は重要文化財に指定され、折しも10月14日に記念の式典が行なわれた。'16.3.25 P:RM(名取紀之)
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さて、この「鉄道の日」の祝賀会では「日本鉄道賞」の表彰が行われるのが通例で、今年は日本鉄道大賞に西日本旅客鉄道株式会社の「『生きている』鉄道文化の長期保存と魅力ある展示」、日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞「安心インバウンド対応」特別賞に近畿日本鉄道株式会社「携帯型放送装置による車内放送の多言語対応~すべてのお客様に安心してご利用いただくために~」、同じく日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞「利用者とのバリアフリー」特別賞に仙台市交通局の「仙台市地下鉄東西線 自然と調和し伊達の歴史を未来へつなぐ 市民協働で創った杜の都の新しい地下鉄」が選出されました。

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▲日本鉄道大賞では、現業機関(梅小路運転区)や歴史的建造物(旧二条駅舎)、さらには重要文化財(扇形車庫と転車台等)と一体となって生きている博物館を創りあげた点が大きく評価された
。(国土交通省HPより)

今回の日本鉄道賞の応募は25件。日本鉄道賞表彰選考委員会(委員長 家田 仁 政策研究大学院大学教授)がヒアリング対象案件(9件)をスクリーニング。応募者よりヒアリングを行い、改めて各委員が評価し、さらに委員間で議論の上、選出にいたったとのことです。

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▲業務用タブレット端末を利用して車内放送を日英中韓の4か国語で実施できるシステムを導入し、特別賞を受賞した近畿日本鉄道。比較的低コストで短期間に導入でき、他事業者にも波及できる可能性が、インバウンド対応としても大きく評価された。(国土交通省HPより)

日本鉄道大賞の選考理由は以下のように発表されています。
「京都鉄道博物館は、産業史的に価値ある多数のSLを保有し、うち8両が動態保存され、園内を含めて運行に供されており、SL動態保存の伝統と技術力を40年以上にわたって営々と継承してきた功績は極めて大きいものです。また、扇形車庫と転車台、1996年に移設・復元された山陰本線旧二条駅舎など、歴史的文化財として価値の極めて高い施設が保存されております。さらに、SLの動態保存と運行だけでなく、まるで鉄道模型のジオラマのようにスカイテラスから広々と眺める在来線・新幹線の列車風景、現役の鉄道社員による来館者への解説活動、博物館がSLの検査・修繕を行う現業機関である梅小路運転区と連携して実作業を見学することができます。京都鉄道博物館は、まさにアクティブに「生きている」博物館としての特性を備えており、隣接する梅小路公園と一体となって、多数の人が訪れる魅力的な新しい空間形成に大きく寄与しております。以上より、第15回日本鉄道大賞を授与します。」

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▲地下鉄東西線を建設するにあたり、市民の意見を積極的に反映させる取り組みを行って、特別賞に輝いた仙台市交通局。(国土交通省HPより)

1872(明治5)年に新橋~横浜間でわが国初の官設鉄道が開通してから144年の歳月が流れたことになり、あと6年後にはわが国の鉄道も開業150周年を迎えます。開業150年のその日、日本の鉄道がどのような姿となっているでしょうか。

※昨日ご案内申し上げました来週月曜日(17日)放送予定のNHKラジオ第1の「鉄道なトリップ」ですが、臨時国会中継のため順延となりました。次回は11月7日(月曜日)放送になります。

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▲柳橋駅(一般客乗降不可)でDD24の牽く上り混合列車と交換。黒部峡谷鉄道にあって2輌のみ在籍のDLで、本機は関西電力黒部専用軌道黒薙支線(非電化)の運用を受け持つ。'16.9.23 柳橋
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10月はテレビ・ラジオともに番組の改編シーズンですが、私も来週月曜日(17日)からひさしぶりにNHKラジオ第1の番組に復帰(アーカイブ「金曜旅倶楽部もラストランです」参照→こちら)することとなりました。今度の番組は平日午後の帯番組「ごごラジ!」内の「ごごヨジ好奇心」の中の30分枠で、なぜかコーナー名は「鉄道なトリップ」。もちろんこのトリッキーなネーミングは私ではなくNHK側によるものですので誤解なきよう...。

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▲黒薙駅に到着した下り欅平行き。駅を発車するとすぐに後曳橋で黒薙川を渡る。後曳橋の語源はあまりの高さに尻込みすることからきているという。'16.9.23 黒薙
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全国のリスナーの皆さんに向けた鉄道トークといっても、私が一般的な鉄道旅行のお話をできようはずもなく、いきおい話題はかなりコアな部分に突っ込んでゆくこととなります。5月の連休の際にゲストとして「ごごラジ!」にお邪魔した際は、パーソナリティーの柔道家・山口 香さんと進行役の神門光太朗アナ相手に"インダストリアル・ナロー"の魅力を語ってしまいましたが、恐らく公共放送でインダストリアル・ナローなどという言葉が全国に流れたのは前代未聞でしょう。

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▲黒薙温泉へは、駅員さんの誘導で線路を渡り、ホームと反対側の斜面の急斜面を階段で登ってゆくのが第一歩。'16.9.23 黒薙
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▲黒薙駅から黒薙温泉まではこのような山道を20分ほど歩かねばならない。デスクワークばかりの身には結構こたえる。'16.9.23
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というわけで第1回となる来週月曜日の放送では黒部峡谷鉄道と黒薙温泉をご紹介する予定です。ファンの間でも観光トロッコ列車のイメージが強く、話題に上る機会の少ない黒部峡谷鉄道ですが、2'6"ゲージの電気鉄道としては世界的に屈指の存在で、しかも全列車が機関車牽引列車というのも特筆されます。客車輌数、貨車輌数ともに100輌をゆうに超えているのも国内随一で、趣味的にももう少しスポットライトを浴びてもよいのではないか...そんな思いも込めてお話させていただこうと考えております。

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▲そして再び急斜面を下りると黒薙温泉旅館に到着。クルマがまったく入れず黒薙駅から徒歩でしか行く術がない一軒宿。'16.9.23
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▲そしてさらに進むと黒薙温泉の露天風呂が...。宇奈月温泉の源泉でもあるこの温泉の湧出温度はなんと100℃。あちらこちらで熱湯が噴出しているので河原には降りないように注意書きがある。ちなみに前方の山の中腹に非電化の黒薙支線が遠望できる。'16.9.23
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この「鉄道なトリップ」(それにしてもお恥ずかしい...)、もちろん生放送で月に1~2回程度の放送の予定です。NHKラジオ第1ですので、もちろん全国どこでもお聴きいただけます(NHKネットラジオ「らじる☆らじる」でパソコン、タブレット、スマートホンでもお聴きいただけます)。
NHKラジオ第1
10月17日(月)16:07~16:27

(第2回は11月7日放送予定です)

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▲審査に臨んだ2日間(アーカイブ「第9回タムロン鉄道風景コンテスト審査終了」参照→こちら)を思い返しながら展示作品を見る審査員の広田尚敬さんと矢野直美さん。'16.10.12 P:RM(名取紀之)
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応募点数7,098点(応募人数1,894名)と、応募点数では過去最高となった「第9回 タムロン鉄道風景コンテスト」の入賞者が決定、本日から埼玉県さいたま市のそごう大宮店3階特設会場で、入賞作品87点を集めた写真展が始まりました。

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▲プロの手によるプリントとなると作品がワングレードアップして見えるのも不思議。そごう大宮店3階特設会場には大賞から佳作まで87点の作品が一堂に展示されている。'16.10.12 P:RM(名取紀之)
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20161012180041-b0ee4643136b8468f0630a80ec80cce89266fd46.jpg国内の数ある公募展でも応募点数が7000点を超えるのは稀で、9年目を迎えたこのコンテストがどれほど多くのアマチュア・カメラマンの皆さんから支持されているかが知れます。入賞作品ごとの詳しい選評はタムロンのウェブサイト(→こちら)をご覧いただくことにして、ここでは審査員の広田尚敬さんの総評をご紹介しましょう。

▲写真展のオープニングのテープカット。左より、堤 真理 そごう大宮店店長、佐伯鋼兵 さいたま商工会議所会頭、日野 徹 さいたま市副市長、平沼 智 さいたま市教育委員会生涯学習部部長、鯵坂司郎 株式会社タムロン代表取締役社長。'16.10.12 P:RM(伊藤真悟)
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大賞(一般の部) 雪の日の出会い」 荒木貴啓 40歳(兵庫県姫路市) 撮影地・コメント:滋賀県長浜市。晴れた雪の日、清々しい白の世界に白い列車が出会う奇跡。眩しい照り返しが神々しくも見えました。

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大賞(小・中・高校生の部) 安全第一!!夏のひとコマ」 栗原朗 17歳(東京都板橋区) 撮影地・コメント:栃木県芳賀郡。手を挙げながら踏み切りを渡る小学生の、のどかな夏の日の一枚です。

20161011190548-b9d76b518ed692f5146cc1bb0f4d5335b67392af.jpgこの「タムロン鉄道風景コンテスト」も今年で第9回目となり、応募数も7,098枚という過去最多応募数となったことはたいへん嬉しいことです。また数が増えたことだけでなく内容もさらに良くなって個性的な作品も多く、皆さんが本当に一生懸命応募してくださったことが、ひしひしと伝わってくる審査でした。
全体的に印象的だったのは、皆さんプリントが上手になってきたなぁということ。そのため作品が一段も二段もレベルアップしたように感じられました。いままでは上位に残る人たちはもちろん上手だったのですが、今年は初心者の方々も含め平均的に良いプリントが多かったようです。
作品の内容も類型的でなく、本当に自分が好きな対象を好きなように撮って、気に入った作品ができたので応募した、という作者の好ましい応募姿勢が見えてくるようでした。このような制作態度はアートの原点であって、他のコンテストには見られない、「タムロン鉄道風景コンテスト」ならではの特長ではないかと思いました。こうした傾向がこれからも継承されることを願っています。

広田尚敬(鉄道写真家)

ユーモアフォト賞 いっぱい食べてね」 杉山典之 59歳(静岡県浜松市) 撮影地・コメント:静岡県浜松市/天竜浜名湖鉄道浜名湖佐久米駅にて。ユリカモメたちが頭にのってくれました。

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車輌写真賞 お先に」 和田 浩 50歳(奈良県奈良市)  撮影地・コメント:インドネシア東ジャワ州。ダイヤモンドクロッシング(平面交差)において、互いに譲り合い通過するおおらかな光景。

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タムロン賞 富士に向かう」 星野郁男 67歳(山梨県上野原市)  撮影地・コメント:山梨県都留市。休日には中央本線ー富士急行線に入って富士山に向かう成田エキスプレスを桂川に架かる鉄橋の下で写しました。

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▲審査員の広田尚敬さん、矢野直美さん、鯵坂司郎 株式会社タムロン代表取締役社長に囲まれて喜びを表す、ユーモアフォト賞受賞の杉山典之さん、小・中・高校生の部 大賞受賞の栗原 朗さん、一般の部 大賞受賞の荒木貴啓さん。'16.10.12 P:RM(伊藤真悟)
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第9回タムロン鉄道風景コンテスト「私の好きな鉄道風景ベストショット」 入賞作品写真展
会期:2016年10月12日(水)~10月31日(月)(20日間)10:00~20:00
会場:そごう大宮店 3階特設会場(埼玉県さいたま市)
入場料:無料
後援:さいたま市 さいたま市教育委員会 さいたま商工会議所
協力:そごう大宮店 レイル・マガジン
主催:株式会社タムロン
展示作品:一般の部(大賞から佳作まで)42作品、小・中・高校生の部(同)42作品、ユーモアフォト賞 1作品、タムロン賞 1作品、車輌写真賞 1作品 総合計87点を展示

すべての入賞作品は、株式会社タムロンのウェブサイトにてご覧いただけます。
https://www.tamron.co.jp/

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▲昨年、冬の神社とその周辺をテーマとした秀逸なモジュールで注目を集めたOナローモジュールクラブ(ONMC)桜山軽便鉄道の今井貴裕さんの新作モジュールは、がらっと変わって夏の小駅とその周辺。またまた驚愕の完成度。'16.10.9
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先週末は12回目となった「軽便鉄道模型祭」が開催され、多くのナローゲージャーが会場となった東京・人形町の綿商会館に集結しました。今年は初参加となるTOMYTECが新たに立ち上げた1/80スケール・9㎜ゲージの「富井電鉄猫屋線」のエンドレス・レイアウトを出展するなどの話題もありましたが、詳細は『RM MODELS』11月発売号誌面をご覧いただいくことにして、今日は個人的にシンパシーを感じたモデルのいくつかをご紹介いたしましょう。

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▲今井貴裕さんの新作モジュールより、停留場に隣接する農家の庭先(左)。屋根瓦もペーパー製の自作とのこと。駅を出てすぐ渡る小さな川には鯉(?)の姿も(右)。'16.10.9
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▲斜面に根を張らした古木や、苔むした道祖神(左)、さらには畑の傍らのさりげない表情再現(右)も圧巻。'16.10.9
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まず釘づけになったのがOナローモジュールクラブ(ONMC)桜山軽便鉄道の今井貴裕さんの新作モジュールです。今井さんは昨年は冬の神社とその周辺をテーマとした驚くべき作り込みのモジュールを発表されて話題となりましたが、今年は季節が反転してテーマは夏。草いきれのする炎天下の軽便停留場で列車を待つ女性二人の前には、身の丈より高いトウモロコシ畑が広がるというシチュエーション。ひとつひとつ紙を手加工して作ったというトウモロコシや、真鍮線を巧みに使った斜面に絡みつく巨木の根など、そのテクニックとセンスにはまたしても脱帽です。

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▲DMCの大竹尚之さんらはKEMURI PROの作品にインスパイアされて蒸機時代の小坂鉄道の再現に取り組んでいる。まだ完成状態ではなかったものの、大館駅の大モジュールを展示。'16.10.9
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昨年は基隆炭礦専用軌道のモジュールで注目を集めたDMCは、今年はうって変わって小坂鉄道をテーマにモジュールと車輌作品を展示。軽便とはいえアメリカナイズされた小坂鉄道は車輌の大きさも段違いに大きく、大館駅のモジュールでは国鉄線のC10と顔を合わせるシーンも目にすることができました。

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▲おなじくDMCの石井伸明さんは小坂鉄道の車輌をスクラッチするなかでレーザーカットによるペーパー工作のポテンシャルに着目。'16.10.9
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▲レーザーカットしたt0.5のケント紙を4層構造にして客車側面を構成(左)。なんと網目板も同手法で製作している(右)。'16.10.9
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そのDMCのメンバーの石井伸明さんは小坂鉄道の車輌やストラクチャーをスクラッチするなかで辿りついたペーパーのレーザーカット技法を初公開。うかがったところではクラウドファンディングに参加して入手したレーザーカッターのお値段は数万円程度...t0.5のケント紙をマテリアルに客車の側板から機関庫の扉、果ては「これが本当にペーパー?」と目を疑うような網目板まで自在に量産できるのは驚くべきコストパフォーマンスです。先行している3Dプリントと合わせて新時代の到来を目の当たりにした思いがいたします。

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▲四頓☆倶楽部の新井一雄さんは遠近感を強調したギミックを仕込んだ河川改修工事レイアウトを発表。遙か彼方には国鉄キハ11が走る。'16.10.9
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今回の展示のなかでもとりわけ個人的シンパシーを感じたのが、新井一雄さんの河川改修工事レイアウトです。900×600㎜のスペースに1/48、1/87、1/150と3種の異なるスケールを配して遠近感を強調、なおかつ上部には半球状のアクリルドームを被せて空間(空の広がり)を強調する手法は秀逸です。また川は、重機回りの濁りとそれが流れてゆく様子がエポキシ樹脂の着色・多重層・分割流し込みと、固着途中の加工で絶妙に表現されています。

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▲なんと手前に1/48、中程に1/87、奥に1/150と異なる縮尺を配することで小スペースのなかに見事な遠近感を演出している。キュービック状の展示ケースで観賞ポイントを一方向に限定することによってこそなしえるワザ。'16.10.9
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▲とあるローカル線の車窓。眺めるともなく見ていると、橋梁通過の轟音とともに眼下を過ったのは河川改修用軌道。あっと振り返る間もなくその光景は夢幻のごとく後方に流れ去って...インダストリアル・ナローにシンパシーを感じる向きには堪えられない情景。'16.10.9
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この新井さんのレイアウトの全容はいずれ『RM MODELS』でご覧いただくとして、このようなキュービック状の"箱"の中にレイアウトを収め、一方向の窓から覗くようなスタイルは十年以上前からヨーロッパで良く目にする方式(アーカイブ「EXPO RAILの旅」参照→こちら
で、彼の地ではそこにさらに光(時間)、気象、音響、匂いなどを加味して、さながらひとつのドラマを見るような物語を演出しています。

20161011130830-7cb06f58358f1bb7a67435444ca93169b7a8a11b.jpgモデル展示の前日、8日(土曜日)には、これまた恒例となったプレイベント「軽便讃歌Ⅶ」が開催され、今年は弊社カメラマンとして長年にわたって活躍いただいた青柳 明さんによる講演「海外のナローを訪ねて」と、軽便模型創世期から秀作を発表されてきた和久田恵一さんによる講演「私の軽便モデルライフ」が行われました。今春めでたくハッピーリタイアされた青柳さんは、セントルイスで行われた第1回ナショナル・ナローゲージ・コンベンション(NNGC)に参加して以降、いわゆるロッキーナローに入れ込んだ道のりをプロカメラマンならではの美しい写真の数々とともに披露されました。

▲プレイベント「軽便讃歌Ⅶ」の講演に臨まれた青柳 明さん。'16.10.8
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▲第1回ナショナル・ナローゲージ・コンベンション(1980年)に参加された際のエピソードも会場の大きな関心を集めた。何十年か後、海外のナローゲージャーが日本の「軽便鉄道模型祭」での体験を彼の地でこうやって語る日がくるかもしれない...。'16.10.8
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以前にも申し上げましたが、この軽便鉄道模型祭、いまやNNGCやヨーロッパのナロー系コンベンションに決して引けを取らない、それどころか凌駕するものに育っています。インバウンドが時代の趨勢となってきている今、来年はぜひ海外のナローゲージャーの招致を期待したいところです。

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▲大雄山線開業90周年記念「オールドカラー復刻バージョン」5501編成は13時45分頃にED32に牽引されて大場を発車。'16.9.20 大場-三島二日町 P:古村 誠
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今週火曜日には万葉線のリバイバルカラー車、デ7073号をご紹介しましたが、東京近郊でもここ数ヶ月の間に箱根登山鉄道と伊豆箱根鉄道大雄山でリバイバルカラー車が相次いで登場しています。一昨日の関東鉄道常総線のレポートに続いて古村 誠さんからホットな画像をお送りいただきました。

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▲三島駅9番線に到着した5501編成。台風接近とあって風雨は強まるばかり。'16.9.20 三島 P:古村 誠
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20161007184525-11c59244c6c0f3f126727ad8b2edc134756b4e96.jpg同じ小田原を拠点とする伊豆箱根鉄道大雄山線と箱根登山鉄道で相次いでリバイバルカラーが走り始めるということで、さっそく足を向けてみました。箱根登山鉄道の方は9月3日から運行を開始していますが、伊豆箱根鉄道大雄山線開業90周年記念5501編成「オールドカラー復刻バージョン」の方は駿豆線の大場工場を9月20日に出場、大場~三島を電気機関車に牽かれて回送されるとのことで、その様子を見に行ってまいりました。

→発駅三島、着駅小田原の表記がある甲種回送の表示。'16.9.20 三島 P:古村 誠
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▲JR線への転線作業(左)を終え、側線に留置完了(右)。JR線内の甲種回送は翌9月21日に三島→相模貨物、9月22日に相模貨物→小田原で行われた。'16.9.20 三島 P:古村 誠
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残念ながら駿豆線の回送当日は台風の16号の接近で大荒れの天気。風雨が強まるなか、三島駅ホームでJR線への継承作業を見守りました。

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▲台風も去って一転秋晴れの空の下、営業運転で活躍を始めた大雄山線の5501編成「オールドカラー復刻バージョン」。'16.10.6 P:古村 誠
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そして2週間後、さわやかな秋空に恵まれた一日、10月1日から走り始めた大雄山線5501編成「オールドカラー復刻バージョン」と、箱根登山鉄道のモハ110リバイバルカラー(公式発表によると「青色・黄帯」)車の両方を目当てに小田原を訪れました。

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▲そしてこちらはやはりリバイバルカラーで活躍を始めた箱根登山鉄道モハ110。初夏はアジサイで知られる大平台付近を行く強羅行き下り447列車。'16.10.6  大平台-上大平台(信) P:古村 誠
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箱根登山鉄道の方は、この日運用に入っているかどうかわからず不安なまま訪れたのですが、大平台駅に降り立って10分後にリバイバルカラー車が姿を現して一安心。昭和20年代の塗色とのことでさすがに現役時代は知らず、また、過去にはモハ114やモハ108がこの塗色になったこともあったようですが、私はその時撮っておらず、今回が初の撮影となりました。

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▲沿線随一の名所、通称"出山の鉄橋"(早川橋梁)を行く上り456列車。赤と青の2連が見られるのも今のうち...。'16.10.6 塔ノ沢−出山(信)P:古村 誠
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このリバイバル塗装のモハ110号、来年2月に予定されている引退を前に記念として塗色変更されたものだそうで、期限は来年2月12日(日)までと告知されています。東京からほど近く、一日で両方のリバイバルカラーに出会えるのもあと4か月ほどということになります。

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▲1987年頃のTOMIXワールドの躍動感が伝わってくるひとコマ。(『TOMIXの40年』より)
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弊社ネコ・パブリッシングもこの9月で創立40周年を迎えましたが、お馴染みトミーテックの鉄道模型ブランド「TOMIX」も1976(昭和51)年に前身となる「トミーナインスケール」に代わって産声を上げ、今年めでたく40周年を迎えました。この40周年のメモリアルとなる一冊、その名も『TOMIXの40年』が好評発売中です。

20161006144704-7d63fe81d94967d86207973425419a18eea36132.jpg本書のメインとなるのは『新・鉄道模型考古学N』で健筆を奮われた山下貴久雄さんによる通史「TOMIX40年の足跡」と「TOMIX40年のトピックス」。各年代の印象に残るアイテムの紹介はもちろんのこと、製品史における位置付けや各製品のディテールにまで踏み込んだ解説は、Nゲージ製品史に造詣の深い山下さんならではのものといえましょう。

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▲40年の通史にあたる「TOMIX40年の足跡」は巻頭18ページにわたって掲載。(『TOMIXの40年』より)
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そしてTOMIXといえば多くの皆さんがまず思い浮かべるのが、実写かと見紛うような作り込まれた情景カットの数々ではないでしょうか。創立当初からシーナリーによる演出に並々ならぬ力を注いできたのもTOMIXの魅力のひとつで、本書では各時代に広告用などとして撮影されたTOMIX秘蔵写真も多数収録しており、ダイナミックな情景カットの数々は、本書の大きな見どころとなっています。

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▲元スタッフや現役スタッフがこの機会に語ったインタビュー記事「証言者たち」も必読。(『TOMIXの40年』より)
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さらに見逃せないのが、各分野でTOMIXの発展を支えてきた元スタッフ&現役スタッフ5名の方へのインタビュー記事「証言者たち」です。カタログの制作や16.5mmゲージへの参入、生産工場でのエピソード、人気シリーズ「さよならセット」へのこだわり、TOMIXシステムの根幹となるレールの開発秘話...と、現場に携わったからこそ語れる貴重なお話が満載です。またこれとも関連して、1991年の「惜別板谷峠セット」以来30アイテム近くにのぼる「さよならセット」のオールカタログも収録しています。

20161006144825-3920ba43f4ef57d9148ad5be190727293be47409.jpg巻末には、「復刻版 TOMIX最初期製品パンフレット」(ブランドが誕生した1976年に発行された、正真正銘最初期の印刷物)も収録。香港製が幅を利かせていた車輌ラインナップや、現在のファイントラックへと続くレールシステムのコンセプトなど、TOMIX創生期の「原点」が詰まった貴重な資料です。ぜひTOMIX40周年の節目を飾る保存版として末永くご活用ください。
→巻末には貴重な「復刻版 TOMIX最初期製品パンフレット」を収録。(『TOMIXの40年』より)

●NEKO MOOK 2506 TOMIXブランド40周年記念『TOMIXの40年』こちら
●A4正寸・164頁/定価1,800円+税(税込1,944円)

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常総線 水害から一年。

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▲災害から5日後、新守谷駅に留置されていたキハ002-001+キハ318-317+キハ004-003が守谷駅経由で回送された。'15.9.15 P:古村 誠
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ここ数年、台風をはじめとした自然災害がまさに想定外の規模で襲ってきており、現在でもJR北海道の各線などが復旧の途半ばとなってしまっています。そんななか、一か月ほど前に古村 誠さんから、昨年、関東鉄道常総線を襲った水害とその復旧までの記録をお送りいただきました。利用者でもある古村さんの地元目線のレポートをご覧ください。

20161005130235-969776e9d371d462defb37b86e644a146d6eb9f8.jpg2015年9月10日に発生した鬼怒川若宮戸地区の越堤、三坂地区での堤防決壊は、広域にわたって大きな被害をもたらしたのはご記憶に新しいかと思います。関東鉄道常総線も宗道~小絹間で延長17キロあまりにわたり浸水し、運行できなくなってしまいました。
浸水発生時、私は北海道におりました。13日午後の飛行機で戻り、その足で新守谷駅に行くと全線で不通、車輌基地も浸水したものの、幸いなことに車輌は水が来る前に逃がしたので無事とのことでした。


▲ようやく水が引いた水海道だが、構内一面は泥で真っ白。'15.9.13 P:古村 誠
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9月13日
水海道基地は水が引いたので車輌を戻し始めたところだとのことで車輌基地に行ってみると、一面濁流が運んできた途方もない泥で真っ白でした。車輌基地そのものは本線に高さを合わせるように周囲より70cm程度盛土されてるため、浸水は線路踏面の10cm程度で済んだようでした。

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▲新守谷駅に避難していたうちの1編成キハ008-007+キハ316-315+キハ313-314が水海道に戻ってきた。'15.9.13 P:古村 誠
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9月14日
下妻~下館間ではこの区間に残された車輌で運転が再開されました。いっぽう、水海道車輌基地のCTC設備が被災して使えなくなり、また、浸水した踏切の動作確認の必要から、車輌の返送は各踏切で職員が降りて確認を行うためこの日もまだ完了しませんでした。

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▲踏切の動作確認がとれておらず、車輌回送も踏切ごとに職員が下りて先導。'15.9.14 P:古村 誠
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9月15日
浸水から免れた踏切について動作の確認が取れ、車輌返却のスピードが上がり、この日の午後、最後に新守谷駅に留置されていたキハ002-001+キハ318-317+キハ004-003が守谷駅経由で返送され、取り残された車輌の撤収は完了しました。

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▲浸水区間のうち小絹~水海道間で機器の点検・交換作業が進む。'15.9.15 P:古村 誠
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9月16日
取手~守谷間で待望の運転再開。守谷~水海道間は代行バスに乗り換えて、水海道までのライフラインが復旧しました。

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▲取手~守谷間が運転再開。守谷の方向幕を掲げたキハ2104。'15.9.16 取手 P:古村 誠
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▲代行バスには鉄道の運転士が乗車して補充券を切っていた。'15.9.16 P:古村 誠
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9月18日
守谷~水海道間で運転再開。取手~水海道間の列車と、水海道~下妻間の代行バスで全線がつながるかたちになりました。

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▲水海道~下妻間を行く代行バス。'15.9.18 P:古村 誠
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9月19日
堤防決壊個所近くの南石下~三妻間では、復旧工事は始まったもののまだ随所で路盤が流された状態でした。

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▲堤防決壊個所近くの南石下~三妻はまだ手つかずのまま。'15.9.19 P:古村 誠
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▲常総線車内に掲示された災害復旧スケジュール。P:古村 誠
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10月9日
最後まで不通だった水海道~下妻間の開通が10月10日に決まり、この日試運転が行われました。

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▲災害から一か月、最後の不通区間で試運転が始まった。'15.10.9 P:古村 誠
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11月16日
CTC装置が完全復旧し、この日より通常ダイヤに戻りました。

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▲「完全復旧」を高らかに宣言するポスター。P:古村 誠
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浸水が路線の17キロあまりと長距離に及んだこと、運転基地が浸水被害に遭ったこと等を考えると、短期間で良く復旧に漕ぎ着けたと、あらためて関係者の皆さんのご努力に頭が下がる思いがいたします。
1年前を振り返りあらためてインフラの大切さを思い整理してみた次第です。

古村さんありがとうございました。身の回りの鉄道の変化を無理のない範囲で記録してゆく...それは地元ファンにしかできない意義ある取り組みに違いありません。

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▲すっかり万葉線の顔となったアイトラム(MLRV1005-B)からすれ違う7073号を見る。車窓には加越能時代にタイムスリップしたかのような光景が広がる。'16.9.22
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先日、所要で富山を訪れた際、ひさしぶりに万葉線を覗いてみました。聞くところではデ7073号が8月から加越能時代の旧塗色に塗り替えられて運用に就いているとのことで、あわよくばその様子を見られればと期待しての高岡訪問でした。

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▲橋上駅となった高岡駅一階の万葉線高岡駅停留場で発車を待つ7073号。広告がいっさいなく、しかも"ウェザリング"が施されているのが目を引く。'16.9.22
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20161004161616-15fe5f2a9dbb959ab91d41904785011484c1f0a1.jpgこの7073号、映画のロケに使用するために加越能時代の塗装に戻されたのだそうですが、驚いたことに模型さながらに"ウェザリング"まで施されているではないですか。たしかに塗装したてでは映画の大道具としては使えないのかもしれませんが、一般営業運転に入る実車がウェザリングされるというのは驚きです。

▲今や万葉線は商業施設「Curun TAKAOKA」の一階に出入りするかたちとなっている。高岡駅停留場を発車する7073号。'16.9.22
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▲41年前の加越能鉄道高岡軌道線時代の高岡駅に停車中の7076号。塗り分けが異なる点に注意。'75.9.3
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▲1975(昭和50)年当時の路線案内と時刻表。路線案内には越ノ潟から無料の県営渡船で新港東口に渡り、さらに今はなき富山地方鉄道射水線で新富山へと抜けるルートが描かれている。'75.9.3
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思えば加越能鉄道高岡軌道線を初めて訪れたのは今から41年前、まだ国鉄蒸機が現役だった頃のことです。すでに越ノ潟~新港東口間は富山新港建設にともなって県営渡船連絡となってしまっていましたが、それでも高岡軌道線~県営渡船~富山地鉄射水線(アーカイブ「射水線追想」参照→こちら)ルートで高岡から富山へのラウンドトリップが可能だった時代です。

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▲40年前とほとんど変わらぬ風情の越ノ潟に到着した7073号。新湊大橋が完成しても無料の県営渡船は今でも健在。'16.9.23
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▲7073号の38年前の姿。この頃の越ノ潟は2線構造となっていたことがわかる。画面右奥に県営渡船が見える。'78.8.26
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▲越ノ潟の改札ラッチから発車してゆく7073号を見る。'78.8.26
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これまたひさしぶりに訪れた終点・越ノ潟で、夕陽に照らされる7073号を見送りながら、たびたび富山詣でを続けていた1970年代を懐かしく思い返していました。

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▲神樂ラッピング列車が山里を行く。'15.2.23 三江線信木―式敷 P:米沢大輔(広島県) (「今日の一枚」より)

かねてより存廃に揺れていたJR西日本の三江線江津~三次間108.1㎞が、再来年2018(平成30)年4月1日付けで廃止されることが決まりました。先週末、9月30日付けでJR西日本が鉄道事業廃止届出書を国土交通大臣へ提出し廃止が確定したもので、営業距離が100㎞を超えるローカル線が路線ごと全線廃止となるのは本州では初めてのこととなります。

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▲三江線の位置と概要。(JR西日本プレスリリースより)
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廃止理由についてJR西日本はプレスリリースで以下のように発表しております。
「三江線江津~三次間につきましては、当社が昭和62年4月に日本国有鉄道から事業を引き継ぎましたが、民営化後も道路整備やマイカーシフト等の影響によりご利用状況が人口減を上回る状況です。この間、当社は三江線を維持・存続するために、駅体制の見直しやワンマン運転化等の経営努力と併せ、団体列車の設定等による増収策を行ってまいりました。近年では三江線活性化協議会において平成23年度から5ヵ年計画のもと、地域と一体となり利用促進の取り組みを広汎かつ継続的に展開してまいりました。

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▲三江線は江の川を渡り返しながら進む。'16.5.23 三江線式敷―香淀 P:米沢大輔(広島県) (「今日の一枚」より)

このような取り組みにもかかわらず、平成26年度の輸送密度は50人/日と会社発足時の約1/9にまで落ち込んでおります。また、平成18年、25年と2度にわたり大規模災害による長期間運休を余儀なくされ、激甚化する災害リスクの高まりも看過できない状況です。
以上の経緯により、当社は平成27年10月、「持続可能な公共交通の実現に向けた検討」を沿線市町へ申し入れました。その後、三江線改良利用促進期成同盟会との協議及び住民説明会等を経て、平成28年2月に持続可能な地域公共交通のあり方について幅広く検討する目的で「検討会議」が設置されました。当社も検討会議の一員として、沿線自治体の皆様と丁寧に議論を重ねてまいりました。そして平成28年6月、10回に亘る検討会議の議論に関する報告書が完成し、7月期成同盟会にて報告・承認されました。

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▲JR発足後の三江線関連の主な出来事と輸送密度の変遷。(JR西日本プレスリリースより)クリックするとポップアップします。

20161003175102-8ed4eea88ee66c32012985a3ad0a4cc4d1831e78.jpg当社は地元の皆様と議論して作成された報告書を踏まえ、三江線について以下の考え方を改めて確認いたしました。
① 三江線はエリア内の短区間の流動が大宗を占め、且つ僅少な輸送密度を踏まえると「拠点間を大量に輸送する」という鉄道の特性を発揮できていないこと。
② 通院、買物等の市町内で完結する少量且つ多様な移動が、この地域の実態であり、輸送モードとして鉄道が地域のニーズに合致していないこと。
③ 三江線活性化協議会において、5ヵ年の取り組みにもかかわらず、利用者の減少に歯止めがかかっていないこと。
④ 三江線において過去10年において平成18年と25年の二度に亘り大規模な自然災害が発生した。更には強雨発生回数の増加傾向をはじめとする自然災害リスクの高まりは当線区においても無関係でなく、バスにて代替可能な鉄道に対し、被災と復旧の繰り返しは社会経済的に合理的でないこと。
こうした4つの理由を踏まえ、三江線の第一種鉄道事業を廃止するとの判断に至りました。

▲三江線名物「陸閘門」と全通40周年記念列車「江の川号」。三江線には洪水対策のための「陸閘門」(りくこうもん)が8箇所設置されている。'15.8.30 三江線粕淵―浜原 P:福間寿彦(島根県) (「今日の一枚」より)
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三江線は江の川沿いの陰陽連絡路線として大正時代に着工され、1930(昭和5)年に初めて江津~川戸間が開業、以後10㎞程度の延伸開業を続けてきたものの、長らく江津方=三江北線と三次方=三江南線がつながることはありませんでした。最後に残された浜原~口羽間が開業し、北線と南線が結ばれたのが1975(昭和50)年8月のことで、着工以来実に半世紀余りを経て「三江線」は全通を果たしました。しかし、その後はたびたび大規模な自然災害に見舞われており、全通後の40年は災害との闘いであったとも言えましょう。

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▲年に一度のライトアップ「INAKAイルミ」で輝く宇都井駅。'15.11.28 三江線宇都井 P:石原裕紀(島根県) (「今日の一枚」より)

廃止は2018(平成30)年4月1日。つまり最終運転は3月31日となり、この日をもって三江線は姿を消します。

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