鉄道ホビダス

2014年3月13日アーカイブ

「義経」構内運転復帰へ。

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▲「国際花と緑の博覧会」での運転終了後、1991年に交通科学博物館入りした「義経」。'93.3 交通科学博物館 P:高橋一嘉
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4月6日に52年にわたる歴史に幕を下ろす交通科学博物館から、建設中の京都鉄道博物館への展示車輌移設のトップバッターとして、7100形「義経」号が4月中旬に梅小路蒸気機関車館に搬出されることになりました。しかも動態での構内運転復帰のために約半年をかけて大規模な整備を行い、京都鉄道博物館のオープンより一足早く本年10月頃から動態復帰した姿を見せてくれるそうです。

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▲「鉄道80年」に合わせて大規模な復元が行われた「義経」は、原宿の宮廷ホームで「しずか」(前方)との対面を果たした。'52.10.14 原宿 P:三谷烈弌
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この「義経」、かれこれ17年近く有火状態で動くことはありませんでしたが、ボイラーそのものは今でも運転に必要な性能を維持しており、実に134年前に生まれた蒸気機関車が梅小路の地で再び煙を上げることとなります。

140313n301.jpgところで、「義経」はその来歴をめぐって長年にわたって数々の謎解きが行われてきました。一時は「弁慶」(現在は鉄道博物館に保存)と取り違えられたこともあります。その辺の経緯は1968(昭和43)年に国鉄鷹取工場が発行した『機関車義経号』に詳述されています。要は最終的に8輌となった同形機(7100形)のうち6輌に固有の名前が付けられていたものの、その後の流転の中でどれがどれだかわからなくなってしまったのが混乱の発端です。
▲1968(昭和43)年に国鉄鷹取工場がまとめた『機関車義経号』。A5判208ページ上製本の見事な資料集(非売品)。
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「義経」のほかの名称は「弁慶」、「比羅夫」、「光圀」、「信広」、「しずか」で、時の米国領事が発案し、開拓使長官が揮亳したものと伝えられています。ところが国有化後の部品の取り換えや、払下げ後の酷使で原形とはほど遠い姿となってしまい、鉄道80年の記念事業として国鉄が「義経」を復元すしようとした際に、真贋論争が巻き起こったというわけです。

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▲鉄道80年に合わせた動態復元時の改造要領。なにしろタンク機関車化されてしまっていたものを可能な限り原形に復するのだからたいへんな大工事であった。(『機関車義経号』所収)
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結局、大正末期に梅鉢鉄工所(のちの帝国車輌)に入換用として払下げられたもの(7105)が「義経」に違いないということになったのですが、現車は何とタンク機関車に大改造されてしまっており、とても「義経」とは思えないあられもない姿となっていました。ちなみに国鉄が「義経」に拘ったのは同機が1881(明治14)年に明治天皇の北海道行幸の際のお召列車を牽引したからで、「御召車を牽引した義経号でないとすると、史的価値が半減する」とまでされています(前出、国鉄鷹取工場『機関車義経号』)。修復工事にあたっても、「義経」である証拠ともいえるメーカーの部品打刻(製造番号368)を見つけ出せと、解体にあたった全作業者に懸賞付きで号令をかけたといいますから、その熱の入れようは尋常ではありません。

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▲復元なった「義経」と会うべく、9600にエスコートされた「しずか」が山手貨物線を原宿へと急ぐ。'52.10.12 駒込付近 P:三谷烈弌
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鉄道80年を記念した1952(昭和27)年の鉄道記念日には東京・原宿の宮廷ホームで「しずか」(7106)と対面、その後、準鉄道記念物(現在は鉄道記念物)に指定され、1990(平成2)年には「国際花と緑の博覧会」(大阪市)でイベント列車を牽引して活躍したこともあります(アーカイブ「今に残る"花の万博"ゆかりの駅と車輌」参照→こちら)。2005(平成17)年に北海道に渡り、小樽交通記念館で「しずか」と戦後4回目の"再会"を果たしたのは記憶に新しいところでしょう。
いずれにせよこの「義経」の構内運転復帰を第一弾として、京都鉄道博物館ではまだまだサプライズが待っているようです。

※明日は不在のため小ブログは休載させていただきます。

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