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「鉄道模型コンテスト2015」リザルト。

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▲文部科学大臣賞に輝いた共立女子高等学校地理歴史部のモジュール。昨年優秀賞を獲得した棚田に続いて日本の原風景をモチーフとした作品。'15.8.9
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東武鉄道鬼怒川線でのC11 207号機復活、続いて留萌本線留萌~増毛間の廃止と立て続けに大きなニュースが飛び込んできて、すっかり間が空いてしまいましたが、先週末に東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催された「鉄道模型コンテスト」の結果をお知らせいたしましょう。

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▲今年の最優秀賞(文部科学大臣賞)にはスペシャルな副賞として「ヨーロピアンNスケール コンベンション」への招待が設定された。授賞を発表する関水金属加藤 浩社長。後ろは鉄道模型コンテストに合わせて来日されたドイツのメーカーFALLER(ファーラー)の社長とそのご子息。'15.8.9
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各部門別の細かいリザルトはオフィシャルサイトに譲るとして、エントリー数145校と過去最多となった高校生モジュール部門の上位6校をご紹介しましょう。
文部科学大臣賞(最優秀賞):共立女子高等学校
優秀賞:灘中学校・灘高等学校
優秀賞:東京都立三鷹中等教育学校
加藤祐治賞:ラ・サール高等学校
来場者が選ぶベストワン賞:大阪女子短期大学高等学校
学生が選ぶベストワン賞:獨協中学・高等学校

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▲受賞式の檀上で感激の面持ちの共立女子高等学校地理歴史部メンバー。'15.8.9
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それでは、文部科学大臣賞と優秀賞の3校を写真を交えてご紹介しましょう。
最優秀賞にあたる文部科学大臣賞に輝いたのは昨年も優秀賞を獲得した共立女子高等学校地理歴史部です。徹底した現地調査のうえ、広重の浮世絵に見られる遠近感の表現にも触発されて作り上げたモジュールは、まさに"作りきった"と表現するに相応しいもので、国際的にも胸を張れる完成度です。今年は文部科学大臣賞を受賞した学校は、11月にドイツのシュツットガルトで開催される「ヨーロピアンNスケール コンベンション」に招待される栄誉も得られます。「JPN」と記されたクレデンシャルカードを胸に、有名なクリスマスマーケットが始まる初冬のシュツットガルトで、彼女たちがどんなプレゼンテーションをしてくれるのか、今から楽しみでなりません。

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▲これが文部科学大臣賞受賞作の全容。現地調査を行い、なおかつ模型として4方向から鑑賞できるように配慮がなされている。'15.8.9
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▲多くの鯉のぼりに見守られながら、村は田植えの季節。左側の田んぼはちょうど水を入れ始めたところという設定。'15.8.8
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▲複雑な構造のトラス橋(左)も手作り。なおかつ橋梁の下から眺めると鯉のぼりが泳ぐ里の風景が見事。長瀞周辺に範をとった石畳や岩の表現も秀逸(右)。'15.8.8
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▲だんご屋の店先の毛氈、プランターなど細部にも破綻がない。全域にわたって粗密が感じられず統一したクオリティーが保たれているのも受賞の要件。'15.8.8
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優秀賞2校のうち灘中学校・灘高等学校鉄道研究部は恒例の海外をテーマに、今年はタイのメークロン市場周辺をコーナーモジュールに再現しています。メークロンはバザールの中をそこのけとばかり列車が通るので有名ですが、灘校はモジュールを線路ばかりでなく「市場中心エリア」、「住居エリア」、「水上市場エリア」と3つに区分し、平面ながらも多層的な景観を演出しています。市場に大量に並んだ野菜や果物は、ふりかけやフリーズドライいちごなどを利用しているというのも高校生らしい発想の柔軟さにほかなりません。

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▲優秀賞に輝いた灘中学校・灘高等学校鉄道研究部のコーナーモジュール。タイのメークロン市場周辺をモチーフとして極めて完成度の高い作品を作り上げた。手前の透明度の低い水の表現はレジンを用いた灘校お得意のもの。'15.8.8
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▲水上市場エリア(手前)には野菜や果物を満載した小舟が蝟集し、喧騒が聞こえてきそうな雰囲気。'15.8.8
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▲列車が通過する際には商品を片付ける有名なメークロンの併用軌道部。平屋が多いだけに多様な屋根の表現も見どころ。'15.8.8
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同じく優秀賞に輝いた東京都立三鷹中等教育学校鉄道研究会の直線モジュールは、雪の板谷峠を再現したもので、一見して変哲のない地味な作品に見えかねません。しかし、見れば見るほど味がある作品で、審査員一同も発表前夜に再確認に行き、その普遍性に納得のうえ、優秀賞に推薦したものです。

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▲優秀賞を受賞した東京都立三鷹中等教育学校鉄道研究会の直線モジュール。スイッチバック廃止直後の板谷峠をモチーフに、モノトーンの冬の美しさを表現している。'15.8.8
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▲ポータルは上下線でずらし、はねた雪が対向列車にかからないように線間を広く取るなど理にかなったレイアウトも出色。'15.8.8
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▲スノーシェッドは支柱にレールを用いてスクラッチビルド。右手前の方は廃線となって雪が降り積もっている。除雪作業員が静的な空間に動きを加えている。'15.8.8
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20150812141718-2859d975ba359f3b83abb3387c2ef3ac67dc9900.jpg今年の審査員は昨年に続いて東京芸術大学美術学部八木澤優紀(まさ)先生、関水金属(カトー)の加藤 浩社長、日本鉄道模型の会(JAM)の初代会長でがん研有明病院化学療法担当部長の水沼信之さん、そして私の4名で、今年は東京芸大の八木澤先生が審査委員長を務められました。全体的に明らかにレベルの上がったコンテストとなりましたが、昨年の明治学院中学校・明治学院東村山高等学校鉄道研究部のJR代々木駅をモチーフとした最優秀作品(→こちら)のように、満場一致のダントツに突出した作品がなかったのも特筆されます。
▲私は今年も審査員を務めさせていただいた。それにしても作品数が昨年の2割増しとあって審査する方もたいへん。学生の皆さんが帰った夜も延々と審査が続いた。'15.8.9
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ところで、後日「これご覧になりましたか?」と水沼先生が差し出されたのが、昨年フジサンケイビジネスアイ賞に輝いた滝川高等学校鉄道研究部の機関誌『男の旅』。ネーミングも鮮烈なこの本を会場で受け取ったという水沼先生、病院での超多忙なお仕事の合間にふと目に止まって読み始めると面白くて一気に読破してしまったというではないですか。何が面白かったのかというと、昨年の「鉄道模型コンテスト」遠征記が極めて詳細に綴られていたからです。神戸から東京ビッグサイトへ...宿泊ホテル近くで銭湯を探し、秋葉原の雑踏をかき分け、浅草で名物の天丼を食べ、そして当日は緊張しながら審査員、つまり私たちを迎える様子が実にリアルに描かれていました。そうか、"逆"からはそう見えているのか、そんな時間を過ごしてきたのか、水沼さんにとっても私にとってもそれはある意味清々しい驚きでもありました。
145校を3分ずつ見たとしても単純計算で7時間以上、もちろん現実には一畳コンテストなど他のカテゴリーも数多くあります。実は今年も審査委員長の八木澤先生は深夜2時まで掛かって集計をとっておられましたが、"逆"から見ればもっとちゃんと見てほしい、話を聞いてほしいと思われているに違いありません。恐らくさらにエントリー数が増えるであろう来年のコンテストではどうするか、発展するがゆえの悩みでもあります。

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▲去年にも増して会場内はたいへんな熱気に包まれていた。また来年、このビッグサイトでどんな感動と出会えるだろうか...。'15.8.9
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※13日・14日は会社休業日のため小ブログも休載させていただきます。

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