鉄道ホビダス

2012年10月 9日アーカイブ

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▲今年も世代を超えたナローゲージャーで終日熱気に包まれた第8回軽便鉄道模型祭の第1会場。手前は木曽モジュール倶楽部の出展。'12.10.8
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昨日は山手線目黒駅にほど近い「目黒さつき会館」で、すっかり恒例となった軽便鉄道模型祭が開催されました。8回目となるこの軽便鉄道模型祭は、たった一日だけの開催ではありますが、その濃密さは尋常ではなく、しかもいろいろな意味で毎年進化を続けている稀有なイベントでもあります。

121008n013.jpg会場は大会議室を第1会場、B会議室を第2会場、C会議室を第3会場とし、第1会場には物販関係出展社各社と木曽モジュール倶楽部(KMC)など、第2・第3会場には軽便モジュール倶楽部やクリッターズ・クラブなどエントラントのレイアウトや作品が並びました。また、今回は前日に当たる10月7日に、プレイベントとして講演会『軽便讃歌III』が開催され、 髙井薫平さん、湯口 徹さん、西村 光さん、畑中 博さんらが、貴重な写真・資料を交えて内外のナローゲージ鉄道の魅力を語られるというスペシャル・プログラムも用意されていました。
▲前日に行われた講演会『軽便讃歌III』に出演された湯口 徹さん(中央)と髙井薫平さん(左)の姿も。アートプロのブースで気動車のホワイトボディを手にとって熱い会話が交わされていた。'12.10.8
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▲石井伸明さんの機関庫(Oスケール)は鹿島鉄道の石岡機関区の工場で見たカウンターシャフトとプーリー、ベルトによるプリミティブな動力伝達を再現しようと試みたという。機関庫の精密さはもとより、庫外に打ち捨てられたバグナルの廃車体(下)の表現など、まさに世界レベル。'12.10.8
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日本のナローゲージャーにとっては年に一度の晴舞台とあって、このイベントを目指して昼夜兼行で完成させたという車輌やレイアウトも少なくありません。石井伸明さんのOスケールの機関庫ジオラマ(赤石鐵道比尻機関區/450×450㎜)もそのひとつ。鹿島鉄道の石岡機関区に範をとったという木造矩形庫は究極の精密さで、覗き込むギャラリーからは感嘆の溜息が漏れていました。

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▲陸中松川にあった松川石灰の軌道にインスパイアされて製作に臨んだというDMCの新井一雄さんのセクション。木橋もさることながら、「ある夏休みの一日、汚れたスバルで河原に釣りにやってきた親子...」といったプロットと、おにぎりを傍らに釣りに興じる少年(左)、さらに水中に再現した魚(右)など、思わず微笑むギミックも満載。'12.10.8
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HOスケールではDCCの効用もあって、その走行状態の良さが際立っていました。思えば1976(昭和51)年に開催された最初の「軽便祭」では、メーカーブースを含めて完調で走行できる出展がほとんどなく、かく言う私も、まともに走らないHOn2/7㎜ゲージの自作レイアウトと最後の最後まで格闘していた覚えがあります。今では携帯電話用をはじめとした極小モーターの進化や、電子制御技術の汎用化で走行性能の向上は信じ難いほどで、親指の先ほどの機関車がLEDライトを点灯させてスケールスピードで快調に走る姿を目にすると、キャラメルモーター世代には隔世の感を禁じ得ません。

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▲毎回驚きの発想を見せてくれる管 晴彦さんの新作は「日出生交通ヒラバル(平原)線」。スイッチバックとオメガループの連続する斜面をBクラスのショーティーが客車1輌を従えてよじ登る。頂上のトンネルからは裏面に隠されたスパイラルループを駆け下りて、列車は再び最下段のシェッドから登場する。なお、管さんは先日シアトルで開催された第32回ナローゲージ・コンベンションのコンテスト(Special Equipment部門)で2位に輝いている(右上)。'12.10.8
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今ではすっかり定着した"モジュール"の概念ですが、新たな動きも見受けられました。ひとつはDMCが出展したOスケールのモジュールで、展示台の高さ(収納箱の規格)と軌道の高さ・接続穴の位置のみ共通化し、モジュールそのものは大きさを含めて自由裁量としたものです。しかも「水平面から作ることが多い情景(模型)を、面ではなく立体から構想することを共通のテーマとしました」と解説展示されているように、その試行は旧来のモジュールの概念に新風を吹き込むもので、今後の発展が楽しみでなりません。

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▲植生表現の見事さで注目を集めていた大竹尚之さんのOスケールレイアウト(900×400㎜)。プリザーブド・フラワー用の溶液とステインを駆使して自作したシーナリィーは圧巻。'12.10.8
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もうひとつは市販のN用のレールを使用してA4サイズの長手半裁ほどのベース板をモジュールとした「ケートラ」(Ke-TRUCK)の始動です。展示台の代わりにも使え、週末のちょっとした時間で気軽に情景工作ができるこの新しいモジュールも、今後新しいウェーブとなってゆくと期待されます。

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▲「お見せしたいものが...」と谷川雄介さんが取り出したのが、何とあの島軌道の"ウシ"(編集長敬白アーカイブ「北ドイツのナローを巡る ~「ウシ」のこと~」参照→こちら)。鼻血ブー(?)のイラストも忠実に再現されていてびっくり。'12.10.8
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121008n101.jpg模型以外で注目されたのが南軽出版局による新刊書籍『基隆炭鉱鉄道』です。KEMURI PROを核とした南軽出版局が、台湾の基隆炭鉱で活躍した蒸機2フーターを纏めたもので、かつて『鉄道讃歌』やキネ旬の『蒸気機関車』誌でその一部が発表された"基隆"のまさに集大成ともいえる一冊。80頁あまりの誌面に踊る生き生きとしたナロー蒸機の姿はあまりに感動的で、「「風景・人々・出来事」を羅列してでも、一つの鉄道を表現することにあった」(あとがきより)というKEMURI PROの一貫したスタンスとあいまって、ナローファンのみならず、鉄道写真を志す方にもぜひご覧いただきたい写真集となっています。なお、書泉グランデをはじめ、一部の模型店でも今後取り扱いがあるそうです(A4変形ダブルトーン/2,300円)。
▲南軽出版局の新刊『基隆炭鉱鉄道』。"Steam on 2ft.Lines Ⅰ"のサブタイトルにあるように、今後も2フィート蒸機関連の続刊を計画しているという。'12.10.8
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▲Oナローモジュールクラブの小林隆則さんの新作から。草軽や伊香保など、高原の独特の空気感が見事に再現されている。'12.10.8
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