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生まれ変わる土佐電気鉄道を訪ねて。(下)

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▲伊野線は鏡川橋から先、終点の伊野までが単線区間となる。伝統の菱形の行先表示板「いの」を掲げてJR伊野駅前をゆく624号。'14.7.24 鳴谷-伊野駅前
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土佐電気鉄道(10月1日からは「とさでん交通」)の魅力のひとつに、伊野線(はりまや橋~伊野間11.2㎞)の単線区間があります。かつては各地で見られた"路面"の単線区間ですが、現在では専用軌道ではなく路面で単線となっている例は意外と少なく、この伊野線の鏡川橋~伊野間はその意味でもたいへん貴重だと言えます。

140902n007.jpg伊野駅を訪れるのは実に7年ぶりで、その間に駅舎が建て替えられて大きく雰囲気が変わっていました(アーカイブ「土佐電伊野界隈」参照→こちら)。ことに伊野車庫があった北側へ分岐する車庫線は接続が絶たれてしまっており、駐泊もあった頃と比べると多少ならず面白味は薄れてしまったといえるかもしれません。それでも路面を単線でゆらゆらと走ってくる姿は得難い魅力で、路面電車ファンならずとも一度は目にしておきたい光景です。
▲終点の伊野で折り返す文殊通行き。以前訪れた時と比べると、駅舎も新築されて雰囲気は大きく変わった。'14.7.24 伊野
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▲市場前(信)で対向列車と交換して鏡川橋梁へと駆け上がる631号。この歩道橋から見下ろすとまるで模型のレイアウトを見ているような錯覚にとらわれる。'14.7.25 鴨部-鏡川橋
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鏡川橋梁を渡って鴨部から朝倉(高知大学前)までの路面区間もなかなか魅力的です。鴨部-曙町東町間には市場前信号所があり、路面で交換する上下列車の姿を目にすることができます。伊野線単線区間にはほかに宇治団地前-八代通間の八代通信号所がありますが、こちらは道路脇の専用軌道での交換設備で、路面の信号所はここ市場前(信)だけです。

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▲電停ではなく路面に設けられた交換設備、市場前信号所で交換する上下列車。画面前方を大きく左にカーブをきると鏡川橋梁へと至る。'14.7.25 市場前(信)
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▲市場前信号所の表記類。かつては客扱いをしていたそうだが、現在では乗降はできず、「停留所ではありません」の注意書き(右)も見られる。'14.7.25 市場前(信)
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そして伊野線随一の見せ場とも言えるのが朝倉停留場での交換です。朝倉から先、終点の伊野までは昔ながらの通票式のままで、特殊自動閉塞区間を走ってきた列車はここ朝倉でタブレットを受け取って終点の伊野へと向かいます。残念ながら朝倉~伊野間は列車本数が減少するため、すべての列車で通票の受け渡しが見られるわけではありませんが、今となっては実に貴重なシーンです。ちなみに先述の八代通信号所は通票区間内にあるため、上下列車での2つのタブレットの交換シーンを目にすることができます。

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▲高知大学前の副駅名を持つ朝倉は特殊自動閉塞式から通票式への切り替えポイントとしても名高い。商店の軒を借りるようにささやかな待合室がある。'14.7.25 朝倉
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▲朝倉電停でタブレットを受け渡す上下列車。通票区間はここから伊野までのため、タブレットは交換するのではなく伊野方へ向かうひとつだけ。'14.7.25 朝倉
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帰京後、相次ぐ高知豪雨のニュース映像には立ちすくむ思いでした。あの伊野駅付近の路面はほとんど水没し、訪れた時には涼やかな水辺の風景を醸し出していた鏡川は激流と化していました。現在では運転も平常に戻っているとのことですが、今回豪雨災害に見舞われた地域の皆さんに、一日も早く平穏な日常が戻ってくることを願わずにはいられません。

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