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高野陽一写真展「SOUL TRAIN'S -上州の空の下で-」を見る。

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▲富士フイルムフォトサロン東京は地下鉄六本木駅直結の東京ミッドタウンにある。
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『国鉄時代』最新号でも誌上プレビューをお伝えしている高野陽一さんの写真展「SOUL TRAIN'S -上州の空の下で-」が今日から始まりました。場所は東京・六本木の富士フイルムフォトサロン東京。ご本人も会場におられるとのことで、さっそく拝見してまいりました。

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▲「どんど焼きの朝」。この作品の背景にも高野さんならではの交渉術がある。
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テーマはその名のとおり上越線、信越本線を走る動態保存蒸気機関車たち。1969(昭和44)年12月に八高線拝島駅で"産湯に浸かり"コニカC35で高崎一区のD51 745号機(現在は水上駅転車台広場で静態保存中)を捉えたのを原点とする高野さんですが、古くからの本誌読者の皆さんにとっては連載"World Steam Report"での数々の海外蒸機の作品...出区を待つWP形の前で給水スポートの漏水で沐浴するサドゥー...等々がまず思い浮かぶのではないでしょうか。

140328n008.jpgインドやパキスタンなど入境することさえ困難な地で捉えた現役蒸機の生の姿は、その独特の語り口とともに数々の記憶に残る記事を生み出しました。そんなベースを脳裏に今回の作品群を目にすると、戸惑いの感を拭い去れないのが正直なところでした。『国鉄時代』の誌上プレビューでもその根底にある思いまでは言及されておられず、ややもすると"宗旨替えしたか"と誤解を招きかねないところです。しかし、今日はご本人からこの作品に託された真意とも言える部分をうかがい、なにやら清々しい気分で会場を後にしました。
▲お気に入りのバンジージャンプの写真の前に立つ高野陽一さん。会期は4月3日(木曜日)まで。なお、この土日は会場に詰めておられるそうなので、作品の背景を直接うかがうこともできるはずだ。
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▲「蝉しぐれの沼田街道」。さりげない光景ながらこれも交渉術が実を結んだ"やらせ"。ポイントとなっている「氷旗」は何と百円ショップで買ったものとのこと。
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というのは、今回の作品の多くが"やらせ"であることを包み隠さず、いやむしろ新たな手法として提起されているからです。どんど焼きを前に並ぶ学童、だるま屋さんの庭先、農家の窓辺で汽車を眺める麦わら帽子(実は本人)、果てはバンジージャンプの瞬間まで、実はすべてが計算されつくした"やらせ"なのです。しかしこの"やらせ"の背景には幾多の海外撮影で会得した高野さんならではの交渉術があり、余人が真似しようにもとてもかなわない深さが潜んでいるのです。

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▲会場入口にはあの6788列車(本線蒸機最後の夕張線列車)のパネルにお仲間の寄せ書きが...。
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あれほど情熱を注いだ海外の現役蒸機が姿を消し、ご結婚とともに自身の生活スタイルも変わっていったなかで、高野さんは産湯の八高線に原点回帰しようとしているのです。そして自分が思い描いた「絵」を、それを取り巻く人びととの交渉まで含めて新たな楽しみとする...これはもう一朝一夕ではなしえない壮大な"やらせ"写真展だと言えましょう。

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あえて誤解を恐れずに言えば、この写真展は百戦錬磨の高野さんがたどりついた"居直りの境地"とでも称せましょうか。奥様と一緒に上州をゆったりと撮り歩く高野さん、遠洋漁業まで経験しながら、いま、へらぶな釣りに戻ってきたのでしょう。

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