鉄道ホビダス

2012年2月アーカイブ

いすみ300形誕生。

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▲いすみ300形302の外観を大原側(2エンド側)から見る。いすみ200型と同じく菜の花をイメージした黄色ベースのカラーリングを踏襲しているが、いすみ200型が15m車なのに比べていすみ300形は18m車であるため、ひと回り大きく見える。前面の行先表示器は方向幕であることに注意。なお、側面の行先表示器はLED方式。'12.2.25 デンタルサポート大多喜 P:RM(小野雄一郎)
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キハ52形の導入が大きな話題となった千葉県夷隅地方を走るいすみ鉄道(大原~上総中野間26.8km)では、1988(昭和63)年の開業以来走り続けてきた富士重工業製のいすみ200型(登場時はいすみ100型、ロングシート改造を受けていすみ200型と改番)の置き換え用気動車としていすみ300形を製造し、先日報道公開が行われました。今回は、本誌に先駆けていすみ300形の見どころをダイジェストでご紹介しましょう。

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▲上総中野側から大原側の車内を見る。車内中央部には4人掛けのボックスシートを左右4セットずつ設置しているほか、車端部はロングシートで、車内右奥の壁面内にはトイレが設置されている。車内設備の最大の特徴は、下段窓が開閉式となっていることであろう。また、木目調の化粧板からは懐かしい雰囲気が感じられる。'12.2.25 デンタルサポート大多喜 P:RM(小野雄一郎)
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いすみ300形は新潟トランシス製のNDCシリーズと呼ばれる気動車で、その軽快な走りぶりから「軽快気動車」とも呼ばれて各地のローカル線などに導入されています。NDCは走行する路線に応じてさまざまなバリエーションが存在するのが特徴で、いすみ300形はいすみ鉄道に合わせた特色を持っています。今回製造されたのは、いすみ300形301と302で、去る2月22日にデンタルサポート大多喜駅に陸送で搬入されました。ちなみに、向こう3年間にわたり毎年度1輌ずつ(来年度はロングシート・トイレなしタイプのいすみ350形)増備するとのことで、最終的にはいすみ300形が3輌、いすみ350形が2輌の陣容となる予定です。

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▲報道公開に先立ち、安全祈願の神事がデンタルサポート大多喜駅構内の車庫内で執り行われた。'12.2.25 デンタルサポート大多喜 P:RM(小野雄一郎)
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まず車輌の外観は、真岡鐵道のモオカ14形の後期車にかなり似通っていますが、カラーリングはいすみ200型と同じく黄色ベースのもの。そして、趣味的にもっとも目が引くのは前面行先表示器が方向幕方式であることでしょう。LED方式全盛の現在、「昭和レトロ」が感じられる設備となっています。また、車内には4人掛けのボックスシートが計8セット設置されていますが、木目調の化粧板に紺色のシートモケットなど、こちらも凝った仕掛けとなっています。また、NDCシリーズでは珍しく窓(下段)が上下に開閉することも見逃せません。

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▲いすみ鉄道が観光急行列車として運行しているキハ52 125と並ぶいすみ300形301と302。キハ52 125は1965(昭和40)年新潟鐵工所製造、そしていすみ300形は2012(平成24)年新潟トランシス製。じつに47年の歳月を隔てて、今春から肩を並べていすみ鉄道で活躍することになる。'12.2.25 デンタルサポート大多喜 P:RM(小野雄一郎)
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いすみ鉄道では試運転などを行い3月下旬のデビューを予定しているとのことです。本誌の次号でも、いすみ300形をより詳しくご紹介する予定です。

取材協力:いすみ鉄道株式会社

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都心に残る貨車移動機。

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▲頑丈な昇降階段が設けられキャブ内への出入りが自由な萩中公園の保存貨車移動機。この時点では再塗装されて間もないのか、エンドビームの警戒色も鮮やかで、全体の状態は決して悪くない。'09.5.4 萩中公園
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かつて大田区の萩中公園に保存されている東武鉄道34号機をご紹介したことがありましたが(アーカイブ「萩中公園の東武34号機」参照→こちら)、今日は同じ萩中公園に保存されている貨車移動機をご紹介いたしましょう。蒸気機関車をはじめとした、言うなれば"見てくれの良い"車輌が保存されるのが通例となっているなかで、貨車移動機といういかにも地味な車輌が保存されているのは稀有な例ではないでしょうか。

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▲ただし、キャブ内はご覧のようにほとんどすべての機器が失われてしまっている。子どもたちの"遊具"としての余生だけに致し方ないのかもしれない。'09.5.4 萩中公園
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そもそも「貨車移動機」とは、戦後、国鉄が駅荷役の機械化のために開発したもので、管理区分上は駅区荷役機械に相当し、自重5tのものを「C系」、8tのものを「E系」、10tのものを「F系」、20tのものを「L系」として車両局機械課(昭和24年時点)が中心となって標準化してきました。それぞれの系列は、たとえばC系列であれば「C形」が戦時中のアセチレン代燃を用いた試作、「C2形」が省営自動車の中古エンジンを再用した工機部直轄製作機、「C3形」「C4形」が蓄電池式試作機、「C5形」が1951(昭和26)年製造開始の標準型量産機といった具合に細かく進化を遂げてきており、個人的には大学時代にその全容解明に躍起になっていたこともあります。ちなみに、5年ほど前に刊行された『貨物鉄道百三十年史』(日本貨物鉄道発行)の貨車移動機(入換動車)の項目は、写真ともどもその頃の私の成果が少なからず反映されたものとなっています。

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▲きわめてプリミティブな足回り。左は前位側から見た床下、右は第2軸(駆動軸)のギヤボックス。'09.5.4 萩中公園
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▲丸穴が特徴の動輪は形式図によればφ600㎜。サイドロッドはかなり細い丸棒(左)。連結器はナックル部が固定された極めて簡易なもの。'09.5.4 萩中公園
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120228n002.jpg話を萩中公園に戻しましょう。保存されているのは1955(昭和30)年加藤製作所製の5t機で、時代から類推してC5形を出力アップしたC6形の1輌と思われます(同年のC7形はトルコン装備)。大田区公園課の表示によれば、1956(昭和31)年3月12日に東海道本線尼崎駅に配置、翌1957(昭和32)年6月5日に城東線(大阪環状線)玉造駅、1961(昭和36)年4月20日に姫新線東觜崎駅に転じていますが、これは同日付けの玉造駅の貨物営業廃止に伴うものでしょう。その後、1973(昭和48)年8月10日に大船工場に移って工場構内の入換えに供され、1976(昭和51)年9月に大田区に払い下げられたものです。
▲台枠に付けられた加藤製作所の製造銘板。誕生の地の加藤製作所はこの公園からは5キロほど。(アーカイブ「加藤製作所を訪ねる」参照→こちら) '09.5.4 萩中公園
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▲昇降階段のない側から見た状況。かつてこの公園で保存されていた都電7502号は残念ながら2006年に解体されてしまっており、このささやかな貨車移動機は末永い保存を願いたいもの。'09.5.4 萩中公園
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C系の貨車移動機はロッド駆動が特徴で、本機も一見華奢な丸棒状のサイドロッドがチャームポイントとなっています。片側に昇降階段が設けられてキャブ内に自由に出入りできるようになっていることもあって、残念ながら運転機器のほとんどは失われてしまっていますが、全体の保存状態は決して悪くはなく、貨車移動機の保存例として末永く大事にされることを願いたいと思います。

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▲いよいよ始まる「鉄道テーマ検定」。第一回のテーマは日本が世界に誇る「新幹線」。 (『鉄道テーマ検定公式ガイドブック 1 新幹線』より)
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すでに新聞各紙やテレビの情報番組でご存知の方も少なくないかと思いますが、大手出版取次の日本出版販売株式会社が運営主体となって一般社団法人日本鉄道テーマ検定実行委員会を設立、この5月に日本初の本格鉄道検定「鉄道テーマ検定」が開催されます。第1回のテーマは「新幹線」。小誌がその公式ガイドブックを製作させていただくこととなり、今週水曜日(29日)に全国書店で発売となります。

tec_001_520px.jpg日本鉄道テーマ検定実行委員会によれば、鉄道に冠するさまざまな"テーマ"を設定して全国規模で行われるこの検定、第1回のテーマは数々の候補の中から新青森〜鹿児島中央間全通一周年を迎える新幹線に白羽の矢が立てられたのだそうです。検定は1級から3級までの3段階に分かれていますが、今回行われるのは2級と3級の2種(1級は別途後日設定)。どちらもマークシート4者択一方式100問で行われます。さらに同じ学校の4名でチームを組み、鉄道テーマ検定2級に挑戦する「全国高校鉄道研究会対抗選手権」(鉄研甲子園)も併催される予定です。

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▲「新幹線車輌の半世紀」では鴨宮モデル線に投入された1000形から現在までの新幹線車輌の歩みを貴重な写真を交えて詳細に解説。 (『鉄道テーマ検定公式ガイドブック 1 新幹線』より)
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第1回「鉄道テーマ検定」実施概要
●開催日:2012年5月13日(日)
●開催地:東京、名古屋、大阪 
●第1回テーマ:新幹線
●実施級:3級、2級
●受験料:3級・¥5,500(税込)、2級・¥5,800(税込)、3級と2級の併願・¥10,000(税込)
●試験時間:説明・10分、試験・60分
●実施時間:3級・13:20〜13:30(説明)、13:30〜14:30(試験) / 開場 13:00
2級・15:10〜15:20(説明)、15:20〜16:20(試験) / 開場 15:00
●受験資格:鉄道を愛する方ならどなたでも、何級からでも受験可能です。年齢など制限はありません。
●出題形式:マークシート4者択一方式、100問
●各級のレベル・合格基準:3級/新幹線が好き・乗るのが好き・見るのが好き、新幹線についてもっと知りたい、から始まる初級レベル。全100問中60問以上の正答者が合格
2級/新幹線が好き、車輌・路線・運用・技術・歴史について関心のある中級レベル。全100問中70問以上の正答者が合格

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▲今や東海道・山陽・九州新幹線のスタンダードとなったN700系。そのバリエーションも増えて複雑となったN700系ファミリーをわかりやすく解説。 (『鉄道テーマ検定公式ガイドブック 1 新幹線』より)
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●申込締切:2012年3月25日⇒締切延長決定!定員に達し次第受付終了します。
(公式ホームページにてご確認ください) 
●申込方法:
1. インターネットからのお申込み
以下のアドレスからお申し込みください。
http://www.kentei-uketsuke.com/tetsudo/
決済方法はクレジットカード決済、もしくはコンビニ決済になります。
2. 郵便払込取扱票でのお申し込み
公式ガイドブックに綴じ込まれている専用の払込取扱票に必要事項を記入し、郵便局でお支払いください。
(払込取扱票設置書店でも入手可能です。設置書店は公式ホームページに掲載いたします。)
●公式ホームページ:
http://www.kentei-uketsuke.com/tetsudo/
こちら

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▲もちろん0系新幹線の歴史はその構想まで遡って詳述。車輌のみならず、「新幹線」というシステムそのものを確固たるものにしたその功績をもう一度振り返る。 (『鉄道テーマ検定公式ガイドブック 1 新幹線』より)
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●「全国高校鉄道研究会対抗選手権」(鉄研甲子園)
同じ学校の4名でチームを組み、鉄道テーマ検定2級に挑戦。合計得点で高校鉄研日本一のチームを選出しトロフィーと副賞を授与。(鉄研部員以外でも参加OK。年齢制限なしの一般の部もあります。)受験料1チーム20,000円(税込)。東京会場は日本工学院蒲田キャンパスを予定。詳しくは公式ホームページ(http://www.kentei-uketsuke.com/tetsudo/)をご確認ください。
主 催:一般社団法人日本鉄道テーマ検定実行委員会
運 営:日本出版販売株式会社
協 賛:日本工学院
監 修:株式会社ネコ・パブリッシング 名取 紀之(月刊『Rail Magazine』編集長)
お問い合わせ先                  
鉄道テーマ検定運営事務局 
〒101-0062 
東京都千代田区神田駿河台4-3新お茶の水ビルディング16階 日本出版販売株式会社内
E-mail:info_kentei@nippan.co.jp
TEL:03-3233-4808(10:00〜12:00及び14:00〜17:00 土・日・祝日を除く)

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▲全編にわたって出題の可能性が高い用語については赤字表記として判別。効率の良い予習が可能となっている。 (『鉄道テーマ検定公式ガイドブック 1 新幹線』より)
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『鉄道テーマ検定公式ガイドブック 1 新幹線』では、歴史・路線・車輌などについて貴重な写真や資料を交えて詳述しており、しかも出題の可能性のあるキーワードに関しては赤字表記とする差別化を行っております。また、巻末には2級50問、3級50問の例題と回答、さらに解説を収録しております。ぜひこの機会にチャレンジなさってみては如何でしょうか。

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わかやま電鉄再訪。(下)

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▲春まだ浅い貴志川線を行く「いちご電車」。その名の通り沿線はいちごの産地で、ことに近年開発された高糖度の新品種「まりひめ」はなかなか手に入らない人気。'12.2.18 大東-大池遊園
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※一昨日未明より「鉄道ホビダス」ブログサーバの不具合により、新規アップロード記事がたびたび消えてしまうトラブルが発生いたしました。ご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます。

ひさしぶりに訪れた終点の貴志駅は構内こそ変わらないものの、駅本屋側を見ると、まるで別の駅かと錯覚するほどの激変ぶりです。世界初(?)となるネコ型の駅舎はあの水戸岡鋭治さんによるもの。小嶋社長は、たま駅長にふさわしい駅舎であることと、和歌山県産の檜皮葺きにすることだけを注文され、あとは全面的に水戸岡さんに委ねられたそうですが、果たして完成した駅舎は誰もが笑みを浮かべるたいへん印象的なものとなりました。

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▲貴志駅に到着した「たま電車」。電車はワンマン運転で、ここ貴志駅も無人駅だが、土日ともなると一大観光地の様相を見せる。'12.2.17
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この檜皮葺きの屋根の最も難しい「目」の部分は何と高野山のお寺を手掛けておられる名工の方が自ら葺かれたものだそうで、近年重視されつつある地産地消の観点からもたいへん意義深いものでしょう。

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▲伝統の檜皮葺きで新築された貴志駅本屋。もちろんスーパー駅長の「たま」にちなんで世界初(?)のネコ型駅舎となっている。'12.2.18
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▲無人駅とはいえ、駅舎内には「たまカフェ」が設けられており、コーヒーブレイクを楽しめるほか、各種のノベルティグッズも販売されている。'12.2.18
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駅舎内には「たま」専用の駅長室と喫茶室を兼ねた「たまカフェ」が設けられており、これまたたいへんな賑わいです。この貴志駅舎を含め、和歌山電鐵株式会社と貴志川線の未来をつくる会が取り組んできた一連のプロジェクトは広く顕彰されて、昨年の「鉄道の日」には日本鉄道賞表彰選考委員会ローカル線客招きアイデア賞も受賞しています(アーカイブ「第18回"鉄道の日"より」参照→こちら)。

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▲この4月で御年13歳になる「たま」は専用の"駅長室"で丸くなって寝ていることが多くなったという。'12.2.18
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▲西国三社参りで知られる沿線だけに、貴志駅のホームには電車に因んだ「いちご神社」「ねこ神社」「おもちゃ神社」(右から)の3社が設けられている。'12.2.18
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▲スーパー駅長「たま」を一目見ようとこの日も貴志駅駅舎内はご覧の人だかり。伊太祈曽駅新駅長に就任した「ニタマ」ともどもますます人気が高まりそう。'12.2.18
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120222nbook001.jpgところで伊太祈曽駅でのセレモニーの際、小嶋社長からつい先日ご自身が上梓された新刊『日本一のローカル線をつくる たま駅長に学ぶ公共交通再生』(学芸出版社刊)を頂戴いたしました。両備グループの総帥として、和歌山電鐵ほか公共交通7社の赤字路線再生を含め交通運輸事業15社の再建を手掛けられた小嶋社長ならではの現状分析と経営判断は実にダイナミックで、一見奇策と思える数々の手法もこの本を読むとその真意がはっきりと見えてきます。「先進国で公共交通を民間に任せきっているのは日本だけ」と喝破される本書、あまりの面白さに、実は私は帰りの新幹線の車中で読了してしまいました。
▲小嶋光信社長が今月上梓された『日本一のローカル線をつくる たま駅長に学ぶ公共交通再生』。和歌山電鐵再生への苦闘が生々しく語られており、地域公共交通そのものの再生への提言としてもお薦め。

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▲そして帰路の新大阪駅。まるで遅れていた「くろしお22号」の到着に合わせたかのように、こちらも10分ほど遅れていた4001レ「日本海」が隣のホームに滑り込んできた。'12.2.18
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さて、大池遊園の桜や伊太祁曾神社の「木祭り」など、これからの季節、わかやま電鉄沿線には見どころがいっぱいです。来週3月2日(15時10分~16時)のNHKラジオ第1『金曜旅倶楽部』(→こちら)では、このわかやま電鉄を生放送で紹介いたします。ニタマ新駅長も電話で生出演(?)してくれる予定ですので、ぜひお聴きください。

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わかやま電鉄再訪。(中)

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▲沿線随一の景勝地・大池遊園をゆく「たま電車」。あと一か月ちょっとで辺りは満開の桜に彩られる。'12.2.17 大池遊園-山東
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貴志川線はついこの前訪れたばかりと思っていましたが、3年あまりもご無沙汰してしまっていました。実は「いちご電車」、「おもちゃ電車」までは現車を見ているのですが、「たま電車」を見るのは今回が初めて。そのウィットに富んだギミックの数々には今さらながらに驚かされました。

※これまでの貴志川線訪問記は以下を参照
「わかやま電鉄の"猫駅長"」→こちら
「和歌山電鐵に"たまでん"登場?」→こちら

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▲人気の「たま電車」車内。土日ともなると乗り込んだ観光客から歓声が上がる。'12.2.17
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▲「たま電車」は窓側の車内灯もネコ型(左)。よくよく見ると床面にも"足跡"が...。'12.2.17/'12.2.18
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実はこの日(18日)は2匹目のネコ駅長として三毛猫「ニタマ」が伊太祈曽駅駅長に就任するデビュー式典の日。全国からメディアが詰めかけるとあって「いちご電車」、「おもちゃ電車」、「たま電車」がフル動員され、就任式会場となる伊太祈曽駅は朝からたいへんな賑わいとなりました。

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▲和歌山電鐵本社のある伊太祈曽で交換する下り「たま電車」(左)と上り「おもちゃ電車」(右)。この日は「いちご電車」を含め3編成とも運用に就いていた。'12.2.18
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わかやま電鉄と言えば全国的に有名になった終点・貴志駅のスーパー駅長「たま」が思い浮かびますが、実は「たま」もこの春で13歳。人間でいえばとっくに定年の世代となっており、その後継役としても「ニタマ」に課せられた責任は重大です。ちなみにこの「ニタマ」ちゃん、わかやま電鉄の親会社である両備ホールディングスの地元・岡山の国道53号線で拾われた野良だったそうです。生後2ヶ月くらいの真っ黒な子猫で、車に轢かれそうになっていたところを助けられ、シャンプーで洗ったら何と三毛猫だったという曰く付き。同じ三毛つながりでわかやま電鉄2匹目のネコ駅長襲名となったものです。

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▲「ニタマ」伊太祈曽駅長デビュー式典に臨む小嶋光信社長とニタマ。就任間もないためか"駅長帽"がお気に召さない様子。'12.2.18
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▲わずか15分ほどのセレモニーにも関わらずテレビ・新聞など多くのメディアが詰めかけた。なかには中国中央電視台の取材クルーの姿も(左)。伊太祈曽駅改札口はもはやグッズ販売コーナーと化していた(右)。'12.2.18
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この日は両備ホールディングス代表取締役会長兼CEOの小嶋光信わかやま電鉄社長を初め和歌山市長など錚々たる面々が駅頭に集い、テレビカメラの放列の中で「伊太祈曽駅長室完成披露およびニタマ伊太祈曽駅長デビュー式典」が挙行されました。と言っても、何とも和やかな式典で、小嶋社長とニタマの掛け合いにはメディアの側からも笑いが巻き起こっていました。

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▲お披露目された「ニタマ」駅長専用の駅長室。キャットタワーで天井まで登ると、玄関鴨居部にはシースルーのキャットウォークが備えられている。'12.2.18
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今回披露された"駅長室"は伊太祈曽駅待合室の一部を利用して設けられたもので、社員の手作りによるキャットタワーとキャットウォークがシースルーとなっている優れもの。初めて"入室"するニタマもすぐに慣れ、詰めかけたギャラリーにしきりに愛嬌を振りまいていました。

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▲「ニタマ」駅長近影。元野良猫にも関わらず大勢のギャラリーに囲まれても動じることなく立派なもの。'12.2.18
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ニタマ駅長の伊太祈曽駅での勤務は毎週月・火・金・土の10時から16時まで。水曜・木曜はお休みで、日曜日は「公休日」のたま駅長に代わって貴志駅の駅長を代行するそうです。国内はもとより海外も含めて多くのメディアで報道されただけに、この春はニタマ駅長に一目会いたいというお客さんがわかやま電鉄をより一層元気にしてくれるに違いありません。

※昨日未明より「鉄道ホビダス」ブログサーバの不具合により、本エントリーがたびたび消えてしまうトラブルが発生いたしました。ご迷惑をお詫び申し上げますとともに、念のため本エントリーの公開をもう一日延長させていただきます。

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わかやま電鉄再訪。(上)

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▲新大阪駅11番線に入線する381系の「くろしお7号」。この7号のみ京都始発の設定。'12.2.17
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先週末、ひさしぶりにわかやま電鉄(正式には和歌山電鐵)を訪ねるために新大阪から和歌山へと向かいました。改良工事たけなわの新大阪駅コンコースに入って驚いたのが、「鉄道引退記念グッズ」と大書された3月ダイヤ改正で消える100系・300系新幹線、「日本海」、「きたぐに」関連グッズ販売コーナーです。一か所のみならず、売店やお土産店など各所に展開されており、東京在住の身にとっては何とも新鮮な驚きではありました。

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▲ダイヤ改正まで秒読みとなった中、日本海側の大雪で「日本海」と「きたぐに」は運転休止が相次いでいる。この日も運転休止の案内が...。'12.2.17
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▲新大阪駅待合室付近のお土産コーナーには「鉄道引退記念グッズ」と銘打った特設売り場が設営されている。'12.2.17
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新大阪から乗車したのは2057M「くろしお7号」。「オーシャンアロー」や「スーパーくろしお」ではなく「くろしお」を選択したのは、もちろん今春のダイヤ改正での287系化(アーカイブ「"くろしお"用287系登場」参照→こちら)を睨んでのことです。

120218n031.jpg3月17日のダイヤ改正で新大阪~白浜間を結ぶ4往復の「くろしお」が287系に置き換えられる予定で、残る3往復についても7月までに287系化が図られます。今回乗車した「くろしお7号」(この1本のみ京都発)は3月改正では381系のまま存置されますが、恐らくここ数か月の間に再び紀勢本線を訪れる機会はないでしょうから、私にとっては381系「くろしお」乗車の最後の機会となるはずです。
▲のぞいてみるとありとあらゆる100系・300系新幹線、「日本海」、「きたぐに」関連グッズが取り揃えられていた。'12.2.17
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▲381系「くろしお」の4号車に備えられている"パンダシート"。指定席にはなっておらず誰でも座ることができるが、さすがに長時間座っている人の姿はない。'12.2.18
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381系に初めて乗車したのは木曽森林鉄道訪問の折りだったと記憶しています。電化間もない中央西線を右へ左へと"振り子"を効かせて疾駆するその乗り心地は、明らかに従来の電車とは異なったものでした。中央西線時代は乗り物酔いを起こす乗客がいたというエピソードも耳にしますが、今回の「くろしお」の乗車区間・新大阪~和歌山間では残念ながら振り子の機能発揮は見られません。

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▲東京から来たファンには懐かしくも不思議な感じの103系の姿が車窓をよぎる。'12.2.17
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▲モハ380形の6番席はA・D席がなくB・C席のみの一人掛けシート(左)。右は和歌山駅を後にしてゆく乗車してきた2057M「くろしお7号」。'12.2.17
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ご存知のように新大阪(京都)発着の紀勢本線特急は梅田貨物線を経由して大阪駅を通らずに大阪環状線に入り、さらに天王寺駅構内の阪和短絡線を通って紀勢本線に直通します。381系の車窓から大阪駅北地区再開発計画で変貌が予想されるJR貨物の梅田駅(貨物駅)を見られるのも"今"ならではです。

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▲和歌山駅西口の正面。商業施設がひしめくこの駅ビルと逆の東側にわかやま電鉄の和歌山駅がある。'12.2.18
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わかやま電鉄貴志川線はJRの表口ともいえる東口とは反対側からひっそりと出発します。南海電鉄貴志川線から和歌山電鐵貴志川線となってこの春で6年。さまざまな奇想天外な企画を展開した同線の利用客数は現在でも引き継ぎ前に比して13%増を維持しているそうで、廃線の危機に晒されていたわずか14.3㎞のミニ私鉄は、今年もいろいろと話題を作ってくれそうです。

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▲「ありがとう LAST RUN 2012.3.16」の装飾が施された先頭部。'12.2.16 大井車両基地 P:RM(小野雄一郎) (取材協力:JR東海)
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300系新幹線J55編成に先日「ありがとう LAST RUN 2012.3.16」の車体装飾が施され、いよいよ残すところ一か月となったラストランが始まりました。JR西日本の発表によると、最終日3月16日(金曜日)の300系最終列車「のぞみ609号」(新大阪→博多)のグリーン席を含む指定席(計1,323席)は3分15秒、100系最終列車「ひかり445号」(岡山→博多/394席)は何と50秒で完売したそうで、その注目の高さがうかがい知れます。
(ちなみに同じく「日本海」の最終列車は下りが15秒、上りが10秒、「きたぐに」は下りが1分ちょうど、上りが1分10秒で完売)

2012_02_17_otani_masahiro001n.jpgまた、JR西日本から最終運転日3月16日(金曜日)の引退セレモニーなどのイベントの詳細が発表となりました。

新大阪駅
■引退セレモニーの開催
○開催日時:2012(平成24)年3月16日(金) 10:40頃~10:55頃
○開催場所:新大阪駅新幹線ホーム(23番のりば)1号車付近
○対象列車:300系「のぞみ609号」 新大阪駅10:52発
○内容(予定):主催者挨拶、記念品贈呈、出発合図、社員による見送り
■100系・300系新幹線引退記念パネル展の開催
○開催期間:2012(平成24)年3月1日(木)~3月31日(土)
○開催場所:新大阪駅 在来線改札内コンコース
▲「のぞみ」として生を受けて以来親しんできた茶畑とももうすぐお別れ...。'12.2.17 東海道新幹線静岡―掛川 P:大谷真弘 (RM Newsより)
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▲後を引き継ぐN700系、700系と並んだ300系新幹線J57編成。'12.2.16 大井車両基地 P:RM(小野雄一郎) (取材協力:JR東海)
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岡山駅
■引退セレモニーの開催
○開催日時:2012(平成24)年3月16日(金) 11:30頃から11:45頃
○開催場所:岡山駅新幹線ホーム(21番・22番のりば) 6輌編成1号車付近
○対象列車:300系「のぞみ609号」 岡山駅11:40発
      100系「ひかり445号」 岡山駅11:43発
○内容(予定):主催者挨拶、マリンライナーズ演奏、保育園児(さくら保育園)による合唱、記念品贈呈、出発合図、横断幕での社員による見送り
■記念ポストカードの配布
○配布日時:2012(平成24)年3月16日(金)10:30頃から ※なくなり次第終了
○配布場所:岡山駅 新幹線改札内コンコース(改札口付近)
○配布枚数:3,000枚
■新幹線グッズの販売
 臨時売店において、100系・300系などの新幹線グッズを販売。
○販売日時:2012(平成24)年3月16日(金)10:00頃から12:00頃
○販売箇所:岡山駅 新幹線改札内コンコース臨時売店
■横断幕への寄せ書きの受付
最終運転日のホームでの見送りの際に使用する横断幕に、100系・300系新幹線への思い出を自由に綴ることができる。
○受付期間:2012(平成24)年3月1日(木)10:00頃から2012(平成24)年3月15日(木)15:00頃
○受付箇所:岡山駅 在来線改札内コンコース

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▲正面の「ありがとう LAST RUN 2012.3.16」の装飾を輝かせて疾走する300系新幹線J55編成。'12.2.17 東海道新幹線三河安城―名古屋 P:熊崎耕介 (RM Newsより)
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広島駅
■引退セレモニーの開催
○開催日時:2012(平成24)年3月16日(金)12:19頃および12:46頃
○開催場所:広島駅新幹線ホーム(11番のりば) 16輌編成1号車付近(300系)
      広島駅新幹線ホーム(11番のりば)  6輌編成1号車付近(100系)
○対象列車:300系「のぞみ609号」 広島駅12:19発
      100系「ひかり445号」 広島駅12:46発
○内容(予定):横断幕での社員による見送り
■記念ポストカードの配布
○配布日時:2012(平成24)年3月16日(金)11:00頃から ※なくなり次第終了
○配布場所:広島駅 新幹線改札内コンコース
○配布枚数:5,000枚
■横断幕への寄せ書きの受付
最終運転日のホームでの見送りの際に使用する横断幕に、100系・300系新幹線への思い出を、自由に綴ることができる。
○受付期間:2012(平成24)年3月5日(月)から2012(平成24)年3月15日(木)
○受付箇所:広島駅 新幹線改札内待合コーナー および 在来線改札内連絡コンコース
■100系・300系新幹線引退記念パネル展の開催
○開催期間:2012(平成24)年3月5日(月)から2012(平成24)年3月16日(金)13:00
○開催場所:広島駅 新幹線口2階改札外

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▲300系新幹線J57編成の雄姿。J55編成とこのJ57編成の2編成に装飾が施された。'12.2.16 大井車両基地 P:RM(小野雄一郎) (取材協力:JR東海)
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徳山駅
■引退セレモニーの開催
○開催日時:2012(平成24)年3月16日(金)13:13頃から13:27頃
○開催場所:徳山駅新幹線ホーム(7番のりば) 6輌編成1号車付近
○対象列車:100系「ひかり445号」 徳山駅13:27発
○内容(予定):来賓挨拶、周南市長・徳山商工会議所会頭・徳山駅長による出発合図、社員による見送り
■記念ポストカードの配布
○配布日時:2012(平成24)年3月16日(金)11:30頃から ※なくなり次第終了
○配布場所:徳山駅 新幹線改札内コンコース
○配布枚数:2,000枚

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▲車体側面の装飾。サイドの帯もラストランをイメージしたものとなっている。'12.2.16 大井車両基地 P:RM(小野雄一郎) (取材協力:JR東海)
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新山口駅
■引退セレモニーの開催
○開催日時:2012(平成24)年3月16日(金)13:40頃
○開催場所:新山口駅新幹線ホーム(12番のりば) 6輌編成1号車付近
○対象列車:100系「ひかり445号」 新山口駅13:43発
○内容(予定):横断幕での社員による見送り、保育園児による横断幕の飾りつけと見送り
■記念ポストカードの配布
○配布日時:2012(平成24)年3月16日(金)12:00頃から ※なくなり次第終了
○配布場所:新山口駅 新幹線改札内コンコース
○配布枚数:2,000枚
■保育園児(小郡保育園)の新幹線おえかき展示
 保育園児の書いた新幹線のおえかきを展示。
○展示期間:2012(平成24)年3月1日(木)から2012(平成24)年3月16日(金)
○展示場所:新山口駅 新幹線改札内精算所窓口横

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▲「のぞみ343号」として東海道を下る装飾付き300系新幹線J55編成。'12.2.17 東海道新幹線豊橋―三河安城 P:高橋幹生 (RM Newsより)
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博多駅
■引退セレモニーの開催
○開催日時:2012(平成24)年3月16日(金)13:25頃から13:45頃(300系)
      2012(平成24)年3月16日(金)14:15頃から14:40頃(100系)
○開催場所:博多駅新幹線ホーム(16番のりば) 16輌編成1号車付近(300系)
      博多駅新幹線ホーム(13番のりば)  6輌編成1号車付近(100系)
○対象列車:300系「のぞみ609号」 博多駅13:28着
      100系「ひかり445号」 博多駅14:29着
○内容(予定):主催者・来賓挨拶、出発合図、横断幕での社員による見送りなど
■記念入場証の配布
○配布日時:2012(平成24)年3月16日(金)10:00頃から ※なくなり次第終了
○配布場所:博多駅 新幹線ひかり広場口改札内コンコース
○配布枚数:5,000枚
■100系・300系新幹線引退記念パネル展の開催
○開催期間:2012(平成24)年3月1日(木)14:00頃から2012(平成24)年3月16日(金)
○開催場所:博多駅 新幹線ひかり広場口改札内コンコース
■横断幕への寄せ書きの受付
最終運転日のホームでの見送りの際に使用する横断幕に、100系・300系新幹線への思い出を、自由に綴ることができる。
○受付期間:2012(平成24)年3月1日(木)14:00頃から2012(平成24)年3月15日(木)
○受付箇所:博多駅 新幹線ひかり広場口改札内コンコース
■新幹線フォトポイントの設置
新幹線の写真パネルを背景に記念撮影することができる、フォトポイントを設置。
○設置期間:2012(平成24)年3月1日(木)14:00頃から2012(平成24)年3月16日(金)
○設置箇所:博多駅 新幹線ひかり広場口改札内コンコース
※2012(平成24)年3月16日(金)10:00頃から16:00頃までお子様用制服の貸し出しと撮影会を実施

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▲秩父鉄道武州原谷駅でのホキ2500形式への石灰石積み込み風景。行先は日本セメント高麗川工場であった。 (RMライブラリー『無蓋ホッパ車のすべて(上)』より)
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120216rml151s.jpgRMライブラリー第150巻記念としてお届けした『日本の食堂車』は各方面からたいへんご好評を頂戴しており、一部では品薄の状態となってご迷惑をお掛けしております。そんな中、早いもので次の第151巻が完成してまいりました。第151巻はがらっと趣を変えて、これまたご好評をいただいております貨車シリーズの新刊『無蓋ホッパ車のすべて』をお送りします。執筆はおなじみの吉岡心平さん。RMライブラリーではすでに第140・141巻で『有蓋ホッパ車のすべて』をお届けしており、第151巻と続く第152巻の上下巻と合わせて日本のホッパ車のすべてが詳らかになることになります。

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▲側開き式ホッパ車のルーツである側開き式石炭車オテセ9500M44形式。この基本構造は最新のホキ2000JRF形式まで連綿と受け継がれている。 (RMライブラリー『無蓋ホッパ車のすべて(上)』より)
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ちなみに、日本で「ホッパ車」という車種が制定されたのは1953(昭和28)年と意外に新しく、以降、75形式6627輌が在籍してきました。本書はこのうちの無蓋ホッパ車を上下巻に分けてご紹介するもので、合わせてそのルーツである側開き式および底開き式の石炭車についてもご紹介しています。

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▲左ページ上の、3台車を履く不思議なホッパ車はホキ2000形式。製作途上で用途が消滅し、結果試作のみに終わった悲運の形式であった。 (RMライブラリー『無蓋ホッパ車のすべて(上)』より)
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今月発売の上巻では、赤3号の塗色でおなじみのホキ2500形式やホキ9500形式などをはじめ、鶴見線内のみで運用された焼結鉱専用のホキ5300形式、試作のみに終わった悲運のホキ2000形式まで、側開き式ホッパ車14形式と、それを解説する上で欠くことのできない側開き式石炭車7形式を収録しています。

■有蓋ホッパ車のすべて(上)収録形式
側開き式石炭車
オテセ9500M44形式/セキ1(←オテセ11000M44)形式/セキ600(ヲテセ10500M44)形式/セキ1000形式/セキ3000形式/セキ6000形式/セキ8000形式
側開き式ホッパ車
ホキ1二代(旧1400)形式/ホキ150形式/ホキ400形式/ホキ600(旧4000←セキ4000)形式/ホキ2900(旧500)形式/ホキ2000形式/ホキ2100形式/ホキ2500形式/ホキ4200形式/ホキ5300形式/ホキ8100形式/ホサ8100形式/ホキ8500形式/ホキ9500形式

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▲青梅線や西濃鉄道からの運用でお馴染みのホキ9500形式。現在も活躍を続けているが、後継車が登場し、今後の動向が注目される。 (RMライブラリー『無蓋ホッパ車のすべて(上)』より)
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なお、続く3月発売の下巻では、2軸石炭車をルーツとする底開き式ホッパ車と、ホキ800形式などのバラスト散布用貨車に代表される流し板付き側開き式ホッパ車について、新幹線用の形式も含めて収録する予定です。お楽しみにお待ちください。

※明日は不在のため、小ブログは休載とさせていただきます。

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E657系試乗レポート。

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▲試乗したE657系K6編成。同編成は1月21日に日立製作所を出場し、23日に勝田車両センターに到着したばかりの編成である。'12.2.10 P:RM(小野雄一郎)
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いよいよあと1ヶ月ほどに迫ったJRグループの3月ダイヤ改正では、今年も多くの車輌の動きが見られますが、関東地方在住のファンにとって話題の一つとなるのが常磐線の特急「スーパーひたち」「フレッシュひたち」への新形式E657系(アーカイブ「常磐線用新型特急電車E657系が完成」参照→こちら)の投入でしょう。現在、常磐線内では試運転が行われていますが、去る2月10日には関係者や抽選で選ばれた沿線の方々、報道関係者を対象にE657系の試乗会が開催されました。編集部からも小野君が試乗会に参加しましたので、その模様をレポートしてもらいましょう。

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▲試乗会参加者に配られた「試乗会証明書」を試乗列車の前でスナップ撮影。なお、側面の行先表示器は「臨時」表示であった。'12.2.10 P:RM(小野雄一郎)
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▲JR東日本水戸支社管内では、E657系のデビューを宣伝するパンフレットが多数頒布されている。'12.2.10 P:RM(小野雄一郎)
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120215n009.jpgここで、改めてE657系について概要をおさらいしてみましょう。常磐線には現在、ホワイトベースの651系および編成ごとに先頭車輌のカラーが異なるE653系が「スーパーひたち」「フレッシュひたち」として活躍していますが、651系は1989年(2000年ごろに内装リニューアル工事実施済み)、E653系は1997年から営業を開始しており、サービス水準の向上やバリアフリーの推進の観点から新型車輌の登場を求める声も強まってきていました。そこに登場したのがE657系で、第1編成は昨年5月に落成しています。車体の外観こそ異なるものの、盛り込まれている数々の新技術やコンセプトからは、現在「成田エクスプレス」として活躍しているE259系の交直流版とでも言えましょうか。
▲客室扉の上部の案内表示器では、E657系の性能や新技術などをわかりやすく説明した試乗会オリジナルの文章がスクロールしていた。'12.2.10 P:RM(小野雄一郎)
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▲6号車モハE657-106。落ち着いた感じのするシックなカラーのシートが印象的だ。なお、ヘッドレスト(白い枕の部分)は上下に可動するので、ゆったり座りたい方は微調整するのがよいだろう。'12.2.10 P:RM(小野雄一郎)
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▲5号車(グリーン車)サロE657-6。床が絨毯敷きとなっているほか、ヘッドレスト周囲を包み込むようなかたちのシート形状は案外心地よく、旅の道中は少しでもゆっくりくつろぎたいという方にはグリーン車に乗車されるのも一つの手だ。'12.2.10 P:RM(小野雄一郎)
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試乗会は佐貫―水戸―佐貫(ただし、水戸から乗車した試乗会参加者は水戸―佐貫―水戸)の行路で運転されました。使用された編成はK6編成で、指定された乗車車輌はモハE657-106。客室内に乗り込むと、シートモケットが黒色ベースのものを使用しているにもかかわらず、室内はかなり明るい印象を受けます。室内窓下の壁面が明るい木目調の意匠となっていることが一つの要因かもしれません。早速シートに座ってみますと、クッションの硬さは「柔らかすぎず、かといって硬すぎず」といったところでしょうか。長時間座っていても、身体が疲れるということはなさそうです。また、フルアクティブ動揺防止制御装置(1号車と10号車、およびグリーン車の5号車に採用)と、車体間ダンパ装置の効果なのでしょうか、高速運転中でも揺れはあまり感じられません。

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▲5号車(グリーン車)サロE657-6のトイレ。個室内はかなり広く、光の使い方もかなり工夫されており、トイレにありがちな密閉感を少しも感じさせない。木目調の壁面でまとめられているためか、落ち着いて用を足したり、お子さんのおむつを替えたりなどをすることができるだろう。'12.2.10 P:RM(小野雄一郎)
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▲シート背面のテーブルを引き出し、実際にラップトップのPCを置いてみていただいた。肘掛のところにコンセントのプラグ差込口があることに注意。'12.2.10 P:RM(小野雄一郎)
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▲客室内のブロードバンド環境はもちろんスマートフォンでも使用可能。ただし、使用の際にはWiMAXまたは公衆無線LANサービス(UQ Wi-Fi)に契約する必要がある。どのくらいの速度が確立しているかを試しに測定してみた結果は、スマートフォンの画面のとおり。'12.2.10 P:RM(小野雄一郎)
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E657系のもう一つの特色が、WiMAXを活用した客室内のブロードバンド環境でしょう。また、各シートの肘掛部分(一部座席は異なる)には電源用コンセントが設置されており、シート背面の大型のテーブルとも相まって、ビジネスマンの出張にも強い味方となってくれそうです。また、電源コンセントが各座席に設置されていることで、電池の消費量が多いスマートフォンを車内で充電できるという点も嬉しいところです。

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▲試乗列車が水戸に到着。沿線の方々も多数試乗されており、新型特急用車輌への関心の高さと期待が窺えた。'12.2.10 P:RM(小野雄一郎)
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3月のダイヤ改正では、「スーパーひたち」の下り列車10本・上り列車10本、「フレッシュひたち」の下り列車5本・上り列車4本がE657系での運転となり、常磐線の特急の約4割が新型車輌での運転となる予定です。営業運転開始が今から待ち遠しい車輌と言えましょう。

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▲「RM EX」011号の表紙。凍てついた白沢―陣場間を行く寝台特急〈日本海〉は川野秀樹さんの作品。
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弊社が企画・協力しているNTTプライム・スクウェア(株)のデジタルコンテンツ配信サービス「Fan+(ファンプラス)」のオフィシャル・ショップ「鉄動館 ~鉄道車両研究 by 鉄ホビ~」では、「鉄動館 撮り鉄グランプリ」のキャンペーンを開催していますが、いよいよ第5回テーマ「急行〈きたぐに〉」の応募締切が15日となりました。

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▲「RM EX」011号の扉ページでは入賞作品を掲載している。写真は髙橋 明さんの作品。なお入賞作品にも賞金が贈られる。
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これまでも回を増すごとに多くの作品が応募されてきており、選考にもこれまで以上に時間を要するようになりました。今回も応募締切後に行なわれる選考会で優秀賞1点、入賞及び佳作を数点選出し、優秀賞作品は3月1日配信予定の「RM EX」012号の表紙を飾り、入賞作品は扉ページに掲載されます。

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▲「RM EX」010号の表紙は、第3回テーマ「D51 498」で優秀賞を勝ち取った綿貫勝也さんの作品が飾っている。
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120214gp_top_1040px.jpgなお、第3回テーマ「D51 498」は綿貫勝也さんの作品が、第4回テーマ「寝台特急〈日本海〉」は川野秀樹さんの作品が優秀賞に選ばれ、それぞれ「RM EX」の表紙を飾っています。
綿貫さんの作品は、集煙装置と後藤工場式に準じた切取デフを装備したD51 498 による〈SL湯けむり号〉試運転のワンシーンです。モノトーンチックな作品にもかかわらず、ナンバープレートの輝きが良いアクセントとなっています。
また川野秀樹さんの作品は、機関車前面に付着した雪はもちろん、車体側面から床下機器までびっしりと付着した雪が、より一層寒さと張り詰めた空気を強調しているとともに、ローズピンクのEF81が牽引していることもあり、最後の正調ブルートレインを飾るのにふさわしいことから選出されています。

▲「Fan+(ファンプラス)」「鉄動館 撮り鉄グランプリ」キャンペーンページ。
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さて今回は第5回の優秀賞作品選出するとともに、第1回~第4回の優秀賞作品を含めていよいよグランプリを選出することになります。グランプリに選ばれた方には賞金100万円が贈られますので、15日までに急行〈きたぐに〉の作品を応募された方にはグランプリに選ばれるチャンスがあります。ぜひあなたの自慢の作品を応募されてみてはいかがでしょうか。
応募方法の詳細は「鉄動館 撮り鉄グランプリ」キャンペーンページ(→こちら)をご覧ください。

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▲黄昏の中、最後の力走を見せるHiSE。残された時間はあと32日...。'12.1.10 P:野渡優弥 (「今日の一枚」より)

今日からこの「編集長敬白」のトップ画面右サイドに、小田急電鉄さんの"小田急ロマンスカーFacebookページ"のバナーが入ったのにお気づきでしょうか。

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▲特設サイト"THE LAST RUNNING"のトップページ。ポータルとなっているスペシャルムービー(右上)は涙モノ。 (小田急電鉄特設サイト"THE LAST RUNNING"より)
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小田急電鉄では、2012(平成24)年3月17日(土)実施のダイヤ改正に伴い、ロマンスカー・HiSE(10000形)とロマンスカー・RSE(20000形)、通勤車輌5000形の3車種が引退することを記念して、「想いは、引き継がれる」をテーマに、特設サイト"THE LAST RUNNING"を開設しています。カウントダウンに向けた思いが伝わってくる素晴らしい特設サイトで、多くの皆さんにぜひともご覧いただきたいと思います。

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▲引退する3系列の車輌については諸元表や編成図も交えて詳細に解説されている。今後は引退記念限定ムービーもアップされる予定。 (小田急電鉄特設サイト"THE LAST RUNNING"より)
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この特設サイトでは「スペシャルムービー」をはじめ、各車輌の特長、写真、動画、ヒストリー、広告ギャラリーなどを掲載した「引退車両紹介」、5000形・10000形・20000形に深く関わってきた小田急グループ社員のエピソードや想い出、開発秘話などを紹介する「インサイドストーリー」、10000形・20000形の運行予定を表示する「運行カレンダー」、イベント情報を発信する「イベント」、記念壁紙がダウンロードできる「壁紙ダウンロード」などのコンテンツで構成されています。

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▲引退までの10000形、20000形の充当列車が一目でわかるカレンダー(左)は実に便利。運転士やロマンスカーアテンダントが語るインサイドストーリーも必見。 (小田急電鉄特設サイト"THE LAST RUNNING"より)
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さらに「みんなのフォトライブラリー」として、想い出の写真とメッセージの投稿を"小田急ロマンスカーFacebookページ"で募集しています。募集期間は3月16日までで、投稿された方の中から抽選でオリジナルグッズ3種(5000形・10000形・20000形)が各50名(計150名)にプレゼントされます。なお、投稿するにはFacebookへのアカウント登録(無料)が必要となります。また、Facebookメンバーになり"小田急ロマンスカーFacebookページ"で「いいね!」ボタンを押すと、今なら自身のFacebookタイムライン用のスペシャル画像がもらえるプレゼントも行なわれています。

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▲"小田急ロマンスカーFacebookページ"のトップ画面。「いいね!」をクリックすればタイムライン用のスペシャル画像も手に入る。 ("小田急ロマンスカーFacebookページ"より)

この「編集長敬白」トップ画面のバナーは"小田急ロマンスカーFacebookページ"にダイレクトリンクしていますが、スクロールしていただいた下段に「"ラストラン"スペシャルサイト」トップページへのリンクがございます。運命の3月17日まであと32日...ぜひこの特設サイトをお楽しみください。

〔訂正〕
2月10日付「私鉄の"ジョルダン"」について、湯口 徹さんから「栃尾のユキ2はジョルダンとはいえないのでは」とのご指摘を頂戴いたしました。メールには「ジョルダンは何度もラッセルを動かしてできた左右の雪壁を、さらに力任せに押し広げるものですから、ウイングを広げた幅は車両定規どころか建築定規も突破します。栃尾ユキ2は、動力車がプラウで飛ばして左右犬走りに溜まった雪を、更に左右に飛ばす専用のプラウ車です。むしろ特殊なラッセルとするほうが適切かと愚考するのですが...」とあり、確かに「広幅除雪車(ジョルダン)」の範疇よりラッセル車により近いのが実態のようです。ここに訂正させていただくとともに、タイトル末尾にも「?」を追加させていただきました。

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私鉄の"ジョルダン"?。

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▲越後交通栃尾線ユキ2の珍しいカラー画像。手前に見える塩ビのパイプは融雪用のもの。'72.1.2 下長岡 P:澤田節夫
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連日報道されているように今年の降雪量は尋常ではなく、日本海縦貫線の夜行列車の計画運休など、鉄道にも大きな影響が及んでおります。毎日がカラカラ天気の東京に暮らしていると雪国の苦労はなかなか実感できず、先日、雪国のある鉄道の幹部の方にお電話した際も、用件ばかりで除雪のご苦労に思いが及ばず赤面の至りでした。

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▲ユキ2の"ホロ"側。どう見てもかなり重量バランスが悪そう。有蓋部分と端梁を結ぶターンバックルに注意。'72.1.2 下長岡 P:澤田節夫
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雪に悩まされ続ける地域の鉄道では、古くからさまざまな除雪車が試みられてきました。それらは基本的にラッセル式、回転式、広幅式、掻寄式、ブルーム式などに分類されますが、こと私鉄に限っては広幅式や掻寄式は見られませんでした。しかし、そんな中での例外中の例外的存在が越後交通栃尾線のユキ2です。

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▲ふたたびその有蓋部。木製の看視用の出窓(?)が目を引く。'72.1.2 下長岡 P:澤田節夫
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このユキ2は国鉄狭軌軽便線の魚沼線用無蓋貨車を、戦後1954(昭和29)年に自社工場で改造した広幅(ジョルダン)式?除雪車で、2軸の下回りの2/5ほどに無理やり載せたような木造有蓋部が設えられ、台枠中央にはこれでもかというほど大きなプラウを抱えています。無蓋部にはホロ状の覆いが掛けられ、どうやら有蓋部と後部の出入口を介して簡単に出入りができるようになっていたようです。

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▲巨大なスノープラウをデッキ部に載せたモハ209。珍しい直角カルダン車で、電気機関車代用として除雪にも使われた。'73.1 栃尾 P:澤田節夫
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広幅(ジョルダン)式除雪車は基本的にヤードなど除雪面積が広い、いわば平面を得意とするもので、栃尾線にどうしてジョルダンが必要だったのか何とも不思議です。そう言えば、今回ご紹介した澤田さんの記録のように、このユキ2の留置中の姿はほかにも目にしますが、使用中の写真にはまずお目に掛かりません。かつてご紹介した太平洋炭礦の"パタパタ式"除雪車(アーカイブ「パタパタの除雪車?」参照→こちら)もそうですが、実際に使われている姿をぜひ見てみたかった除雪車の1輌ではあります。

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宇高連絡船の名残。(下)

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▲現在の宇野駅の様子。残念ながら宇高連絡船ありし頃の賑わいは感じられない。'12.1.14 P:宮武浩二
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さて今度は本州側の港であった宇野を訪ねてみましょう。宇野港は再開発が進んで、昔の線路跡、連絡船への連絡通路の跡は道路などに変わり、わずか20年ほど昔の連絡船の遺跡はほとんど見られません。ただ新しく建て直された宇野駅駅舎の中に連絡船のパネルが掲出されているぐらいです。

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▲玉野市立海洋博物館に展示されている宇高連絡船「瀬戸丸」の船舶模型。'12.1.14 P:宮武浩二
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宇野駅からバスで20分ほど児島に向って海岸線を走ると渋川というところがあります。ここには玉野市立海洋博物館という昔からの水族館があります。私も35年ほど前に訪ねたことがありますが、そこに宇高連絡船の「瀬戸丸」の模型があったことを覚えていたので、改めて訪ねてみることにしました。

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▲「瀬戸丸」(左)と「第三宇高丸」(右)。「瀬戸丸」はかつての「紫雲丸」で、両船は1955(昭和30)年に衝突し、「紫雲丸事件」としてその名を歴史に刻まれることとなる。'12.1.14 P:宮武浩二
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目的の「瀬戸丸」(旧 紫雲丸)の模型は今も展示されており、紫雲丸事件のあとに改装して瀬戸丸として再就航した時の姿を見ることができます。また紫雲丸事件の相手船の第三宇高丸の模型もあって往時を偲ぶことができます。悲しい記憶も残りますが、宇高連絡船78年の歴史は、楽しい思い出も残してくれました。

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▲周囲はすっかり変わってしまったが、宇野駅にはかつての同駅構内や連絡船桟橋の写真も掲げられている。'12.1.14 P:宮武浩二
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終航時の4隻がすべて海外で活躍しているというのも嬉しいことです。このほかに宇野桟橋に保存されていた「鷲羽丸」の船名板も高松市内の図書館に収蔵されているようです。たしか以前には大阪の弁天町の交通科学博物館にも讃岐丸の大型模型があったように記憶しています。昨年は連絡船を偲ぶ航海があったそうで、残念ながら私は参加できませんでしたが、またの機会があればぜひ参加しいと思います。

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▲宇野駅東の宇高連絡船桟橋跡地の今。かつては昼夜を分かたず本四連絡の乗客があふれていた場所である。'12.1.14 P:宮武浩二
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余談ですが宇野駅から両備バスで渋川まで乗車したときに、同乗されたおばあさんと話す機会があり、「私のつれあいが昔、玉野市電の運転士をしていました」というお話を伺うことができました。路線バスの旅も出会いが多く、良い思い出になり、今度は知人と玉野市電の線路跡でもたどる旅をしようかと相談しています。

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宇高連絡船の名残。(上)

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▲ビル1階エントランス部の"レールモニュメント"。入口のガラス扉には蒸気機関車のシルエットが...。'11.12.25 P:宮武浩二
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瀬戸内海から宇高連絡船がその姿を消して間もなく24年。その痕跡も次第に消えつつあるなか、宮武浩二さんから所縁の地を訪ねたレポートをお送りいただきましたのでご紹介いたしましょう。

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▲高松港旅客ターミナルビル全景(左)と展示されている宇高連絡船の船長制服(右)。'11.12.25 P:宮武浩二
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昨年末の琴電レトロ電車運行のついでに、高松港旅客ターミナルビル内の「宇高連絡船記念展示場」を見学してきました。高松港旅客ターミナルは元の宇高連絡船埠頭跡地を埋め立てて整備された場所にあり、2階が喫茶コーナーなどを備えた待合所と乗船口、5階には高松港管理事務所中央監視室などがあります。そして、その3階に「宇高連絡船記念展示場」が開設されています。

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▲ターミナルビル内からエントランス部のレールモニュメントを見る。'11.12.25 P:宮武浩二
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▲「宇高連絡船鉄道レールモニュメント」の説明板(左)と、連絡船桟橋可動橋に使用された可動橋特殊レールの解説(右)。'11.12.25 P:宮武浩二
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スペース的にはそれほど広くはないものの、入場は無料で、9時から19時まで自由に見学できるようになっています。展示場には歴代の連絡船の写真パネルの他に、モデルシップ愛好家が寄贈した連絡船の精密な模型、連絡船ゆかりの品々が大切に保存されており必見といえます。

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▲大川勉さんが寄贈された歴代連絡船の模型。'11.12.25 P:宮武浩二
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▲讃岐丸のプロペラ(左)と、同じく讃岐丸の救命胴衣といかだ用コンテナ(右)。'11.12.25 P:宮武浩二
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また、ビル1階のエントランスには鉄道連絡船があった証として、ビルを連絡船に見立てビルの中まで線路が敷かれています。レールモニュメントと題されたこのディスプレーは、JRより支給されたレールを用い、ガラス扉に機関車のシルエットを描いて連絡船に列車が出入りするイメージを再現しています。

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▲記念展示場から見える現在の高松港。'11.12.25 P:宮武浩二
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▲高松駅の「連絡船うどん」店舗。こちらは駅構内側。'11.12.25 P:宮武浩二
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いっぽう、高松駅前には「讃岐丸」の錨がモニュメントとして設置されているほか、高松駅構内の「連絡船うどん」店には「眉山丸」の操舵輪、「土佐丸」の号鐘も展示されています。特に「眉山丸」の操舵輪は手で触れることができるのが驚きです。

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▲「連絡船うどん」店店頭に置かれた眉山丸の操舵輪(左)と、店内に吊り下げられた土佐丸の号鐘(右)。'11.12.25 P:宮武浩二
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▲「連絡船うどん」店の駅外側入口(左)と眉山丸操舵輪の説明板(右)。'11.12.25 P:宮武浩二
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▲現在の高松港岸壁。来年でこの海から鉄道連絡船が消えて四半世紀となる。'11.12.25 P:宮武浩二
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▲石北本線愛別-中愛別間の石狩川橋梁を渡り、カーブから直線へと進む雪551レ。'09.2.28 P:佐々木裕治 (『お立ち台通信vol.9』より)
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2月3日発売の『お立ち台通信vol.9』が好評をいただいております。早くも9巻目となる今回の特集は、最後の牙城で奮闘する伯備線のEF64、宗谷本線・石北本線の定期ラッセル、置換えの迫る紀勢本線381系「くろしお」です。

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▲巻頭特集では近年注目を浴びる宗谷本線と石北本線のDE15による定期排雪列車を地元の佐々木裕治さんが徹底ガイド。 (『お立ち台通信vol.9』より)
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120207_001.jpg特集の各ポイントを含め収録撮影地数は238か所、全国各地から寄せられた撮影地ガイドの中には、3月ダイヤ改正を前に注目を浴びる「日本海」の撮影ポイントや、高山本線の国鉄標準色のキハ40・48のポイントも多く、いますぐに役立つ内容となっています。
『お立ち台通信』は原稿募集の応募条件として、公道上から撮るということを原則としていますから、踏切周辺や跨線橋など安全かつ安心して撮影に臨めるよう、ラインナップを構成しています。高度なテクニックも特殊なレンズも必要なく、誰でも気軽に...というスタンスはvol.1から共通、最新のvol.9もドライブや散歩の道すがら立ち寄れるポイントを数多く掲載しました。

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▲EF64形0番代最期の牙城となった伯備線。風光明媚な同線を行く愛知区の"ロクヨン"を確実に捉えられるポイントをご紹介。 (『お立ち台通信vol.9』より)
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さて、vol.1からvol.9までで撮影ポイント数は、実に延べ2200か所。振り返ってみますと、2008年2月に発行したvol.1の表紙は旧余部鉄橋、vol.2の特集には0系新幹線が登場します。4年前とはいえ撮影対象は大きく様変わりしました。そして今回掲載している「日本海」や、583系「きたぐに」は3月改正で臨時列車化、新幹線300系・100系、JR東海371系、小田急電鉄10000系・20000系・5000系も消えてゆきます。それらを追ってお出掛けになる向きも多数いらっしゃると思います。

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▲287系への置き換え迫る紀勢本線の381系「くろしお」(左)や、注目の寝台特急「日本海」などすぐに役立つ情報も満載。 (『お立ち台通信vol.9』より)
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▲高山本線(左)や福知山線(右)などリバイバルカラーや"准国鉄色"で注目を集める撮影地の数々もご紹介。 (『お立ち台通信vol.9』より)
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撮影対象は変われど、撮影地の大半はさほど変化はありません。消え行く車輌を追って...というわけではなく、のんびりと楽しみたい方にも、Webの「お立ち台通信」や、お手元のバックナンバーも併せてご覧いただければ、おおいにお役に立つはずです。最新のvol.9もカメラバッグや愛車のドアポケットにぜひ一冊どうぞ。

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▲横浜市都市発展記念館は、みなとみらい線日本大通り駅3番出口に直結。特別展は3階の企画展示室で開催されている。'12.2.3
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先日の「横浜市電滝頭工場の入換機」(→こちら)でも予告をお知らせいたしました横浜都市発展記念館の特別展「横浜にチンチン電車が走った時代」が始まり、私も先週末に同館に伺ってまいりました。

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▲3つの時代に分けられて展示が展開されている。横浜市都市発展記念館自らの収蔵資料はもとより、横浜開港資料館など僚館からの展示物も少なくない。'12.2.3
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横浜市電が最後の運転を終えたのが今からちょうど40年前の1972(昭和47)年3月31日。残されていた元町線や花園橋線の終焉とともに、戦前から市民に親しまれた横浜市電は歴史の彼方へと消え去ってしまいましたが、今回の特別展では40年の歳月を感じさせないほど充実した展示が繰り広げられています。

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▲系統板の実物(左)と市電保存館から借り受けて展示されている1500形運転台モックアップ(右)。運転機器は実物。'12.2.3
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▲500形の前照灯や雨宮製作所の製造銘版(左)など貴重な逸品も...。展示室床面には市電全盛期の横浜地図がディスプレーされ注目を集めていた。'12.2.3
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展示は3部に分かれ、まず「都市交通としての路面電車のはじまり」として横浜電気鉄道の時代、次に「公営化された都市の路面電車」として横浜市電の時代、そして「路面電車の最盛期とその限界」と題して市電からバスと地下鉄への転換を展望しています。

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▲長谷川弘和さんや渡辺渥美さんをはじめとしたベテランファンの皆さんのカラー写真が数多く見られるのもありがたい。ちなみに画面右に見える色分けが特徴の横浜市電方向幕は、同意匠の手ぬぐいがミュージアムショップで売られており、なんとも微笑ましい。'12.2.3
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▲電停表示板(左)の実物も展示されている。また、2階では日本路面電車同好会の協力による写真パネル展「新しい都市の交通・LRT 海外を走る次世代の路面電車」も開催されている。'12.2.3
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展示会場は決して広くはないものの、部品や模型を交えた展示は立体的な起伏に富み、数多くの初見の資料と相まって、ぐいぐいと引き込まれるような実に魅力的な展開となっています。また、1階のエントランスホールでは往年のニュース映像のほか、市民の方が撮影された廃止間際の動画も上映されており、こちらも必見です。なお、今週末2月12日(日曜日)をはじめ、2月26日(日曜日)、3月25日(日曜日)の14時からは博物館担当者による展示解説が行われる予定で、この機会にお出でになればより理解を深めることができそうです。

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▲この特別展に合わせて図録(1,500円)も発行されている。A4判96頁オールカラーのたいへん立派なもので、今後、横浜市電を語るうえで欠くことのできない一冊となろう。
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この特別展に合わせてたいへん立派な図録(1,500円)も用意されています。臼井茂信さんや長谷川弘和さんら大先輩方の貴重な写真・資料の数々をはじめ、歴代の路線図や独自の統計など、これまた目を見張る内容で、巻末にはRMライブラリー『横浜市電』の著者でもある岡田誠一さんによる「横浜市電の車両史」なども収録されています。
会期は4月1日(日曜日)まで。まだたっぷり余裕はありますので、早春の一日、横浜散策を兼ねて足を向けられてはいかがでしょうか。

[開館時間]
午前9時30分−午後5時00分 (入館は午後4時30分まで)
[休館日]
毎週月曜日
[入館料]
一般300円、 小・中学生150円
※この料金で当館常設展および横浜ユーラシア文化館もご覧いただけます。
※毎週土曜日、横浜市内の小・中学生と高校生は無料です。
主催:横浜都市発展記念館
共催:横浜市教育委員会
協力:横浜市交通局/(財)横浜市交通局協力会(横浜市電保存館)/横浜高速鉄道株式会社
後援:朝日新聞横浜総局/神奈川新聞社/日本経済新聞社横浜支局/毎日新聞社横浜支局
読売新聞東京本社横浜支局/横浜放送局//FMヨコハマ

取材協力:横浜都市発展記念館

※企画展示室内は撮影禁止です。

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十勝文化会議郷土史研究部会員で元中札内村文化財専門委員をお務めだった小林 實さんがこのたび『十勝の森林鉄道-森とともに生きた幻の鉄路を捜(さが)して』を自費出版(発行:森林舎/A5判304頁)されました。小林さんは御年84歳。失礼ながら鉄道史研究の分野ではこれまで存じ上げなかった方ですが、その著書を拝見してあまりの内容の深さに驚愕いたしました。

小林さんは1927(昭和2)年11月に中札内村にお生まれになり、以来、戦前戦後を通して地元で農業に従事されておられましたが、1978(昭和53)年にトラクターの事故で右腕を切断、一年近くにわたる入院を強いられることになります。そんな時、ふとしたきっかけで明治25年発行の古地図を手に入れ、その標茶付近の山中に鉄道表記を発見したのがすべての出発点だったと述懐されています。

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▲第1章冒頭の十勝線路網図。本書がとり上げる各線を図示したものだが、その多くはこれまでほとんど知られていなかったもの。 (『十勝の森林鉄道』より)

「地下鉄に電車をどうして入れるのか」(中略)しかしそれどころでは無い、明治10年代の末期(20年開通)になぜ、だれが、何の為に、どうやって...と(前書より)。その思いが小林さんを地元・十勝の鉄道史研究に駆り立てたのだそうです。以後、郷土史や地元資料を悉皆調査されるとともに、膨大なオーラルヒストリーも記録されて、今回、まさに満を持しての上梓となりました。

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▲幕別町の新田帯革(ベルト)が敷設した自社山林からの原材料搬出軌道「止若(やむわっか)馬鉄」。途中にはインクラインもあったという。 (『十勝の森林鉄道』より)

書名は『十勝の森林鉄道』と森林鉄道が前面に出てはいますが、本書の構成は以下のように、十勝地方で使用された軌道全般を8章に分けて解説しています。
1:木材搬送の馬鉄・軌道
2:鉱業・殖民軌道ほか
3:十勝川新水路掘削と築堤工事に使われた軌道
4:中小河川の工事に活躍した軌道
5:河川工事とその他に使用された軌道
6:足寄森林鉄道
7:陸別・斗満森林鉄道
8:斗満。音更・十勝森林鉄道
補録:まぼろしの北海道製糖の軌道2線、中村組馬車鉄道と王子専用鉄道

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▲札内川川西築堤工事には自重5tと非常に小型の蒸気機関車も用いられた。一見コッペル風に見えるが、日本機械車輌工業(アーカイブ「千歳鉱山の"双合くずれ"」参照→こちら)や日国工業あたりの匂いを感じるこれまで未見の機関車である。 (『十勝の森林鉄道』より)

本書によれば十勝地方の最初の軌道は1893(明治26)年。北海道集治監十勝分監建設用の木軌道(のちに鉄軌道)が十勝川~分監建設地に敷設されたのが嚆矢だそうです。この十勝分監をはじめ、本書にはこれまで鉄道史の中ではまったく触れられることのなかった多くの軌道が取り上げられており、十勝地方という限られたエリアながら驚愕の内容と言っても過言ではありません。

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▲本論ともいえる森林鉄道に関しては詳細な線路図はもとより、運材台車の詳細図なども収録されており、模型ファンにも歓迎されるに違いない。 (『十勝の森林鉄道』より)
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本題の森林鉄道関係については、帯広営林局が1966(昭和41)年に発行した書籍『森林鉄道』を基礎資料としておられるようですが、この本自体ご覧になった方はほとんどおられないはずで(...かく言う私もコピーのみ)、支線にまで及ぶ沿革や車輌の詳細など、森林鉄道に興味をお持ちの方にとってはまたとない資料となりましょう。

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▲足寄森林鉄道、トマム(斗満)森林鉄道と陸別森林鉄道は最も力を注いで詳述されている。初出の写真も少なくない。 (『十勝の森林鉄道』より)

巻末には3頁にわたって参考文献が列記されていますが、驚くべきはいわゆる趣味書の類がまったくない点で、わずかに小熊米雄さんの『日本における森林鉄道用蒸気機関車について』(アーカイブ「この1冊」参照→こちら)が目につく程度です。一次資料と地元文献を中心にこれだけの著作を纏め上げられたことにあらためて敬意を表するとともに、私たち鉄道趣味の側も、まだまだ未開の地平が切り拓けることを自戒を込めて気づかされた思いがいたします。
なお、本書は自費出版のためISBNコードがなく、道内の春陽堂書店(☎0155・30・7112)、サッポロ堂書店(☎011・746・2940)のみの取り扱いとなっていますが、東京・神田の書泉グランデさんにお願いして、限定数ながら現在開催中の私の推薦図書フェア(→こちら)に加えさせていただきました。都内では唯一、書泉グランデ6階で現本をご覧になったうえでご購入(頒価2200円)いただくことが可能です。

※明日は不在のため、小ブログは休載とさせていただきます。

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名古屋市交N3000形誕生。

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▲N3000形N3101編成を1号車側(赤池側先頭車)から見る。各乗降扉左側には「鶴舞線」のロゴが貼付され、車体側面中央上部に車輌番号とLED方式の行先表示器が取り付けられている。'12.1.20 日進工場 P:RM(小野雄一郎)
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120201n002.jpg名古屋市交通局3号線(上小田井~赤池間20.4㎞)では1977(昭和52)年の開業以来3000形が使用されており、1993(平成5)年の名鉄犬山線との相互直通運転開始とともに3050形を増備して6輌編成化が図られています。しかし、経年によるさまざまな状況変化に対応するため、このたび新型車輌N3000形が導入されることとなりました。

▲N3101を正面から見る。フルカラーLEDで行先を表示し、向かって左側には列車番号、右側には車輌番号を掲出している。'12.1.20 日進工場 P:RM(小野雄一郎)
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▲N3201の車内(N3101側を向いて撮影)。スタンションポールが設置され、吊革の高さも高低差をつけるなどの配慮がなされている。'12.1.20 日進工場 P:RM(小野雄一郎)
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N3000形は桜通線で運用されている6050形と仕様の互換性を図るとともに、バリアフリー化を促進、火災対策の重視や、運転状況記録機能を備えた車両情報装置の搭載など、3000形の名を踏襲しながらもすべてがバージョンアップした車輌となっています。

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▲N3201の優先席および車椅子スペースはN3101との連結面側に設置。'12.1.20 日進工場 P:RM(小野雄一郎)
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編成はN3101(Tc1)- N3201(M1)- N3301(M2)- N3401(T1)- N3701(M3)- N3801(Tc2)の3M3T。車体は大型中空アルミダブルスキン構体で、制御方式はPGセンサレスのVVVFインバータベクトル制御を採用、1C4Mを1ユニットとした車輌単位での制御となっています。

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▲N3101の乗務員室。「車両情報装置」により運転台のモニターで車輌の状態が分かるようになっている。'12.1.20 日進工場 P:RM(小野雄一郎)
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車内は床敷物に名古屋の伝統産業である有松絞りをモチーフとしたデザインを採用するなど地域色にも配慮がなされており、扉開予告表示器および扉開閉予告チャイムの設置など利便性の向上も図られています。
なお、このN3000形の詳細については、本誌次号(2月21日発売号)で名古屋市交通局技術本部の解説によりご紹介できる予定です。

取材協力:名古屋市交通局

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レイル・マガジン

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