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伊予鉄道のディーゼル"坊っちゃん列車"。

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▲道後温泉駅を出るD14の牽引する"坊ちゃん列車"。1911(明治44)年に建てられた洋風建築の駅舎が復元されており、この道後温泉駅駅舎との取り合わせは"坊ちゃん列車"のハイライトシーン。'10.6.25 
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一昨日、万葉線に登場した新型除雪車が、現在の軌道線準拠の路線では2例目の内燃車輌とお伝えしましたが、その嚆矢となったのが伊予鉄道が2001(平成13)年に導入したD1形ディーゼル機関車、いわゆる"坊っちゃん列車"です。

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▲1年遅れて2002(平成14)年に誕生したD2形D14はキャブの円形窓と漏斗型の煙突などが特徴。D1形(楕円形のキャブ窓に円筒型の煙突など)と微妙に作り分けられているのも心憎い演出。'10.6.25 
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120524n119.jpg松山ゆかりの俳人・正岡子規没後100年と、翌2002(平成14)年に迎える松山城築城400年を期に、全国的に有名な"坊っちゃん列車"を復活させようと計画されたのがこの蒸気機関車型ディーゼル機関車です。大街道など有数の繁華街を走る軌道だけに、まさか本物の蒸気機関車を復活させるわけにもゆかず、逆転の発想から立案された路面ディーゼル機関車も、実際に営業を開始するまでには幾多の困難が立ちはだかっていたと聞きます。まずはなにより前例のない路面を走る内燃車輌という存在。もちろん過去には内燃軌道はいくつも存在しましたが、1967(昭和42)年に非電化であった札幌市電鉄北線が電化されてからは、30年以上にわたって路面を走る内燃車輌というカテゴリー自体が存在しませんでした。

▲キャブ横に取り付けられた1907(明治40)年クラウス製の銘板。センターに見える"SASGA"とはクラウスの日本側代理店の刺賀商会を示す。もちろんこの銘板もレプリカ。'10.6.25 
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▲母国ドイツのファンもこの画像だけを見せられればまさかこれがディーゼル機関車とは見破れまい。外側スチブンソン式のバルブギアも忠実に再現されている。'10.6.25 
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▲ハ31形客車。屋根上にはトロリーコンタクターを作動させるためのビューゲル風進路制御装置が搭載されている。'10.6.25 
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伊予鉄道では2001(平成13)年5月に愛媛県を経由して国土交通省に認可申請を提出、車輌としての認可とともに、「乙種内燃車運転免許」(動力車操縦者運転免許に関する省令第二章第四条十一)という珍しい免許を取得することとなりました。ちなみに、万葉線も同様にこの免許の乗務員を養成しています。

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▲道後温泉駅に到着した"坊ちゃん列車"。降車終了後、構内踏切を渡って編成ごと引上線に入り、そののち機関車のみ方向転換をする。'10.6.25 
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▲引上線での方向転換を見る。専用の転車台は設置されておらず、機関車自体に仕込まれたジャッキで車体を持ち上げ、人力で方向転換する。'10.6.25 
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120524n109.jpgさて、この"坊っちゃん列車"用ディーゼル機関車は現在D1形D1とD2形D14の2輌が在籍しています。いずれも自重9tのB型(ただし動軸は第1軸で、第2軸へはロッド連動)で、メーカーは新潟鐵工所(D14は新潟トランシス)。梅津寺公園に保存されている実機(アーカイブ「梅津寺公園の伊予鉄道1号機」参照→こちら)がプロトタイプとなっています。また、ともにロッドの駆動をセンサーが感知して音響としての疑似ブラスト音が出るようになっているほか、劇場などで使用されている煙発生装置を搭載して煙突から"スモーク"も出せるようになっており、外観はもとよりその雰囲気までもが在りし日の"坊っちゃん列車"を可能な限り再現しています。実際に目にするまでは所詮レプリカと高をくくっていましたが、実車を目の当たりにするとその心意気に打たれる思いがいたします。

▲連結器もセンターバッファーにスクリュー・リンクの本格的なもの。それだけに解結にはそれなりの手間が掛かる。'10.6.25 
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▲"蒸気機関車"らしいサウンドを響かせて路上を行く。遊園地ならまだしも、レプリカとはいえ、こんな楽しい列車が実際の営業線を走っているのだから驚き。'10.6.25 

客車も専用に用意されており、D1とペアを組むのが全長4,200㎜と小ぶりなハ1とハ2の2輌、D14と組んでいるのが全長6,096㎜と多少大型のハ31で、いずれも2軸の単車です。現在、軌道線で単車の客車に乗車できるのはここだけで、難燃木材で組まれた落着きのある車内はもちろん非冷房。懐かしい落とし窓を開け、車内で貸し出してくれる団扇を使いながら松山探訪を楽しむのも乙なものです。

※出張のため小ブログは29日まで休載させていただきます。

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