鉄道ホビダス

2014年10月 8日アーカイブ

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▲瀬戸蔵ミュージアムといえば、モ754のカットボディと尾張瀬戸駅旧駅舎の再現でも有名。この懐かしい駅舎の前にある展示室で「せとでん展」」が開催された。P:山田 司
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愛知県瀬戸市の瀬戸蔵ミュージアムで、去る8月2日(土)から9月28日(日)の間、「せとでん展~赤い電車の軌跡~」が開催されました。本来であれば会期中にご紹介できればよかったのですが、山田 司さんからお送りいただいたレポートでこの企画展を振り返ってみたいと思います。

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▲展示室内の様子。「赤い電車」各系列の解説とともに、赤い電車に関わるさまざまなエポック、知られざる資料も紹介されていた。P:山田 司
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141008n3.jpg名鉄瀬戸線といえば、名鉄路線網中全く他線との接続がない唯一の存在であり、戦前、戦後~現在に至るまで、独自の歴史を歩んできた感があります。そのため、かつて「青電」と呼ばれた名鉄の戦前形一般車が濃緑色を標準としていたのに対し、瀬戸線ではむしろ原色に近い色相の緑色をまとうなどの差異も見られ、揖斐・谷汲線とともに地方私鉄的小型・中型車たちの終の棲家となっていました(RMライブラリー『名鉄瀬戸線 -お堀電車廃止からの日々-』参照→こちら)。
▲瀬戸線に初めて登場した「赤い電車」には逆富士形系統板やパノラマカーと同じミュージックホーンも装備され、車内にはもちろん転換クロスシートを備えた。P:山田 司
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▲6000系引退までは、瀬戸線では沿線催事の絵入り系統板やヘッドマークを頻繁に掲出し、ファンの注目を集めてきた。P:山田 司
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141008n5.jpgしかし、本格的なマイカー時代を迎えた1966(昭和41)年、瀬戸線のテコ入れ策としての特急運転が始まり、この大役を担ったのが、モ900形(旧知多電デハ910形)とク2300形(旧愛電電7形)で、まだ本線にもパノラマカー7000系、7500系以外にスカーレットの車体は存在しない時代、この戦前形コンビはスカーレットをまとい、パノラマカー譲りの逆富士形系統板やミュージックホーンまでも与えられました。
▲昭和50年代頃の硬券や軟券は今見ると実に味わい深い。瀬戸線では券売機が導入されてからも、乗車券の窓口販売は普通に行われていた。P:山田 司
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▲名古屋鉄道模型クラブ会員 足立健一氏製作のペーパー製6600系(左)。昭和50年代の作とのことであるが、いまだ歪みも見られず、先頭部の再現も秀逸。足立氏はこのほか、真鍮製フルスクラッチのOJゲージ6750系4連も提供し人気を呼んだ。右は瀬戸鉄道倶楽部が、「瀬戸線90周年展」(1995年/瀬戸市歴史民俗資料館)に際して製作した集合レイアウトでいまだ健在。P:山田 司
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これが瀬戸線の赤い電車のルーツとなったのですが、それから48年経った今年4月、今度は本線系に先駆けて瀬戸線から赤い電車が一掃されることとなり、18編成72輌全車がステンレスシルバーの4000系に統一されました。以前の、車輌近代化が本線系より後手に回っていた瀬戸線が、名鉄の中でもいっきに最先端に躍り出るという画期的な現象が起こった反面、6600系や6000系の、ふくよかなスタイルにスカーレットの塗色を持つ「赤い電車」こそが瀬戸線らしかった、と惜しむ利用者の声が予想外に多く上がりました。

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▲同時開催の「水野ア一(みずのあいち)せとでん版画展」。水野氏が瀬戸線を題材に制作を続けてきた版画やスケッチ画も見ごたえ充分であった。P:山田 司
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▲昭和30年代から瀬戸線沿線のスケッチを続けてきた水野ア一氏ならではの観察眼と温かみの感じられる作品は、瀬戸線の記念乗車券などにも採用されるほど(左)。会場内には、版画展を開催している水野ア一氏制作による特製スタンプが置かれ、見学者にとって、ちょっと素敵な記念となった(右)。P:山田 司
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瀬戸蔵ミュージアムでは、そういった沿線利用者の「赤い電車」惜別の声に応え、瀬戸線半世紀の歴史を積み上げてきたスカーレットの車輌全系列を紹介し、その記憶を辿る企画展を催したものです。同ミュージアム担当者の話では、「せとでん」をテーマとした企画展は例外なく入りがよい傾向が見られるそうですが、今回はレイルファンよりも沿線利用者と思われる入館者が懐かしげに展示を眺める光景が特に多く多く見られた、とのことで、「赤い電車」がいかに半世紀にわたって瀬戸線沿線で親しまれてきたかが窺える企画展となりました。

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