鉄道ホビダス

2015年10月 5日アーカイブ

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▲土曜日に行われたプレイベント「軽便讃歌Ⅵ」での湯口 徹さんの講演。学生時代、泰和車輌を訪問した際のまるで喜劇のような顛末が語られ、会場は大盛り上がり。投影されているのはその際にノートに書き写したという車輌図面の数々。'15.10.3
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先週末、すっかり秋の風物詩ともなっている「軽便鉄道模型祭」が行われました。会場としてながらく親しまれてきた目黒のさつき会館が建て替えのため使用できなくなり、今年は人形町の綿商会館に場所を移しての開催です。
これまた恒例となった前日のプレイベント「軽便讃歌Ⅵ」は湯口 徹さんの講演で幕を開けました。伝説の名著『簡易軌道見聞録』のベースとなった殖民軌道・簡易軌道での実体験は、決して親交の浅くない私でさえ初めてうかがう内容が多く、あっという間の一時間でした。続いて登壇されたのは今井啓輔さん。『私が見た特殊狭軌鉄道』(レイルロード刊)シリーズが完結したばかりの今井さんは、湯口さんの講演を受けての簡易軌道各線の現況を含めた探訪記をご披露くださいました。たびたび現地に赴いてのオーラルヒストリーの蒐集からは、従来見えてこなかった簡易軌道の日常が浮かび上がってきます。

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▲今回の白眉ともいえるのがDMC(1:48/12.7㎜)石井伸明さんの「坑車総站」。ベースは昨年の展示作品と同じだが、なんと"雨の日"に生まれ変わっている。ぬかるんだ基隆炭礦のあの日が甦る...。'15.10.4
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簡易軌道関連の講演が2本続いたあとは、北海道から一気に最南端の鉄道に飛び、倉地光男さんの「南国の砂糖きび列車を追って」です。沖縄返還の遙か前、南海の孤島・南大東島で現役と聞く蒸気軽便に会いに行くお話は、鉄道趣味を超えてアドベンチャーの領域とさえいえましょう。
今年の講演「軽便讃歌Ⅵ」はこの3本。終了する頃には秋の日はとっぷりと暮れ、人形町界隈は宵闇に包まれていました。

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▲同じく石井さんの石井伸明さんの「坑車総站」より。'15.10.4
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「軽便鉄道模型祭」の本番は翌10月4日の日曜日。会場が変わったことで昨年よりスペース的にゆとりができ、4階がトレーダーズルーム、5階がモデラーの作品展示と区分され、ギャラリーの皆さんもゆったりと見学することができたようです。詳細は今月発売の『RM MODELS』誌上でご紹介いたしますので、ここではそのほんの一部をダイジェストとしてご覧いただくことにいたしましょう。

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▲Oナローモジュールクラブ(ONMC)桜山軽便鉄道の今井貴裕さんの新作モジュールは冬の神社とその周辺。目線の中心に踏切を据え、パースペクティブを活かした構成となっている。'15.10.4
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▲同じく今井貴裕さんの新作モジュールから。水路とその脇の小屋の表情が秀逸。'15.10.4
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▲草軽に拘り続けるONMCの小林隆則さんの新作は秋のモジュール。各所に配置されたフィギュアは、プロットを決め、それに見合う人物写真を探し出し...とたいへん手間のかかったもの。'15.10.4
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20151004225708-c53b5839cba3a2075d9d1cbf195603ae3bced62d.jpg個人的に目を引いたのが石井伸明さんの基隆炭礦をモチーフとした「坑車総站」。実は昨年も出品されておられるのですが、決定的に違うのは、今年はその作品に"雨"を降らせたこと。かつての87分署の名作「冬物語」を嚆矢として、今では雪をテーマとして取り込んだ作品は少なくありませんが、あえて雨、それも機関車までもがずぶ濡れの土砂降りの雨を表現した作品は本邦初ではないでしょうか。
▲ONMCのモジュールには表情豊かなフィギュアが見られたが、これはいずれも舘野 浩さんの作によるもの。'15.10.4
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石井さんにうかがったところでは、雨に濡れた表現はさまざまな試行錯誤を繰り返し、最終的にはシリコン系、エポキシ系と10種類以上のマテリアルを使い分けているとのこと。ちなみにそのままではなく、大量に黒色を混入することが"らしく"見える秘訣なのだとか...。

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▲服部英之さんの「馬面電車の走る秋」。福島交通の前身の信達軌道がもし762㎜軌間のまま電化されていたら...との設定でのエンドレス。片面は鄙びた街路をゆく併用軌道、裏面はこのような林間の交換設備とリバーシブルになっている。'15.10.4
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20151004225956-cc540b010a949a33a248e4575f91203c372b2b07.jpg軽便鉄道模型祭というと、開催に合わせて発行される南軽出版局の書籍を楽しみにしておられる方も少なくないのではないでしょうか。今年の書籍は『貝島炭礦鉄道』(2600円+税、A4変型104頁、別刷付録付)で、あの『鉄道讃歌』所収の写真を核に、KEMURI PRO撮影の未発表写真がふんだんに収録されています。庄司の採砂場で使われていた米国ビサイラス製のスティーム・ショベルの調査を端緒とした蒸気ショベルの発達史なども収録されており、産業考古学的見地からも貴重な一冊といえましょう。
▲「馬面電車の走る秋」より併用軌道部の夜景。巧みに仕込まれた照明がトップライトにはない表情を創る。'15.10.4
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また、昨年の講演記録をまとめた『軽便讃歌Ⅴ』(1200円+税、A4判52頁DVD付)も同時に発売となっており、書泉グランデ、書泉ブックタワー、旭屋書店なんばCITY店、全国有名模型店等で購入することができます。

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▲新刊の『貝島炭礦鉄道』(左)と、昨年の講演録『軽便讃歌Ⅴ』(右)。『軽便讃歌Ⅴ』には1960年代の軽便鉄道16社の動画等を収録したDVDが付録する。

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