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今を生きる大阪市電の敷石。(上)

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▲高野山奥の院への参道に使用されている大阪市電の敷石。緩くカープするあたりは圧巻。静寂の中に鹿の姿も...。P:宮武浩二
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昨年、法善寺横丁の石畳に再利用されている大阪市電の敷石についてご紹介いたしましたが(編集長敬白アーカイブ「法善寺横丁に生きる大阪市電」参照→こちら)、宮武浩二さんはその後も市電敷石に関して調査を続けられており、先日、さらに詳細なレポートをお寄せ下さいました。

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▲真言宗の聖地、高野山奥の院の参道。市電敷石の見事な景観美だ。P:宮武浩二
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大阪市電の敷石の活用について、その後敷石の資料も出てきましたのであらためて紹介したいと思います。
明治時代の大阪市電は、舗装も何もない道路上にレールを敷設しただけの簡易な軌道敷でした。しかし電車の運行が頻繁になるにつけて、砂埃が舞い上がるようになると、沿線の商店主などから、商品が汚れる、または家の中まで砂埃が入ってくると苦情が多く、一方で雨が降るとぬかるんで電車の中まで泥があがり、対策が急がれました。

okunoiniriguchi.jpgそこで四角く切り出した石を軌道の部分に敷き詰めることで、軌道を守ると同時に砂埃の対策として敷石が広く用いられるようになったのです。敷石の寸法は厚みが100㎜、縦方向が450㎜で横方向は500.・600・800㎜の3種類の組み合わせとなりました。まずは軌道外の敷石が600㎜1個、次に軌条を挟んで500㎜と800㎜の2枚が軌条間に入り、1,435㎜の軌間となります。続いて500・600・500㎜の石を3個、もしくは800㎜の石を2個組んで1,600㎜の空間を作ります。続いて軌条が入って500・800㎜の2個の石が、さらに軌条を挟んで600㎜の石を敷き詰めると標準軌間の複線軌道敷が完成します。詳しくは『大阪市電気局四十年史』、または五十年史に詳細な軌道敷の図面が掲載されており、敷石の寸法には法則があることがわかります。
最近調査した再利用の例をいくつかご紹介しましょう。
▲高野山奥の院入口付近。整然と敷き詰められた石畳が見事。場所は南海りんかんバス奥の院前下車すぐのあたり。P:宮武浩二
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▲法隆寺と同じく聖徳太子所縁の大阪市天王寺区にある四天王寺にも大阪市電の敷石が20000枚引き取られている。境内の各伽藍への参道のほとんどの石畳が市電の敷石で、特に亀ノ池周辺(写真)、宝物館周辺が見どころ。議院石以外の産地の敷石も混在している。P:宮武浩二
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▲四天王寺の敷石を実測してみる。左から400×500㎜、400×600㎜、400×800㎜。P:宮武浩二
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▲奈良の大仏として有名な東大寺の境内にも鏡池から二月堂に抜ける小道に敷石を見ることができる。ここにはほかに京都市電の敷石もあるが、寸法を測ると区別できる。P:宮武浩二
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