鉄道ホビダス

2014年3月19日アーカイブ

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▲下夕張森林鉄道夕張岳線「1号橋」=三弦橋に続いて、二号、三号橋が見える。'14.3.12 P:伊藤保則
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東京では昨日(18日)、春一番が吹きましたが、しばらく"冬眠"状態だった北海道の保存団体の皆さんも新たな動きを開始されたようで、まずは三菱大夕張鉄道保存会の奥山道紀会長から、ついに試験たん水が始まった旧下夕張森林鉄道夕張岳線の「三弦橋」(アーカイブ「三弦橋の保存・活用を申し入れ」参照→こちら)のレポートを頂戴しましたのでご紹介いたしましょう。

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▲氷結した湖面から見上げた三弦橋の勇姿。'05.3 P:谷口浩章
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かつて、清水沢から三菱鉱業大夕張鉄道の列車に揺られること約30分、南大夕張駅を過ぎ青葉隧道を抜けると風景が一変します。大夕張ダムによるシューパロ湖と、湖面に優雅な姿を映す森林鉄道の「三弦橋」です。紀行作家の宮脇俊三氏は「その両方がある時に訪れたかった」(『日本探見二泊三日』JTBパブリッシング/1991年)と記していますが、また夕張の風景がひとつ消滅しようとしているのです。

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▲現役当時の三弦橋。1963年頃 P:三菱大夕張鉄道保存会
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建設が進んでいたシューパロダムの試験たん水が、3月4日から開始されました。シューパロダムにせき止められた雪解け水はやがて役目を終えた大夕張ダム、4月中旬には三弦橋、さらに旧大夕張鉄道の旭沢橋梁を水没させ、6月上旬には炭鉱で栄えた鹿島(大夕張)地区の大部分も水没させ、洪水調節の容量を残して常時満水位に達する予定です。

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▲すでに役目を終えた大夕張ダムとともにキューロクが通った路も水没する。'14.3.12 P:伊藤保則
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▲シューパロ湖畔を炭山(ヤマ)に向かう混合列車。'70.11.20 P:伊藤保則
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洪水期間が終わる10月からは常用洪水吐きを一時的にふさぎ、更に年明け1月頃までにサーチャージ水位(最高水位)まで上昇させ、その後水位を大夕張ダムの満水位まで約40m下降。周辺地山や施設の安全を確認し、14年度末(平成27年3月)までに試験たん水を終える予定です。この時に再度「三弦橋」は姿を現します。

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▲国道より見下ろした旭沢橋梁。'13.3.17 P:三菱大夕張鉄道保存会
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▲旭沢橋梁を「№6」が通過する。1973年 P:三菱大夕張鉄道保存会
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ショーパロ湖周辺の大夕張鉄道や下夕張森林鉄道の廃線跡には貴重な土木遺産が存在し、土木学会により「歴史的鋼橋集覧」(→こちら)として取り纏められています。その後、2011年12月22日には三菱大夕張鉄道保存会、北海道産業考古学会等が夕張市や北海道、北海道開発局に産業遺産として保存するために国の登録文化財に申請するよう申し入れを行いました。これを受け夕張市は北海道開発局、林野庁等とも協議を行いましたが、登録文化財は所有者の同意が必要であり、「廃棄物」として所有者を確定することが出来ず、止む無く、2012年9月21日に「夕張シューパロダム湖周辺の橋梁群とその景観」(→こちら)が夕張市の文化財として指定されました。

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▲旧陸軍の軍用トラスを転用した下夕張森林鉄道夕張岳線6号橋。'05.
3 P:谷口浩章

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現在、三弦橋は夕張市南部青葉町の夕張シューパロダム管理棟付近から水没するまで眺望出来ますが、同所のホームページ(→こちら)では毎日のたん水状況も確認できます。
また、日本旅行グループの「ほっとバス」では、当会の企画協力により、4月12日に「~橋梁の専門家と行く夕張~水没する三弦橋・旭沢橋梁 シューパロダム探訪」(→こちら)を催行します。
雪融け状況にもよりますが、現状で「三弦橋」「旭沢橋梁」等を望める最後のチャンスかも知れません。

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