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浜寺公園駅を訪ねる。

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▲現代の目から見るととても「駅」とは思えない瀟酒なデザインの浜寺公園駅駅舎。屋根にはドーマウィンドウと呼ばれる屋根窓が設けられている。'12.5.29
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先月復原が完成した東京駅駅舎は連日たいへんな賑わいで、先日立ち寄った際も、記念撮影をされる皆さんで信じられないような混雑ぶりでした。その東京駅(中央停車場)丸の内駅舎の竣工は1914(大正3)年。設計はかの辰野金吾で、すでに日本銀行本店を手掛け、その傑出した設計はわが国を代表するものとなっていました。しかし、辰野が手掛けた鉄道駅舎は東京駅が最初ではありません。東京駅の竣工より7年早く、1907(明治40)年6月に完成したのが南海の浜寺公園駅です。

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▲ハーフ・ティンバー方式と呼ばれる柱を埋め込まずに装飾として利用する工法が目を引く。天井部にも見事な意匠が施されている。'12.5.29
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明治後期、浜寺周辺はわが国有数の海水浴場としてその名を知られ、ひと夏で100万人の人出があるとさえ伝えられていました。南海(当時は南海鉄道)は1897(明治30)年に堺~泉佐野間を開業した際に浜寺駅としてこの駅を設置、10年後の1907(明治40)年に辰野・片岡建築事務所の設計による新駅舎を竣工しています。

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▲右側がかつての一等待合室で、現在は「浜寺公園ステーションギャラリー」として利用されている。'12.5.29
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木造平屋建て、白木・白壁造りの洋風建築は規模こそ東京駅とは比較にならないものの、骨組みとなる柱を装飾を施して露出させるハーフ・ティンバー方式を用いたデザインは秀逸で、築後100年以上を経た今日の目で見ても実に優美なほれぼれとするものです。

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▲浜寺公園駅ホームから本屋を見る。ホーム上の待合室なども凝った造りとなっているのがわかる。'12.5.29
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正面に向かって左側に駅務室、右側には一等待合室がレイアウトされており、現在はさまざまなアートの発表の場「浜寺公園ステーションギャラリー」として活用されています。1998(平成10)年には大手私鉄としては初めて国の登録有形文化財となり、さらに第1回「近畿の駅百選」にも選ばれています。

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▲駅前通りから駅舎正面を見る。画面左手前が阪堺電気軌道の浜寺駅前駅で、両駅の間はまさに指呼の間。'12.5.29
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そんな浜寺公園駅ですが、連続立体交差事業によって6年後には高架化が予定されており、現駅舎の行く末が案じられていましたが、幸いなことに高架駅の前に移設・保存されるそうです。ともあれ、実用駅として体験できるのはここ数年間となるはずで、阪堺電軌など近辺にお出かけの際はぜひ立ち寄ってみられることをおすすめしたいと思います。

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