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淡路交通鉄道線跡を行く。(上)

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▲福良駅から洲本側に少し行った登り勾配の途中元線路わきに残る給水塔。廃止半世紀を経ながら残る最大の遺構といえよう。'16.6.4 P:宮武浩二
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先般はRMライブラリー『琴平参宮電鉄』をご執筆いただき、四国地方、近畿地方の失われた鉄軌道探訪を勢力的に続けておられる宮武浩二さんから、淡路島の鉄道として親しまれながらも、ちょうど半世紀前の1966(昭和41)年に廃止となった淡路交通鉄道線の現状レポートを頂戴いたしました。

20160713105500-6c18c25a479bba91231c1d05c455b266454fb5cb.jpg先日、淡路島の福良までに行く機会がありましたので、少し時間を割いて洲本から国道28号線を経由して福良まで淡路交通鉄道線(淡路鉄道)の名残を探してみることにしました。
淡路交通が鉄道線を開業したのが1922(大正11)年11月26日で、洲本口(現在の宇山)から市村まで蒸気機関車で開業、1925(大正14)年には宇山から東に向けて洲本市街地となる洲本間、市村から南に向けて福良間が開業、当初の目論見の通り本州からの船の寄港地となる洲本港から四国への連絡港となる福良港まで一直線の輸送経路が完成しました。

▲淡路交通鉄道線概念図。(『トワイライトゾ~ン・マニュアルⅡ』所収「淡路島を走った電車」より)
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昭和になり内燃動車を積極的に導入して近代化を進めました。淡路鉄道の建設については資金的に大変な苦労があり、地元の素封家で南淡路に居を構えていた賀集新九郎氏が淡路島の発展のために自身の資産をつぎ込んで建設しました。

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▲健在だった頃の淡路交通鉄道線。キハニ3を電動車化したモハ2009と南海からやってきたタマゴ型電車モハニ1000形の2連。'61.3.7 P:中谷一志
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淡路鉄道の開業により地元の特産品と陶磁器や農作物の輸送、また観光地として本州から鳴門観潮など観光客の呼び込みも可能となりました。
戦後。鉄道線の電化を進めて気動車改造の電車たちが活躍、垂直カルダン駆動を自社で開発するなど話題を提供しましたが、乗客輸送量という点では戦前戦後を通じて成績が悪く、1966(昭和41)年10月1日で鉄道線は廃止、島内の輸送機関はバスに統一され現在に至ります。

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▲洲本城から見下ろした市街地。左手中ほど(矢印)に淡路交通本社旧洲本駅が見える。'16.6.4 P:宮武浩二
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鉄道線の廃止からちょうど50年という節目でもあり、洲本から福良間で鉄道線の名残を探してみることにしました。まず洲本ですが、洲本駅跡はバス駐車場と本社が残っています。駅に隣接している二階建てのレストランを営業していた洲本観光会館は三階建てに建て増しされて本社として残っています。ホーム跡はバス駐車スペースになり、鉄道線跡は道路に転用され現在は洲本バスターミナルを発着する高速バスが頻繁に走っております。

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▲現在の洲本。右手の建物が淡路交通本社、バスが停まっているあたりにホームがあった。'16.6.4 P:宮武浩二
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▲現在の淡路交通本社(左)。鉄道線時代からのもので洲本駅と観光会館としてレストランやお土産売り場があった。、のちに3階部分が建て増しされた。右は淡路交通本社横のバスターミナル跡。もとの鉄道線の改札口や待合所があった場所である。'16.6.4 P:宮武浩二
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▲旧洲本駅から宇山方面を見る。線路跡と川跡は道路として整備され、現在は自社バスが運行している。'16.6.4 P:宮武浩二
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ここ洲本で必見なのが、淡路交通の本社から徒歩5分でいける洲本城跡にある市立洲本文化資料館(月曜日休館)です。ここには旧淡路鉄道時代の写真パネルの他、鉄道線廃止まで使用されていた「洲本~福良間」の運行板が保存展示されています。また洲本バスターミナルに隣接する洲本市立図書館には『淡路交通三十五年の歩み』『淡路交通創立五十年並鉄道線全通四十年の歩み』など関連図書が蔵書されているので訪ねてみるのも良いでしょう。

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▲洲本城跡に建てられた「淡路文化資料館」には淡路交通鉄道線時代の運行板が古い鉄道線の写真パネルと共に常設展示されている(左)。ちなみに、三熊山山頂の洲本城天守台跡には模擬天守閣に似せた展望台が見える。右は淡路交通本社の向かい側にあるカネボウ洲本工場の跡地に建設された洲本市立図書館。'16.6.4 P:宮武浩二
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