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原鉄道模型博物館 7月10日開館。

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▲原さんの鉄道模型を代表する作品がこのFS E626(1/32)。ハンダ付けをいっさい用いずに、洋銀部品をすべてリベットとビスによって組み立てている。部分アップにしてもこの量感は絶句。'12.6.20 
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古くから鉄道模型を嗜まれている方なら、原 信太郎(はら のぶたろう)さんのお名前はご存知に違いありません。80年近く前から1番ゲージの鉄道模型を作り続けられ、また各国の歴史的鉄道模型製品も精力的に収集されて、神戸のご自宅には「シャングリ・ラ鉄道」と名付けられた100畳分もある巨大レイアウト(非公開)をお持ちです。所蔵されている鉄道模型は約6,000輌。そんな原さんのコレクションを中心としたその名も「原鉄道模型博物館」が7月10日(火曜日)にオープン予定で、昨日はその内覧会が行われました。

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▲メインとなる「いちばんテツモパークジオラマ」は実に面積約310㎡。1番ゲージの室内レイアウトとしては世界最大級で、30分に一度は原さんご自身の作品も走行する予定。'12.6.20 
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120620n020.jpg今年の2月に竣工したばかりの横浜三井ビルディングの二階にオープンする「原鉄道模型博物館」は延床面積約1,700㎡、展示面積約1,200㎡、展示車輌約1,000輌という巨大なもので、館長はもちろん原 信太郎さんご本人。原さんが拘り抜かれる「本物の技術」と希少なコレクションを中心に、国際都市・横浜、そして鉄道発祥の地・横浜にふさわしいわが国を代表する鉄道模型の殿堂、文化交流の場をめざして新設されたものです。
▲原鉄道模型博物館は今年2月に竣工した横浜三井ビルディングの二階にあり、横浜駅東口から徒歩5分ほど。年間20万人の入場を想定しているという。'12.6.20 
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▲エントランスには自動券売機と自動改札が備わる。'12.6.20 
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館内はおおまかに3つの展示室と、約450mの路線延長を誇る巨大な1番ゲージレイアウト「いちばんテツモパーク」、そして地元横浜の今昔を再現した「横浜ジオラマ」から構成されています。エントランスを入ると最初は第一展示室「原模型の真髄」。小学生の時に自作し、現在でも走行可能というファーストモデルが完全なかたちで残されているのも驚きなら、素材に拘って室内まで作り込まれたオリエント急行の木造客車などにも圧倒されます。

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▲高級感あふれるサロンのような第二展示室。原さんが製作・収集した数々の鉄道模型を、「高速機関車物語」や「トロリーポール物語」といったテーマごとに展示している。正面はご自宅の「シャングリ・ラ鉄道」の様子。'12.6.20 
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続く第二展示室では「語る模型」と題して膨大なコレクションの片鱗を見易いディスプレーで展示。あわせて「シャングリ・ラ伝説」としてご自宅の「シャングリ・ラ鉄道」を紹介しています。この第二展示室横の壁面を利用した展示プロムナード「原信太郎と鉄道史」は鉄道年表とリンクさせるかたちで原さんの趣味遍歴がビジュアルに綴られていますが、この年表を目にするとあらためてその趣味歴の長さが実感できるでしょう。

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▲ご自宅の工作室を再現した「模型工房」(左)と展示プロムナードの「原信太郎と鉄道史」の展示(右)。'12.6.20 
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第三展示室はその名も「ヴィンテージ・コレクション」。世界的な鉄道模型コレクターとしても知られる原さんご秘蔵の模型の数々をはじめ、東海道新幹線開業日の一番切符など、こちらも拘られた一番切符コレクションの数々も展示されています。

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▲原さんが小学6年生の時に初めて自作したという電気機関車。パンタグラフはドイツの模型をまねて針金で作ったものというが、この時からすでに架線集電が可能というから驚き。'12.6.20 
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▲室内の作り込みも尋常ではない。第一展示室の「原模型の真髄」では素材にまで拘った数々の作品を目にすることができる。'12.6.20 
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▲鉄のレールと鉄製の車輪に拘り、走行面でもより実物に近い惰力走行を可能にするパワートレーンや電気回路など、独自の開発を細かく見ることができる。'12.6.20 
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回廊状になった館内をさらに進むと急に目の前に展開するのが巨大な1番ゲージレイアウト「いちばんテツモパーク」。約30m×約10mの巨大なレイアウトには蒸気用路線1本、電気用路線3本、市電用路線2本が巡らされており、さらには頭上には可動するロープウェーまで配置されています。ストラクチャーもひとつひとつ見ていると切りがないほどで、その量感にはあらためてビッグスケールの魅力を再認識する思いでした。

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▲FS(フェッロヴィーエ・デッロ・スタート =Ferrovie dello Stato S.p.A.) E626クラス(1/32)の全容。開館特別企画「原信太郎の秘宝 FS E626展」としてオープンから9月2日まで多目的ルームで見学することができる。'12.6.20 
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▲FS E626は1928年から製造されたイタリア鉄道の直流3000ボルト、Bo-Bo-Bo軸配置の電気機関車。外部に面した開口部はすべて開閉可能で、運転室内の手ブレーキを巻き上げると各台車のブレーキもかかるという。パンタグラフだけでも部品点数650点、総部品点数9000点というから空前絶後。'12.6.20 
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"回廊"の最後にあたるのが「横浜ジオラマ」。鉄道創業期の横浜駅や馬車道などから現代の桜木町駅まで、こちらは16番のレイアウトで展開していますが、興味深いのは照明と音響の効果です。24時間を再現して朝から夜へと照明が変化するなかで、市街のざわめきから霧笛までそれぞれの時間にリンクして音響も変化し、模型が実に活き活きと語りかけてきます。

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▲作品ばかりでなく、世界的な鉄道模型コレクターとしても知られる原さんだけに展示品には超がつく貴重品が多い。写真はメルクリンが1919(大正8)年に製造したヴッパタールの懸垂電車模型で、現存品は世界唯一とされる。原さんが1980年代に有名な「クリスティーズ」のオークションに電話参加して落札したもの。'12.6.20 
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最後にあらためて原 信太郎さんをご紹介すると、1919(大正8)年のお生まれで御年93歳。コクヨ株式会社で開発 技術担当(のち専務)をお務めになり、在職中は世界初の立体自動倉庫などを開発。在職時には実に300を超える技術特許を得られ、退職後は新時代の科学技術研究者を支援するべく財団法人原総合知的通信システム基金を設立されています。鉄道趣味は模型のみならず切符のコレクションから海外の鉄道撮影にいたるまで多岐にわたり、ことに戦前から撮影されているとお聞きするムービーは、今や個人の趣味を超えて歴史的価値の溢れるものとなっているはずです。

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▲模型ばかりでなく洋の東西を問わず数々の実物部品も展示されている。右はイングリッシュエレクトリックのコントローラー。'12.6.20 
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ご子息お二人が副館長をお務めですが、そのお二人も幼い頃からいわば"英才教育"で育てられたようです。ここで言う英才教育はこと鉄道のことで、館内の展示によれば、ご長男は小学生の時、トーマス・クックの時刻表を読みこなせるようにトレーニングを受けられたとのことです。いわく、ハンブルクからマドリードへ行くルートを1分で調べて答える...海外の鉄道を知りたいがゆえに、バイリンガルどころか独学で英語、独語、仏語、スペイン語、ロシア語等々に通じた、まさに世界を知り尽くした原 信太郎さんならではのエピソードに思えます。

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▲模型ばかりか実は原さんは海外の鉄道撮影でも傑出した方。何と延べ380か国を撮影して回られたという(左)。右は横浜の今昔を再現した「横浜ジオラマ」(1/80)。中華街をはじめとした横浜の光景が24時間の変化を交えて展開する。'12.6.20 
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▲「横浜ジオラマ」の桜木町駅前。ジオラマ全体に配置されたフィギュアの数々が雰囲気を盛り上げる。'12.6.20 
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▲中華街では春節のお祭りも繰り広げられている(左)。横断歩道では青信号の音楽とともに歩行者が列をなして移動するギミックも。'12.6.20 
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内覧会に先立つ概要説明を、副館長でもあるご次男の原 健人さんは、父はいつまでも子ども心を忘れない。人一倍仕事もやり、かつ趣味を忘れない父の姿に、人生の豊かさとは何かを感じていただければ...と結んでおられました。

■原鉄道模型博物館
オープン:7月10日(火曜日)
開館時間:11:00~18:00(最終入館時間17:30)
休  館:毎週火曜日(祝日の場合は翌営業日に振替)
     年末年始(12月31日~1月2日)
     施設保守点検期間(2月上旬の約5日間を予定)
     ※開業初年度の夏休み、ゴールデンウィーク期間は無休予定
入館料金:大人     1000円
     中学・高校生 700円
     小人(4歳以上) 500円
     ※障害者割引 各300円(付添者1名まで同様)
ホームページ:http://www.hara-mrm.com

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