鉄道ホビダス

2015年8月アーカイブ

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▲長年担当してきた「スチーム号」の先頭に立つ8630。右は開館以来ともに過ごしてきた僚機9633。'15.8.30 P:田中秀樹
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昨日、梅小路蒸気機関車館が閉館、閉館セレモニーが行われました。もちろん、ご承知のように「閉館」といってもなくなってしまうわけではなく、来春開業予定の京都鉄道博物館の一部としてリニューアルのうえ再び公開される計画で、このたびの閉館はその準備のためのものです。

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▲名残を惜しむたくさんの来館者に見守られながら、転車台にのる8630。(運転区屋上より) '15.8.30 P:田中秀樹
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「蒸気機関車館」は1972(昭和47)年の鉄道100年を記念して当時の国鉄が計画したもので、同じく扇形庫を持ち首都圏からのアプローチに優位な小山機関区との"最終決戦"の末、当時の梅小路機関区がわが国の蒸気機関車保存の殿堂「蒸気機関車館」に決したものです。以来実に43年間、まさにわが国の蒸気機関車保存の総本山として数多の功績を残してきました。

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▲扇形庫内で行われたセレモニーでお別れの手を振るJR西日本真鍋社長はじめ関係者の皆さん。'15.8.30 P:田中秀樹
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▲恒例の頭出し展示が有終の美を飾る。'15.8.30 P:田中秀樹
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鷹取工場閉鎖による蒸気機関車検修継続の危機、老朽化した扇形車庫や設備の維持管理等々、この43年間には、梅小路蒸気機関車館の存続自体が危ぶまれる局面が幾度となくあったと聞きます。京都鉄道博物館の建設と合わせて、JR西日本は新たな蒸気機関車検修施設を設け、将来に向けて永続的な動態保存維持を表明しており、今回の「閉館」はその意味では決して寂しいものではありません。

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▲いよいよ閉館、手を振る蒸気機関車館の職員の皆さんの中には、涙ぐむ方も...。'15.8.30 P:田中秀樹
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▲初めてプレス公開された京都鉄道博物館のスカイテラス。門川京都市長(左)自らがその展望の素晴らしさをご紹介。右はJR西日本の真鍋社長。'15.8.30 P:田中秀樹
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▲京都鉄道博物館開館時には人気スポットになるであろうスカイテラス。東寺の五重塔から京都タワーまでが一望でき、新幹線や在来各線が見渡せる。'15.8.30 P:田中秀樹
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ところで、今回の梅小路蒸気機関車館の閉館により、「梅小路」という名前は蒸気機関車の検修業務や「スチーム号」の運転などを担当する現業機関として梅小路運転区に残るだけとなってしまいます。実は1972(昭和47)年の開設時点でなぜ「京都蒸気機関車館」ではなく、当時一般的にはほとんど知名度のない「梅小路蒸気機関車館」という名称となったのかは今もって謎です。『梅小路90年史』編集に際しても、検証を試みましたが(同書所収「動態保存に至る経緯」参照)、伝統の梅小路機関区の名称を引き継ぎたいという一念が国鉄本社を動かしたというのが真相なのかも知れません。
取材協力:西日本旅客鉄道株式会社

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▲ルーマニアからやってきた764.007の牽く列車。調子は良くないようでこの日は一往復のみの登板だった。'15.8.16 Grünburg P:真柳哲也
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当日のサプライズは、当初公開されていた時刻表ではディーゼル牽引となっていたGK112列車とGK123列車に投入されたルーマニアの森林鉄道(CFF)蒸気機関車764.007。形は個性的ですが、オーストリア国内で見ることができるのは貴重な機会となりました。ただ、状態があまり良くないようで、ÖGEGサイドも、当日まで運転の確約ができなかったようです。そのため、運転も1往復限りだった訳です。

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▲764.007のプロフィール。ルーマニアでは一般的なレシツァ(Reşiţa)製のDタンク機(1953年製)でニックネームはなんと"Draculin"、つまりドラキュラ! '15.8.16 Grünburg P:真柳哲也
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30周年の記念行事で、日頃、走ることが少ない蒸気機関車が運転されるため、さぞかし大勢のファンが来場するかと思っていたのですが、ファンの姿は意外に少なく、拍子抜けという感じでした。逆に運転本数が多いため、乗車を目的とした一般のお客さまの方が多かった印象です。一般のお客さまが多かったことから、現役の蒸気鉄道の趣があったうえに、殺伐とした雰囲気がなく、いかにもオーストリアのお祭り...という感じが印象的でした。

20150828142322-fc55a5bd8db29ca931e37eee85024ad7dc6666a2.jpg私は、15日はSteyr駅で定期のGK131列車の出発を撮影しましたが、16日は、効率を考えて車輌基地のあるGrünburg駅に向かいました。Grünburg 駅では、ÖGEGのスタッフが列車の運転や運行管理以外にも、売店やビュフェの運営など、幅広い分野で活動をしていました。彼らにとっては、自分たちの力で「本物の鉄道を運営する」というのが趣味の醍醐味なのでしょう。とは言っても、そこはオーストリア。列車が出発してしまい時間が空くと、スタッフの皆さんもビールなどを飲みながら仲間同士でご歓談。決して肩肘を張っていないところが、オーストリアの魅力でもあります。
▲Steyrtal-Museumsbahnのラベルを貼ったシュナップスも用意されていた。'15.8.16 Grünburg P:真柳哲也
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また、売店では書籍や絵葉書、ステッカー、模型などに加えてSteyrtal-Museumsbahnのラベルを貼ったシュナップス(蒸留酒)もしっかり販売していました。オーストリアに限らず、ヨーロッパの保存鉄道では、自鉄道のラベルを貼った酒類を販売しているところが多いようです。

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▲Lok Nr.6の牽引するGK17列車。有蓋貨車1輌、客車3輌のミキストを101歳を迎えた古典機が牽く。'15.8.16 Grünburg P:真柳哲也
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それにしても6号機の美しいこと。惚れ惚れしました。Lok Nr.6はGK13列車(Steyr5時59分発)、GK14列車(Grünburg9時28分発)、GK17列車(Steyr13時32分発)に充当されましたが、大切に使っているような印象を受けました。
残念だったのは、現在、静態保存になってしまったギースル装備の699.103を庫内から引き出して、展示してくれなかったことでしょうか。このほか、解体整備中の機関車が2台、機関庫内に格納されていました。
ところでGrünburg駅構内の機関庫ですが、手前がターンテーブルになっており、これを使って3線の機関庫に車輌を振り分けるようになっていました。

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▲残念ながら今回は庫内での展示となったギースル装備の699.103。'15.8.16 Grünburg P:真柳哲也
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なお、ÖGEGは、2007年からオーバーエスターライヒ州に「LOKPARK AMPFLWANG」という鉄道・鉱業博物館を運営しています。この博物館は、ÖBBの車両基地を転用したものではなく、鉱業施設の一部(専用線)を買い取り、博物館を建設したものです。
さらに最近では、鉄道車輌の保存だけでなく、ドナウ川を航行していた船舶の保存にも関与しており、1912年に建造され、廃船となった蒸気外輪船「シェーンブルン宮殿」を1995年に取得。現在はドナウ川で動態保存も行っています。
オーストリアは、アルプスの小国ですが、こういった博物館鉄道を30年間、継続して維持してきたというのは、大変なことだと思います。所属スタッフの努力には頭が下がる思いです。

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▲機関庫手前には転車台が備えられており、3線の矩形庫に車輌を振り分けるポイント代わりに使われていた。'15.8.16 Grünburg P:真柳哲也
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ところで、私は、今回、別件があってSteyrを訪れたのですが、15日の昼間、時間があったのでSteyr駅に足を運んでみました。ところが、そこで日本からやってきた旧知の友人とバッタリ。これにはお互い驚きました。友人は長期間の休みがとれないため、今回も0Jahre Steyrtal-Museumsbahnの行事を見るためだけにスポットで、日本からオーストリアへ来たそうです。
彼の経験談ですが、短期間で日本とヨーロッパの往復を繰り返すと、犯罪に関与しているのではないかと疑われることがあり、イミグレーションで時間がかかることがあります。
彼はもちろん犯罪に関与している訳ではないのですが、フランクフルト空港のイミグレーションでもめた時、前回、ドイツ訪問で撮影した蒸気機関車のデジタル写真をカメラの液晶画面で見せて、"今回も、鉄道関連の行事に参加するためにやってきた日本のファンである"と言ったところ、イミグレーションの係員は、即座にEUへの入国を許可したとか。さすが、鉄道趣味が市民権を得ているドイツらしいエピソードです。

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▲とりたてて給炭設備はなく、給炭はささやかなベルトコンベアが頼り。'15.8.16 Grünburg P:真柳哲也
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▲当日最も活躍していた498.04の牽く列車。498.04は1929年クラウス製のC1タンク機で、BBÖ(旧オーストリア連邦鉄道)からの引継機。'15.8.16 P:真柳哲也
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これまでにもたびたびオーストリアやドイツの現地情報をお送りいただいているウィーンネットの真柳哲也さんから、「オーストリア鉄道史協会」という愛好者団体が運営するシュタイア博物館鉄道(Steyrtal-Museumsbahn )30周年イベントのレポートをお送りいただきました。シュタイア(Steyr)はウィーンから列車で2時間ほど、オーストリア第3の都市リンツの南40㎞ほどに位置する町です。では、真柳さんのレポートをご覧ください。

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▲Steyrtal-Museumsbahnの路線概要。ÖGEGのホームページより。
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オーストリアでもドイツほどではありませんが、鉄道趣味は古くから「大人の趣味」として広く世間から認知されており、各種の団体が設立され、独自の活動を行っています。そのひとつに1974年に創立されたÖGEG(Österreichische Gesellschaft für Eisenbahngeschichte、オーストリア鉄道史協会)があります。

20150827162030-192fd27064ab288972fe5b28fda8c4eec7d99801.jpgリンツで熱心な若い鉄道愛好家によって設立されたÖGEGは、民間の団体ながら、鉄道史協会という名称が示すように、蒸気機関車をはじめとする歴史的な鉄道車輌の動態保存にも力を入れています。この点、写真撮影や乗車することだけが目的のファンが多い日本とは、大きな違いになっています。「愛すべき鉄道車輌を自分たちの手で保存し、後世に伝える」という使命感に基づいた活動を行っているわけです。
▲終点Grünburgの駅舎。売店やビュッフェの運営もボランティアスタッフの手によって行われている。'15.8.16 P:真柳哲也
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基本的に鉄道愛好家がボランティアとして協会の運営に参加しています。ボランティアに参加しているのは、機関士や整備士などの鉄道のプロだけではなく、消防士、料理人、技術者、彫刻家、画家、グラフィックデザイナーなど多岐にわたっています。自分たちの持つ技能で貢献しようという訳です。「自分たちで車輌や鉄道を保存することが趣味の醍醐味」と考えるヨーロッパの愛好家の考え方には、頭が下がります。もちろん、それだけではなく、寄付金も得て協会を運営しているようです。

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▲普段は閉じられている木造の矩形庫もこの日ばかりはもぬけの殻。'15.8.16 Grünburg P:真柳哲也
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オーストリアの鉄道愛好団体Club760がナローゲージの保存に特化しているのに対し、ÖGEGは本線用機関車の動態保存にも力を入れています。そして、今回ご紹介するSteyrtal-Museumsbahnというナローゲージ(760㎜ゲージ)の博物館鉄道の運営も行っています。このSteyrtal-Museumsbahnでは、蒸気機関車をはじめ、ディーゼル機関車、客車、貨車などを保存しており、夏期を中心に蒸気列車の運行を行っています。

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▲Grünburgで発車を待つLok Nr.6牽引の上り列車。最後尾の木造緩急車はバギーの運搬用? '15.8.16 P:真柳哲也
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Steyrtal-Museumsbahnは、元々Garsten-Klaus間を結んでいたSteyral Bahnが廃線になった後、その一部路線(Steyr-Grünburg 間、17km)を博物館鉄道としたものです。今年、博物館鉄道が創立30周年を迎えたのを記念して、8月16日に特別運転が行われました。

20150827162211-f9cf79970401d812bdece65c95ab548534acb9ff.jpg8月は通常、日曜日は3往復運転されますが、16日は営業時代のダイヤが再現され、8往復(Steyr発Grünburg行きのみ9本)の列車が運転されました。驚くのは深夜・早朝の列車が設定されていることです。さすがに私はSteyrに宿泊していたもの、ホテルからSteyr駅までが離れていたこともあり、深夜便・早朝便は手が出ませんでしたが、どの程度の人が集まったのか興味あるところです。
▲16日のスペシャルダイヤ。深夜・早朝を含め下り9本、上り8本が設定されている。'15.8.16 P:真柳哲也
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▲ディーゼル機もフル稼働。写真は1950年グマインダー製のD105。'15.8.16 P:真柳哲也
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あいにく天候は曇り時々雨といった感じでしたが、動態保存の蒸気機関車4輌が走るという画期的な「祭り」です。Steyrtal-Museumsbahnでは、通常は馬力があり、使い勝手が良い498.04が使われることが多いのですが、今回、注目されたのはファン垂涎であるLok Nr.6(KRAUSS)の運転が予告されていたことでしょう。Lok Nr.6は、現在、最も美しいC1 KRAUSSと言われています。オーストリアに思い入れのある私にとって、KRAUSS LINZの機関車は愛着のある車輌のひとつです。

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▲磨き上げられたLok Nr.6の牽く列車がGrünburgに到着。'15.8.16 Grünburg P:真柳哲也
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Nr.6はドイツのマイニンゲン工場で修復工事を受け、動態復帰を果たしました。その際、ÖGEGはオーダーを出さなかったそうですが、マイニンゲン工場側が気をきかせて、化粧煙突に戻して納品したそうです。その結果、素晴らしいプロポーションになった訳ですが、請求金額が上がってしまいÖGEGとしては頭が痛かったとスタッフが話していました。

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▲Lok Nr.2(298.102)のサイドビュー。1888(明治21)年クラウス製の超古典機。'15.8.16 Grünburg  P:真柳哲也
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そして、好みが分かれますが、1888年製のLok Nr.2(SIERNING)。ボイラの位置が低いため、何となくバランスが悪い機関車です。しかし、現役では最古の部類なので、貴重な存在です。

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▲1号車のキハ48 1004を先頭にした「花嫁のれん」。2号車のキハ48 4とも前位側の側扉と前面貫通扉は埋められている。また、従来の前照灯は撤去され、行先表示器部分に白色LEDによる前照灯を設置している。'15.8.21 金沢総合車両所松任本所 P:RM(伊藤真悟)
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来る10月より実施される「北陸デスティネーションキャンペーン」にあわせて、JR西日本七尾線で運転を開始する観光列車「花嫁のれん」の車輌が完成し、去る8月21日に報道公開が行われました。

20150826170646-898683d0be4cfa698caabc0c9c4d61169d254948.jpg「花嫁のれん」とは、婚礼の際、大切に育て上げた娘の幸せを願って、嫁ぐ娘に持たせる色鮮やかなのれん、およびのれんを用いた北陸地方の風習で、女性の幸せを願う伝統文化の要素を取り入れ、乗客に「幸」を感じてもらい、幸せになっていただきたいとの考えから列車名に採用されたものです。
車輌は和倉温泉方からキハ48 1004(1号車)+キハ48 4(2号車)の2輌編成で、車輌のコンセプトを「和と美のおもてなし」とし、外装・内装とも輪島塗りや加賀友禅、金沢金箔など北陸の伝統工芸をイメージして「和と美」を表現しています。

▲キハ48 1004の前面を見る。ロゴは、石川の伝統工芸である加賀水引をモチーフに、花嫁のれんをくぐる神聖で幸せな気持ちを表現している。'15.8.21 金沢総合車両所松任本所 P:RM(伊藤真悟)
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▲半個室で構成されたキハ48 1004の客室内。通路には日本庭園の飛び石をイメージした絨毯が敷かれている。'15.8.21 金沢総合車両所松任本所 P:RM(伊藤真悟)
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1号車は2人用3室、3人用2室、4人用3室の計8つの半個室と物販スペースで構成され、ゆったりと寛ぎの旅を楽しめる空間とし、通路は日本庭園の飛び石をイメージした絨毯を敷いています。また、1号車の物販スペースの客室側壁面と伝統工芸品展示スペースの背面は金沢金箔で装飾されています。客室側壁面の金箔は、金の含有量の異なる2種類の金箔を市松貼りとしており、その金箔に輪島塗りに使われる図柄(桜・紅葉・鉄線・萩・桔梗・ススキなど)を高解像度でプリントしています。

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▲2人用2室と3人用の腰掛は紅色の生地と背面の木の格子が特徴的なオリジナル回転式。'15.8.21 金沢総合車両所松任本所 P:RM(伊藤真悟)
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2号車はイベントスペースを中心に、賑やかに旅を楽しめる空間とし、通路は流水をイメージしています。また、客室内妻壁には同じく輪島塗りに使われる図柄を配置していますが、こちらは金箔をイメージしたものとなっています。

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▲2人用1室と4人用の腰掛はソファータイプ。'15.8.21 金沢総合車両所松任本所 P:RM(伊藤真悟)
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▲キハ48 1004の後位側に設置されている物販スペース(画面左)。客室側の壁面は金沢金箔で装飾されている。画面右手には伝統工芸品展示スペースを設置。展示スペースには「七尾線観光列車魅力アップ協議会」から提供の伝統工芸品を展示する予定。'15.8.21 金沢総合車両所松任本所 P:RM(伊藤真悟)
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▲キハ48 4の客室内。2人用、4人用のテーブル席で構成され、中央部(画面右手)にイベントスペースが備わる。また、通路は流水をイメージした絨毯が敷かれている。'15.8.21 金沢総合車両所松任本所 P:RM(伊藤真悟)
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▲2人用のテーブル席。腰掛は1号車の回転式のものと同様。'15.8.21 金沢総合車両所松任本所 P:RM(伊藤真悟)
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▲イベントスペースには大型モニタを設置。画面左下の黒いボックスにはオーディオ機器を収納している。'15.8.21 金沢総合車両所松任本所 P:RM(伊藤真悟)
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「花嫁のれん」は、2015(平成27)年10月3日(土)~2016(平成28)年2月28日(日)の土・日・祝日、および2015(平成27)年12月29日(火)までの月・火・金曜日と2016(平成28)年2月12日(金)に金沢~和倉温泉間の特急「花嫁のれん」(普通車全車指定席)として1日2往復運転され〔但し12月8日(火)は運転されません〕、2016(平成28)年3月以降も土・日・祝日を中心に運転が予定されています。

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▲キハ48 4の客室内妻壁にも輪島塗りに使われる図柄を配置。こちらは本物の金箔ではなく、金箔をイメージしたものとなっている。'15.8.21 金沢総合車両所松任本所 P:RM(伊藤真悟)
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なお報道公開当日には、「花嫁のれん」の車内サービスについても発表されています。食のサービスとしては「和軽食セット」〔和軽食+ソフトドリンク(加賀棒茶)のセット:2,500円(税込)/「花嫁のれん2号」対象〕、「スイーツセット」〔スイーツ+ソフトドリンク(コーヒーまたは加賀棒茶)のセット:2,000円(税込)/「花嫁のれん1号」対象〕、「ほろよいセット」〔和惣菜+日本酒+加賀棒茶のセット:2,000円(税込)/「花嫁のれん4号」対象〕の3種類がラインナップされ、金沢~七尾間または金沢~和倉温泉間の乗車の場合のみ利用することができます。なお食事券は対象列車の乗車に必要な乗車券・特急券を持っている場合に販売されます。

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このほか、各列車には3名の和装アテンダントが乗務し、食事の提供やカウンターでの土産物販売など、車内でのおもてなしを行うことになっています。
この「花嫁のれん」につきましては、本誌次号(9月19日発売号)で詳しく紹介する予定です。
取材協力:西日本旅客鉄道株式会社

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▲新型通勤車輌40000系イメージ。提供:西武鉄道
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全席レストラン車輌(アーカイブ「西武鉄道4000系が全席レストラン車輌に」参照→こちら)の開発や、西武秩父駅構内の複合型温泉施設建設(→こちら)など西武鉄道100年アニバーサリーの集大成が次々と発表される西武鉄道から、今度は新型通勤車輌40000系が発表されました。

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▲「ロング・クロスシート転換車輌」のクロスシート状態(イメージ)。提供:西武鉄道
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40000系は「スマイルトレイン」として親しまれている30000系の後継車で、「人にやさしい、みんなと共に進む電車」をコンセプトに、「やさしさ」「沿線に寄り添う」「未来志向・先進性」をキーワードにした「進化したスマイルトレイン」と位置付けられています。車輌の外観カラーデザインは西武グループのコーポレートカラーを基調にしつつ、「山の緑と空の青」をイメージした沿線の風景や自然を感じさせるカラーリングとなっています。

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▲「ロング・クロスシート転換車輌」のロングシート状態(イメージ)。提供:西武鉄道
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特筆すべきは西武鉄道初となる「ロング・クロスシート転換車輌」(一部編成)が導入されることでしょう。また、「車いす」「ベビーカー」を利用の方や、「大きな荷物を持った方」が安心・快適に利用可能なスペース「パートナーゾーン」が設置されます。車いすを固定する設備や軽く腰掛けることができる新しいデザインの座席の設置のほか、子どもたちが車窓の景色を楽しめるように、従来より窓が大きく設定される計画です。この「パートナーゾーン」の設置も西武鉄道初の試みです。

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▲「パートナーゾーン」イメージ。提供:西武鉄道
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さらに、車内環境向上の取り組みとして、西武鉄道初となる「プラズマクラスター」(※)が搭載されます。また、利便性向上のため、情報配信装置「スマイルビジョン」を各ドア上に設置し、行き先・停車駅・駅設備案内・ドア開方向および運行情報が表示されます。
(※)プラズマクラスターはシャープ株式会社の登録商標です。「プラズマクラスター」技術は、自然界に存在するのと同じプラスとマイナスのイオンをプラズマ放電により作り出して放出し、空気を浄化するシャープ株式会社独自の技術です。

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▲「パートナーゾーン」イメージ。提供:西武鉄道
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車体はアルミ合金による軽量化、VVVF インバータ制御装置、LED 照明のほか、最新技術のモーターを採用し、従来の省エネ車輌に比べても、電気使用量を約40%削減する設計となっています。
注目の導入時期ですが、2016~2019年度に80輌(10輌固定×8編成・一部編成は「ロング・クロスシート転換車輌」)を新造(製作会社は川崎重工業)し、2017年春より順次運転を開始する予定と発表されています。

■主要諸元表
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▲提供:西武鉄道
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「北斗星」ラストラン。

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▲下り「北斗星」が札幌運転所に引き上げてゆく。この折返しが最後の上り「北斗星」となる。'15.8.22 札幌 P:渡辺康正
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8月22日、ついに「北斗星」の臨時運行も終わる日がやってきました。札幌の渡辺康正さんから、最後の上り「北斗星」8008列車を札幌駅で見送ったレポートを頂戴しました。

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▲15:32過ぎ、臨時寝台特急北斗星が表示された電光掲示に一斉に注目が集まる。'15.8.22 札幌 P:渡辺康正
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午前中は札幌近郊の沿線で最後の下り「北斗星」札幌行(8007レ)を迎えましたが、最後の上野行は札幌駅で出発を見送ることにしました。

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▲3・4番ホームの苗穂方は「北斗星」出発まで立ち入り禁止に(左)。「北斗星」臨時運行の終了に際しては、函館・森・八雲・長万部・札幌各駅の窓口限定の記念入場券とオフィシャルブックレット、そして引退前日の8月21日からプレミアムQUOカード付オフィシャルクリアファイルセットなどの記念グッズも販売された(右)。ただ、5駅全部集めるのは大変。'15.8.22/'15.7.12 札幌 P:渡辺康正
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▲「ありがとう北斗星記念入場券」(左)で入場。記念・限定駅弁も「ありがとう北斗星」から「北海道新幹線応援」に世代交代(右)。'15.8.22 札幌 P:渡辺康正
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15時過ぎ、札幌駅に行くとコンコースでは地元民放局のクルーがミーティングをしています。これからの「北斗星」の出発取材のようです。

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▲「北斗星」、「カシオペア」のほか、「はまなす」ももう臨時? '15.8.22 札幌 P:渡辺康正
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15時32分過ぎ、千歳行きの普通列車が出発するといよいよ臨時寝台特急「北斗星」上野行が改札口の出発案内に表示されます。老若男女、表示を待ち構えていた人、通りがかりの人・・・、改札の周りに人垣ができました。

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▲3・4番ホーム苗穂方で「北斗星」を待つプレス関係者とギャラリー(左)。5番ホームにも「北斗星」を待つギャラリーが(右)。'15.8.22 札幌 P:渡辺康正
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しばらく案内を眺めてから、「ありがとう寝台特急北斗星」記念のD型硬券で入場しました。今時はもう窓口でも入鋏はなくて、スタンプだけなのが残念でしたが。北斗星が着発する3番・4番ホームに上がると、ちょうど上りの先頭のDD51のあたりから苗穂方が、今日は始発から上り「北斗星」出発後まで立ち入り禁止です。安全とプレス向けのお立ち台(?)確保のためですが、プレス関係者も見送り客ももう集まっていました。向かいの5番ホームにもだいぶ見送り客が集まっています。

16時少し前から、順次「琴似定時通過」、「桑園定時通過」のアナウンス。見送り客向けのサービスというよりは厳重な警備陣への情報のようです。

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▲16:03過ぎ、定刻に「北斗星」が入線。先頭はDD51 1100号機。'15.8.22 札幌 P:渡辺康正
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16:03過ぎ、ついに最後の上り「北斗星」が入線してきました。幸運にも指定券を入手できた乗客も見送り客も思い思いの別れを胸に刻んでいます。東日本車編成の臨時「北斗星」には「北斗星」のエンブレムはありませんが、6号車の全室ロビーカーのマークが人気を集めています。また、事前には入手できないシャワーカードが人気で、ロビーカーの入口には寝台や個室に行くよりもまずシャワーカードを入手しようとする乗客のため、何重にもわたる乗車列が誘導されています。

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▲「北斗星」上野行きの方向幕も見納め。'15.8.22 札幌 P:渡辺康正
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▲JR北海道の北斗星エンブレムに代わり、臨時「北斗星」で人気を集める全室ロビーカーのマーク。シャワーカードを購入する乗客が続々と乗り込む。'15.8.22 札幌 P:渡辺康正
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16:12過ぎ、9分間の短い停車時間の後、いよいよ出発です。助役氏の出発合図を受けて、「北斗星」は静かに、けれども着実にスピードを上げながら札幌駅を後にしました。私がいたホーム中ほどの食堂車付近では、拍手も万歳もありがとうの声もない落ち着いた出発でしたが、ホームの皆さんはそれぞれの思いとともに札幌を去る「北斗星」を見送っていました。

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▲16:12過ぎ、最後の北斗星がいよいよ札幌を後にする。'15.8.22 札幌 P:渡辺康正
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見送り客も去ったホームには、「北斗星」、「カシオペア」、「はまなす」の乗車口案内が残されていました。「SLニセコ」、「トワイライトエクスプレス」、赤電用の列車乗車口・・・と案内が一つずつ減り、「北斗星」の乗車口もいよいよ見納めです。2ドアのエアポート、カシオペア?、はまなす?、など、まだまだ寂しくなりそうな乗車口を最後に眺めて札幌駅を後にしました。

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▲静寂が戻った4番ホームの乗車案内。また一枚、案内が減って寂しくなる。'15.8.22 札幌 P:渡辺康正
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▲開幕した国際鉄道模型コンベンション(JAM)。今年も昨年に引き続いて東京ビッグサイト「東4ホール」が会場。'15.8.21
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今日(21日)から東京ビッグサイト(東京国際展示場)で夏の模型イベントの掉尾を飾る「国際鉄道模型コンベンション」(JAMコンベンション)が開幕しました。昨年に続き、広い「東4ホール」を会場として、3日間にわたってさまざまなスケール・ゲージの鉄道模型の祭典が繰り広げられます。

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▲1/80スケールをはじめ、ナローゲージやビッグスケールの展示が多いのも特徴。広い会場だからこそ実現できるゆったりとした展示が嬉しい。'15.8.21
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今年から開催主体が井門コーポレーションに移って、国際鉄道模型コンベンション実行委員会が運営するかたちとなり、従来見られなかったさまざまな新機軸が盛り込まれているのも特筆されます。そのひとつが「鉄道模型競技会」と銘打たれたトライアルの数々で、例えば特設された全長50mの直線線路を走行して計測区間の通過スピードで最高速度を競う「スピードコンテスト」(22日)、逆に10㎝区間で最長タイムを競う「低速コンテスト」(22日)、さらには「牽引力コンテスト」や「登坂力コンテスト」(ともに23日)が予定されています。

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▲近年の動力ユニットの進化も手伝って、極小の"動くパイク"がいろいろなブースで見られるのも今年の特徴。写真は久原 聡さんの作品「3年生の夏休み」(仮題)。'15.8.21
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また、今年のJAMコンベンションのテーマとなっている「語り継ぎたいブルートレイン」を象徴する展示として、「北斗星夜間運転デモンストレーション」があります。特設されたまるでトンネルのような暗闇の中を、DD51が牽くフル編成の「北斗星」が車窓の明かりを輝かせながらスケールスピードで走り抜けてゆく様は実に印象深いものです。

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▲見事な作り込みとリアル感が素晴らしい三原 実さんの「神尾鉱業」。'15.8.21
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そしてすでにご案内申し上げたとおり(→こちら)、明日(22日)14時からは『国鉄時代』のサポートによるフォーラムディスカッション「さよならブルートレイン」が開催されます。『国鉄時代』でもお馴染みの成田冬紀さん、ミスター・ブルートレインとも言える写真家の諸河 久さん、そして、先きごろ島秀雄記念優秀著作賞を受賞し、RM本誌でもお馴染みの岩成政和さんにご登壇いただき、まさに最終「北斗星」が札幌駅を発車するその瞬間に向けて"濃い"ブルトレ談義が繰り広げられます。また引き続いて、模型メーカーの立場から㈱カツミの坂井直人さん、㈱トミーテックの鈴木雅之さん、㈱カトーの関 良太郎さんが歴代ブルートレインモデルについて語られる予定です。

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▲「阿部敏幸さんの世界」と題してエコーモデルを主宰される阿部敏幸さんの作品群が特別出品されている。今なお色あせない「城新鉄道」の世界観は不滅。'15.8.21
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最終日23日には蒸気機関車に実際に乗務された経験をお持ちの大石和太郎さん、荒木文宏さん、川端新二さん、宇田賢吉さん、大山 正さんによるフォーラムディスカッション「乗務員が語る蒸機時代」が開催されます(13時30分から)。こちらも必見で、まさにビッグサイトから目の離せない週末となりそうです。

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▲楽しいアトラクションも多い。黒部市を中心に活躍する「くろてつの会」の手漕ぎトロッコは会場内55mの仮設線路を往復。'15.8.21
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▲注目のフォーラムディスカッションは22日(土)と23日(日)に開催される。
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▲鉄道模型競技会はじめ数多くのイベントが繰り広げられる。
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▲イベントタイムスケジュール一覧表。
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▲会場配置図。なお、これらのフライヤーはエントランスで配布されている。
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▲新宿の高層ビル「新宿エルタワー」28階にあるニコンサロンbisで始まったJRPSの写真展「夜汽車」会場。'15.8.18
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日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員による写真展が18日(火)から開催中(24日まで)です。テーマはずばり「夜汽車」。といっても、終焉を迎えるブルートレインだけをテーマとしているわけではなく、それぞれの心象風景としての「夜汽車」が縦横無尽に会場を走り続けています。

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▲プロの鉄道写真家渾身の37点が展示されている。左から金盛正樹さん、中井精也さん、長根広和さん、会長の猪井貴志さんの作品。'15.8.18
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ご承知のようにデジタルの技術革新とともに撮影可能な「夜汽車」の幅はどんどん広がってきました。かつてASA(ISOではない)400のトライXをパンドールで1600に増感するのが関の山だった時代とは隔世の感で、それだけに今回の写真展でも現代ならではの作品の数々が見受けられます。

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▲会員それぞれの描く「夜汽車」のイメージが見どころ。まさに個性の博覧会。'15.8.18
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展示作品数は37点。日本を代表するプロ鉄道写真家の作品が一同に会するめったにない機会だけに、ぜひ会場に足を運んでいただければと思います。

20150820184230-7fecb8488ac515e62f8d8850b8da4e351e423af9.jpgなお、次の日曜日(23日)には若手会員によるトークショーが予定されています。

開催日:8月23日(日)
会場:ニコンプラザ新宿 セミナールーム
開催時間:
<1回目>11:00~12:30 (受付:10:30~)
<2回目>14:30~16:00 (受付:14:00~)
タイトル:「JRPS会員による作品紹介トークショー」
トークショーは予約不要・入場無料です。当日は直接会場へ。席数の都合により、立ち見あるいは入場できない場合もあります。

▲オープニングパーティーで挨拶される猪井貴志会長。'15.8.18
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▲「新宿エルタワー」28階からの眺めは必見。写真展会場側からは新宿駅西口側が、エレベーターホールからは大ガード側が俯瞰できる。
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▲9月10日からは大阪・梅田のニコンサロンbis大阪に会場を移して大阪展が開催される。
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▲黒い貨車で埋め尽くされた1978年当時の大宮工場。'78.3.26 P:永島文良
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今月のRMライブラリーは先月に引き続き、藤田吾郎さんによる『国鉄工場めぐり』の中巻をお届けします。

20150819224110-4ae67a86efd9f1cc8dd5bffbe64cc739e171e293.jpg官営の鉄道工場は1871(明治4)年に開設された新橋工場を始祖とし、その後、鉄道の延伸や民営鉄道の買収によりその数を増やしていきました。1949(昭和24)年の日本国有鉄道発足時点では、「工機部」と呼ばれており、橋本・京都の2つの自動車工機部を含めて27の工機部と、それに付帯する7ヶ所の分工場がありました。
その後、動力の近代化に合わせ、工場も機能の集約や再編・整理が行われ、1973(昭和48)年の時点では工場、車両センター、車両管理所を合わせて26ヶ所が設置されていました。さらに国鉄の分割民営化時点までに旭川、盛岡、橋本、高砂、若松の4ヶ所が廃止、その一方、新幹線の延伸により博多、仙台の2ヶ所が新設されています。

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▲1954年に開催された「ECAFE」に伴う大井工場での車輌展示。各メーカーから試作車輌が出品された。
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本書は1976(昭和51)年時点で存在した工場について、国鉄時代の平面図と、訪ねたファンの記録から紹介するもので、上巻では北海道・釧路車両管理所から関東・橋本車両センターまで12ヶ所を収録しました。続くこの中巻では大井工場、大船工場、長野工場、浜松工場、名古屋工場、そして松任工場の6ヶ所を収録しています。

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▲DD16形ディーゼル機関車の製造も手掛けた長野工場。蒸気機関車の検修も1976年まで行っており、長野工場での終了をもって蒸気機関車の検修工場は、鷹取工場での再開まで一旦途絶えた。
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特に大井工場については、1954(昭和29)年の第3回アジア極東経済委員会(通称:ECAFE)と、1958(昭和33)年の第1回アジア鉄道首脳会議(通称:ARC)の、2回にわたる展示会の模様も収録しています。国鉄の車輌に加え、メーカーから輸出も念頭においた独自の試作車も出品されるなど、今では考えられない規模の展示会であったことがうかがえる、大変興味深い内容となっています。

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▲1935年の発足以来、北陸地方を代表する車輌工場であった松任工場。国鉄末期の時点では、ディーゼル機関車、電気機関車、交直流電車、直流電車、客車、気動車、そして貨車と、北陸地方を走る国鉄車輌の検修を幅広く手掛けていた。
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なお、いよいよ完結となる下巻では、残る吹田、鷹取、高砂、後藤、広島、幡生、多度津、若松、小倉、鹿児島、博多について収録する予定です。どうぞお楽しみに。

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新平渓煤礦あのころ。

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▲坑口まで空車列車に乗せてもらう。といっても炭車の中に入るだけ。右は案内して下さった古 仁榮先生、左は2年後に自著『鉄道青年』でこの新平渓煤礦を紹介される小林隆則さん。'91.5.20
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「新平溪煤礦博物園區」のトロッコにはお出でになられましたか...ある方から台湾の炭礦博物館の写真を見せていただきました。かれこれ四半世紀近く前になりますが、"現役"当時何回か訪れたことのある、私にとっては何とも懐かしい新平溪煤礦の現代の姿でした。

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▲平渓線を訪れるには台北6時18分発の平快191次に乗るのが常だった。まだ涼しい早朝の空気の中、宜蘭線を"旧客"が快走する。'91.5.20
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▲新平渓煤礦の最寄り駅・平渓線十分駅。上り列車車内から下りDR2101を見る。'91.5.20
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20150818105031-b1af36df9693eabb405d914c48e0c3b0b0127ecc.jpg今では一大観光地と化している平渓線十分駅周辺(アーカイブ「忘れえぬ駅・平渓線十分」参照→こちら)ですが、かつては炭礦地帯の中核駅のひとつで、基隆河を渡る吊り橋軌道がランドマークでもありました。吊り橋を渡ったところから続くのが重光煤礦の1フィート8インチ軌間の軌道。未舗装の併用軌道を走るDL牽引の運炭列車が魅力的で、何回かの訪問でも実は"本命"はこの重光煤礦軌道にありました。
▲十分駅には貨車移動機などなく、石炭を満載したセキも手押しで移動。'91.5.20
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▲新平渓煤礦のインクライン上から平渓線十分駅方向を見下ろす。この斜面を登らなければお目当ての"一つ目小僧"には出会えない。'91.5.20
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一方、基隆河と逆の山側に位置していたのが新平渓煤礦で、こちらは同じ1フィート8インチ軌間ながら電化されており、"一つ目小僧"と呼ばれる珍奇な電気機関車が炭車の列を牽いていました。

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▲通路を兼ねてすっかり踏み固められた1フィート8インチの軌道を"一つ目小僧"の牽く盈車が行く。キャブは極端に狭く、運転する台湾笠のおばさんは半身が車外に出てしまっている。'91.5.20
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▲坑口付近の状況。現在、この付近は博物館の展示スペースとなっているようだ。'91.5.20
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▲チップラー部。背後にはズリ山(ボタ山)へのインクラインが見える。'91.5.20
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最初の訪問は1991(平成3)年5月のことでした。台湾鉄道趣味界の重鎮・古 仁榮先生にご案内いただき、平渓線の側線からインクラインを攀じ登り、さらに返空列車の炭車に乗せてもらって炭礦を目指しました。5月とはいえ茹だるような暑さと粘りつく湿気にへとへとになりながらの撮影だったことを思い出します。

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▲"一つ目小僧"のプロフィール。今では現地でもこれが愛称として定着してしまったようで、ホームページでも"獨眼小僧"と表現されている。'91.5.20
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▲"一つ目小僧"のキャブはなぜかステンレスで作り替えられており、カラーで見るとそのミスマッチぶりがさらに強い印象を与える。ちなみにこの日は5月というのに37℃を超える猛暑だった。'91.5.20
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新平渓煤礦はその後1997(平成9)年に閉山、しかし5年後の2002(平成14)年に残された施設を使って博物館施設として再起し、さらに2年ほど前から「新平溪煤礦博物園區」として新たなスタートを切ったようです。電気機関車はメンテナンスの関係からかバッテリー式に改造され、それでも訪問客の送迎列車(?)牽引用に活躍を続けています。最盛期には500人余りが働いたという新平溪煤礦。次回台湾を訪れる機会があれば、ぜひこの新平溪煤礦の残り香を訪ねてみたいものです。

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▲"本線"延長は1キロほど。現在でもこの区間が送迎兼体験乗車用として使われているが、機関車の蓄電池化により架線は外されている。'91.5.20
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小幌駅は今...。

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▲長万部から二駅目、駅以外に何もないはずの小幌駅に478Dから10名前後の乗客が下車。'15.8.2 P:渡辺康正
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10月で廃止と報道されたことでにわかに注目を浴びている室蘭本線の小幌駅。駅周辺には集落もなく、それ以上にホームに降り立ってもどこにも通じる道がないという奇妙な駅です。札幌在住の渡辺康正さんが同駅の最近の状況をレポートして下さいました。

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▲新礼文華山トンネルに向かう長万部行478D。入口には小幌駅の表示。礼文側の坑口は2つ。'15.8.2 P:渡辺康正
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「北斗星」の運転も残りわずかとなった8月2日、下りと上りの「北斗星」の間合いを使って小幌駅に行ってみました。とはいえ、上り474Dで小幌に11時過ぎに着くと上下ともに15時台まで小幌に停車する列車がないので、長万部行478Dと東室蘭行487Dを使った小幌返し(?)で30分弱だけ降りてみました。

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▲車内の運賃表示器に小幌が示されるのもあとわずかか...。'15.8.2 P:渡辺康正
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秘境駅として有名な小幌駅ですが、7月初めに487Dで通った時には数名が乗降する程度、秘境駅めぐりらしい乗客のほかは小幌→礼文の一駅を利用したマニアック?な乗客が2名でした。折りたたんだ長いもの、といっても三脚ではなく竿を持っていた様子からすると小幌に釣りに来ていた地元客で、この2名が本来の利用者なのかもしれません。

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▲下り487D東室蘭行が到着。ホームは短く、2輌目の後部はホームにかからない。'15.8.2 P:渡辺康正
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状況が変わったのが7月下旬。北海道新聞で、JR北海道が他の駅にさきがけて小幌駅を10月に廃止したいと地元豊浦町に打診している旨報道されたからだろうと思います。もともと夏休みで秘境駅めぐり客が増える時期ですが、私が乗った2日の478Dで小幌駅に降り立ったのは10名前後、駅で待っていた利用者も加えると20名超で小幌駅が一時賑わいました。秘境駅めぐりをはじめとするさまざまなファンだけでなく、小幌に降りてみようという旅行者、夏休みの自由研究のために小幌に降り立ったらしい親子など、利用者も老若男女、バラエティに富んでおり、最近とみに小幌駅への関心が広がっている感じでした。

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▲小幌駅を通過する下り貨物列車。ホームは478Dから下車した乗客で賑わっている。'15.8.2 P:渡辺康正
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▲小幌駅礼文側の3つの坑口。左が下り線礼文華山トンネル(2726m)、中央が閉鎖された坑口、右が上り線の新礼文華山トンネル。下り線側の建物は待合室ではなく保線等の作業用。'15.8.2 P:渡辺康正
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▲小幌駅上りホーム。画面右の柵の向こうのあたりから海岸に下る小道があるらしい。'15.8.2 P:渡辺康正
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小幌駅を通るたびに気になっていたのですが、小幌駅には信号場時代の名残の閉鎖された第3のトンネルと旧中線が残っています。また、石積みの下りホームと簡易な上りホームのほかは保線などJRの業務用の建物が2棟あるのみで待合室等の旅客用設備はなく、駅というよりは仮乗降場然とした雰囲気です。駅の周りには海岸に降りる獣道ぐらいしかないので、夏休み後半、そして積雪期前の駅の最期に向けて、小幌駅はますます列車利用の訪問者で賑わいそうです。

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▲文部科学大臣賞に輝いた共立女子高等学校地理歴史部のモジュール。昨年優秀賞を獲得した棚田に続いて日本の原風景をモチーフとした作品。'15.8.9
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東武鉄道鬼怒川線でのC11 207号機復活、続いて留萌本線留萌~増毛間の廃止と立て続けに大きなニュースが飛び込んできて、すっかり間が空いてしまいましたが、先週末に東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催された「鉄道模型コンテスト」の結果をお知らせいたしましょう。

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▲今年の最優秀賞(文部科学大臣賞)にはスペシャルな副賞として「ヨーロピアンNスケール コンベンション」への招待が設定された。授賞を発表する関水金属加藤 浩社長。後ろは鉄道模型コンテストに合わせて来日されたドイツのメーカーFALLER(ファーラー)の社長とそのご子息。'15.8.9
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各部門別の細かいリザルトはオフィシャルサイトに譲るとして、エントリー数145校と過去最多となった高校生モジュール部門の上位6校をご紹介しましょう。
文部科学大臣賞(最優秀賞):共立女子高等学校
優秀賞:灘中学校・灘高等学校
優秀賞:東京都立三鷹中等教育学校
加藤祐治賞:ラ・サール高等学校
来場者が選ぶベストワン賞:大阪女子短期大学高等学校
学生が選ぶベストワン賞:獨協中学・高等学校

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▲受賞式の檀上で感激の面持ちの共立女子高等学校地理歴史部メンバー。'15.8.9
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それでは、文部科学大臣賞と優秀賞の3校を写真を交えてご紹介しましょう。
最優秀賞にあたる文部科学大臣賞に輝いたのは昨年も優秀賞を獲得した共立女子高等学校地理歴史部です。徹底した現地調査のうえ、広重の浮世絵に見られる遠近感の表現にも触発されて作り上げたモジュールは、まさに"作りきった"と表現するに相応しいもので、国際的にも胸を張れる完成度です。今年は文部科学大臣賞を受賞した学校は、11月にドイツのシュツットガルトで開催される「ヨーロピアンNスケール コンベンション」に招待される栄誉も得られます。「JPN」と記されたクレデンシャルカードを胸に、有名なクリスマスマーケットが始まる初冬のシュツットガルトで、彼女たちがどんなプレゼンテーションをしてくれるのか、今から楽しみでなりません。

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▲これが文部科学大臣賞受賞作の全容。現地調査を行い、なおかつ模型として4方向から鑑賞できるように配慮がなされている。'15.8.9
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▲多くの鯉のぼりに見守られながら、村は田植えの季節。左側の田んぼはちょうど水を入れ始めたところという設定。'15.8.8
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▲複雑な構造のトラス橋(左)も手作り。なおかつ橋梁の下から眺めると鯉のぼりが泳ぐ里の風景が見事。長瀞周辺に範をとった石畳や岩の表現も秀逸(右)。'15.8.8
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▲だんご屋の店先の毛氈、プランターなど細部にも破綻がない。全域にわたって粗密が感じられず統一したクオリティーが保たれているのも受賞の要件。'15.8.8
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優秀賞2校のうち灘中学校・灘高等学校鉄道研究部は恒例の海外をテーマに、今年はタイのメークロン市場周辺をコーナーモジュールに再現しています。メークロンはバザールの中をそこのけとばかり列車が通るので有名ですが、灘校はモジュールを線路ばかりでなく「市場中心エリア」、「住居エリア」、「水上市場エリア」と3つに区分し、平面ながらも多層的な景観を演出しています。市場に大量に並んだ野菜や果物は、ふりかけやフリーズドライいちごなどを利用しているというのも高校生らしい発想の柔軟さにほかなりません。

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▲優秀賞に輝いた灘中学校・灘高等学校鉄道研究部のコーナーモジュール。タイのメークロン市場周辺をモチーフとして極めて完成度の高い作品を作り上げた。手前の透明度の低い水の表現はレジンを用いた灘校お得意のもの。'15.8.8
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▲水上市場エリア(手前)には野菜や果物を満載した小舟が蝟集し、喧騒が聞こえてきそうな雰囲気。'15.8.8
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▲列車が通過する際には商品を片付ける有名なメークロンの併用軌道部。平屋が多いだけに多様な屋根の表現も見どころ。'15.8.8
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同じく優秀賞に輝いた東京都立三鷹中等教育学校鉄道研究会の直線モジュールは、雪の板谷峠を再現したもので、一見して変哲のない地味な作品に見えかねません。しかし、見れば見るほど味がある作品で、審査員一同も発表前夜に再確認に行き、その普遍性に納得のうえ、優秀賞に推薦したものです。

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▲優秀賞を受賞した東京都立三鷹中等教育学校鉄道研究会の直線モジュール。スイッチバック廃止直後の板谷峠をモチーフに、モノトーンの冬の美しさを表現している。'15.8.8
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▲ポータルは上下線でずらし、はねた雪が対向列車にかからないように線間を広く取るなど理にかなったレイアウトも出色。'15.8.8
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▲スノーシェッドは支柱にレールを用いてスクラッチビルド。右手前の方は廃線となって雪が降り積もっている。除雪作業員が静的な空間に動きを加えている。'15.8.8
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20150812141718-2859d975ba359f3b83abb3387c2ef3ac67dc9900.jpg今年の審査員は昨年に続いて東京芸術大学美術学部八木澤優紀(まさ)先生、関水金属(カトー)の加藤 浩社長、日本鉄道模型の会(JAM)の初代会長でがん研有明病院化学療法担当部長の水沼信之さん、そして私の4名で、今年は東京芸大の八木澤先生が審査委員長を務められました。全体的に明らかにレベルの上がったコンテストとなりましたが、昨年の明治学院中学校・明治学院東村山高等学校鉄道研究部のJR代々木駅をモチーフとした最優秀作品(→こちら)のように、満場一致のダントツに突出した作品がなかったのも特筆されます。
▲私は今年も審査員を務めさせていただいた。それにしても作品数が昨年の2割増しとあって審査する方もたいへん。学生の皆さんが帰った夜も延々と審査が続いた。'15.8.9
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ところで、後日「これご覧になりましたか?」と水沼先生が差し出されたのが、昨年フジサンケイビジネスアイ賞に輝いた滝川高等学校鉄道研究部の機関誌『男の旅』。ネーミングも鮮烈なこの本を会場で受け取ったという水沼先生、病院での超多忙なお仕事の合間にふと目に止まって読み始めると面白くて一気に読破してしまったというではないですか。何が面白かったのかというと、昨年の「鉄道模型コンテスト」遠征記が極めて詳細に綴られていたからです。神戸から東京ビッグサイトへ...宿泊ホテル近くで銭湯を探し、秋葉原の雑踏をかき分け、浅草で名物の天丼を食べ、そして当日は緊張しながら審査員、つまり私たちを迎える様子が実にリアルに描かれていました。そうか、"逆"からはそう見えているのか、そんな時間を過ごしてきたのか、水沼さんにとっても私にとってもそれはある意味清々しい驚きでもありました。
145校を3分ずつ見たとしても単純計算で7時間以上、もちろん現実には一畳コンテストなど他のカテゴリーも数多くあります。実は今年も審査委員長の八木澤先生は深夜2時まで掛かって集計をとっておられましたが、"逆"から見ればもっとちゃんと見てほしい、話を聞いてほしいと思われているに違いありません。恐らくさらにエントリー数が増えるであろう来年のコンテストではどうするか、発展するがゆえの悩みでもあります。

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▲去年にも増して会場内はたいへんな熱気に包まれていた。また来年、このビッグサイトでどんな感動と出会えるだろうか...。'15.8.9
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※13日・14日は会社休業日のため小ブログも休載させていただきます。

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▲奇しくも先月行なった増毛の定点観測から。雄冬連山をバックに走る現在のキハ54(上)と41年前の9600。画面右奥が増毛駅で、漁港の防潮堤が整備されて駅は見えなくなってしまっている。'15.7.17/'74.3.29 増毛-箸別
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昨日、JR北海道から「留萌線(留萌・増毛間)の鉄道事業廃止」が発表されました。先日ご紹介した「新十津川駅再訪」(→こちら)の際にも、第三者委員会「JR北海道再生推進会議」が発表した提言書で、1キロあたりの一日平均輸送人員500人未満の「利用の少ない区間」として俎上にのせられた7線区8区間に「留萌線深川-増毛間」が含まれており先行きが懸念されておりましたが、これほど早く"廃止"が決まってしまうとは思いませんでした。

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▲平成28年度中の鉄道事業廃止が明らかになった留萌-増毛間。16.7㎞8駅が廃止となる。なお、途中駅の瀬越、阿分、信砂、朱文別、箸別の5駅は国鉄時代は臨時乗降場(瀬越は臨時駅)で、比較的臨時乗降場の多かった宗谷本線、羽幌線、留萌本線、深名線にあっても、これだけ連続するのは珍しかった。(地理院地図に加筆)
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実は先月渡道した際に、今から41年前、1974(昭和49)年に訪れた際の写真を携えて定点撮影をしてみようと増毛を再訪したばかりでした。今日はその定点観測写真を交えて留萌本線留萌~増毛間を振り返ってみましょう。

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▲増毛駅ホームの今昔。旅客線の海側にはささやかな貨物ヤードが広がっていたが、今では空地となってしまっている。'15.7.17/'74.3.29 増毛
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JR北海道のプレスリリースによれば、同区間は「輸送密度は弊社発足以降、昭和62年度の480人から平成26年度には39人と12分の1以下に減少し、また、収支状況も営業収入は平成25年度で7百万円に対して経費は25倍近く要していると推計され、差し引きすると年間約1億6千万円以上の赤字」となっているそうで、経営改善が喫緊の課題となっている同社にとっては看過できない状況でしょう。

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▲構内の山側には転車台が備えられ、深川機関区の9600はここで方転して帰っていった。現在ではピットの跡さえ発見することは困難で、藪が広かるばかり...。'15.7.17/'74.3.29 増毛
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▲増毛の転車台は機関車のエアを使って回転するいわゆる"尺取虫"。ブレーキホースが転車台のシリンダーへと繋げられているのがわかる。機関車は19609〔深〕。'74.3.29 増毛
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また、海岸沿いを走る箸別-増毛間では融雪期に斜面から線路に流出した雪・土砂等に乗り上げて列車が脱線する事故が二度発生しており、将来にわたって安全を確保するためには数十億円におよぶ多額の防災工事費が必要となります。さらに路線バスの運行もある(鉄道一日上下13本に対しバス22本)ことから、鉄道事業廃止という最終決断に至ったとしています。

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▲駅本屋のホーム側。「留萌本線終着駅」の看板が取り付けられている。廃止の噂が流れてからというもの、訪れる観光客が一気に増えたという。'15.7.17 増毛
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▲駅本屋正面。無人駅だが、駅舎はささやかなショップとして活用されている。'15.7.17 増毛
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▲駅前の「風待食堂」は1981(昭和56)年に公開された高倉 健主演の映画「駅 STATION」の舞台で、増毛随一の観光名所ともなっている。'15.7.17 増毛
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具体的な廃止時期は「平成28年度中」。つまり来年4月1日から再来年3月31日までの間ということになりますが、上記安全面の理由などを勘案すると、年度末を待たずに降雪期前に廃止となる可能性も考えられます。いずれにせよ、江差線木古内~江差間42.1㎞の廃止から2年あまりの時を経て、再び道内の鉄路が消えることになってしまいました。

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▲93年にわたって留萌本線の終点を務めてきた増毛駅の車止め。サバトラのネコが悠々と横切っていった。'15.7.17 増毛
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▲C11 207号機が動態復活を遂げたのは15年前の2000(平成12)年のこと。写真は苗穂工場でのお披露目時の姿。'00.9.26 苗穂工場 P:RM
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昨年来その去就が注目されていたJR北海道のC11 207号機ですが、本日、東武鉄道から嬉しい発表がありました。2017年度を目途に「蒸気機関車(SL)の復活を目指します」と表題にあるプレスリリースによると、北海道日高郡新ひだか町の協力を得てJR北海道からC11 207号機を借り受けて、東武鬼怒川線下今市~鬼怒川温泉間12.4㎞で運転する計画とのことです。

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▲鬼怒川線のハイライト、砥川橋梁を行く"日光詣スペーシア"106編成。'15.7.18 新高徳-大桑 P:東武博物館提供
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▲鬼怒川線とC11 207号機による蒸機列車の運転区間。(東武鉄道プレスリリースより)

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▲C11 207号機が出発する鬼怒川線の分岐駅・下今市駅。これから蒸機列車発着の起点として整備されてゆくものと思われる。'15.6.20 下今市 P:名取紀之
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栃木・福島エリアの支援活性化の一助となることを目指して企画されたもので、リリースによれば、「SLの復活により、車両をはじめとする鉄道産業文化遺産の復元・保存が可能となるばかりでなく、鉄道に乗車することを目的とした鉄道事業者ならではの施策を実施し、日光・鬼怒川地区の交流人口創出や沿線活性化を図り、ひいては栃木・福島エリアの支援活性化の一助となることを目指す」としています。

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鬼怒川温泉駅に到着する"日光詣スペーシア"使用の「きぬ」。鬼怒立岩信号場と鬼怒川温泉駅の間は鬼怒川線唯一の複線区間。鬼怒立岩(信)-鬼怒川温泉 P:高橋一嘉
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運転予定区間の東武鬼怒川線は、東武日光線下今市から分岐し、新藤原に至る東武鉄道路線網の最北部に位置し、新藤原以北は野岩鉄道、さらに会津鉄道へと連絡し、会津田島(福島県)まで直通運転が実施されています。C11 207号機の運転が予定されている区間は下今市~鬼怒川温泉間12.4㎞で、沿線には温泉のほか、東武ワールドスクウェアなど数多くの観光地があり、運転開始後は大きな話題となるに違いありません。

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倉ケ崎付近を走る6050系普通列車新栃木行。国道121号大桑バイパスから見る。画面右が新藤原方。背景には日光連山が見える。国道121号(旧道)を走る日光交通バス(下今市駅~鬼怒川公園駅)では古大谷バス停下車。大谷向-大桑 P:高橋一嘉
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倉ケ崎付近を走る野岩鉄道・会津鉄道直通の"AIZUマウントエクスプレス"。画面右が新藤原方。大谷向-大桑 P:高橋一嘉
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倉ケ崎付近を走る"スペーシア"。画面奥が下今市方。大谷向-大桑 P:高橋一嘉
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なお、あまり知られてはいませんが、東武鉄道にはC11が存在した時期があります。戦時中に奥多摩電気鉄道が日車に発注しながら注文流れとなったもので、1945(昭和20)年に新車で東武鉄道入りしてC11 2として1963(昭和38)年に廃車となるまで"東武鉄道のC11"として在籍していました。つまり、今回のC11 207号機の借り受けは、不思議な縁と言えるのかもしれません。

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▲新高徳と矢板を結ぶ東武鉄道矢板線は1959(昭和34)年に廃止されるまで蒸気機関車牽引の混合列車が走っていた。鬼怒川線と接続する新高徳には新高徳機関区(1956年10月以降は杉戸機関区新高徳支区)が置かれ、ピーコックの4-4-0が常駐していた。画面右前方が下今市方。2017年にC11がやってくると、鬼怒川線新高徳では58年ぶりの蒸気機関車となる。'58.5 新高徳 P:広田尚敬
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▲8日連続の猛暑日となった搬入日の東京。いよいよ明日から始まるコンテスト本番に思いを馳せ、暮れ行くビッグサイトをあとに家路につく。'15.8.7
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いよいよ8日(土曜日)から東京ビッグサイト(東京国際展示場)で「鉄道模型コンテスト2015」が始まります。実に145校のエントリーと史上最多となった高等学校モジュール部門をはじめ、この日に向けて昼夜兼行で製作に打ち込んできた作品の数々がいよいよ"舞台"へと上がります。

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▲史上最多のエントリー数とあって準備も大変。ちなみに、素晴らしい作品が並んでいるが、審査員を務めている関係上、リザルト発表前の小ブログでは特定の作品の写真はお見せできないのであしからず。'15.8.7
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今日(7日)はその搬入・設営日。弊社ブースの支度もあって私も会場をのぞいてきましたので、まずはダイジェストで会場の様子をご覧いただきましょう。

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▲Nゲージ生誕50周年の展示は必見。解説パネルもぜひじっくり読み解きたい。'15.8.7
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▲RM MODELSでもご紹介したPA-1の彫刻原板の実物も展示されている。'15.8.7
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なお、先般もご紹介(→こちら)したとおり、8日(土曜日)12時30分からは大田治彦さんが、Nゲージのルーツから関水金属の初期製品までをたどる特別講演が行われます。会場内にはなかなか目にすることのできないNゲージ黎明期の製品も展示されておりますので、ぜひお見逃しなく。

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▲1975(昭和50)年に発売されたキハ82の放電加工用電極。電極(マイナス極)と金型(プラス極)の間に電流を放電し、発生した火花による金属の溶解と冷却のプロセスを繰り返すことで、電極と同じ断面の形状を金型に加工する技法。'15.8.7
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▲最初の製品C50の図面類も展示されている。煙室扉の部品図などは新たに発見されたもの
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鉄道模型コンテスト2015
(期日)
2015年8月8日(土)
10:00~18:00(入場は17:00まで)
2015年8月9日(日)
10:00~17:00(入場は16:00まで)
(会場)
東京ビッグサイト(東京国際展示場)西3ホール
(入場料)
大人:一日1,000円
高校生以下:無料
※中高生は学生証を提示のこと。
※小学生以下は保護者同伴のこと。

詳しくはhttp://www.moraco.jp/→こちら

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▲長閑な秋の日、堰堤(右奥)を間近にした終点で折り返しを待つ「むかで」号。'55.11.3 P:高橋 弘
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JR宇治駅近くの写真館「サイト―写真館」で京阪「おとぎ電車」のミニ写真展が開催されています。高橋 弘さん撮影のカラー写真なども交えて、ひっそりと消えていった遊覧鉄道の在りし日を偲ぶ写真展です。

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▲中書島駅のサイト―写真館の広告看板には写真展「宇治川おとぎ電車ばなし」のポスターが...。'15.7.31 P:高橋 修
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20150805152138-827be98bb6ad3c09136b8be6f22f64abd40fe2a5.jpg京阪「おとぎ電車」は、現在の京阪宇治駅から宇治川を2㎞ほど遡った地点を起点にした延長3.6㎞ほどの路線で、もともとは大峰堰堤(ダム)と発電所を建設するための工事用軌道でした。完工によって不要となった路線を観光用に転換したのが1950(昭和25)年。敗戦後の混乱も一段落し、特需景気もあって一気に高まった行楽機運を背景に、当初は工事用機関車をそのまま流用しての"営業開始"でした。
▲ミニ写真展が開催されているサイト―写真館全景。'15.7.31 P:高橋 修
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▲店内の様子。ご主人は鉄道友の会の会員でもあり、今後は年に一回程度は鉄道関係の展示をしてゆきたいとのこと。'15.7.31 P:高橋 修
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その後、1954(昭和29)年頃にはスペインのタルゴ式客車を模して"Centipede"(むかで)と名付けられた近代的(?)編成に代わり、宇治川観光のエスコート役として親しまれました。しかし天ケ瀬ダムの建設工事が始まると営業できなくなり、1960(昭和35)年頃にはひっそりとその姿を消してしまいました。

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▲タルゴ式客車を連ねて発車を待つ「おとぎ電車」。営業鉄道並みのホームにはベンチも備えられている。'55.11.3 P:高橋 弘
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サイトー写真館さんはまさに「おとぎ電車」の地元・宇治の老舗写真館で、昨年はその昔国鉄時代に宇治駅にあったユニチカ貨物線の写真展も行われています。今回のミニ写真展では写真館ご所蔵の天ケ瀬ダム建設中の貴重な写真などの展示も行われています。写真展の開催は今月8月25日まで。夏の一日「おとぎ電車」の世界をのぞきに訪れてみてはいかがでしょうか。

■サイトー写真館HP:http://www.uji-saito.co.jp/index. → こちら

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20150804123329-d57fdf0bcd7f6894cfd771eae68715232de44002.jpg8月6日、広島は原爆被爆から70年目のその日を迎えます。午前8時15分、B-29エノラ・ゲイから投下された原子爆弾は広島市に壊滅的な被害をもたらし、14万人とも言われる市民が命を落とし、今なお多くの方が被爆の苦しみの中におられます。その中で、被爆からわずか3日後に市内電車の運転が一部で再開されたという話が語り継がれていますが、実際はどうだったのか...RMライブラリー『宇品線92年の軌跡』で被爆時の宇品線の状況を解明された地元・広島在住の長船友則さんが、このたび自費出版で『原爆被爆前後 広島市内電車運転の推移』を出版されました。

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▲被爆後の広島市内。部分不通区間が多いため、その運転には区間分割、続行、乗換などさまざまな処置がとられた。
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長船さんは本書の前書きで「今年は被爆70年の節目の年、このように厳しい環境の戦時下、さらに被爆後、戦後の混乱期の中で、実際に市内電車の運転はどのような推移を辿ったのか、今のうちに調査して、記録として残しておきたいとの思いから」資料蒐集や克明な聞き取り調査を開始して本書を纏められたそうです。

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▲被爆当時の電車停留場名(左)と、原爆投下時の電車運行状況(右/加藤一孝さん作成)。
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「原爆被爆前後」と題してはいますが、本書は1941(昭和16)年の第二次世界大戦突入から、1958(昭和33)年、広島復興大博覧会開催の年までの期間を対象に、その間の広島電鉄市内線・宮島線の苦難の歴史を車輌面、運転面を中心に克明に記録したもので、従来知られることのなかった事実やオーラルヒストリーも少なくありません。9月17日に中国地方を襲った枕崎台風もそのひとつで、被爆一か月後に広島市内が再び甚大な被害を被り、ようやく運転を再開した広電も橋梁流出などの罹災をした事実は意外と知られていません。

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▲巻末には東京鉄道同好会の機関誌『Romance Car』№1(1946年)所収の「原子爆弾で廣島の電車はどうなったか?」が再録されている。
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お電話で長船さんにおうかがいしたところでは、被爆当時の状況をご存知の方は年々少なくなってきてしまっており、ご自身もご高齢ゆえ、いま記録しておかねば二度と再び後世に残らないだろうとの使命感で纏められた一冊だそうです。
巻末には資料編として被爆当時の電車停留場名や原爆投下時の電車運行状況、昭和20年8月6日広電車両現況表、さらには東京鉄道同好会『Romance Car』(1946年)所収の「原子爆弾で廣島の電車はどうなったか?」の再録なども収められています。
本書は自費出版で書店流通はしないため、ご希望の方は郵便小為替もしくは郵便振替で「あき書房」まで。

■長船友則著『原爆被爆前後 広島市内電車運転の推移』
書籍代金1000円+消費税+送料150円
郵便振替 01390-1-20958 あき書房
広島市南区皆実町5丁目20-19
TEL/FAX 082-255-1916

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▲青色から茶色に塗り替えられて旧計呂地駅ホームに並ぶオハ62 91ほか。この季節はライダーハウスとして活用されている。'15.7.19
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計呂地(けろち)と聞いて凍結したサロマ湖沿いを走る湧網線を思い浮かべる方は、今やそれなりの年齢に違いありません。名寄本線の中湧別と石北本線の網走を結んでいた湧網線が廃止となったのは国鉄の分割民営化を目前にした1987(昭和62)年3月20日のことでした。

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▲上屋が掛けられて良好な保存状態が保たれているC58 139号機。無煙化直前の1975(昭和50)年まで北見区に所属していた機関車で、ちょうど廃車40年目となる。'15.7.19
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その湧網線跡には4駅の跡地に車輌が保存されていますが、なかでも注目されるのが計呂地駅跡の「湧別町計呂地交通公園」に保存されているC58 139号機と2輌の客車です。計呂地駅の本屋をはじめ構内がほぼそっくり残されており、そのホームに3輌が編成状態で保存展示されています。

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▲床丹(網走)方構内を見る。腕木式信号機も残されている。画面左へ行くとサロマ湖畔のサンゴ草群生地に至る。'15.7.19
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▲駅本屋もそのまま残されており、公園管理棟兼鉄道資料展示室として活用されている(左)。右はホーム上に設置された計呂地駅の沿革の石碑。'15.7.19
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▲何とも異様に低い跨線橋は廃止後に新設されたものだというが、いったい何の必要があって設けられたものだろうか...。'15.7.19
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C58には数年前に屋根が新設されており、さらにこの春には客車の修復と再塗装が行われたそうで、まるで現役と見まごうばかりです。しかも以前はブルーに塗られていた客車が今回の再塗装で茶色(ぶどう色2号?)に塗色変更されており、夏の夕日に照らされたその姿は実に美しいものでした。

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▲夕日を浴びて佇むC58 139号機。戦時中に陸軍供出用機となってメーターゲージに改軌された経歴を持つ。'15.7.19
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▲客車とともに再塗装を施されて美しい状態を保っている。一目で釧路工場受け持ち機とわかるラケット状のドーム前周り手すりが目を引く。'15.7.19
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2輌の客車のうちスハ45 17は座席が撤去されてカーペット敷きとなっており、夏場はライダーハウスとして活用されています。この日もすでに一人のライダーが到着して一夜を過ごす準備をしているところでした。

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▲今年になって再塗装されたというスハ45 17。車内は座席が撤去されてカーペット敷きとなっている。それにしても状態が素晴らしいだけに車体標記の書体が惜しまれる。'15.7.19
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▲現存する鋼体化客車として貴重な存在のオハ62 91。上士幌交通公園に保存されていたオハ62 94が解体された今となっては唯一のオハ62。'15.7.19
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▲その室内。木製の床やニス塗りの座席など現役時代の面影をしっかりと留めている。'15.7.19
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この日は到着したのが日が傾いてからで、駅本屋の中にあるという鉄道資料展示室を拝見することはできませんでした。この駅本屋は公園の管理棟やライダーハウスの受付等も兼ねているそうで、車輌や駅をただ保存するのではなく、こういったかたちで有機的に利活用することによって永続性を保つ好例とも言えるのではないでしょうか。

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▲付属編成のS201編成を先頭にしたE353系量産先行車。デザインはKEN OKUYAMA DESIGN 奥山清行氏。'15.8.2 松本車両センター P:RM(伊藤真悟)
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JR東日本では、老朽化した「スーパーあずさ」用E351系の取替を目的に、性能評価や技術検証を行うためにE353系量産先行車を導入することを発表していましたが(アーカイブ「中央線新型特急電車E353系を発表。」参照→こちら)、去る7月29日に落成し、8月2日に松本車両センターで報道公開が行われました。

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▲前照灯は縦に配置され、後部標識灯はその上に横位置に配置される。また、前面・側面とも「E353」のロゴが入る。'15.8.2 松本車両センター P:RM(伊藤真悟)
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今回導入された量産先行車は、基本編成が9輌(5M4T/編成番号S101)、付属編成が3輌(2M1T/編成番号S201)の計12輌編成で、編成・車号は別表のとおりとなっています。
このうち付属編成は全電動車となっていますが、制御電動車のクモハE353-1とクモハE352-1は、E129系と同様に前位側台車を付随台車、後位側台車を動力台車とし、MT比率を2M1Tとしています。

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▲付属編成の新宿方先頭車で1号車のクモハE353-1。付属編成の先頭車は、前位側に付随台車を履く。'15.8.2 松本車両センター P:RM(伊藤真悟)
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デザインコンセプトは、外観を「伝統の継承未来への躍動」として、あずさのDNAを引き継ぎながら、日本の中央を走り抜ける新時代のダイナミズムを表現しています。また、内装は、普通車が「南アルプスの梓川のきよらかさ」としてシンプル、清涼、透明感を表現。グリーン車は「機能性と高揚感、クラス感」として、モダンでシンプルですが上質、機能的な鮮やかさを表現しています。
外観塗色は「アルパインホワイト」(南アルプスの雪色を表現)をベースに、前面から屋根肩部にかけて「あずさバイオレット」(あずさ伝統色の継承)のラインが入り、前面は「ストリームブラック」(風を切って疾走していくキャノピーの流線型を強調する魂感のあるブラック)、窓回りは「キャッスルグレー」(やや青みのあるメタリックグレーにより松本城の青みがかった漆黒を表現)としています。

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▲「機能性と高揚感、クラス感」を内装コンセプトとしたサロE353-1の客室内全景。床はカーペット敷き。'15.8.2 松本車両センター P:RM(伊藤真悟)
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▲グリーン車の腰掛。普通車とも可動式マクラと背面の大型テーブルを採用している。'15.8.2 松本車両センター P:RM(伊藤真悟)
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車体はアルミニウム合金製で、VVVFインバータ制御方式を採用。さらにJR東日本の在来線特急電車では初めて空気ばね式車体傾斜方式を採用し、現行のE351系の振り子式車体傾斜方式と同等の走行性能を実現するほか、一部の先頭車(クモハE353-1、クハE353-1、クハE352-1)とグリーン車のサロE353-1にはフルアクティブ動揺防止装置を採り入れ、さらに車体間ダンパ装置も採り入れて乗り心地の向上を図っています。

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▲「南アルプスの梓川のきよらかさ」を内装コンセプトとした普通車客室内。普通車の床は歩行音の小さいゴム床となっている。'15.8.2 松本車両センター P:RM(伊藤真悟)
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客室内は静粛性を向上した床構造とし、空気清浄機を設置しているほか、空調を個別吹き出しとし、各座席で風向きと風量の調整を可能としています。また、室内照明にはLED間接照明を採用し、消費電力の低減を図っている。なお、LED間接照明もJR東日本の在来線特急電車では初めての採用となっています(新幹線車輌ではE7系で採用)。
グリーン車のサロE353-1は2人掛け腰掛と車いす対応腰掛2席を配置し、シートピッチは1,160mmで定員は30名。普通車はシートピッチ960mmの2人掛け腰掛を配置し、一部車輌には車椅子対応の腰掛を用意し、普通車の定員は基本編成が502名、付属編成が154名となっています。

20150803180711-b15ba4806b313db17b326f02b6599b3d97729dee.jpgまた、グリーン車・普通車とも、各座席にパソコンを置ける背面テーブルとコンセントを設置しているとともに、車内案内表示器にフルカラーLEDを採用し、行先・停車駅案内等のほかに運行情報やニュースなどを配信します。このほか、改良型ハンドル形電動車いす対応の大型トイレや多目的室を設置しているほか、セキュリティー面として、各客室の出入口に防犯カメラ、各客室とすべてのトイレ内に乗務員と連絡可能な非常通話装置を設け、自動体外式除細動器(AED)をサロE353-1に1台設置しています。
▲腰掛下部にコンセントを設置。なお、車いす対応席など一部の腰掛は肘掛下部に設置している。'15.8.2 松本車両センター P:RM(伊藤真悟)
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▲改良型ハンドル形電動車いす対応の大型トイレ。写真はサロE353-1に設置のトイレ。'15.8.2 松本車両センター P:RM(伊藤真悟)
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▲E351系と同様に、高速走行時の視界や安全性を考慮して高床構造の運転台を採用。なお計器類はグラスコクピット化されている。'15.8.2 松本車両センター P:RM(伊藤真悟)
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E353系量産先行車は今後各種性能試験が実施され、その結果を量産車に反映させていく予定となっていますが、量産先行車の営業運転投入時期は現時点では未定となっています。
なお、このE353系量産先行車につきましては、本誌次号(8月21日発売号)でさらに詳しくご紹介する予定です。
取材協力:東日本旅客鉄道株式会社 長野支社

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