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2016年8月10日アーカイブ

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鉄道友の会から今年の島秀雄記念優秀著作賞の発表があり、髙木宏之(ひろし)さんの『国鉄蒸気機関車史』が単行本部門の島秀雄記念優秀著作賞を受賞いたしました。本書は今春、第41回交通図書賞奨励賞も受賞しており、いわば鉄道図書の2大タイトルを獲得したことになります。

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▲戦後の改造新形式についてはその改造母体の分析をはじめ、性能試験結果などを駆使して新たな視点で再評価を試みている。(髙木宏之著『国鉄蒸気機関車史』より)
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鉄道友の会から発表された今年の島秀雄記念優秀著作賞は各部門合わせて5件でした。
■単行本部門 (2件)
髙木 宏之『国鉄蒸気機関車史』ネコ・パブリッシング(2015)
中村 光司『知られざる連合軍専用客車の全貌』JTBパブリッシング(2015)
■定期刊行物部門 (1件)
野元 浩「狭小トンネル用PS23形パンタグラフ」(電気車研究会『鉄道ピクトリアル』2015年12月号掲載)
■特別部門 (2件)
『関西の鉄道』ほかの継続出版に対して(関西鉄道研究会)
『中国鉄道時刻表』の出版に対して(中国鉄道時刻研究会)

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▲収録写真点数は278点。メーカー竣功写真など1世紀近くを経た貴重な写真も含め、初出・秘蔵写真も多数収録している。しかも図面は原則として一次資料を使用し、形式図81点、組立図・配管図など136点、表は166点にもおよぶ。図はC63組立図。(髙木宏之著『国鉄蒸気機関車史』より)
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単行本部門を受賞した『国鉄蒸気機関車史』については、以下のように選定理由が発表されています。
「本書は、国鉄蒸気機関車のうち、8620形、9600形に始まるいわゆる「制式蒸機」を扱った書物です。従来の蒸気機関車史の研究は、製造所や形式番号、所有者の変遷が中心でしたが、本書では、当時の技術資料などに基づいて、各機関車の設計思想や、設計の経緯、要素技術の具体的内容、国外の同種の機関車との比較が考察され、工学的な視点によって多角的な論考を加え、蒸気機関車のメカニズムの変遷や系譜を体系的にまとめた点に特色があります。蒸気機関車はすでに研究し尽くされた感がありますが、そうした固定概念を打破した著作として、島秀雄記念優秀著作賞に選定しました。」

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▲機関車の性能評価のために大井工場内に「定置試験台」が設けられて各種試験が行われたことはあまり知られていない。本書ではこの定置試験台や試験車についても言及している。(『国鉄蒸気機関車史』より)
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髙木さんに早速お知らせしたところ、ご本人も名誉ある受賞にお喜びのようで、ウィットに富んだ、しかも次作への意欲に満ちたメールを頂戴いたしました。

名取編集局長からのお電話で「島賞」が「始末書」に聞こえてしまい、思わず聞き直してしまったほど予想外の受賞に驚いております。かねてより趣味の蒸機本でも英国のように「プラクティス」(手法体系)と「パフォーマンス」(運行成績)に言及すべきと考え、自著に反映した点を評価いただき嬉しく思います。流れの中で国鉄工作局の設計陣をいささか批判的に書きましたが、すでに齋藤 晃氏の受賞という前例もあることゆえ、その点で選外となる危惧はありませんでした。今後は国鉄蒸機に限らず、満鉄・鮮鉄や民間設計の輸出蒸機など、広い意味での「日本蒸気機関車史」を書きたいと思っています。

なお、『国鉄蒸気機関車史』は重版分も残り少なくなっております。まだご覧いただいていない方は、どうかぜひこの機会にお求めください。
■『国鉄蒸気機関車史
髙木宏之 著
定価:本体4,444円+税  B5版 上製本 240頁。

20160810115142-7552a7fc8ab432052a945ffe6153edb391a4d724.jpg■内容
序章:島安次郎、節約路線を確立す ― 国鉄制式機前史
第1章:右と言えば左の「武士道機関車」― 9600形
第2章:「万能機」元をただせば急客機 ― 8620形
第3章:広軌への果てしない憧れ ― 大正前期の計画形式と満鉄機
第4章:広軌に匹敵する狭軌機関車 ― 18900(→C51)形
第5章:国鉄初の制式ミカド君臨す ― 9900(→D50)形
第6章:正調ワルツのリズムに乗れず ― 8200(→C52)形・C53形
第7章:ライト・パシフィック三姉妹 ― C54形・C55形・C57形
第8章:テンダー機からタンク機へ ― C50形・C10形・C11形
第9章:タンクとテンダーの長短姉妹 ― C12形・C56形
第10章:国鉄代表スタンダード・ミカド ― D51形
第11章:国鉄最後のヘビー・パシフィック ― C59形
第12章:不発に終わった「弾丸列車」 ― HC51形・HD53形
第13章:国鉄ヘビー・ミカドの皇統譜 ― D52形
第14章:国鉄5動軸機の系譜 ― 4110形・E10形
第15章:国鉄初のハドソン登場 ― C61形
第16章:国敗れてハドソンあり ― C62形
第17章:2軸従台車の眷属 ― D62形・D60形・D61形・C60形
第18章:両用並び立たず ― C58形・C63形
第19章:機関車の性能評価手段 ― 定置試験台と試験車
第20章:ショート、ロング、カットオフ ― 弁と弁装置の基礎
第21章:水は方円の器に従う ― 給水加熱器
第22章:馬には乗ってみよ ― 機関車の動揺
第23章:それは石炭節約から始まった ― 重油の併燃と専燃
コラム:18900(→C51)形における各種除煙装置と下関庫の18993による各種試験

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