鉄道ホビダス

2014年2月アーカイブ

140228n005.jpg
▲京都鉄道博物館のエントランスの完成イメージ。提供:JR西日本
クリックするとポップアップします。

JR西日本が2016(平成28)年春に京都・梅小路エリアで開業する新たな博物館の建設準備が始まっています。梅小路蒸気機関車館と一体となった新たな博物館の名称はその名も「京都鉄道博物館」。この名称には...
1:伝統と歴史を重んじながらも革新を続けるまち、日本を代表する国際観光都市「京都」に設置すること。
2:技術革新によって日本の産業発展に貢献してきた「鉄道」の歴史を紹介すること。
3:「博物館」は世代を超えて楽しみながら学んでいただく施設であること。
以上の意味が込められています。

140228n004.jpg
▲同じく京都鉄道博物館のエントランスの完成イメージ。提供:JR西日本
クリックするとポップアップします。

140228n003.jpg
▲京都鉄道博物館のロゴマーク。提供:JR西日本
クリックするとポップアップします。

あわせてロゴマークも設定されました。ロゴマークには「地域に根ざし、地域と共生する」こと、「人々が集うあたたかな場所とする」こと、「鉄道の歴史を未来へ継承する」という3つの思いが込められているそうです。また、ロゴマークの標準カラーは「鉄」に由来する伝統の色であり、かすかに緑や茶の色みを持った灰色の「ブラウニッシュ グレー」とされています。

140228n001.jpg
▲京都鉄道博物館の建物外観完成イメージ。提供:JR西日本
クリックするとポップアップします。

140228n201.jpgすでに発表されているように(アーカイブ「梅小路に新たな鉄道博物館」参照→こちら)、京都鉄道博物館は地上3階建、延床面積約18,800平方メートル。蒸気機関車から新幹線まで、時代を彩ってきた貴重な車輌50輌あまりが展示され、収蔵車輌数は日本最大級となります。電気機関車やディーゼル機関車を嵩上げした展示線にディスプレーし、ウォークスルーで床下を見学できるコーナーも設けられるほか、梅小路運転区構内留置線を博物館に引き込んで、営業車輌などが展示されるのも大きな特徴となります。
▲京都鉄道博物館の建設予定地(右奥)にはすでに工事用の囲いが設けられている。左手奥は梅小路蒸気機関車館の正門。'14.2.27
クリックするとポップアップします。

140228n202.jpg
▲梅小路公園の「市電ひろば」も着々と準備が進められている。'14.2.27
クリックするとポップアップします。

そしてもうひとつ。梅小路公園にはひと足早くこの3月8日、京都市が運営する「すざくゆめ広場」と「市電ひろば」(アーカイブ「梅小路公園に"市電ひろば"誕生へ」参照→こちら)がオープンします。広軌1型を当時の姿に復元して展示する「市電展示室」や、最新鋭のリチウムイオン電池を動力源として改造を施した"N電"の動態走行をはじめ、合計8輌もの京都市電を目にすることができる京都市電博物館といっても過言ではない施設です。広大な公園と水族館を含めた博物館、市電、蒸気機関車館等々、京都・梅小路エリアからはますます目が離せなくなりそうです。

RML175bnn.jpg

機関車表bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

C58 239号機営業運転へ。

140226n301.jpg
▲釜石線にふたたび煙が帰ってきた。今年の営業運転は計60日...数えきれない新しい感動が生まれるはず。'14.2.23 平倉-足ヶ瀬(試運転) P:原田敬司 (RMニュースより)
クリックするとポップアップします。

静態保存されていた盛岡の岩手県営運動公園から搬出されて2年あまり、大宮総合車両センターで見事に動態復活を果たしたC58 239号機がついに任地で試運転を開始し、営業運転の計画も発表されました。

140226n302.jpg
▲名所めがね橋を行く試運転列車。'14.2.23 宮守-柏木平(試運転) P:原田敬司 (RMニュースより)
クリックするとポップアップします。

注目の営業運転開始は来たる4月12日(土曜日)。釜石線花巻~釜石間の「SL銀河」としてそのスタートを切ります。編成はC58 239号機+キハ141形4輌で、花巻~釜石間を1日目は花巻発下り釜石行き、2日目は逆に釜石発上り花巻行きと2日掛けて往復するかたちとなります。運転計画によると今年の運転は4月12日から9月28日までの合計60日間(30往復)と発表されています。

140226n401.jpg
「SL銀河」運転時刻。 ※変更となる場合もある。  (JR東日本盛岡支社プレスリリースより)
クリックするとポップアップします。

140226n402.jpg
「SL銀河」の運転日。 ※変更となる場合もある。  (JR東日本盛岡支社プレスリリースより)
クリックするとポップアップします。

140226n303.jpg
▲風車回る、風の丘へ向かって試運転列車がゆく。'14.2.20 綾織-遠野(試運転) P:沓澤良平 (「今日の一枚」より)
クリックするとポップアップします。

3月1日からはテレビCM第二弾の放映も始まるほか、JR東日本盛岡支社では「SL銀河情報」と銘打った特設ホームページ(→こちら)も開設して動画を含めたリアルタイムな情報発信がされています。

※明日は出張のため小ブログは休載させていただきます。

RML175bnn.jpg

機関車表bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

140225n201n.jpg
▲C61 20号機の試運転を撮影、その手応えに思わず会心の笑みが...。'12.5.29 上越線後閑-上牧 P:山下修司
クリックするとポップアップします。

今月初旬に発売となった『屋鋪 要の保存蒸機完全制覇』が各方面から好評をいただいております。動態を含む撮影可能な保存蒸機601輌を"撮りつぶす"全国行脚は、単なるカルタ集めに留まらず、さまざまな人との出会い、趣味の先輩でもあった亡きお父様への思いが交錯し、まさに鉄道趣味の醍醐味を凝縮した心温まる一冊となっています。

140225n202n.jpg
▲亡きお父様の撮影された伯備線布原信号場を発車して第23西川橋梁を渡るD51三重連。先頭の428号機は東京・大田区の「東調布公園」に保存されており、世代を超えての再会を果たすことになる。'71.2 P:屋鋪 貢
クリックするとポップアップします。

もちろん屋鋪さんはプロ野球選手としても多くのファンの皆さんの記憶に残っており、本書の随所に登場する野球選手時代の逸話も見逃せません。そんな屋鋪さんのトークショーが来月21日に東京・秋葉原の書泉ブックタワーで開催されます。

140206n001h1.jpg〔開催日時〕
2014年3月21日(金・祝) 16:00~
〔開催場所〕
書泉ブックタワー9階イベントスペース(秋葉原)
〔イベント内容〕
『屋鋪 要の保存蒸機完全制覇』発売記念トークショー
屋鋪 要さんが保存蒸機撮りつぶしを達成されるまでの日々を、私がMC役となってうかがいます。もちろん、少年時代の撮影行や、直近の動態保存機撮影のエピソードなども縦横無尽に語り尽くしていただきます。もちろん、該当書籍をご持参及びその場でご購入のお客様には屋鋪 要さんのサイン会にもご参加いただけるほか、ささやかながら記念品も用意しております。

140225n203n.jpg
▲499号機を模した後藤デフになったD51 498号機を多くのファンに交じって撮影。もちろん動態保存機の撮影にも積極的に取り組んでいる。'10.5.22 中央本線長坂-小淵沢 P:屋鋪 要
クリックするとポップアップします。

〔参加方法〕
入場無料/要参加券/定員:先着70名
・書泉ブックタワー5階(代表tel03-5296-0051)もしくは書泉グランデ6階(鉄道フロア直通 tel03-3295-0016)店頭またはお電話にてお申し込み下さい。
※お申し込みは店頭または電話にて、『屋鋪 要さん&名取編集局長トークショー』の参加とお申し付けのうえお名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。
〔後援協力〕
ネコ・パブリッシング
〔お問い合わせ〕
書泉ブックタワー5階(秋葉原)
営業時間10:00~21:00
TEL:03-5296-0051

機関車表bn.jpg

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

合興站 あのころ。

140222n001n.jpg
▲いかにも台湾らしい風情の合興駅。椰子の木が印象的な前庭は美しく整備されていた。駅名標は右書き。'96.3.19 合興
クリックするとポップアップします。

探し物をしていて、ふと手にとまったのが1本のベスト判のモノクロネガです。写っているのは18年ほど前の台湾。90年代初頭は幾度となく足を運んだ台湾(アーカイブ「忘れえぬ駅・平渓線十分」参照→こちら)ですが、その後お目当ての鉄道・軌道が次々と姿を消してしまい、この時はグレーベビー(ローライフレックス4×4)にクロアチア製モノクロフィルムを詰め、どちらかというと気軽な軽装での渡台でした。

140222n201n.jpg
▲当時の内湾線はまだ全列車が客車列車。荷物合造車を含めた2輌編成の旧型客車が全線27.9㎞を往復していた。'96.3.19 合興
クリックするとポップアップします。

140222n301.jpg
▲民国八十五年(1996)年1月発行の内湾線時刻表。列車番号の頭に気動車を示す「柴」の文字はなく、全列車が客車列車であったことがわかる。
クリックするとポップアップします。

この時、初めて訪れたのが内湾線です。西部幹線(縦貫線)新竹から内湾まで27.9㎞を結ぶ内湾線は、戦後になって水泥(セメント)原料や木材輸送などのために建設された比較的新しい路線です。のどかな田園地帯を走る変哲のないローカル線でしたが、趣味的にはこの当時でも全列車が客車列車であったこと、さらには合興站(駅)のスイッチバックが興味をひきました。

140222n002n.jpg
▲本線(正線)を単機で帰ってきたR28にタブレットが受け渡される。スイッチバック線の正面奥の台湾水泥のホッパービンでは僚機R32が入換中。'96.3.19 合興
クリックするとポップアップします。

ところで、阿里山森林鉄道をはじめとした森林鉄道の記憶からか、台湾でスイッチバック(折返式車站)は少なくないように思えますが、実は鉄路管理局所管の路線ではきわめて珍しいものです。洪 致文さんの『台灣鐵道傳奇』(1992年)によれば、かつては宜蘭線の牡丹駅などにも存在したようですが、訪問時にはここ内湾線合興駅が唯一でした。

140222n003n.jpg
▲本線(左)側ホームと引上線(右)側ホームが階段状となっている特徴的なホーム。R20形が盛大な駆動音とエキゾーストを噴き上げて25‰勾配を登ってきた。なお、現在では引上線側の構内跡地は公園になっているという。'96.3.19 合興
クリックするとポップアップします。

ただ、その後内湾線の貨物扱い終了とともにスイッチバックも廃止となり、合興駅も無人駅となってしまいました。さらに非電化ローカル線だった内湾線自体も新竹~竹中間が高架化、複線電化され、台湾高速鉄道新竹駅との連絡線が新設されるなど、あたりはまさに激変してしまったようです。

RML175bnn.jpg

機関車表bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

rml175_2_3pn.jpg
▲大型吊り掛け駆動車の末期に登場した440形の6輌貫通全電動車編成。'79.5.1 京浜鶴見-鶴見市場 P:佐藤良介 (RMライブラリー『京急400・500形』下巻より)
クリックするとポップアップします。

佐藤良介さんによるRMライブラリー『京急400・500形』の下巻が完成しました。上・中・下の3部作となった本作の完結編となる今号では、昭和40年代、大型吊り掛け車が大規模な更新工事と改番が行われて以降、昭和60年代に終焉を迎えるまでを収録しています。

rml175sn.jpg昭和30年代後半になると700形(後の600形)や1000形の試作車である800形など高性能車が登場、昭和40年代には都営地下鉄1号線(現在の浅草線)への乗り入れを基本に車輌の増備や改良、そして運用が組まれるようになり、乗り入れができない大型吊り掛け駆動車は主役の座を離れますが、なおも朝夕の通勤通学輸送や夏季の海水浴輸送など、その活躍の場は少なくありませんでした。

更新と改番では、300形、420形、そして600形は400形に統合され、旧300形は通称400(Ⅱ)形、旧420形はそのまま通称420形、旧600形のうち旧600A形は通称440形と470形、旧600B・C形は通称460形にそれぞれ改番されました。一方、旧来の400形は暫定的に480形に改番されたものの更新せずに車体は廃棄され、久里浜工場で1000形に近い車体が新造されサハ480形となり、通称460形の中間に組み込まれました。

rml175_16_17pn.jpg
▲戦中生まれの旧300形は400(Ⅱ)形となり、1979(昭和54)年まで活躍。その後もデワ40形として1989(平成元)年まで残存した。 (RMライブラリー『京急400・500形』下巻より)
クリックするとポップアップします。

2扉セミクロスシートだった500形だけは改番こそされなかったものの、1968(昭和43)年からやはり車体新製による更新工事が開始され、700(Ⅱ)形に近い4扉ロングシート車に大変身しました。

rml175_22_23pn.jpg
▲更新に際し車体が新製され、2扉セミクロスシートから4扉ロングシートに大変身した500形。 (RMライブラリー『京急400・500形』下巻より)
クリックするとポップアップします。

更新後の大型吊り掛け駆動車は、旧300形のグループが1979(昭和54)年までに廃車されたのを皮切りに、旧420形のグループが1981(昭和56)年までに、残る旧600形と500形のグループも1986(昭和61)年までに廃車され、京急の営業用車輌から吊り掛け駆動車は姿を消しました。ちなみに旧300形のうちの一部はほぼそのままの姿で事業用車デワ40形となり残存しましたが、これらも1989(平成元)年までに廃車されています。

rml175_38_39pn.jpg
▲600A形をMTTMの4連とした470形。更新に際して1段下降窓が採用された。 (RMライブラリー『京急400・500形』下巻より)
クリックするとポップアップします。

本書ではこれら大型吊り掛け駆動車の晩年の活躍を収録するとともに、全車の主な改造・改番などの車歴表を収録し、3部作を締めくくっています。私鉄電車ファン必見の3部作、ぜひ上・中巻とともにお手許にお揃えください。

RML175bnn.jpg

機関車表bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

140218n313.JPG
▲山上線には中間駅もある。写真の梅屋敷駅は曳索さえなければどこかのローカル私鉄の無人駅の雰囲気...。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

"単線2輌交走式"が2線並び、しかも一般道の踏切まであるという宝山寺線の終点・宝山寺駅からは、今度は別線となっているその名も山上線がのびています。山上線が営業を開始したのは宝山寺線より十年近くのちの1929(昭和4)年3月のことで、現在では両線を合わせて生駒鋼索線(2.0㎞)と称されています。

140218n308.JPG
▲山上線の起点宝山寺駅。駅を出るとすぐに隧道が続く。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

140218n310.JPG
▲宝山寺線との乗り継ぎ駅となる宝山寺駅の位置関係。山上線のホームから見下ろしたところで、宝山寺2号線の「すずらん号」の屋根が見える。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

山上線の路線延長は1.1㎞。もちろん単線2輌交走式ですが、興味深いのはこの短い区間にふたつの中間駅が設置されていること。しかも、各駅停車のみならず「直行」と称する通過列車があるのですから驚きです。「直行」は土日休日の山上遊園地多客時や臨時列車などで運転されているそうですが、以前は定期ダイヤにも設定があったそうです。ちなみに車輌前面窓上方に小さな「直行」の表示灯があり、これが消灯している時は各駅停車、点灯しているときは中間駅通過扱いとなります。

140218n305.JPG
▲山上線で活躍するコ15形15「ドレミ号」。天窓から見える白い光は室内灯。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

140218n306.JPG
▲「ドレミ号」の車内。メルヘンチックな外観に比べて何とも直線的なデザイン。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

140218n307.JPG140218n309.JPG
▲シンプルな「ドレミ号」の運転席(左)。車内の座席の取り付けは微妙に窓側を向いている(右)。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

この山上線に使用されている車輌はコ15形15と16の2輌。この2輌は15がオルガンをモチーフにした「ドレミ号」、16がバースデーケーキをイメージした『スイート号』となっており、ともにイルミネーション機能とサウンド機能を兼ね備えています。

140218n304.JPG
▲梅屋敷駅と霞ヶ丘駅の中間に設けられた交換所で僚車コ15形16「スイート号」と離合する。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

140218n303.JPG140218n302.JPG
▲山上線にはふたつの中間駅がある。麓側から梅屋敷駅(左)と霞ヶ丘駅(右)で、立派な駅名標も備えられている。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

戦前からの歴史を感じさせる停車場構造物や架線柱など、山深い山上線はなかなか魅力的なシチュエーションで、山上線のコ15形も宝山寺2号線に倣ってシックなリバイバル塗色になれば...などとかなわぬ夢を描いてしまいます。

140218n311.JPG
▲終点の生駒山上駅。「ケーブルのりば」のネオンサイン塔が見える。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

※明日は不在のため小ブログは休載させていただきます。

機関車表bn.jpg

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

140218n202.JPG
▲開業95周年を祝してリバイバル塗色となったコ3形4「白樺号」。リベットがものものしい。屋根にはかつて観光バスで流行った天窓が残っている。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

精力的に鋼索鉄道行脚を続けておられる宮武浩二さんから、昨年開業95周年を迎えた近鉄生駒鋼索線(生駒ケーブル)のレポートを頂戴しました。生駒ケーブルは1918(大正7)年8月29日に生駒鋼索鉄道によって鳥居前駅-宝山寺駅間(948m、高低差143m)で運転を開始した営業路線としてはわが国最古のケーブルカーで、小ブログでも生駒山麓公園のコ1形保存車をご紹介したことがあります(アーカイブ「生駒ケーブルの保存車」参照→こちら)。

140218n203.JPG
▲こちらはクリームとレッドに塗り替えられたコ3形3「すずらん号」。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

140218n201.JPG開業95年を記念して、宝山寺2号線で使用されているコ3形2輌が1953(昭和28)年の新製当時の塗色に復元されました。従来はこの2輌は地元の小学生の写生コンクールの作品をラッピングして「ゆめいこま号」として運行していたものですが、このたびの復元で車輌の愛称も「すずらん号」、「白樺号」と往年の名称が復活しています。
▲「白樺号」の車内。もちろん非冷房で、他車にはラインデリアが設置されているが、コ3形には扇風機が装備されている。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

140218n204.JPG
▲麓側の鳥居前駅に待機中の「白樺号」。右側の線路が通常運行されている宝山寺1号線。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

140218n206.JPG
▲宝山寺駅に待機中の「すずらん号」。軽便鉄道の終着駅のような雰囲気に復刻塗装が良く似合う。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

ちなみに生駒ケーブルは鳥居前駅 - 宝山寺駅間が宝山寺線、宝山寺駅-生駒山上駅間が山上線とふたつの路線が麓から山上に向かって接続するかたちとなっており、なおかつ宝山寺線は単線2本が並んだ"単線2輌交走式"となっています。つまり2本の単線ケーブルが隣り合わせになっているわけで、片側が宝山寺1号線、もう片方が宝山寺2号線と呼ばれ、通常は1号線のみが運行されています。

140218n003.JPG
▲強烈な個性のコ11形12号「ミケ」。この姿で宝山寺1号線の主力車輌である。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

140218n007.JPG
▲こちらは宝山寺駅で発車待ちのコ11形11号「ブル」。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

140218n005.JPG
▲ケーブルカーといえど途中に一般道の踏切もある。鳥居前三郷踏切をトラックがわたってゆく。'13.9.3 P:宮武浩二
クリックするとポップアップします。

今回リバイバル塗装となった2輌が配置されているのは2号線の方で、正月など多客期と1号線の点検日のみの運行となっていますが、両端の鳥居前駅と宝山寺駅では来訪者がその外観を見学できるようになっているとのことです。

機関車表bn.jpg

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

会津 雪の記憶。

140215n004n.jpg
▲滝谷で交換する425D(手前)と只見発の一番列車426D。425Dはこの一年ほど前まではC11牽引の客車列車だった。'73.12.20 滝谷
クリックするとポップアップします。

週末の東京は2週続けて大雪にみまわれ、外出の予定が取り止めになった方も多いのではないでしょうか。かく言う私も滞っていたネガの整理に勤しんでおりましたが、ふと41年前の雪の会津の写真に手が止まりました。

140215n005n.jpg140215n006n.jpg
▲当時の只見線はもちろん通票閉塞。タブレットキャリアを受け渡し、腕木式の出発信号機がガタンと音をたてて下りると、425Dは会津檜原へ向けて原谷隧道へと発車してゆく。'73.12.20 滝谷
クリックするとポップアップします。

思えば北海道をはじめ、東北、上信越など撮影行で雪に苛まれた記憶は数限りありません。まったく視界の効かない猛地吹雪のサロベツ原野で文字通り生死の境をさまよったり、身の丈を超える雪壁に撮影どころではなかった経験も今となっては懐かしく思い返されます。そんななかにあっても、この季節、雪を見ると思い出すのはなぜか会津、しかも会津盆地の雪です。

140215n007n.jpg
140215n009n.jpg
▲滝谷駅前にはいかにも会津地方らしい佇まいの集落が広がっていた。'73.12.20 滝谷
クリックするとポップアップします。

今回は無煙化前年、1973(昭和48)年冬の只見線の光景をお目に掛けましょう。蒸機ばかりでなく、国鉄気動車とそれを取り巻く日常の光景も、今となっては貴重な記録で、なぜもっと真剣に撮り込んでおかなかったのかと悔やまれてなりません。

140215n003n.jpg
▲雪に閉ざされる沿線の学童にとっても只見線は欠くことのできない通学路線だ。'73.12.20 滝谷
クリックするとポップアップします。

東京生まれの東京育ちの身にとって、会津地方にはなんの縁もありませんが、四季を通して会津地方に足を運ぶことが多く、思えば小ブログでもこれまでに会津関連の記事を数多く掲載してまいりました(下記参照)。45年ぶりと伝えられる東京の大雪を見ながら、41年前の会津の冬に思いを馳せた週末でした。

140215n008n.jpg
▲奥只見の渓谷もさることながら、根岸、若宮、新鶴、会津坂下と続く会津盆地の坦々とした風景にこそ、会津のC11の魅力があったような気がする。'73.12.20 若宮
クリックするとポップアップします。

※これまでに紹介した会津・只見線関連アーカイブ
●1976年、会津への旅(1~8回/8回には234列車車内音付き)→こちら
●錦繍の只見川渓谷→こちら
●会津線1397列車の受難→こちら
●火を落とすC11 312→こちら
●紅葉の会津只見を想う→こちら
●夏、会津・只見の頃→こちら
●喜多方、1971年5月16日→こちら

機関車表bn.jpg

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

140214n301.jpg
▲『機関車表 フル・コンプリート版DVDブック』はB5判ハードカバー上製本の表紙裏面にDVDが収納できるようになっており、机上に常備しても使いやすい。

本誌30周年記念出版『機関車表 フル・コンプリート版DVDブック』の見本が完成してまいりました。PDFファイルでDVDに収録したデータはA4版出力換算で何と22,818ページ! 沖田祐作さんの半世紀以上にわたる、まさにギネスブック級の成果です。

140214n215.jpg140214n201.jpg
140214n216.jpg140214n217.jpg
▲国鉄機の例。形式概要に詳細履歴、さらには写真や図面がびっしりと収録されている。 (『機関車表』より)
クリックするとポップアップします。

かつて本誌特別付録として国鉄蒸気機関車編(300号付録)、国鉄電気機関車・内燃機関車編(301号付録)を文字データのみお届けいたしましたが、このフル・コンプリート版では国鉄・JRのアップデートのみならず、私鉄、専用線、官公署、鉱山、建設業、外地のすべての機関車を網羅しております。さらに何よりも特筆すべきは、想像を絶する大量の写真・図面類を収録した点で、まさに未曾有の資料集となっております。

140214n202.jpg140214n218.jpg
140214n206.jpg140214n207.jpg
▲国鉄機といっても「ケ」の形式区分を持つ国鉄狭軌軽便線用機や、はたまた機械扱いの貨車移動機にいたるまで、全てを本書に収録、 (『機関車表』より)
クリックするとポップアップします。

また、メーカー別の機関車製造台帳、さらには明治・大正・昭和(三代)に発生した鉄道事故を微細なものまで含めて判明する限り年表とした三代事故録も収録しております。本書にかける沖田さんの思いは後日あらためて小ブログでもご紹介いたしますが、あらゆる意味で、わが国の車輌研究が辿りついたまさに"到達点"の一冊、まずはぜひお手元にお揃えください。

140214n213.jpg140214n214.jpg
140214n208.jpg140214n203.jpg
140214n204.jpg140214n205.jpg
▲実は私鉄・専用線編や官公署編こそが圧巻。本邦初出の写真・図面も多数含まれている。 (『機関車表』より)
クリックするとポップアップします。

■『機関車表』項目とボリューム
国鉄編
蒸気機関車                  1830頁
電気機関車                   855頁
内燃機関車                   344頁
補助車輌(貨車移動機等)            357頁
事業用車                    426頁
気動車(旧形式気動車 含む蒸気動車)      177頁
船舶                      48頁
官公署                      872頁
私鉄及び専用線(所轄県別掲載)         8278頁
鉱山                       721頁
建設業                      342頁
極東地外国編                  2786頁
機関車製造台帳国産機編             2805頁
機関車製造台帳外国製編             1007頁
三代事故録                   1575頁
その他解説等                   395頁
                    計   22818頁
※A4判出力時のページ数

140214n209.jpg140214n210.jpg
▲「機関車製造台帳」編はメーカー別のサプライリストで、国外メーカーについても一次資料を駆使して台帳化されている。 (『機関車表』より)
クリックするとポップアップします。

なお、書籍のため発売日に地域差が生じますが、本誌特約店では来週末、2月20日過ぎには店頭に並ぶはずですので、今しばらくお待ちください。もちろん一般書店でもお取り寄せいただけますが、「ホビダス・マーケット」→こちら
でもご予約・お求めを承っておりますので、ぜひご利用ください。

140214n211.jpg140214n212.jpg
▲「三代事故録」もわが国の鉄道史に残る資料。事故に限らず、わが国の極めて詳細な鉄道年表としてもその存在意義は大きい。 (『機関車表』より)
クリックするとポップアップします。

『機関車表 フル・コンプリート版DVDブック』 定価:4000円+税

機関車表bn.jpg

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

140213n202.jpg
▲竹田車庫からトレーラーに載せられて梅小路公園を目指す29号。'14.1.28 P:高橋 修
クリックするとポップアップします。

再来年春に開業を予定しているJR西日本の京都鉄道博物館に隣接する梅小路公園は、京都市が平安遷都1200年を記念して1995(平成7)年に整備した総面積137,129㎡におよぶ広大な都市公園で、昨年6月からさらに魅力的な公園へと拡張再整備が進められています。

140213n204.jpg
▲市電が保管されていた倉庫から搬出される広軌1型29号。'13.8.28 P:高橋 修
クリックするとポップアップします。

その目玉のひとつが、新しく開設される「すざくゆめ広場」と「市電ひろば」で、従来は公園内をポール集電で走行していた"N電"(アーカイブ「EV化するN電」参照→こちら)を最新鋭のリチウムイオン電池を動力源として改造を施した"チンチン電車"も運行を開始します。

140213n002.jpg
▲「市電ひろば」の完成イメージ。プラットホームを模した通路の両側に4輌の市電が並んで展示される。(京都市広報資料より)
クリックするとポップアップします。

また、約700㎡の広さをもつ「市電ひろば」には、歴代の京都市電4輌を保存展示。プラットホームの演出により、京都に市電が走行していた昔懐かしい時代や、京都の街の発展に貢献した市電の役割を感じることのできる休憩所が設けられます。4輌のうちの2輌は京土産やオリジナルグッズの販売、京都ならではの素材を活かした軽飲食の提供などを行う店舗に、別の2輌は公園利用者のための無料休息スペースとなる予定です。

140213n203.jpg
▲梅小路公園への搬出を待つ市電が列をなして並ぶ竹田車庫。近鉄車内から撮影。 '13.9.5 P:高橋 修
クリックするとポップアップします。

また、「すざくゆめ広場」には明治後期に製造された広軌1型を当時の姿に復元して展示する「市電展示室」が設けられます。さらにこのほかにも七条入口広場および大宮入口広場に市電車輌を活用した総合案内所が新設される予定となっており、梅小路公園には合計8輌もの歴代京都市電が集合することになります。なお、期待の開園は来月3月8日(土曜日)午前11時。同時刻にチンチン電車発車式典も挙行される予定です。

140213n003.jpg
▲梅小路公園の位置関係と拡張再整備エリア。(京都市広報資料より)
クリックするとポップアップします。

機関車表bn.jpg

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

ハーグで遭遇した軌陸車。

140118n004.jpg
▲路側から軌道上に出てきたトラックがやおら鉄輪を下してジャッキアップ。かなり素早い転身ぶりだ。'13.9.19
クリックするとポップアップします。

昨秋、オランダのハーグを訪れた際、マウリッツハイス美術館近くの路面軌道で奇妙な車輌に遭遇しました。営業車が通過した直後、路側に停車していた清掃車と思しきトラックがやおら路面軌道を跨ぎ、あれよあれよという間に鉄車輪を下して、けたたましい音とともに軌道を走行しはじめたのです。

140118n003.jpg
▲かなりの"騒音"をまき散らしながら軌道上を走行しはじめた軌陸トラック。営業用車はすぐ前を走っている。'13.9.19
クリックするとポップアップします。

突然のことゆえ、仔細に観察することはかないませんでしたが、どうやらこの軌陸車の正体は軌道をクリーニングためのもののようです。

140118n001.jpg油圧で持ち上がったゴムタイヤのホイールベース間には何やら重々しい装置とバキュームホースがのびており、けたたましい音の正体はこの装置の作動音だったようです。ではいったい何のための装置なのか...。軌道内、とりわけフランジウェイのゴミを取り除くためのものかとも思いましたが、あのけたたましい音はただのバキューム音ではなく、どうやらレールそのものを加工しているようです。
▲これがその騒音部。バキュームホースは粉塵を吸い込んでタンク内に送り込むためのものらしい。'13.9.19
クリックするとポップアップします。

140118n006.jpg
▲件のトラック、いや軌陸車が去ったあと、何事もなかったように走り始めたハーグ市電。'13.9.19
クリックするとポップアップします。

例によって世界のトラムに造詣の深い服部重敬さんにおうかがいしたところ、かつてヨーロッパの路面電車事業者は、軌道の波状摩耗を削ることで乗り心地をよくする"レールグラインダーカー"を保有していたそうです。服部さんご自身もアムステルダムやリンツでそうした車輌を実見されているとのこと。ただし近年ではこのような"TRACK SCRUBBER"と書かれた車輌タイプの事業用車を所有しているのは、資料で調べることのできた独墺圏の都市ではバーゼルとグラーツくらいらしく、このハーグの軌陸車が果たしてかつてのグラインダーカーの代用なのか、はたまた単なる清掃車なのか、その正体は定かではありません。

機関車表bn.jpg

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

140208n002.jpg
▲大雪警報にも関わらず、書泉ブックタワーでは熱心な読者の皆さんが椎橋さんの取材秘話に耳を傾けられた。'14.2.8
クリックするとポップアップします。

東京が45年ぶりの大雪に見舞われた先週8日(土曜日)、秋葉原の書泉ブックタワー9Fイベントスペースで、本誌連載「SL甲組の肖像」完結と『SL機関士の太平洋戦争』(筑摩書房刊)発行を記念した椎橋俊之さんのトークショー&サイン会が開催されました。

140208n005.jpg事前予約制で40名定員いっぱいのご予約をいただいておりましたが、なにせ外出は控えるようにとの気象情報がたびたび流される荒天だけに、はたしてどれほどの方がお越しになられるものか懸念されました。しかし、遅れて到着される方も含めて結局30名以上の方がお出でになられ、スタッフ一同、その熱意に驚かされることとなりました。
▲講演後半は実りある質疑応答が繰り広げられる有意義なものとなった。'14.2.8
クリックするとポップアップします。

140208n003.jpg
▲「SL甲組」取材時のインタビュー録音も紹介され、会場は紙媒体では味わえない臨場感に包まれた。'14.2.8
クリックするとポップアップします。

椎橋さんにとって、連載「SL甲組の肖像」の取材はまさに時間との闘いでもありました。出会った「甲組」OBの皆さんは当然ご高齢で、残念ながらお話をうかがった多くの方はその後、旅立たれてしまいました。ようやく取材のアポが取れたものの、タッチの差でお会いすることができなかった方もおられ、オーラルヒストリーを記録する難しさを痛感した歳月であったとも言います。もう少し早く始めていれば...との思いは常に拭いされなかったそうですが、逆に500人を超える皆さんから聞き取りをできたのは、この「SL甲組の肖像」が最後の機会だったのかも知れません。

140208n004.jpg
▲講演終了後はサイン会が行われ、長い列ができた。'14.2.8
クリックするとポップアップします。

講演のなかで椎橋さんは、ファンの視点でさぞかし大変だったろうと想像した"難所"の半分くらいは的外れだったと取材体験を披露されました。例えば函館本線山線のC62重連「ニセコ」103レ。ファン目線では当然"お立ち台"でもある上目名がその筆頭のように思えますが、実は甲組乗務員にとってもっとも重要だったのは長万部の発車だったのだそうです。本格的な登坂区間前のいわば助走区間で火床を作り、機関車の調子をベストに持ってゆくことこそが甲組に課せられた使命だったのです。線路端で見ている側にとっては決して知りえない乗務の艱難辛苦を可能な限り記録し、後世に残してゆく...「SL甲組の肖像」が果たした役割は決して小さくはなかったはずです。

140208n001.jpg
▲書泉ブックタワー9階の会場から大雪の中を行く総武緩行線を見る。講演終了時にはいよいよ風雪が強まってきた。'14.2.8
クリックするとポップアップします。

その「SL甲組の肖像」ですが、最終巻となる合本第8巻が3月下旬に発売となります。連載分16区所に加えて、書き下ろしの2編(名古屋機関区、満鉄・新京機関区)を収録。もちろん資料編やお馴染みの「出会った人びと」も見逃せません。名実ともについに完結となる「SL甲組の肖像」第8巻にどうかご期待ください。

機関車表bn.jpg

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

140207n003.jpg
▲「SANZEN-HIROBA」の完成イメージ。昨春まで活躍していた3505号が復元されて「デジタル動態保存」される。提供:京阪電気鉄道
クリックするとポップアップします。

京阪電気鉄道は樟葉駅に隣接した「KUZUHA MALL」が大阪府下最大級のショッピングモールに生まれ変わるのにあわせ、「南館 ヒカリノモール」1階にその名も「SANZEN-HIROBA」(さんぜんひろば)を新設すると発表しました。

140207n001.jpgこの「SANZEN-HIROBA」は、昨年3月末に惜しまれつつ引退した同社旧3000系特急車の先頭車3505号(8531号)を保存展示するとともに、子どもから大人までが楽しめるミュージアムゾーンとしての役割も担うものです。実は3505号は「KUZUHA MALL」の前身、初代「くずはモール街」と同じ1972(昭和47)年に誕生しており、その意味でも浅からぬ縁でもあります。しかもこの3505号はデビュー当時の「テレビカー」に極力近づけて復元され、さらに展示にあたっては、デジタル技術の粋を集めた、世界に類を見ない「デジタル動態保存」となるそうです。
▲営業面積5万㎡から7万2千㎡に拡大し、店舗数も175店から236店へと大阪府下最大級のショッピングモールに生まれ変わる「KUZUHA MALL」。提供:京阪電気鉄道
クリックするとポップアップします。

この「デジタル動態保存」とは、展示車輌そのものは動かないものの、運転操作に合わせて前方スクリーンや右側面モニターに画像や走行音が流れ、実際に線路上を走行しているかのようにリアルな運転や乗車体験が楽しめるというものです。「テレビカー」がまるで現役車輌のように走り続けるとのことですので、今から体験できるのが楽しみです。

140207n002.jpg
140207n004.jpg
▲「SANZEN-HIROBA」完成イメージ。「SANZEN-HIROBA」の名称は「ヒカリモール→燦然と輝く」「3000系」から命名されている。なお、入場は無料、運転体験は有料となる予定。提供:京阪電気鉄道
クリックするとポップアップします。

さらにこの「SANZEN-HIROBA」は「デジタル動態保存」のみならず、「京阪沿線ジオラマ」や「運転シミュレーター」など、ミニミュージアム「レイルゾーン」と、ステージや大型ビジョンを活用して各種イベントを開催する「イベントゾーン」とで構成されます。運転シミュレーターは8000系特急車の先頭部に実車の運転台を設置、運転台からの映像も今回のために新たに撮影されたものが使用されるという凝りようです。また「京阪沿線ジオラマ」は大阪から京都・滋賀まで京阪沿線をモチーフとした1/80スケールのジオラマで、中央には懐かしい初代くずはモール街を再現し、大阪城やひらかたパーク、京都の神社仏閣、そして四季折々の祭など、京阪沿線の見どころが凝縮されています。

140207n005.jpg
▲「京阪沿線ジオラマ」のイメージ。提供:京阪電気鉄道
クリックするとポップアップします。

このほかにも、京阪電車全駅の現在と昔の写真を展示した「京阪沿線 全線全駅いま・むかし」や、大阪・京都・滋賀の京阪沿線の広がりを衛星画像で俯瞰できる「わたしのまち・京阪沿線」、京阪電車の歴史紹介パネルや映像モニター、期間限定の企画展示などが予定されており、まさに京阪電車の総合ミュージアムと言っても過言ではない空間となります。オープンは3月12日(水曜日)。京阪ファンのみならず、ぜひ訪れてみたい新名所となるに違いありません。

機関車表bn.jpg

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

140206n005.jpg
▲601輌の最後に残されたのは南海の孤島・南大東島に保存されている大東糖業2号機。この小さなBタンクへの旅が足掛け8年にわたる"巡礼"の締めくくりとなった。 (『屋鋪 要の保存蒸機完全制覇』より)

屋鋪 要さんの連載「保存蒸機撮りつぶし」を一冊にまとめたムック『屋鋪 要の保存蒸機完全制覇』がついに完成、今週火曜日から全国書店で発売中です。

140206n004.jpg
140206n003.jpg
▲巻頭にはかねてより親交の深い前原誠司もと国土交通大臣との対談を収録。白熱した蒸機談議はファン必読。 (『屋鋪 要の保存蒸機完全制覇』より)

プロ野球選手として球場を沸かせた屋鋪さんが蒸気機関車の魅力に憑りつかれたのは11歳の頃。少年野球の合間にお父様に連れていってもらった関西本線や函館本線での撮影体験が、多忙な選手生活の中でも忘れられない趣味の原体験として脳裏に焼き付いていたと聞きます。

140206n008.jpg
▲錆にまみれて粗大ゴミ状態だったC56 149号機は連載中に見違えるように美しく整備された。屋鋪さんにとって何より嬉しいのは、保存機たちがもう一度輝きを放つことだという。 (『屋鋪 要の保存蒸機完全制覇』より)

引退後、講演や少年野球の指導者として全国を飛び回る中で甦ったのは幼き日の蒸気機関車との邂逅、そして今は亡きよき理解者お父様への思いでした。かつて出会った機関車たちに"再会"してみたい、出会えなかった憧れの機関車たちには念願の初対面を果たしたい...そんな思いが屋鋪さんを無謀とも思える全機完全制覇へと駆り立てたのです。

140206n001h1.jpg野球教室の帰路、時には迫る飛行機の搭乗時刻に追い立てられるように未知の保存機を訪ねることも度々だったと聞きます。ほんの数分だけの出会いであっても、屋鋪さんは保存地で歳月を過ごしてきた機関車への慈しみの言葉を忘れません。その数601輌。なかには目をそむけたくなるほど荒れ果てた仲間もいる反面、多くの理解者に護られながら幸せな"余生"を過ごしている保存機も少なくありません。屋鋪さんの撮りつぶしは、その1輌1輌を訪ね歩く巡礼の旅でもあったのです。そしてそれは保存機のみならず、保存機を取り巻く人びととの出会いでもありました。収録した22のエピソードは、単なる撮りつぶしを超えて、読む者の心を揺さぶらずにはいません。

140206n001.jpg
▲巻末には28ページにおよぶ保存蒸気機関車完全リストを収録。 (『屋鋪 要の保存蒸機完全制覇』より)

巻末に収録した全保存蒸機の写真入りリストは、屋鋪さんの足掛け8年に及ぶ「打率10割」への奮闘の成果であるとともに、今後も末永く多くの方に活用いただけるに違いありません。
『屋鋪 要の保存蒸機完全制覇』
B5判/148頁 定価 本体1,714円+税

機関車表bn.jpg

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

札幌市電M101との邂逅。

140201n017.jpg
▲西4丁目に到着したM101。派手なラッピング車輌が多い中で、落ち着いた伝統の塗色が心を和ませる。'14.1.31

一昨日に続いて札幌市電の話題をひとつ。昨年5月から新型低床車A1200形「ポラリス」を導入するなど新たな取り組みを始めた札幌市電にあって、個人的には訪問するたびに楽しみにしているのが1輌しかいないM100形101号との出会いです。

140201n014.jpg
▲西15丁目のカーブをゆくM101。1960年代は「親子電車」としてTc1を引き連れていた。'14.1.31
クリックするとポップアップします。

M101は今をさること53年前、まだまだ路線を延伸していた市電の輸送力増強のために日本車輌で試作された「親子電車」の片割れです。「親子電車」とは聞き慣れない名前ですが、専用の付随トレーラーを連結して運用できるように設計された車輌のこと。何のことはない、鉄道線での2輌編成で、当初はペアを組むTc1号(ただし片側台車は動台車)が存在していました。形式名のMは「親」である電動車を示しており、その後の札幌市電の顔ともなった連接車(A800形、A810形)の原点ともなった車輌です。

140201n015.jpg
▲1形式1輌、しかも伝統色を唯一堅持しているとあって、出会いを楽しみにしている方も少なくないという。'14.1.31
クリックするとポップアップします。

残念ながら「子」の方のTc1号は十年ほどで廃車となってしまい、現在では札幌市交通資料館に保存されていますが、M101は幾度となく危機をささやかれながらも健在です。そしてその最大の魅力は、車体載せ替えなど大幅な更新を免れ続けてきた昔ながらのスタイルと、抹茶色と表現される緑とベージュに白線の塗色でしょう。今ではこの旧色を残しているのはM101のみで、しかも昨今はやりのリバイバルカラーではなく、他色に変更されることなくずっと継続されてきた点にも好感が持てます。

140201n011.jpg
▲西15丁目の停留場に到着しようとするM101。かつては幌北営業所所属車で国鉄札幌駅構内を急勾配の陸橋で乗り越えていた。'14.1.31
クリックするとポップアップします。

ただこのM101、なかなかお目にかかるチャンスがなく、たまたま運用に入っていないだけなのかもしれませんが、待てども出会えなかったことも一再ではありません。

sapporosidenmap.jpg
▲西4丁目停留場とすすきの停留場間の新設軌道イメージ。この区間は1973(昭和48)年3月31日限りで廃止されているので、実に41年ぶりの復活となる。(札幌市路面電車活用計画より)
クリックするとポップアップします。

ところで、昨年「軌道運送高度化実施計画」が国土交通省から認可され、札幌市は現在、起点・終点となっている西4丁目停留場とすすきの停留場の間約400mを新設軌道で結び、全線のループ化を図る計画です。駅前通り上の歩道側両側に軌道を敷設し、中間地点の狸小路付近には新たな停留場が設けられる予定だそうです(札幌市路面電車活用計画参照→こちら)。ループ化は今年度中に完成予定で、追って新型低床車も増備が図られます。大きく変貌を遂げる札幌市電に期待を抱きながらも、M101と出会う楽しみはそう長くは続かないのかもしれません。

140201n016.jpg
▲「西4丁目-すすきの」の方向幕もループ化完成によって見られなくなる。'14.1.31
クリックするとポップアップします。

機関車表g3.gif

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

140204n001.jpg
▲E353系量産先行車のイメージ。外観のコンセプトは「伝統の継承、未来への躍動」。提供:JR東日本
クリックするとポップアップします。

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は本日、E351系の置き換え用となる中央線用新型特急電車E353系を発表しました。このE353系(量産先行車)は、「伝統の継承」と「未来への躍動」をコンセプトとして、あずさのDNAを引き継ぎながら、日本の中央を走る新時代のダイナミズムを表現し観光・ビジネスユースに対応したデザインとされます。

140204n002.jpg
140204n003.jpg
▲E353系量産先行車のグリーン車(上)と普通車(下)の車内イメージ。内装のコンセプトは南アルプスと梓川の「きよらかさ」、ビジネスの「機能性」とレジャーの「高揚感」。提供:JR東日本
クリックするとポップアップします。

性能的には「空気ばね式車体傾斜方式」を採用し、現行のE351系の「振り子式車体傾斜方式」と同等の走行性能を実現し、さらに一部先頭車とグリーン車に動揺防止装置を採用することにより、乗り心地の向上を図っています。

客室内は静粛性を向上した床構造とし、空気清浄機を設置するほか、空調を個別吹き出しとし、各座席で風向きと風量の調整ができるようになります。もちろん室内照明にはLEDを採用し、消費電力の低減も図られます。
このほか、発表によれば以下のような点が特筆されます。
・各座席にパソコンを置けるテーブルとコンセントを設置。
・車内案内表示器にフルカラーLEDを採用し、行先・停車駅案内等のほか運行情報やニュースなどを配信。
・改良型ハンドル型電動車いす対応の大型トイレ・多目的室・車いすを固定可能な座席を設置。
・ 各客室とトイレ内には乗務員と連絡可能な非常通話装置を設置。
・ 各客室の出入口に防犯カメラを設置。
・ 自動体外式除細動器(AED)を1編成に1台設置。

353fig01.jpg
▲現行のE351系とE353系量産先行車の比較。(JR東日本プレスリリースより)
クリックするとポップアップします。

運用区間は中央本線(東京~塩尻)および篠ノ井線(塩尻~松本)で、2015年夏以降に完成するこの量産先行車(基本9輌編成+付属3輌編成)を使用して、性能評価や技術検証を行う予定としています。

機関車表g3.gif

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

ササラ電車と再会。

140201n010.jpg
▲藻岩山をバックに柔らかい冬の陽を浴びてしばし休息の時を過ごす雪3。一転、この数時間後に市内は猛吹雪となった。'14.1.31
クリックするとポップアップします。

先週末は会合があって札幌へ。事前の天気予報では暴風雪とアナウンスされており、それなりの覚悟を決めての渡道でしたが、幸いなことに初日はとても雪まつり直前とは思えない温かさで拍子抜け。翌朝も青空が広がる好天に恵まれ、これ幸いと、山鼻西線の電車事業所前にある電車車両センターで"ササラ電車"を見学させていただきました。

140201n009.jpg
▲雪3のプロフィール。全長(ブルーム端間)は7,816㎜ながら、車体長は4,800㎜と極めて小さい。当初は木造車体で集電装置もビューゲルだったが、1960年代末に鋼体化され、その後、集電装置もZパンタとなっている。'14.1.31
クリックするとポップアップします。

北海道の冬の風物詩ともなっている"ササラ電車"ことブルーム式電動除雪車も、函館の仲間(函館市企業局)がトラックによる除雪が主流となったことでほとんど出番がなくなってしまい、ここ札幌市電に残された4輌だけが日々奮闘している状況です。

140201n006.jpg
140201n007.jpg140201n005.jpg
▲雪1形のブルームはチェーン駆動。走行用とは別のブラシ用電動機(23馬力)によって毎分255回転しながら軌道内の雪を吹き飛ばす。'14.1.31
クリックするとポップアップします。

140201n008.jpg
▲戦後、局工場でブリル79Eを改造したというプリミティブな台車(台車近影参照→こちら)。ホイールベースは何と1,524㎜(5フィート)と極端に短い。'14.1.31
クリックするとポップアップします。

140201n003.jpg"ササラ電車"についてはかつて小ブログでご紹介したことがありますが(アーカイブ「そろそろ出番です」参照→こちら)、今回あらためてその構造をじっくりと拝見することができました。現在使用されているササラは前回ブログでご紹介した頃の山口県萩市産の孟宗竹ではなく、主に東北地方で採れた真竹が使用されているそうです。またその太さも、前回は3㎜角のもの約150本を一束にしているとうかがっていましたが、現在は2㎜角に割かれたもの約200本を一束にし、長さ28.5㎝、直径3.5㎝の円筒形にしたササラ50束を輸入材で作られた木台に打ち付け、さらにその木台8本を放射状に並べて回転軸に固定しているとのこと。これで400束、前後あわせて800束のササラが取り付けられていることになります。
▲"新鋭"の雪10形11は庫の中で待機中。こちらはフランジウェイの氷結を取り除くアイスカッターも装備している。'14.1.31
クリックするとポップアップします。

これまでにも竹以外のさまざまなマテリアルが試されたそうですが、やはりその弾性や路面への影響などから自然の竹に勝るものはなく、札幌では今なお冬の市電の守り神として愛用されているのだそうです。今冬の初出動は昨年11月28日。冬期間は降雪の有無に関わらず毎日初電前に全線を走行し、降雪が激しい際には深夜や昼間にも出動するとのこと。今週始まるさっぽろ雪まつりの輸送確保にも、きっと大活躍することでしょう。

140201n004.jpg
▲雪3の堂々たる面構え。札幌のササラ電車の走行距離は年間約7,000キロにも達するという。'14.1.31
クリックするとポップアップします。

機関車表g3.gif

RML174bn.jpg

kokutetujidai36n2.jpg

レイル・マガジン

2014年2月   

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  
「編集長敬白」が携帯電話でもご覧になれます。下記アドレスもしくはQRコードを読み取ってアクセスしてください。
http://rail.hobidas.com/blog/
natori/m/

ホビダス・マーケット新着MORE

  • 俺がイル
ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2016 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.