鉄道ホビダス

2014年3月 5日アーカイブ

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▲深みの強い赤など登場当時を忠実に再現した車体塗色をはじめ、ホロやワイパー等細部にも拘り抜いた復元が図られたテレビカー3505号。'14.3.3
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一昨日は来週3月12日(水)にオープンする京阪電気鉄道のKUZUHA MALL南館の「SANZEN-HIROBA」(さんぜんひろば)をひと足お先に拝見してまいりました。

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▲完成時のSANZEN-HIROBA(さんぜんひろば)の全容。提供:京阪電気鉄道
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昨年3月末に引退した旧3000系特急車の3505号「テレビカー」を極力誕生時の姿に復元、しかもこれまでにない「デジタル動態保存」という手法でメイン展示にするとのことで、ある面、半信半疑でお邪魔したのですが、これが驚き、各種の展示とともにショッピングモールの展示の域を遙かに超えて、まさに博物館と呼べる完成度となっていました。

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▲車内も見事にオリジナルに戻されている。室内妻板はなんと譲渡先の富山地方鉄道から返還してもらったもの。ただし、画面左の車イススペースはそのまま存置されている。'14.3.3
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デジタルライブラリーやギミックが楽しいジオラマなど見どころは多いのですが、今日はなんといってもこの「SANZEN-HIROBA」の白眉たる3505号の「デジタル動態保存」を集中的にご紹介いたしましょう。

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▲わざわざ当時のデザインを忠実に再現して新調されたモケット。'14.3.3
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▲通常の展示では動作しないものの、空気圧によるクロスシートの自動座席転換装置も生かされている。'14.3.3
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まず聞き慣れない「デジタル動態保存」とは、シミュレータの開発を担当されたお馴染みの向谷 実さんが発案された新時代の展示方法で、通常の静態保存車輌のように車輌そのものはまったく動かないものの、あたかも"動態"であるかのごとく体感できるという手法です。もちろんシミュレータがその根幹ですが、ミュージシャンの向谷さんならではの音への拘りが、尋常でないほどの臨場感を生み出しています。

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▲富山地方鉄道から里帰りした妻面には懐かしい車号標記と製造銘板が取り付けられた。'14.3.3
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▲「テレビカー」の所以たる室内のテレビも復活。ただ残念ながらブラウン管式のテレビはメンテナンス面からも見送られて液晶式の薄型となっている。'14.3.3
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▲「デジタル動態保存」の臨場感の源となっているのが車外に6基も設置されたスピーカー。左の台車部からはシミュレータ操作とリンクしたモーター音やブレーキ音、右のMGからはMG作動音が流れる。ちなみに床下の塗色も当時の京阪ならではのわずかに緑がかったグレーが再現されている。'14.3.3
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シミュレータ操作に合わせて室内2か所、車外に6か所、合計8か所に仕込まれたスピーカーから流れてくるのは3505号が現役時代の実際の音。実は運用離脱後、寝屋川車庫で解体待ちだった編成を使って、この「デジタル動態保存」のために構内を走行させて各種の作動音を録音していたのだそうで、向谷さんの拘り、そしてそれを実現させた京阪電気鉄道の心意気には感動するばかりです。

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▲シミュレータ運転時には正面に巨大なスクリーンが下がり、実画像が投影される。'14.3.3
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「SANZEN-HIROBA」に入るとまず耳に入ってくるのが3505号のMG音。物言わぬ静態保存と異なり、室内灯が煌々と点きMG音が、そしてたまにCP音(ただし本来3505号にはコンプレッサーは搭載されていない)が聞こえてくると、まるで車庫線で現役の車輌を見学しているような気分にさえなります。

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▲運転席から見るとこんな感じ。動揺装置は備わっていないが、見事な音響効果が生み出す臨場感で実際に揺れているような感覚さえする。'14.3.3
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さらに臨場感を盛り上げているのが世界初となる前面展望と側面展望がリンクした実画像。シミュレータ操作に合わせて前面画像と側面(進行右側)のスクリーンに映し出される映像はリアルそのもので、たとえば進行前方のホームでカメラを構えるファンの姿がそのまま側面に流れるなど、シミュレータもここまできたかと感心することしきりでした。

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▲側面スクリーンにも実画像が流れるのは世界初。もちろん正面スクリーンの画像とシンクロしている。'14.3.3
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運転機能もそのまま再現されており、リバーサーはもとよりデッドマン装置もそのまま機能しています。戸閉スイッチや車内放送機能、さらには座席の一斉転換機能も生かされており、これからの鉄道車輌保存のひとつの方向性を見たような気さえいたしました。

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▲3505の運転台に座る開発者の向谷 実さん。「デジタル動態保存」という言葉の生みの親でもある。'14.3.3
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