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里帰りした「名電1号形」。

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▲美しく整備されて展示された「名電1号形」。外装は札幌譲渡時の塗装に戻された。なお、復元にあたっては、服部重敬さんや名古屋レール・アーカイブスの皆さんが資料提供などの協力をしたという。'14.6.27 P:服部重敬
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名古屋鉄道の創業120周年と明治村開村50周年を記念して、札幌市交通資料館に保存されていたもと札幌市電10形22号が博物館明治村に運ばれ、先週の土曜日(6月28日)から公開されています。一般公開前日の内覧会に招待された服部重敬さんからレポートを頂戴しましたのでご紹介いたしましょう。

140701n010.jpgこの「名電1号形」は、名古屋鉄道の前身で名古屋市内で路面電車を運行していた名古屋電気鉄道が開業時の1898(明治31)年から1906(明治39)年にかけて37輌製造した側面7枚窓(通称7つ窓)の車輌で、1918(大正7)年8月の札幌市における路面電車開業にあわせて24輌が譲渡された内の1輌です。このたび、名古屋鉄道の創業120周年(本年6月25日)と明治村開村50周年(来年3月18日)という節目の年を記念して札幌市から借り受け、2020年3月までの展示が予定されています。
▲展示期間が5年以上と長期にわたるため、専用の展示建物も建設された。'14.6.27 P:服部重敬
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▲公開記念式典では、名古屋鉄道山本社長ほか5名でテープカットを行い、その後、車体を覆っていたカバーが外されて車体が公開された。'14.6.27 P:服部重敬
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札幌市では22号(29号から昭和35年に改番)として1977(昭和52)年まで稼働状態で保存され、その後は地下鉄自衛隊前の高架下にある札幌市交通資料館にて保存されてきました。

140701n009.jpg「名電1号形」は、元々は当時の一般的な路面電車のスタイルである前面窓無し、2段腰板の車体でしたが、札幌への譲渡にあたり、名古屋市港区にあった名古屋電車製作所にて、当時近代化のため改造中であった38号形(1号形の後継車で、側窓を8枚として大型化、市営化後のSSA車)に似せて、前面窓の取り付け、腰板の1段化の改造を行っています。なお、今回展示されるのは、札幌に譲渡のため改造された後の姿であり、このスタイルで名古屋の街を走っていたわけではありませんので、その点は注意が必要です。
▲客室内も美しく整備されている。'14.6.27 P:服部重敬
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▲制御器は本来はGEのR11のはずだが、ウエスチングハウス製に交換されている。'14.6.27 P:服部重敬
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▲名古屋時代から承継されてきたペックハム7B台車(左)。改修整備によってペックハム台車の刻印も見やすくなった。右はトロリーポールで、バネ後曳きのポールスタンドも名古屋時代からものと思われる。'14.6.27 P:服部重敬
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札幌時代の塗装はオレンジ色でしたが、今回の展示に際して塗装は札幌譲渡時の塗装であるとともに、改造にあたってモデルとなったSSA車の塗装でもある茶色となりました。

140701n002.jpg展示にあたって着目すべきは、この車輌の外観が明治に走ったものかどうかということではなく、過去の名古屋の街の発展は路面電車が核となっており、また、現在、名古屋市がリニア中央新幹線開業を見据えて新たな路面公共交通の整備を含む交通まちづくりに取り組もうとしている時期に、こうした展示が行われたことではないか、と思っています。 まさに、歴史の巡り合わせと言っても言い過ぎとはいえないのではないでしょうか。名古屋市電の由緒ある車輌が、名古屋鉄道あるいは明治村の記念すべき周年の年にわざわざ名古屋まで輸送して展示されるのは非常に意義深いことかと思います。
▲重要文化財の「三重県庁舎」で行われている特別企画「展く名古屋×拓く札幌」展。'14.6.27 P:服部重敬
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▲特別企画「展く(ひらく)名古屋×拓く(ひらく)札幌」展の展示室。'14.6.27 P:服部重敬
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服部さんありがとうございました。なお、この「名電1号形」の展示にあわせて、村内の「三重県庁舎」で名電1号形里帰り特別企画「展く(ひらく)名古屋×拓く(ひらく)札幌」展として、名古屋電気鉄道開業時の名古屋の地図や産業、普段は名古屋市交通局藤が丘工場内にある名電1号形やSSA形の模型の展示、市電開業時の札幌の様子などを展示した展覧会が開催されているそうです。また、7月6日(日曜日)には「名古屋の電気鉄道創世記」として服部重敬さんの講演「名古屋の電車創世記-名電1号形の里帰りによせて」も予定されています(詳しくは→こちら)。

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▲通常は名古屋市交通局藤が丘工場内にある名電1号形の模型も展示されている。'14.6.27 P:服部重敬
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