鉄道ホビダス

2014年11月アーカイブ

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雪国を後に 以前ならEF16補機付を狙ったスキー臨だが、上越国境にすでにその姿はなく、新幹線開業を控え、EF58の運命も見えて来た。でもそんなことは我関せずとばかり、以前と変わらぬ様子で、136号機はS字カーブを颯爽と通過して行った。'82.2.14 9712レ「小出スキー2号」 上越線渋川-敷島 P:宮村昭男 (『わが国鉄時代』 vol.13より)
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『わが国鉄時代』 vol.13が26日に発売となりました。読者投稿ブログ「わが国鉄時代」も今や3500枚を超える写真がアップされ、ますます充実したアーカイブに成長しています。今回も山下編集長より見どころをご紹介いたしましょう。

20141128131342-d09901167d1790ef10111015bdf0490d920f9276.jpg車輌だけでなく、駅や機関区の光景、車内風景から看板まで、鉄道をとりまくあらゆる光景が、遠い日に懐かしい記憶を呼び覚ましてくれます。本も年2回の発行が定着し、心待ちにしている方もいらっしゃることでしょう。
Vol.13特集は2本だて。まず特集「急行列車の時代」では、昭和50年3月改正直前の山陽本線、昭和57年11月改正における東北・高崎・常磐線にテーマ絞りました。L特急とともに飽和状態とも言える繁栄を誇った急行が一夜にして大打撃を受けた時です。その最後の輝きを写真とともに振り返ります。急行列車一覧表でその栄華のほどが偲ばれます。さらに、EF57、EF58、ED71、EF71、DD51、ED75という多彩な機関車が牽引した急行「津軽」にもスポットを当てます。

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急行「天草」 当時、筑豊本線唯一の急行列車「天草」。前夜京都を発ち、翌日午前中に冷水峠を越える。青帯の優等客車を含めた美しい編成をC57が牽引、後部補機D60の力を借りて急坂を登る。 207レ '63.12.25 筑豊本線 筑前山家-筑前内野 P:中島正樹 (『わが国鉄時代』 vol.13より)
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▲電車急行華やかなりし頃の山陽路。特急「つばめ」「はと」に伍して、153系「山陽」「安芸」や475系「玄海」「つくし」が行き交った最盛期を振り返る。 (『わが国鉄時代』 vol.13より)
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第二特集は「機関区と機関車」と題して、蒸機時代の各地の機関区の風景で展開。インクの匂いの中に煤煙や油の香りが交じっているような誌面となりました。補給、整備風景などのほか、ターンテーブル、給炭設備やガントリーなど、施設にも興味深いものがあります。

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吉松機関区 朝の機関区は活気が溢れ、熱気に満たされていた。重装備D51と精悍な門デフのC55が対照的である。'70.5.12 P:岸 芳夫 (『わが国鉄時代』 vol.13より)
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ご投稿いただいた方々の思いのこもった写真で構成する『わが国鉄時代』ですが、遥かな時を隔てた情景とは思えない新鮮さがあるのは、ひとこと書き添えられたコメントにその場の感動、喜びや口惜しさなど、当時を生きた誰しもに共通するものが伺えるからでしょう。それは何も鉄道に限ったことではありません。まさに、写真の数だけドラマがあるという最大のテーマが根底にあるからだと確信しています。コタツに入って熱燗でも傾けながら、ページをめくりつつ遠い日に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。小雨の中、一心不乱にナンバープレートの拓本を撮る表紙の少年のように、煤でさえもが大切な宝物だった時代に誘ってくれるはずです。

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お召機がやってきた 4月に運行されるお召列車の牽引機がこの罐だった。ランボードに白線が入り、煙突の帯は光っていた。当日までにさらに磨かれ、ランボードには手すりが付けられデフには鳳凰の飾りが付けられる。須磨の構内を勢いよく駆け抜け待ちかまえていた目の前を通過して行った。 43レ「さつま」 C59 108〔梅〕 '58.2.23 山陽本線須磨-塩屋 P:小西 明 (『わが国鉄時代』 vol.13より)
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厳冬の中標津(右写真) 真冬の中標津駅、厳寒の中をC11牽引の貨物列車が標茶へと出発して行った。道東では1月末の15時半はもう夕刻である。大きく西に傾いた太陽の美しい光線が、凍てついたホームで列車を見送る駅員の姿を浮かび上がらせた。C11の行く手の線路は右が標茶、左が厚床方面である。 '75.1.30 標津線中標津 P:中川弘一
 (『わが国鉄時代』 vol.13より)
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ところで、昨今は進行する劣化の影響で、フィルムのデジタル化が進行しています。お手元のスキャン画像を気軽にご投稿いただければと思います。今後もより多くの方々からのご投稿をお待ちしております。

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▲連載・広田尚敬の視線「春まち ゆり」(由利高原鉄道/2014年3月号)より。誌面ではぐっと彩度を落とした画像を掲載しているが、その意図も興味深いところ。P:広田尚敬
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先日も第一報をご紹介したように、今週末、11月29日(土)と30日(日)の2日間、ホビーセンターカトー東京店で「ベストオブレイルコンテスト」と題したイベントが開催されます。注目の講演の概要が入りましたのでお伝えいたしましょう。

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▲連載・広田尚敬の視線「初雁に燃えたあのころ」(2014年10月号)より。御堂でD62とすれ違うキハ81。'62.11 P:広田尚敬
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20141127180425-eb5e1ed9afa1eec64f8e98b97e8359af97846372.jpgまずは11月29日(土)17時から始まる広田尚敬さん、広田 泉さんによる講演「"鉄道写真"の昨日・今日・明日」。本誌でこの一年間「広田尚敬の視線」を連載いただいている広田尚敬さんと、ご子息の広田 泉さんお二人によるトークセッションで、広田尚敬さんの60年以上にわたる鉄道写真遍歴から、広田 泉さんの最新撮影術、さらには本誌今月号で紹介されている4Kフォトの可能性まで、作例と、時には動画を交えての楽しいお話をご披露される予定だそうです。
→広田尚敬さん。

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▲東日本大震災の被災鉄道をボランティアの一人として追い続けた広田 泉さんの写真集『ここから始まる。」。右下は広田 泉さん。
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翌11月30日(日)14時からは東武博物館名誉館長の花上嘉成さんが「鉄道車輌動態保存の現在 ~東武鉄道を中心として~」と題した講演をされます。所有=東武博物館・車籍=東武鉄道という新たな動態保存のスキームを構築した8111編成の復元までの経緯や、先日完成した伊香保電車修復の秘話、さらには、まさに昨日の小ブログでご紹介したリバイバル・ツートンカラーの81107編成まで、東武鉄道の保存活動の最前線で活躍される花上さんならではのお話が聞けるそうです。

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▲東武博物館での5700系の前頭部復元工事。博物館ならではの大がかりな修復にまつわるエピソードも聞くことができそう。P:東武博物館

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▲左は東武博物館所有車として復元中の8111編成。P:東武博物館 右は花上嘉成名誉館長。
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▲伊香保電車の修復は木製車体のためたいへんな苦労があったという。P:花上嘉成

20141127153837-9431078c0f6718d46dc637c7fa76af31b4e67d1e.jpg同じ30日(日)13時から行われる日本旅行鉄道プロジェクトマネージャーの瀬端浩之さんの講演では、同社が繰り広げるさまざまな企画プランの立案から実行までの具体的なお話や、JRや民鉄での貸切列車の費用の実際、汽車旅のエキスパートならではのアドバイスなど、生トークの講演会ならではの内容が予定されています。また、瀬端さんが中学生時代から敬愛し、去る6日にお亡くなりになられた種村直樹さんとの思い出の数々も紹介されるとのことですので、こちらも必聴です。
▲瀬端浩之さん。

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▲瀬端さんはパワーポイントを駆使して「汽車旅」の極意を伝授してくれるという。
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このほかにも各種の魅力的な講演、全国高等学校鉄道模型コンテスト優秀校によるプレゼンテーションや、ドイツの名機01形をテーマにしたフォーラム・ディスカッションなど盛りだくさんなプログラムが用意されており、しかも入場無料ですので、ぜひ11月最後の週末をこのイベントで楽しまれてはいかがでしょうか。なお、模型展示は2階、講演会会場は通常は入ることのできない5階のレセプションルームですので、その点でも足を運ぶ価値がありそうです。

ベストオブレイルコンテスト
■会期:11月29日(土)、11月30日(日)10:00~19:00
■会場:ホビーセンターカトー東京店 ※入場無料
■ベストオブレイルコンテスト実行委員長:水沼信之
■主催:株式会社ホビーセンターカトー東京店

■作品展示
・文部科学大臣賞 明治学院中学校・明治学院東村山高等学校
・優秀賞 千葉県立千葉高等学校、共立女子高等学校
・フジサンケイビジネスアイ賞 滝川中学・高等学校
・来場者が選ぶベストワン賞 白梅学園清修中高一貫部
・1畳レイアウト最優秀賞 東京都立大崎高等学校
・大学生モジュール部門 最優秀賞 京都大学 鉄道研究会
・企業倶楽部コンテスト 最優秀賞 株式会社ポポンデッタ クラフト

■鉄道模型サークルによるモジュールレイアウト展示
・ジャパンモジュールレイアウトクラブ(JMLC)
・アメリカンNスケールアソシエーション(ANA)

・13:00~13:50  ジオラマ製作入門 杉山牧夫(ANA会員)
・14:00~14:50  ユニトラックの楽しみ方
関 良太郎(株式会社カトー営業部営業企画課課長)
・15:00~16:50 フォーラム・ディスカッション「01逢いたや」
齋藤 晃、長谷川進吾、杉江 弘、井門義博、山下修司、水沼信之、関 良太郎
・17:00~17:50「鉄道写真」の昨日・今日・明日
広田尚敬、広田 泉

11月30日(日)
・10:30~12:50 ベストオブ全国高等学校鉄道模型コンテスト
参加校学生、企業クラブコンテスト参加者
・13:00~13:50 汽車旅のトレンドと楽しみ方
瀬端浩之(株式会社日本旅行鉄道プロジェクトマネージャー)

・14:00~14:50 鉄道車輌動態保存の現在 ~東武鉄道を中心として~
花上嘉成(東武博物館名誉館長)
・15:00~15:50 モノクロームの残照 
大木 茂
・16:00~16:50 KATO小田急ロマンスカーNSE3100発売記念講演
小田急ロマンスカーNSE3100の話 濱崎勝明(小田急電鉄株式会社沿線事業部鉄道グッズ担当)
商品説明 関 良太郎(株式会社カトー営業部営業企画課課長)
・17:00~17:50 モジュールレイアウトとは何か? 植松一郎(ファミリー歯科院長)
※敬称略

※詳しくはホビーセンターカトー東京店HP(→こちら、鉄道模型コンテストfacebook(→こちらへ!

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■会場 ホビーセンターカトー東京店
〒161-0031 東京都新宿区西落合1-24-10 TEL 03-3954-2171
○ご来場の際は、都営大江戸線・バス等の公共交通機関をご利用下さい。

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▲"ロイヤルベージュ"と"インターナショナルオレンジ"のツートンカラー塗装となった8000系81107号編成。'14.11.21 森林公園検修区 P:RM(伊藤真悟)
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20141126161725-82d1c23488d37021d84cef6e4b2a47bd0857f71d.jpg東武鉄道では、東上線の最初の区間である池袋~田面沢(たのもざわ:現在の川越市~霞ヶ関間の中ほどに位置)間33.5㎞が1914(大正3)年5月1日に東上鉄道の手によりにより開業してから100周年を迎えたことを記念して各種イベントを開催しており、今年3月には、8000系の2代目カラーであるセイジクリーム塗装を再現した81111号編成が登場していますが(→こちら)、このほど8000系車輌がデビューした当時の塗装である"ロイヤルベージュ"と"インターナショナルオレンジ"のツートンカラー塗装を再現したリバイバルカラー車輌が登場いたしました。
▲81111号編成と同様に、側面の車号標記は当時の書式に戻されている。'14.11.21 森林公園検修区 P:RM(伊藤真悟)
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ツートンカラー塗装となったのは8000系81107号編成(寄居方からクハ84107-モハ83107-モハ82107-クハ81107)の4輌編成で、側面の車号標記は当時の書式に戻されていますが、車内の腰掛モケットは現状のグリーン系となっています。

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▲81111号編成では腰掛モケットが金茶色に再現されたが、今回の81107号編成は変更されていない。'14.11.21 森林公園検修区 P:RM(伊藤真悟)
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この81107号編成は、去る11月22日(土)よりツートンカラーでの営業運転を開始し、東上線小川町~寄居間、越生線坂戸~越生間の区間で定期運用に充当されています(車輌運用計画により、日によって運転区間および運転時刻が変わります)。

今回のツートンカラー塗装車輌の登場により、8000系の歴代カラーリングがすべて東上線および越生線で見られることになります。なお、81107号編成の営業運転開始前日には森林公園検修区でプレス向けの撮影会が設定され、81107号編成とセイジクリーム塗装の81111号編成、現行塗装の81119号編成が並んだシーンなどが展開されました。

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▲ツートンカラー塗装の81107号編成、セイジクリーム塗装の81111号編成、現行塗装の81119号編成と8000系の歴代カラーが並ぶ。'14.11.21 森林公園検修区 P:RM(伊藤真悟)
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ところで8000系のツートンカラー塗装といえば、東武博物館所有の8111号編成が真っ先に思い出されます。去る11月16日には「東上線 森林公園ファミリーイベント2014」の一環で81111号編成と10輌を組んで運転されましたが、東上線では2015年度の池袋~小川町間での工事完成(川越市~小川町間は2014年度の使用開始)を目指してATCの導入を進めており、ATC導入後は8111号編成が入線できなくなってしまうかもしれません。

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晩秋の秩父へ。

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▲朝からこれ以上ないほどの晴天が広がり、名残の紅葉もひときわ鮮やかだった。今日も荒川の清流をデキの牽く貨物列車が渡ってゆく。'14.11.22 親鼻−上長瀞(7104レ)
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先週末は高校時代の仲間たちと秩父鉄道へ。といっても撮影が主目的ではなく、少し早い忘年会を兼ねて旧交を温めようという趣旨だけに、トートバッグにミラーレス1台を放り込んでの小旅行です。

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▲秋色の山里を5002レが行く。といってもこの上りもポジションを決められないまま、踏切からのパチ撮りになってしまったが...。'14.11.22 親鼻−上長瀞
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まずは上長瀞駅で下車、名所・荒川橋梁へと足を向けました。それにしてもフリーきっぷを買ったにも関わらず、なんと終日上長瀞から移動することなく過ごすこととなってしまおうとは、この朝の時点では思ってもみませんでした。

20141124095534-39a477d7b60ee9a73088ea0c89c2ecfd6f4dd104.jpgしかも、蕎麦に舌鼓を打っているうちに下りの「パレオエクスプレス」は撮り逃してしまう体たらく。それでもこの日は土曜日ながらすべての貨物列車がダイヤ通りに運転されており、午後は荒川の河原で終日のんびりと撮影を楽しむことができました。
▲秩父地域開通100周年記念として、10月26日から6000系6003編成が旧300系リバイバルカラーとして急行「秩父路」に充当されている。'14.11.22 上長瀞(1003レ)
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▲名残の紅葉をバックに茶色のデキ505が行く。この日は貨物列車はフル運転だった。'14.11.22 親鼻−上長瀞(7404レ)
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▲かつてデキ1形やED38が活躍していた頃、秩父鉄道沿線はどこへ行っても桑畑が広がっていた。養蚕の衰退でそんな風景も見られなくなってしまったが、まだまだ秩父らしい魅力的な原風景は残っている。皆野スポーツ公園横の道路からの光景。'14.11.22 上長瀞−親鼻(7205レ)
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これまでにも折あるごとに秩父鉄道を訪れてきましたが、そのロケーションといい、全駅が有人駅というホスピタリティーといい、またひっきりなしにやってくる貨物列車といい、今回も首都圏屈指の魅力的な鉄道であることを再認識した一日でした。

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▲帰路の上長瀞駅ホームにて。『模"景"を歩く』でも詳しく紹介したが、上長瀞駅は魅力的な被写体の宝庫だ。'14.11.22 上長瀞
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●これまでにご紹介した主な秩父鉄道関係アーカイブ。
・影森、魔境の残り香→こちら
・秩父鉄道に鉱石列車を訪ねる→こちら
・ふたたび秩父鉄道へ→こちら
・デキ重連の"パレオ"に遭遇→こちら
・「秩父路」のアルミカー→こちら
・いとしのヴェラ→こちら
・ヲキとヨとワフ...秩父鉄道の緩急車たち→こちら
・秩父鉄道の緩急車たち(補遺)→こちら
・秩父鉄道のリバイバル色を見る→こちら
・秩父鉄道C58 363が「門鉄デフ」に→こちら
・NEX-7と新緑の秩父鉄道へ→こちら
・初夏の秩父鉄道を歩く→こちら

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▲最後は"定番"のシルエット。ところがレンズが半世紀前のズミルックスとあって流石に逆光は苦手。やむなく夕日を橋脚で隠してハレ切りをせざるを得なかった。なお、冬になると2基のパンタグラフが上がってこのシーンもぐっと締まってくるはず。'14.11.22 上長瀞−親鼻(7305レ)
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ふたたび梅小路へ。

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▲ひさしぶりに再会した「つばめ」。"籠の鳥"はもう一度大空に飛び立ちたがっているように見えた。'14.11.20
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一昨日から打合せで二ヶ月ぶりに梅小路へ。一泊の出張ですが、とんだ落とし穴がありました。何と京都市内に宿がまったくないのです。こちらはインドアのMTGがメインですが、季節は紅葉真っ盛り。「そうだ京都、行こう」キャンペーンの影響か、とにかくどこもかしこも満室。やむなく新大阪まで"逃げる"こととなりましたが、これでもまだましな方だったようで、別件で取材に来ていたNHKクルーは滋賀県に投宿せざるをえなくなったそうです。

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▲子どもたちの歓声に包まれて「SLスチーム号」の先頭に立つC62 2号機。函本山線での苦闘から43年、今やすっかり好々爺の表情。'14.11.20
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先日プレス発表されたD51 200号機の大規模修繕と本線運転用の改造工事(アーカイブ「D51 200が本線復帰へ」参照→こちら)はすでに着工されており、エンジン部は補機類やキャブが取り外されていました。今後、車輪抜き後、ボイラが本格的修繕のために搬出され、「平成29年度以降」の本線復帰へと作業が進むことになります。

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▲本線復帰が発表されたD51 200号機はさっそく本格的修繕作業に入っており、梅小路蒸気機関車館の見学スペースからもご覧のように解体途中の姿を見ることができた。'14.11.20
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▲まさにミュージアムコンディションに修復されたオハ46 13。所属標記は「大ミハ」。'14.11.20
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20141121110736-bc3eca43b40e8b07146da6dda8da7c4daf82f37f.jpgいっぽう京都鉄道博物館建設工事も二ヶ月ほど見ない間に大きく進捗しており、本館は早くも外壁ができ、現在は内部の工事が盛んに行われています。早朝から夜まで大型トラックが盛んに出入りを繰り返していて、今後はプロムナード部なども順次着工されるものと思われます。
▲梅小路公園横には交通科学博物館から搬出されたクハ86001、モハ80001などが京都鉄道博物館入りを待っている。'14.11.20
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▲新設される蒸気機関車検修庫の建設も進んでいる。60t(30t2基)天井クレーンを支える大規模な基礎工事が佳境を迎えていた。画面中央には見事に修復されたEF66 35とDD51 756の姿も見える。'14.11.20
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D51 200号機の本線復帰と同時に発表された蒸気機関車検修庫の建設も急ピッチで進められています。全検はもとより、ボイラそのものの工事も行える大規模な設備も新設される予定で、この検修庫建屋が姿を現したのち、本館とを結ぶペデストリアンデッキが着工されます。

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▲今回も梅小路運転区屋上から建設が進む京都鉄道博物館本館とプロムナード接続部を見る。本館は外壁工事が進んでいる。'14.11.20
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▲同地点の8月11日(上)と9月3日(下)の状況(再掲)。'14.8.11/'14.9.3
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▲完成時には3階には展望レストランも開設され、さらに本館屋上からは京都市内を一望できるという。'14.11.20
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▲同じく8月11日(上)と9月3日(下)の状況(再掲)。'14.8.11/'14.9.3
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京都鉄道博物館へ収蔵される車輌の整備も進んでいます。すでに隣の梅小路公園横には交通科学博物館から移送された展示車輌が待機しています。これら展示車輌の動向は先般ご紹介した京都鉄道博物館公式Facebook(→こちら)でリアルタイムに発信されており、現在は0系新幹線の搬出の様子などがアップされています。ナシ20形の塗装や、489系のボンネット部の大掛かりな板金作業など、この機会でもなければ目にできない貴重な画像も多く、今後も目が離せません。
※京都鉄道博物館Facebook→こちら

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▲昭和35年正月の大榮車輌構内。解体のため運び込まれた輸入電機EF51 2が鎮座している。'60.1.18 P:大庭幸雄 (RMライブラリー『大榮車輌ものがたり』より)
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今月のRMライブラリーは、稲葉克彦さんによる『大榮車輌ものがたり』の上巻をお届けします。

20141118165357-e3fb2ff6924161543932ca865438f6e1eac52d7f.jpg大榮車輌といってもご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、京成電鉄やその関連事業者の車輌を中心に、改造や更新工事などを多数手掛けた鉄道車輌メーカーです。その発祥は戦後間もない1946(昭和21)年のことで、東京都城東区(現在の江東区)大島町で創業しました。当初は農機具を製造していましたが、汽車会社OBの入社をきっかけに、翌年には鉄道車輌業界に進出しました。

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▲大榮車輌の初期の仕事である京成クハ2000形。戦災国電を京成の車輌定規に合わせて復旧・改造したため、貫通路が異様に狭い独特の外観となった。 (RMライブラリー『大榮車輌ものがたり』より)
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▲汽車会社が受注した仕事も少なからず請け負っていた。写真の山陽電気軌道600形や花巻電鉄デハ56は汽車会社名義ながら実際の製造は大榮車輌が担当した。 (RMライブラリー『大榮車輌ものがたり』より)
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初期の仕事は他の中小メーカーの多くがそうであったように、戦災車輌の復旧工事でした。大榮では近隣に都電柳島車庫があったことから都電の修理・改造を行ったほか、京成向けの戦災国電復旧車クハ2000形、また東武向けのクハ450形やクハ360形を手掛けています。変わったところでは、東武伊香保軌道線11号や、銚子電鉄デハ201といった電車もこの頃の大榮車輌から生まれました。そして1952(昭和27)年には千葉県の津田沼に移転。以後、総武本線沿いにあった旧鉄道聯隊の敷地を舞台に、一部大手メーカーの下請けも含め、多くの車輌の新造・更新・改造などを行うことになりました。

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▲弘前電気鉄道(現・弘南鉄道大鰐線)の車輌近代化では、1輌目であるモハ105の車体を新造したが、2・3輌目は木製車体への鋼板貼り付けという簡易鋼体化となった。 (RMライブラリー『大榮車輌ものがたり』より)
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本書はこの大榮車輌が1947(昭和22)年に鉄道車輌業界に進出してから、2001(平成13)年に操業を終えるまでの間に手掛けた鉄道車輌についての網羅的調査研究で、上巻では創業から昭和30年代末までの仕事をまとめています。また、上巻の巻末には山口正文さんによる大榮車輌が更新車体を製作した京成モハ100形、モハ600形、クハ2000形、新京成モハ45形、モハ126形、モハ300形、モハ1100形、クハ550形の形態分類を収録しています。なお、続く中巻では、京成の車体更新を多数手がけた昭和40年代を収録する予定です。

※明日は出張のため休載させていただきます。

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▲常磐線赤塚駅に停車中の茨城交通茨城線ケハ401。写っているのは"冒険"中の小学生に親切にしてくれた車掌さん。「大人」との出会いが鉄道少年を成長させてくれた。'70.3 赤塚 P:古村 誠
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たびたび懐かしい写真をお送りいただく古村 誠さんから、「古いネガから44~45年前のことを思い出したのでメールさせていただきました」と、初めての"遠征撮影"の時の写真をお送りいただきました。小学生が初めての遠出で未知の鉄道に出会った時の感激は、写真の上手い下手とは関係なく一生の宝物に違いありません。

20141118142737-9595db6bae8e3daac9db866f6163a60c71143253.jpg小学校5~6年生の頃から、月イチで今で言う「乗り鉄」をしていましたが、その範囲は都内かせいぜい神奈川県川崎市止まりでした。小学校卒業の1970(昭和45)年3月、初めての遠出をしたときは、それはそれは大冒険でしたので今でもよく覚えています。行先は常磐線水戸以南に接続する私鉄でした。
▲上水戸に留置されていたケハ2。塗色はブルーの濃淡のデュオトーンに白線を巻いていた。'70.3 上水戸 P:古村 誠
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その頃、私にはまだ走行写真を撮るという発想はなく、乗ることと、車輌区を訪れて写真を撮ることしか眼中にありませんでした。
まず初めに訪ねたのは茨城交通茨城線。当時は鉄道趣味誌の存在すら知らず、時刻表だけが頼りでした。常磐線の赤塚から気動車に乗って上水戸へ行き、留置車輌の写真を撮って赤塚に戻る、それだけの旅でした。

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▲キハ42000払下げのケハ302も残されていた。茨城線はこの訪問から一年を経ずして1971(昭和46)年2月に廃止されている。'70.3 P:古村 誠
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上水戸からの帰りの車掌さんがかわいがってくれて、「内緒だよ」と言って自分がしていた腕章を外して私にくれました。何のお礼もできなかったことが今でも心残りです。

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▲石岡のホーム端で並んだもと東急キハ1形のキハ651とキハ42202。キハ651(もとキハ42201)はこの写真の3年ほど前に切妻化されてしまい、とても兄弟車とは思えない2輌となっていた。'70.3 石岡 P:古村 誠
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▲庫の側線で廃車体を晒していたクラウス製4号機(左)。右はキハ07時代の姿をしっかりと留めていたキハ42502。'70.3 石岡 P:古村 誠
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▲石岡の庫の前で休むキハ83とキハ41303。常磐線の車窓から良く見えるこの鉾田線の庫は、鹿島鉄道と名を変えても多くのファンに親しまれた。'70.3 P:古村 誠
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次は石岡で関東鉄道鉾田線の機関区へ。当時はクラウス製の4号機が常磐線から見えました。キハ651が給油のためキハ42202の横に来て、元東急キハ1形の2輌が並びました。

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▲筑波線真鍋で写したのはなんとこの1カットのみ。しかしDD501(左)とDD502(右)がしっかりと写り込んでいる。'70.3 真鍋 P:古村 誠
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続いて土浦まで戻り、関東鉄道筑波線に乗って真鍋機関区へ。ここでは1カットしか撮っていません。時間が押してきてとんぼ返りで土浦に戻ったのだと思います。

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▲江若鉄道からやってきて間もないキハ5121ほか3連。中間車(ハ5010)を挟んだ3輌編成で龍ヶ崎線の輸送力増強に活躍した。'70.3 龍ヶ崎 P:古村 誠
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そして佐貫から龍ヶ崎線に乗って龍ヶ崎の機関区に。龍ヶ崎では庫の中にいた4号機や、江若鉄道から来た3輌編成の5121+5010+5122などを撮っています。

20141118143432-eda0893bfaa4e6cd1fe667d81be5ddf6bbf9db67.jpg最後に取手から関東鉄道常総線に乗って水海道の機関区へ。こちらでも庫の中にまだ蒸気機関車がいたように思うのですが、写真には残っていません。なかなか大きな転車台があり、そこに乗ったキサハ55と小田急の電車を改造したキクハ1形を撮りました。
▲龍ヶ崎の庫内で休むキハ305。隣には蒸気機関車の4号も収納されていた。'70.3 龍ヶ崎 P:古村 誠
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▲最後に訪れたのが常総線の水海道。まだこんなに大きな転車台が残されていた。'70.3 P:古村 誠
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当時持っていたカメラはハーフサイズのオリンパスペンS。距離計も露出計もないカメラでした。駆け足の小さな旅、いや、その時にしてみれば大冒険でしたが、常磐線沿線にこれだけ多くの非電化私鉄がひしめいていたのですから、あらためて良い時代だったと思います。

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「下津井の忘れ形見」再訪。

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▲山陽新幹線吉井川橋梁上り方の高架下に並ぶ旧下津井電鉄の車輌たち。折しも東京行き「のぞみ」が通過してゆく。'14.11.1
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かれこれ6年ほど前に「下津井の忘れ形見」と題して山陽新幹線吉井川橋梁付近の高架下(岡山県瀬戸内市長船町長船)に保存されている下津井電鉄の3輌の保存車をご紹介したことがありますが(アーカイブ「下津井の忘れ形見」参照→こちら)、先日、日本鉄道保存協会の総会で吉井川上流の美咲町にうかがう際に再訪してきました。

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▲ドライブイン側には「下津井軽便鉄道の歴史」と保存各車についての簡単な説明板が建てられている。'14.11.1
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前回小ブログで紹介したのが2008(平成20)年ですが、訪問したのは2000(平成12)年夏のこと。ということはすでに14年も前のこととなるわけで、果たしてどのような状態となっているものなのか、少々気がかりではありました。

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▲日車製気動車の面影を良く残す1931(昭和6)年製のクハ6。下津井電化時に気動車(カハ6)から制御車化されたもの。荷台の扉は開いたままだが、塗料の固着と錆で閉まらなくなってしまっていた。'14.11.1
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▲鋳鋼偏心台車もそのまま残されている。気動車時代はこの床下にはウォーケシャ6MS機関が懸架されていたはず。'14.11.1
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ところがそんな危惧と裏腹に、3輌は前回見た時よりもかえって良好な状態で残されていて一安心。国道2号線側のドライブインは入浴施設を兼ねた「おさふねサービスエリア」としてすっかり立派になっていました。ほかの飲食施設も立ち並んで、国道側からは以前のように保存車輌が丸見えという状態ではなくなっていましたが、ささやかながら説明看板も設けられています。

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▲下津井が味野町(のちの児島)~茶屋町間の開業にあたって清水鉄工所で新製した木造ボギー客車ホハフ2。木造の割に今日までこの状態を保っているのは直接風雨に晒されない高架下の恩恵でもありそう。'14.11.1
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▲ホハフ2の客室内。シートは後年整備されたものだろう。屋根など木造客車の構造がよくわかる。'14.11.1
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▲バッファー・リンクがしっかりと残るホハフ2のエンドビーム(左)とそのアーチバー台車(右)。モデラーの視点からもこれだけ間近に見られるのはありがたい。'14.11.1
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▲近年再塗装が施されたと思われる木造ボギー有蓋車ホワ10。欠品もなく状態はすこぶる良い。'14.11.1
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よくよく見ると、塗装をし直したり、木造客車のデッキ部などは木工できちんと修繕が施されていたりと、維持管理がなされているようです。下津井電鉄が消え去ってから四半世紀。これからも山陽新幹線が吉井川橋梁を渡るたびに、車窓からは見えないものの、足元に下津井の忘れ形見が保存されていることを思い出すに違いありません。

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▲会場はホビーセンターカトー東京店がある関水金属本社ビル(アーカイブ「関水金属 新本社が完成」参照→こちら)。今年1月に完成したばかりの新社屋5階には立派なレセプションルームも備わる。
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今月末の11月29日(土)・30日(日)、東京・下落合のホビーセンターカトー東京店で注目のイベント「ベストオブレイルコンテスト」が開催されます。この夏ビッグサイトで開催された「鉄道模型コンテスト2014」の優秀作品が展示されるほか、鉄道模型の枠を超えてさまざまな講演会も行われます。

20141113151710-8fc6b8732b01ef67e33c08cee4a9477eaee78041.jpg6年目となる全国高等学校鉄道模型コンテスト(アーカイブ「白熱の鉄道模型コンテスト2014」参照→こちら)を核とした「鉄道模型コンテスト2014」は、毎年夏休みの土日2日間で開催されますが、審査結果と入賞作品の発表は2日目の午前中。今年から文部科学大臣賞も設定されて大きな盛り上がりを見せましたが、いかんせんリザルトの発表から閉幕までは半日ほどしかなく、受賞作品をじっくり見られる時間的余裕があまりないのが実情でした。今回開催される「ベストオブレイルコンテスト」は、そんな状況を踏まえてもう一度受賞作品の数々を観賞し、さらには高校生をはじめとした製作者の皆さんに、パブリックな場であらためてプレゼンテーションしてもらおうという趣旨でスタートしたと聞きます。
▲文部科学大臣賞に輝いた明治学院中学校・明治学院東村山高等学校鉄道研究部の代々木駅のコーナーモジュール。その発想と完成度の高さは驚異的。
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▲モジュール部門優秀賞を射止めた千葉県立千葉高等学校鉄道研究部の御茶ノ水駅(左)と、共立女子高等学校地理歴史部の棚田をモチーフとしたモジュール(右)。
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▲「来場者が選ぶベストワン賞」の白梅学園清修中高一貫部鉄道模型デザイン部の作品(左)と、フジサンケイビジネスアイ賞の滝川高等学校鉄道研究部の弁天町駅(右)。
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実行委員長の水沼信之さんのお話では、せっかく開催するのであればより広く趣味を語れる場、趣味を学べる場にしたいと、多様なジャンルのプログラムを用意されたそうで、まさに目の離せない2日間となりそうです。

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▲1畳レイアウト部門最優秀賞は東京都立大崎高等学校ペーパージオラマ部のレーティシュ鉄道アルブラ線。200本あまりの樹木もすべて手作り。
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ベストオブレイルコンテスト
■会期:11月29日(土)、11月30日(日)10:00~19:00
■会場:ホビーセンターカトー東京店 ※入場無料
■ベストオブレイルコンテスト実行委員長:水沼信之
■主催:株式会社ホビーセンターカトー東京店

■作品展示
・文部科学大臣賞 明治学院中学校・明治学院東村山高等学校
・優秀賞 千葉県立千葉高等学校、共立女子高等学校
・フジサンケイビジネスアイ賞 滝川中学・高等学校
・来場者が選ぶベストワン賞 白梅学園清修中高一貫部
・1畳レイアウト最優秀賞 東京都立大崎高等学校
・大学生モジュール部門 最優秀賞 京都大学 鉄道研究会
・企業倶楽部コンテスト 最優秀賞 株式会社ポポンデッタ クラフト

■鉄道模型サークルによるモジュールレイアウト展示
・ジャパンモジュールレイアウトクラブ(JMLC)
・アメリカンNスケールアソシエーション(ANA)

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11月29日(土)
・13:00~13:50  ジオラマ製作入門 杉山牧夫(ANA会員)
・14:00~14:50  ユニトラックの楽しみ方
関 良太郎(株式会社カトー営業部営業企画課課長)
・15:00~16:50 フォーラム・ディスカッション「01逢いたや」
齋藤 晃、長谷川進吾、杉江 弘、井門義博、山下修司、水沼信之、関 良太郎
・17:00~17:50「鉄道写真」の昨日・今日・明日
広田尚敬、広田 泉

▶広田尚敬さん(上)と広田 泉さん(下)。お二人揃ってのトークは珍しく、果たしてどんなお話が聞けるのか今から楽しみ。
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11月30日(日)
・10:30~12:50 ベストオブ全国高等学校鉄道模型コンテスト
参加校学生、企業クラブコンテスト参加者
・13:00~13:50 汽車旅のトレンドと楽しみ方
瀬端浩之(株式会社日本旅行鉄道プロジェクトマネージャー)

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▲日本旅行鉄道プロジェクトの瀬端浩之さん(左)と、東武博物館名誉館長の花上嘉成さん(右)。「汽車旅」と「鉄道保存」、それぞれエキスパートならではのお話がうかがえそう。
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・14:00~14:50 鉄道車輌動態保存の現在 ~東武鉄道を中心として~
花上嘉成(東武博物館名誉館長)
・15:00~15:50 モノクロームの残照 
大木 茂
・16:00~16:50 KATO小田急ロマンスカーNSE3100発売記念講演
小田急ロマンスカーNSE3100の話 濱崎勝明(小田急電鉄株式会社沿線事業部鉄道グッズ担当)
商品説明 関 良太郎(株式会社カトー営業部営業企画課課長)
・17:00~17:50 モジュールレイアウトとは何か? 植松一郎(ファミリー歯科院長)
※敬称略

※詳しくはホビーセンターカトー東京店HP(→こちら、鉄道模型コンテストfacebook(→こちらへ!

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■会場 ホビーセンターカトー東京店
〒161-0031 東京都新宿区西落合1-24-10 TEL 03-3954-2171
○ご来場の際は、都営大江戸線・バス等の公共交通機関をご利用下さい。

※明日は不在のため休載させていただきます。

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▲「北神急行フェスティバル」のヘッドマークをつけて谷上車両基地で展示されていた7000系。開業時から生え抜きのこの7000系は現在5編成が在籍している。'14.10.25 P:宮武浩二
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20141112142542-4c25c91965652b7c2205b8d7495ad8d19946c4ad.jpg大阪の宮武浩二さんから、北神急行電鉄で保存されているダイヤモンドクロッシングについての情報をいただきました。
阪急西宮北口駅近くの緑地にダイヤモンドクロッシングが保存されているのは以前本誌にも紹介されましたが、今回は北神急行電鉄谷上車両基地の検修棟の中に設置されているダイヤモンドクロッシングをご紹介しましょう。

▲北神急行電鉄株式会社と記された谷上車両基地入口の石板。'14.10.25 P:宮武浩二
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▲谷上車両基地の全景。手前は神戸電鉄線。'14.10.25 P:宮武浩二
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この二つのダイヤモンドクロッシングはもとは阪急西宮北口駅構内に設置されていたもので、神戸線と今津線の交差用に使用されていたものですが、1984(昭和59)年に西宮北口駅の再開発橋上駅化で撤去され、その際は多くのファンが名残りを惜しみました(アーカイブ「『阪急だいすき』取材余話」参照→こちら)。

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▲正面から見たダイヤモンドクロッシング。台車集塵装置への移動のために活用されている。奥に円盤型の台がついた作業用台車が見える。'14.10.25 P:宮武浩二
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▲横から見たところ。ただしこちらのレールは途切れている...。'14.10.25 P:宮武浩二
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撤去されたダイヤモンドクロッシングは一時阪急学園池田文庫の正面玄関に展示された時期もありましたが、その後北神急行電鉄開業に際して谷上車両基地内の台車集塵装置の搬入用に活用され現在に至ります。

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▲ダイヤモンドクロッシング中央には出自を解説したプレートが埋め込まれている。日付は「昭和62年3月7日」と記されている。'14.10.25 P:宮武浩二
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このダイヤモンドクロッシングは一般公開されてはいないものの、年に一回谷上車両基地で開催される「北神急行フェスティバル」の際に見ることができます。しかも由来を示すプレートも設置されており、大切にされているのがわかります。

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▲こちらは阪急西宮ガーデンズと阪急神戸線の間にある「高松ひなた緑地」に保存されたダイヤモンドクロッシング。'14.10.25 P:宮武浩二
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20141112144349-3b0c747a98fa4866e615cf9446f5cb5054791537.jpgただ疑問なのは、谷上車両基地でのダイヤモンドクロッシングの使用価値です。なぜこの位置で向きを変える必要があるのか、線路の形状からもよくわかりません。台車は分解された作業用の台車に乗せられて集塵装置に入るわけで、直角に曲がると塗装設備(?)に搬入されるのかと思いきや、線路は埋められているようですし、作業用台車にも仕掛けもありそうでないし、なんとも不思議です。保存しなければいけないという当時の担当者の苦肉の策なのでしょうか。
▲往時の写真とともに記念の解説プレートも設置されている。'14.10.25 P:宮武浩二
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▲北神急行電鉄谷上駅駅長室に常設されている7000系の精密模型。今はなき末近模型製作所製。'14.10.25 P:宮武浩二
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このほかに北神急行電鉄谷上駅駅長室には7000系の車輌模型が展示されており、こちらはいつでも見ることができます。

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▲オリジナルカレンダー「Memory in the 60`~80`s・汽笛の響いた街 夕張」より、北炭真谷地専用鉄道の8100。'63.10 P:宮内明朗(提供:三菱大夕張鉄道保存会)
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10月9日付けの小ブログ(→こちら)でご紹介した三菱大夕張鉄道保存会主催による「鉄道遺産活用シンポジウム」が秋も深まった10月25日、アディーレ会館ゆうばりを会場として開催されました。当日の様子を奥山道紀さんよりお送りいただきましたのでご紹介いたしましょう。

20141111115540-08a1837143ae3bb1abe8e1bd44e91ec710f1beb4.jpgシンポジウム開始に先立ち、財政破綻で閉鎖中の「SL館」内や旧南大夕張駅跡等の見学が行われ、その後会場に戻り、三菱大夕張鉄道保存会による夕張の鉄道史と鉄道遺産に関する現状報告や、廃線跡を巡るバスツアー等を行う日本旅行北海道の永山茂新規事業室長による鉄道遺産を活用した旅行商品の事例報告が行われました。
▲アディーレ会館ゆうばりで開催されたシンポジウムの様子。'14.10.25 P:三菱大夕張鉄道保存会
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▲参加者一同で旧南大夕張駅を見学。まもなくこの周辺も雪に覆われる。'14.10.25 P:三菱大夕張鉄道保存会
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▲シンポジウム会場に展示された資料類。「新二岐炭鉱」の銘板も...。右は旭沢橋梁等の模型。'14.10.25 P:三菱大夕張鉄道保存会
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続いて三笠振興開発(三笠鉄道村)、遠軽町(丸瀬布いこいの森)、狩勝高原エコトロッコ鉄道(新得町)等、道内各地で鉄道遺産活用に取り組む各団体により、鉄道遺産活用を通じた地域活性化策について報告・討議がなされました。また、会場には鉄道資料の展示も行われ、参加者は熱心に見学されていました。

20141111115717-66166560175b00af7acb72ab6afd3de55e1b2ed5.jpgさて、2014年も残りわずかとなりましたが、三菱大夕張鉄道保存会ではオリジナルカレンダー「Memory in the 60`~80`s・汽笛の響いた街 夕張」を制作・頒布しています。サイズはA4版・見開きA3で、中7ページ構成。古典輸入機が専用線で最後の活躍を見せた1960年代から、石勝線が開業し市内を特急列車が駆け抜けるようになった80年代までの夕張の鉄道の変遷がオールカラーで記録され、変貌する夕張の鉄道の記録ともなっています。
▲「SL館」を見学。館内の地盤が緩み始めており、ご覧のように14号機は傾き始めてしまっている。'14.10.25 P:三菱大夕張鉄道保存会
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▲オリジナルカレンダー「Memory in the 60`~80`s・汽笛の響いた街 夕張」より、国鉄清水沢駅構内の夜。'73.7 P:伊藤保則(提供:三菱大夕張鉄道保存会)
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購入方法は、1部につき500円分の受取人無記名の定額小為替と、送料分の切手(1部205円、2部250円、3部400円)を郵送で下記の三菱大夕張鉄道保存会事務局までお送りください。
〒069-0855 江別市大麻宮町4-6-502 三菱大夕張鉄道保存会事務局
また、三菱大夕張鉄道の起点でもあった石勝線清水沢駅前の文化堂(夕張市清水沢3丁目25 電話0123-59-7131)や北海道オプショナルツアーズ㈱(札幌市中央区大通西1丁目さっぽろテレビ塔1F 電話011-212-1170)等でも取扱いしています。収益は夕張市の鉄道遺産の保存・活用に利用させていただきます。

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▲『台鐵花車百年史』(中華民國鐵道文化協會出版)の装丁。わが国のB5判より多少左右方向が大きい判型で、巻末付録の形式図を含めて216頁。袖折表紙に箔押しと「花車」に相応しい豪華な造本となっている。

台湾鉄道史研究の第一人者である洪 致文(Hung,Chih-wen)さんから、最新のご著書『台鐵花車百年史』をお送りいただきました。洪さんは現在、国立台湾師範大学地理学系教授をお務めで、これまでにも数多くの鉄道史関連の書籍を執筆されていますが、今回の新刊はその中でも二十年来構想を温めてきた渾身の一作だそうで、その完成度の高さは特筆に値します。

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▲1904(明治37)年に鉄道部台北工場で製造された特別車1号(トク1)の竣工時の姿。台車は松葉スポークの台鉄形式TR10/TR11を履いており、日本時代は御料車と同様のため色に塗装されていたという。 (『台鐵花車百年史』より)

表題にある「花車」とはわが国では聞き慣れない言葉ですが、総統が乗るための特別車輌で、わが国で言えば御料車に当たります。もともとは日本統治時代の皇族用車輌に端を発し、機関車や客車が美しい花々によって飾りつけられていたことから「花車」と称されるようになったといいます。もちろんその性格上、一般の目に触れることはなく、従来この「花車」が体系的に語られ、その実像が詳らかにされることはありませんでした。

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▲十年ほど前、南港調車場の花車専用車庫に保管されていた当時のSA4102号(トク1)。'04.2 P:洪 致文 (『台鐵花車百年史』より)

洪さんは台鉄に残されている一次資料はもとより、わが国の御料車関連の資料を含めて悉皆調査を行われ、初出の写真・資料を多数盛り込んで本書を完成されました。写真と形式図を含めた図版の収録点数は実に500点余り、台湾のというよりも、日本の鉄道史の一翼としてもたいへん意義深い一冊となっています。

20141107193438-415721523d6919a3b0d5427a72c6bd8a9c9ea023.jpg現在台鉄には3輌の「花車」が残されており、そのうちの2輌は日本時代からのものです。1輌は御料車を参考に1904(明治37)年鉄道部台北工場で製造されたトク1(現SA4102)、もう1輌は1913(大正2)年同工場製のトク2(現SA4101)で、戦前、日本の皇族が訪台した際や、台湾総督や民政長官が島内を視察する際に使用された由緒ある車輌です。洪さんはこの2輌について内装を含めて徹底的な現車調査を行われ、本書にはその成果が多数の写真・図版とともに収録されています。
▲SA4102号(トク1)の側面に残る「貴賓門」と呼ばれる専用扉の痕跡。'04.2 P:洪 致文 (『台鐵花車百年史』より)

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▲SA4102号(トク1)車内もつぶさに紹介されている。同車の車内は一位側車端からこの供進室、次室(食堂)、主室、臥室(次室)、洗面所・便所で構成されている。なお、側面図などの図版も洪さん作図によるもの。 (『台鐵花車百年史』より)

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▲もう1輌の「花車」、1913(大正2)年製のSA4101(トク2)。車輌中央部に首座が設けられており側窓も大きいのがわかる。'04.2 P:洪 致文 (『台鐵花車百年史』より)

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▲SA4101(トク2)に残る「貴賓門」。円形の化粧窓は便洗室のもの(左)。右は表紙にもなっている次室のソファーで、側窓上部の明かり取り窓がステンドグラスのように装飾されているのがわかる。'04.2 P:洪 致文 (『台鐵花車百年史』より)

また、清国時代の貴賓車から、日本時代の台湾におけるお召列車、戦後の総統専用列車にいたるまでの運転史についても詳述されており、さらには台東線や阿里山森林鉄道、羅東森林鉄道の貴賓車にまで言及しておられます。わが国のお召列車、御料車に関する名著、星山一男さんの『お召列車百年』(1973年)と対をなす好著と言えましょう。
なお、日本での販売問い合わせはskytrain001@gmail.comまで。

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▲2017年秋にオープンする予定の鉄道博物館新館。地上5階、延床面積は約8,500㎡、展示面積は約4,800㎡で、この新館オープンによって展示面積は現在の1.5倍に増加する。 (JR東日本プレスリリースより)
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2017年10月に開館10周年を迎える鉄道博物館が、JR東日本設立30周年を記念して新館を建設、あわせて現在の本館も大幅にリニューアルされることとなりました。

20141107152903-b304ee073833d5f21686b77d95a4cf1115281b4a.jpg新館は現在の本館の南側、大宮総合車両センター側に建設される地上5階建て。中央部には各階を貫く吹き抜け構造を用いて空調負荷を低減するなど、随所に環境負荷低減システムが採用されているのが特筆されます。新館各階には、鉄道の「仕事」「歴史」「未来」「旅」の4つをテーマとした展示ゾーン(ステーション)が設けられ、既存の本館にもリニューアルによって「車両」「科学」をテーマとしたステーションが誕生します。これら合計6つのステーションを周遊することによって、鉄道の世界をより広く知ることができるようになります。
▲本館と新たに建設される新館との位置関係。 (JR東日本プレスリリースより)
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▲本館を含むリニューアル後のフロアプラン。現在のヒストリーゾーンも「車両」のステーションとして、最新のICT技術を活用するなどして大幅なリニューアルが図られる。 (JR東日本プレスリリースより)
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新館1階の「仕事」のステーションは現在の鉄道をテーマとし、鉄道を支える仕事に挑戦して、プロフェッショナルになりきる「体験型ミュージアム」で、先端のテクノロジーを集結したE5系新幹線と日本初の新在直通運転を可能にした400系新幹線を展示、あわせて大迫力の高精細パノラマ画面を採用したE5系新幹線シミュレータが新設されます。

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▲新館1階に設けられる「仕事」のステーションの完成イメージ。E5系シミュレータも導入される。 (JR東日本プレスリリースより)
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▲新館3階「歴史」のステーションの完成イメージ。記録映像も用いた新たな歴史展示ゾーンとなる。 (JR東日本プレスリリースより)
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▲新館2階の「未来」のステーション。自らが作成したアバタ―が未来の鉄道の世界が広がる大型映像ジオラマに入り込むことができる。 (JR東日本プレスリリースより)
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▲新館4階は「旅」のステーション。プロジェクターで投影された「列車」に乗って、さまざまな鉄道の旅を疑似体験できる。 (JR東日本プレスリリースより)
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新館3階の「歴史」のステーションは過去の鉄道をテーマとし、歴史の中にタイムスリップし、時代が求めた鉄道の姿やそれを支えた人々の熱意を解き明かす「発見型ミュージアム」と位置付けられ、歴史を6つの時代(明治前期、明治後期~大正、昭和前期、昭和中期、昭和後期、平成)に区分し、それぞれの時代を当時の人々の視点で体験できる、新しい歴史展示ゾーンとなります。

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▲リニューアル後の「車両」ステーションのイメージ(左)。本館の2階3階北端には科学の目線で鉄道を見る「科学」のステーション(右)が設けられる。 (JR東日本プレスリリースより)
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本館では現在の「ヒストリーゾーン」を「車両」のステーションとしてリニューアルし、"時代が生んだ車両たちの記憶を辿り、技術の粋を集めいきいきと躍動する当時の姿を肌で感じる「体感型ミュージアム」"に生まれ変わります。静態保存車輌ながら、その躍動感や迫力を、大型映像・音・照明などによる演出で再現、さらに最新のICTを活用して、車輌が活躍していた時代の姿が再現されます。

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▲本館1階の現在の「ラーニングゾーン」はキッズ&カフェテリアスペースにリニューアルされる。 (JR東日本プレスリリースより)
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そのほかエントランスにミュージアムコンシェルジュを新設し、体験展示や解説ツアーの案内を一括して行うほか、案内サインを一新するとともに、デジタルコンテンツ等も活用しながら、日本語・英語・中国語・韓国語をはじめ、タイ語・フランス語・インドネシア語などの多言語に対応した案内・解説が行われるようになります。さらに模型鉄道ジオラマについても開館以来初となる全面リニューアルが図られ、観客席との間のガラスの仕切りが撤去されてより一層臨場感が高められます。

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▲整備された扇形庫に並んだ保存車輌たち。左からDD15 30、DE50 1、DD51 1187、キハ33 1001、キハ52 115、キハ28 2329、キハ58 563、そしてキハ181 12。'14.11.2
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黄福柵原駅の「開業」など、片上鉄道保存会の活動をつぶさに見せていただいたのち、午後からは貸切バスで津山駅へと移動、西日本旅客鉄道(JR西日本)岡山支社が「みまさか鉄道遺産」としてその利活用に取り組んでいる旧津山扇形機関車庫を拝見いたしました。

20141105155107-df8993378fa3238d8ad647fb8cc534ade80848ec.jpg津山の鉄道の歴史は1898(明治31)年の中国鉄道開業に始まりますが、旧津山扇形機関車庫が完成したのは官設鉄道となったのちの1936(昭和11)年。旧鉄道省が1932(昭和7)年に定めた「扇形機関車庫設計標準図」(甲・乙・丙の3種)のうち丙に該当するとされ、奥行き22.1m、17線構造となっていました。現在では6線分は線路が撤去されていますが、背面のガラス窓など往年の構造を今なおよく留めています。
▲6線分は庫内の線路が撤去されているものの、17線構造の扇形庫は現存するものとしては重要文化財ともなっている梅小路運転区に次ぐ大きさ。手前に貨車移動機とアントが見えるが、貨車移動機も立派な保存対象の1輌。'14.11.2
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▲1930(昭和5)年に設置されたという60ft(約18.24m)下路プレートガーダー式の転車台。1931(大正6)年に標準設計された「G2-1」形で、手前の二輪式転車台電動牽引機は1954(昭和29)年福島製作所製の二代目。'14.11.2
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管理するJR西日本岡山支社によると、かつては全国各地で見られた扇形庫も、現存するのはわずか8か所(手宮、会津若松、遠江二俣、梅小路、津山、米子、宇和島、豊後森)。その中で津山の扇形庫は規模的にも梅小路に次ぐ大きさだそうです。

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▲顔を揃えた国鉄時代を象徴する特急型・急行型気動車たち。「やくも」のヘッドマークを掲げるのはキハ181 12、隣は4年ほど前まで「みまさかスローライフ列車」で活躍していたキハ58 563とキハ28 2239(右から)。'14.11.2
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▲津山扇形庫の白眉DE50 1とDD51 1187。DE50は再塗装されて綺麗な姿となっており、右のようにその魅力をアピールするポスターも掲出されている。'14.11.2
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現在収蔵されている車輌は貨車移動機(F形)を含めて9輌。何と言っても注目なのはわずか1輌のみで終わったDE50形でしょう。DE50形は山岳亜幹線での重量貨物列車牽引を目的に1970(昭和45)年に日立製作所で製造された機関車で、国鉄最強のV型16気筒2,000ps/1,500rpmのDMP81Z形ディーゼルエンジンを1位側に搭載、90番代、900番代の形式・番号でないことからも察せられるように、DD54形などと代わって非電化亜幹線の主力形式となるべく誕生したものでした。1号機はまさにその量産試作機でしたが、性能確認試験と前後してオイルショックに見舞われたこともあって量産計画そのものが白紙に戻ってしまい、結局、その後はDD51形の増備が続くこととなってしまいます。本機も1973(昭和48)年から岡山機関区に配置されて伯備線で使用されたものの、同線の電化もあって1986(昭和61)年に廃車、2002(平成14)年からこの津山の扇形庫で保管されていたものです。

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▲扇形庫北東側には「懐かしの鉄道展示室」が設けられており、扇形庫公開日にはこちらも一般公開される。蒸気機関車時代の貴重な資料も少なくなく、思わず見入ってしまうはず。'14.11.2
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この津山の扇形庫は1972(昭和47)年の無煙化以降は気動車検修用の1線が使われるのみとなって荒廃の度を深めていましたが、2007(平成19)年の岡山デスティネーションキャンペーンにあわせて整備され、2009(平成21)年には経済産業省の「近代化鉄道遺産」にも指定、近年では年間70日程度一般公開されています。また、隣には鉄筋コンクリートブロック造2階建ての「懐かしの鉄道展示室」も併設されており、700点あまりの資料が保存・展示されています。直近では今週、来週の土日にも一般公開(要予約・無料)が予定されているそうです。→こちら

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▲扇形庫前に集合した日本鉄道保存協会総会参加者の皆さん。あわただしい視察日程ではあったが、それぞれに実り多い収穫を胸に全国へと帰路についた。ちなみに来年度の総会は国際会議と合わせて東京で開催される予定。'14.11.2
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1日(土曜日)午後からの総会→交流会、そして翌2日(日曜日)の片上鉄道と津山扇形庫の見学と急ぎ足での行程となりましたが、全国各地から集った皆さんにとって得ることの多い密度の高い二日間となったのではないでしょうか。日本鉄道保存協会は今総会でも新たに2団体(栗原市=くりはら田園鉄道、西条市=鉄道歴史パークin SAIJO)の加盟が承認され、ますますその重要性を増してゆくはずです。

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▲来賓や日本鉄道保存協会会員らを乗せ、黄福柵原駅11:00発の最初の"営業列車"が吉ヶ原駅構内に滑り込む。まさに片上鉄道が復活したかのようなシーン。'14.11.2
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線路の締結式、黄福柵原(こうふくやなはら)駅の落成式ののち、お客さんを乗せた最初の列車(気123レ)が拍手の中を発車、新設軌道約160mを踏みしめて吉ヶ原駅へと向かいました。

20141105122704-e7c4837106ea83637e15f5c12dc904c16e613915.jpgところでこの黄福柵原駅、木造平屋48㎡のたいへん立派なもので、昨年10月に着工、なんと総事業費は1億6千万円だそうですから、地元美咲町がこの保存鉄道に賭ける意気込みが知れます。ちなみに線路延伸工事は総工費約400万円。これは片上鉄道保存会の会費や公開運転日の"営業収入"を充当するそうですから、こちらも頭が下がります。

→その名のとおりシンボルカラーの黄色を随所に使った黄福柵原駅駅舎。三角屋根の外観は十年前に解体された旧柵原駅の意匠を踏襲している。屋根は柵原鉱山で産出された硫化鉄鉱を原料として中国地方の建物に多用されてきた弁柄色に塗られている。'14.11.2
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▲通票閉塞器、いわゆる"お稲荷さん"も設置されている。もちろんダミーではなく信号と連動して実際の保安設備として機能しており、"タマ"を取り出してキャリアーに入れる作業も見ることができる。'14.11.2
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▲吉ヶ原駅を発車する2番列車。この踏切警報機はいわゆる鐘撞式で、カンカンと懐かしい音を響かせていた。'14.11.2
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▲吉ヶ原方から見た黄福柵原駅構内(左)。右の側線はまだ建設途上。ホーム上には保管されていたかつての柵原駅の駅名標も復活(右)。'14.11.2
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▲黄福柵原駅改札口上に掲げられた時刻表と運賃表(左)。「H3.4.1改正」とある。右はキハ702の運転台。もとをたどれば1936(昭和11)年日車製のキハ42014(キハ07 5)である。'14.11.2
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▲キハ702の乗り心地を堪能する参加者の皆さん。喜寿を迎えた気動車を実体験できるのも片上ならでは。'14.11.2
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新設された黄福柵原駅には通票閉塞機も設けられ、吉ヶ原駅との間で閉塞取扱いが行われます。「チンチン」「ボンボン」という懐かしい電鈴の音や、タブレットキャリアの受け渡しは決してパフォーマンスではなく、実際に保安設備として機能しており、ゲストとして参加されたベルギー旧国営トラム保存協会(ASVi)の皆さんもしきりにシャッターを切っておられました。

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▲吉ヶ原駅舎も登録有形文化財となっている。現役当時のままの待合室にはささやかな関連グッズ売り場がある。この日は保存会メンバーが改札鋏を手にラッチに立っていた。'14.11.2
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20141105123324-e9461da5bac72ca37bd3f27932caf4c52a9c0c6f.jpg今回"開業"した黄福柵原駅と吉ヶ原駅の間は約400m。わずか400mという見方もできるでしょうが、実際に乗車してみると、何十年も前に消え去ってしまったはずの非電化地方鉄道の"システム"が見事に再現されていて、実に密度の高い400mであることに気づかされます。吉ヶ原駅がある柵原ふれあい鉱山公園には鉱山資料館も併設されており、公開運転日にはたっぷりと一日堪能できるはずです。公開運転日は原則として毎月第一日曜日。年内は12月7日(日)に予定されていますが、11月23日(日)の美咲町産業祭でも特別運転が計画されているそうですので、片上鉄道保存会HP(→こちら)でご確認のうえ、足を運んでみられてはいかがでしょうか。
▲二代目駅長猫として"勤務"している「ホトフ」ちゃん。下津井ゆかりということで下津井電鉄のホトフにあやかってのネーミング。'14.11.2
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▲踏み板を上げられた構内踏切を渡る"乗客"の皆さん。現役時代そのままの光景が繰り広げられていた。'14.11.2
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▲片上港からの潮風に吹かれながらも今もって残る片上鉄道0キロポスト。'14.11.1
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先週末の11月1日(土曜日)~2日(日曜日)、日本鉄道保存協会の2014年度総会が岡山県久米郡美咲町の美咲町柵原総合文化センターで開催され、北は丸瀬布いこいの森を運営する北海道遠軽町やふるさと銀河線りくべつ鉄道の北海道陸別町、南は九州旅客鉄道株式会社(JR九州)や北九州線車両保存会まで、全国各地の鉄道保存に関わる皆さん70名ほどが一堂に会しました。

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▲美咲町柵原総合文化センターでの日本鉄道保存協会2014年度総会で開会挨拶をされる公益財団法人交通協力会の菅 建彦会長。'14.11.1
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毎年加盟団体の持ち回りで行われる総会ですが、今年の開催地団体は会場の"柵原総合文化センター"の名称からもおわかりのように、片上鉄道保存会が積極的な活動を続ける旧片上鉄道の柵原地区。翌日曜日の現地見学会では、かねてより準備が進められていた動態保存線の延伸と、"新駅"の開業セレモニーに参加するというスペシャルプログラムも組み込まれていました。

20141104154149-04fa5e901f05749ff5e8f33d7c6e34d59ff74c5a.jpg総会は代表幹事団体の公益財団法人交通協力会の菅 建彦会長の開会挨拶のあと、開催地報告として片上鉄道保存会浮田信明副代表と美咲町役場柵原支所産業建設課の大釜実行課長補佐によって片上鉄道保存の歩みと課題が報告されました。また、翌日の見学会が予定されている西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)岡山支社からは、広報担当の信江 悟さんが津山駅構内に残る扇形機関車庫の意義と今後の利活用について報告をされました。
▲今年も総会の司会進行は私が務めさせていただいた。'14.11.1
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▲通常は知ることのできないリアルな数値を交えた事例報告(遠軽町)の数々に聞き入る参加者の皆さん(左)。右は特別報告でベルギーの保存活動についてプレゼンされるベルギー旧国営トラム保存協会(ASVi)のエリック・ビナメさん。'14.11.1
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今年の事例報告は4件。北海道遠軽町丸瀬布支所からは小山信芳産業課観光係長が森林公園いこいの森で運行している「雨宮21号」などをいかに維持し、しかも収支的に成り立たせているかを具体的な数値を示してご説明下さいました。続く小坂鉄道保存会の千葉裕之会長はグランドオープンしたばかりの小坂鉄道レールパークについて、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)リニア・鉄道館の吉澤正克副長からは開業50周年を迎えた東海道新幹線とその記念イベントの取り組みについて、西条市観光交流センターの佐竹 浩副館長からはこの7月に南館がオープンして注目を浴びる四国鉄道文化館の現状について、それぞれ興味深い報告をお聞かせいただきました。

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▲ベルギー旧国営トラム保存協会(ASVi)からはエリック・ビナメさん(左から二人目)ら4名が来日。左端は鉄道博物館の荒木文宏館長代理。'14.11.1
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そして今年はもう一件、会員のデハ3499保存会のゲストとして来日されているベルギー旧国営トラム保存協会(ASVi)のエリック・ビナメ(Eric Biname)さんから、ベルギーにおける保存鉄道運営についての特別報告をいただきました。わが国の保存鉄道とはまったく異なった環境にありながら、資金や技術の継承など直面する問題は洋の東西を問わず、参加者の皆さんにとってもたいへん有意義な講演となったようです。

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▲「開業」を待つ黄福柵原駅駅舎。一般営業鉄道顔負けの見事な駅舎が完成した。'14.11.2
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さて、翌日はいよいよ片上鉄道保存会の動態保存線延伸と新駅の落成式です。懸念された天候も時折薄日が差すほどに回復し、とても保存鉄道の"新駅"とは思えない立派な駅舎がその時を待っていました。

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▲黄福柵原駅落成式で挨拶される美咲町の定本一友町長(左)。右はエッチングで作られた立派な駅名標。'14.11.2
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20141104154550-3869ea911f0e9163708e5a246d70598b87c4eaff.jpg午前10時に美咲町町長の挨拶でオープニングセレモニーが始まり、続いて金のスパイクとペーシー(もちろん通常品に金色のスプレーを吹いたもの...)を用いての「締結式」が行われました。締結式には日本鉄道保存協会を代表して交通協力会の菅会長も参加。総会参加者をはじめとした多くの人びとの掛け声とともに線路が結ばれました。注目の新駅の名称は「黄福柵原」。"たまごかけごはん"で知られる美咲町のシンボルカラーで、幸せを招くとされる黄色と幸福をかけたネーミングだそうで、この延伸(約160m)により吉ケ原駅(32K690M)~黄福柵原駅(33K091.25M)が結ばれ、一駅間が保存鉄道として機能するかたちとなりました。
▲来賓を交えて線路締結式が行われた。右手前は日本鉄道保存協会を代表して締結作業をされる交通協力会の菅会長。'14.11.2
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▲「使用休止」となっていた踏切表示も23年ぶりに「踏切注意」へと替えられた。'14.11.2
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驚くべきは信号の連動など保安設備も現役時代そのままに復活を遂げている点で、バラストも真新しい新設軌道の立派さとともに、その拘りの見事さには全国から集った保存鉄道関係者の皆さんもしきりに見入っておられました。

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▲小旗を振る多くの人々に見守られながらキハ702+キハ303の一番列車が黄福柵原駅に到着。'14.11.2
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