鉄道ホビダス

「鉄道模型コンテスト2016」リザルト。

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▲今年も東京ビッグサイトに熱い夏がやってきた。'16.8.7
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この土日(6日・7日)に東京・有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)で鉄道模型コンテスト2016が開催され、第8回となる全国高等学校鉄道模型コンテストを中心に、大学生モジュール、企業コンテストなど数多くのカテゴリーから、"この夏"に賭けた秀作が集合しました。

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▲特別ゲストとして来場された庵野監督も熱心に全作品を見て回られた。'16.8.6
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今年はKATO Nゲージ「500 TYPE EVA」タイプ8輌セット発売記念として、「エヴァンゲリオン」、そして、現在公開中の「シン・ゴジラ」の脚本・監督を務められた庵野秀明監督、「エヴァンゲリオン」のメカニックデザイン、また、500 TYPE EVAのデザインもされた山下いくとさんも特別審査員として来場されました。
各カテゴリーのリザルトは公式facebook上で公開されていますので、ここでは全国高等学校鉄道模型コンテストの上位入賞校の作品をお目に掛けることにいたしましょう。

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▲最優秀賞(文部科学大臣賞)に輝いた広島城北中・高等学校の「原爆ドームと灯篭の流れる元安川」。水面に浮かぶ灯篭と折鶴が幻想的な光を放つ。'16.8.7 P:RMM/羽田 洋
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今年の最優秀賞=文部科学大臣賞に輝いたのは広島城北中・高等学校鉄道研究部の作品「原爆ドームと灯篭の流れる元安川」です。地元、広島の鎮魂の風景を可能な限り自作で作り上げた渾身の作で、一見ではわからない拘りが随所に見られます。その最たるものが元安川に浮かぶ灯篭で、光ファイバーによって淡い光を放つ様は何とも見事です。原爆ドームも粘土と針金の半田付けで組み上げ、護岸の石や橋脚もひとつひとつ自作されています。

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▲「原爆ドームと灯篭の流れる元安川」の全容。護岸や石畳をはじめ、できる限りの部材を自作したという力作。'16.8.7 P:RMM/羽田 洋
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▲上から見た「原爆ドームと灯篭の流れる元安川」。実際は直線の橋を、あえてコーナーモジュールで曲線にモディファイすることによって視覚的変化をつけている。元安川もモジュール外側に開く構成とし、流し灯篭の大きさも奥(画面上)から手前(画面下)へと微妙に大きくなっている。'16.8.6
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20160808161518-f5b7fad9898af4e9ec1f2118f0bf15c5e9160fb8.jpg製作期間は6カ月。当初から今年の全国高等学校鉄道模型コンテストの会期が8月6日初日であることを意識してスタートしたそうで、広島平和記念日に東京ビッグサイトのコンテスト会場から平和の祈りを捧げたいと製作を続けてきたと聞きます。

→原爆ドームは川面から見た際の遠近感を強めるために1/200スケールで製作されている。'16.8.7
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▲ライトアップされる原爆ドーム。ドーム内の照明色を変えているほか、黒一色の背景ボードに影絵のようにその姿が投影されるなど、随所に細かい心配りがなされている。'16.8.7
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そして優秀賞2校が昨年の優勝校である共立女子高等学校と、灘中学校・灘高等学校です。共立女子高等学校は昨年の山から海へとシチュエーションを変え、「朝凪」と題する漁村風景を作り上げました。得意のフィールドワークによって克明な現地調査を行ない、四方向から鑑賞に堪える見事な作品を完成させています。

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▲残念ながら連覇を逃した共立女子高等学校地理歴史部の作品「朝凪」。得意のフィールドワークで徹底的に漁港を調査し、その息遣いを伝えている。灯台は点灯可能。'16.8.6
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ただ、作品そのものの完成度は昨年の優勝作よりむしろ高まっているものの、審査員の一部には既視感(デジャブ)を拭い去れないとの意見もあり、最優秀校が最後まで決まらないというこれまでに例のない展開となりました。

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▲植生も現地調査に基づいて忠実に再現、石畳の石も一つ一つ並べ、杉の落ち葉を配するなどその拘りはさらに磨きが掛かった感がある。'16.8.6
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いっぽう、同じく優秀賞となった灘中学校・灘高等学校の作品は「下町」と題する日本をテーマとしたもの。同校はこれまで一貫して海外の鉄道風景をモチーフとして上位入賞を続けており、日本の風景に転じたのは少々驚きでもありました。

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▲毎年上位にランキングされる灘中学校・灘高等学校鉄道研究部のコーナーモジュール「下町」。これまで海外の鉄道風景をモチーフとしてきた同校が初めて国内のシーンをテーマとした意欲作。'16.8.6
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▲近鉄藤井寺駅周辺や阪急石橋駅、阪神出屋敷駅周辺を参考にして作り上げたという「下町」。見れば見るほど細かな作り込みに驚かされる。'16.8.6
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「誰もが当たり前だと思っているのになぜだか郷愁を感じてしまう...鉄路のあるありふれた下町の風景」が、拘り抜いた精密さの中に再現されています。見れば見るほど生活を、物語を感じさせる作り込みに、こちらも最優秀賞のノミネート候補でした。

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▲今年の表彰式は会議棟一階のレセプションホールで開催された。私も審査員の一人として講評を述べさせていただいた。'16.8.7 P:RMM/羽田 洋
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今年も審査委員長は東京芸術大学美術学部八木澤優紀先生、審査員は関水金属(カトー)の加藤 浩社長、日本鉄道模型の会(JAM)の初代会長の水沼信之さん、そして私の4名。メンバーは昨年と変わっていないものの、最優秀賞の決定に関しては過去に例のないほど白熱した議論が行われました。

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▲文部科学大臣賞とともに、11月にミルウォーキーで開催されるTrainfestへの招待を手に入れた広島城北中・高等学校のメンバー。右端は関水金属の加藤 浩社長、その隣は全国高等学校鉄道模型コンテスト実行委員会の廣澤 広理事長。'16.8.7 P:RMM/羽田 洋
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最終的な論点は共立作品の完成度の高さと、やむを得ないことながら広島作品が内包するポリティカルな側面でした。侃々諤々の議論ののち決したのは広島。
11月に招待されるアメリカ・ミルウォーキーのTrainfestでは、広島のモジュールはT-Trakに接続して披露されると聞きます。原爆ドームを背景に、灯篭と折鶴が輝くあの元安川を、アムトラックや、ダブルスタックを連ねた長大貨物列車が、そうアメリカの列車が通過してゆく...それは鉄道模型にしかできない平和の光景のはずです。

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